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2012年1月 7日 (土)

2012年1月7日

Lanoire04

現在「L.A.Noire」のディスク2を進行中ですが、ここまでの雑感をまとめてみました。

「GTA4」の時点で既に指摘していましたが、それまでのGTAシリーズからファンが期待していた
こととRockstarのスタッフが今後やっていきたいことに大きな差があるのだと思います。
それが「RDR」を経て「L.A.Noire」でさらに剥離したのではないかと。

「GTA4」と「RDR」、それに「L.A.Noire」を入れた3作はある意味では非常に共通しています。
それぞれの本編を隅々までプレイした人であればそんなに違和感を覚えることはないでしょう。

ニコにせよマーストンにせよ、今作のフェルプスにしても共に重い背景を背負った人物であり
そういう彼らがそれぞれの舞台で出会う強烈な個性をもった登場人物とどのような対話をして
どんなドラマが起き、それを見たプレイヤーが何を感じるか。
本当の意味でのロールプレイ体験をRockstarは提供しているのではないかと思います。

過去のヒット作はどれも無法者の立場で描かれており、その自由さを満喫するのがひとつの
楽しみとなっていましたが、「L.A.Noire」では根本的に異なっています。
それはフェルプスが警察官という立場であること。
その点を理解して購入しないと「こんなはずではなかった」という感想も出てくるでしょう。

もともと正義感に溢れている警察官向きの人がプレイするならいざ知らず、大抵の場合だと
「ゲームのなかでまで品行方正したくない」と考える人のほうが多いはずです。
ましてや、いかに犯人が悪人であるかが伝わらないなら仕事の重大さもわかりません。

Lanoire03

そういう意味で「L.A.Noire」は導入編から大きな失敗をしてしまっていると思います。
ただ証拠を集め、証拠が固まったから犯人を取り押さえに行く…という事務的な作業になり
プレイヤーを能動的に仕事に向かわせるに足る内容になっていないのです。

一番最初の事件なんて証拠や証言に一切出てこない「人種の違い」を指摘しなければならず
もはや捜査だの動機だのという要素を完全にすっ飛ばしてるんですよね…。

被疑者に対する質問にしても、3つの選択肢は毎回変わらないので発言のどの部分に対して
疑いをかけたり反証したりするのかプレイヤーに具体的に伝わらないのも問題です。
さらに言えば、それらの選択は不正解でも進行にたいして支障がありません。
(間違った人物であっても犯人であるとしてしまえばその事件は解決となってしまうため)

それぞれの事件や人物の掘り下げが弱い、プレイヤーが理解するのに必要な情報が足りない。
それが「L.A.Noire」を事務的である、同じことの繰り返しであると思わせる点です。

同じ時間あたりの体験として比較すると、「GTA4」のランダムキャラクターのミッションのほうが
よほどドラマチックであり、クリア後にプレイヤーの心に残るものになっています。
そのあたりがもっと丁寧で充実していればシステム面の不自由さは気にならなかったはず。

一連の事件に関連性があることがわかる中盤から、その不満が若干解消されてきました。
なんというか…文芸面に波があるという感じ。満足できる部分もあるのです。

Lanoire02

不満点ばかりでは低評価の裏付けにしかならないので良い点もピックアップしましょう。

個人的にまずお気に入りなのが起動してすぐに表示されるこのメニュー画面。
雨が滴る路地でフェルプスらしき人物が、クルマのヘッドライトを頼りに捜索をしている様子が
シルエットとして表示され、その影がメニューの選択肢となっているのです。

ちなみにゲーム本編も白黒で楽しめるようになっています(オプションでオンオフ可能)。
フィルム・ノワール全盛期の雰囲気を完全再現すべく努力したことがよく伝わってきます。

プレイし始めてすぐにわかるのは徹底した雰囲気作りと世界観の構築。
第二次大戦直後のロサンゼルスを完全再現した街並みには本当に圧倒されます。
クルマも当時の車種をこまかい音まで再現していますが、「GTA4」に比べて運転の感覚が
ゲーム寄りな味付けになってしまったのが若干残念なところです。

非常に地味な話、交通システムそのものは「GTA4」から進化しています。
プレイヤーが信号待ちしていると他の一般車も追い越しすることなくちゃんと止まってくれるし
当時の様式の信号機がちゃんと稼動している様子には鳥肌が立ちます。

「L.A.Noire」最大の売りは登場人物の感情を如実に表す表情の変化にあります。
グラフィックそのものはリアルとは違うんですけど、当時のポスターイラストがそのまま動いて
芝居をしているような感覚があり、美術面ではケチのつけようがありません。
それに素晴らしい音楽の数々。映画音楽やジャズが好きな人には大変なご褒美でしょう。

この「L.A.Noire」を誰かに薦めるとしたら、「GTA4」や「RDR」のような自由度の高いゲームを
好む人ではなく、昔ながらの推理アドベンチャー好きに向けたいですね。



昨年末にテレビ放送された「借りぐらしのアリエッティ」をようやく見ました。実は初見です。

世間的な評価は置いといて、個人的には結構「アリエッティ」好きですね。
ストーリーを要約すると小人が人間に見つかって引っ越す…という非常にシンプルな内容で
「おもしろい」とか「感動した」というような感想が出にくい作品ではあると思います。
なので、わかりやすい感想として自分は「好き」という言葉を選びました。

小人の視点に立ってこだわった音響は良く出来ており、耳で楽しむアニメという感じもします。
また、小人世界ならではの文化や物理表現なども魅力のひとつです。
何気なく配されている小物や建材が我々の生活のどこから切り抜かれたものかを考えながら
彼らの生活を見ると、なるほどと思わされる場面がいくつも散りばめられています。

ただ…テレビ放送時に柱に書かれていたような、恋の物語ではなかったと思います。
あくまで小人たちと人間たちの交流を描いた童話であり、それ以上でもそれ以下でもないので
そこから何を感じ取るかは視聴者次第ですが、少なくとも恋とは言えないはずです。
「アリエッティ」を恋愛モノとして片付けるのはあまりにも雑でしょう…。

お互いが生活するうえで踏み越えてはならない領分がある、という教訓がまず最初に目につき
本能的に死や破滅を悟ることと、死に抗うことや死から救うことの対比も窺えます。
そういう寓話的側面を副産物として拾えれば…というのは余計な見方かもしれませんが。

これは「トトロ」のように、いまもひょっとしたらそこにいるかもしれないと思わせるような作品で
不意にクリップやマチ針を手に取ったとき「いまごろどこでどうしてるかな…?」と空想の世界へ
視聴者を呼び戻すことができる、隙間風のような作品だと思いました。

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