2013年2月1日
「ラブライブ!」のストーリーをを評する際にやたら「王道」という言葉を使う人がいるのですが
アイドルアニメにおける王道とはなんぞや?と思い、少し考えてみました。
自分が思うアイドルアニメの王道とは、主人公がなにかのタイミングでアイドルに出会い憧れ
芸能界デビュー、あるいは養成所で厳しいレッスンを積んで成長していく…というもの。
第一線で活躍する先輩の背を追いかける状況を描くものを連想します。
「ラブライブ!」はというと、廃校に瀕した学校の生徒が他校で活躍するスクールアイドルの
存在を知り、その輝きに希望を見出しスクールアイドルデビューする…という感じ。
目標となる対象が同じスクールアイドルという、言わばインディーズアイドル的な存在であり
動画を撮影して投稿サイトにアップロードすれば、その日からアイドルデビューできるという
非常に現代的なシステムを描いているように思えます。
生徒が思い付きでスクールアイドルを目指し、彼女たちが考えるレッスンメニューをこなす。
そのレッスンのメニューはただひたすら石段を駆け上がるという効果不明なもの。
デビューといっても「わたしたちがやりたいから今日からデビュー!」という敷居の低さ。
言ってはなんですが…すべて自己満足の世界で回ってるんですよね。
その仕上がりを評価してくれるのは、仕組みが不明瞭な謎のアイドルランキング。
これは先に述べたアイドルアニメの王道に合致するものではありません。
「アイカツ」にせよ「プリティーリズム」にせよ、昨今放送されているアイドルアニメは基本的に
自分が思う王道をなぞるようにストーリーが描かれています。
忘れてはいけない「AKB0048」も、この王道を完全に踏襲しています。
最近で記憶にあるところだと「カレイドスター」などもそんな感じだったと記憶しています。
あえて王道という言葉を使うとすれば、「ラブライブ!」は廃校を防ぐための部活もの?という
限定されたシチュエーションにおける王道と言えるかもしれません。
広義の部活ものとして考えれば「けいおん!」などに近いのではないかと。
もはやアニメの定番と言えるハイティーン、しかも女子校の音楽系の部活もの。
「部活として認めてもらいたいけど人数が足りない」なんてあたりはそのまんまですよね。
つまり「ラブライブ!」のジャンルをアイドルアニメとしなければ、王道という表現も適切である
というふうに考えられます。あくまで学園もの、部活ものという範囲で。
劇中の描写の配分が極端に学校寄りであることが学園ものとしての印象を強めています。
逆に「アイドルマスター」は芸能界寄りの配分であったため、彼女たちが普段は学生である
という印象が非常に弱いものとなっていました。
改めて考えると、「アイドルマスター」には憧れの先輩キャラが存在しないんですよね。
トップアイドル像が不鮮明なままトップアイドルを目指すというのもなんだか不思議な話…。
新人としてデビューするのはプロデューサーですし、そのプロデューサーにもお手本となる
先輩プロデューサーが存在しません(アケマスやオンラインだといるかも)。
「2」でようやく律っちゃんが先輩Pとなりましたが、憧れを抱くほど凄腕とも言えず。
話がやや脱線しましたが…「ラブライブ!」のジャンルをなにと定義するかで王道かどうかの
判断も変わってくる、というのが自分が出した結論です。
アイドルを題材にしているからといって、ひと括りにアイドルアニメとは言えないのかも?
それで、「ラブライブ!」は学園ものとして見たらおもしろいのか?という話になりますが。
いまのところ世間で絶賛されるほどおもしろくも、心に響くところもないですね…正直。
普通の学園もの、部活ものとしてありきたりな展開を見せられているだけ。
自分が「AKB0048」を好むのは、普通ではない要素がふんだんに盛り込まれているという
部分もあるので、同時期に放送されているせいで余計にそう感じるのかもしれません。
普通であるからこそ広く受け入れられるというのも当然あると思います。
だって、普通ではない要素をなぜ入れたのか考える必要がないですから。
考えないでも「これはいつもの見方をすればいいヤツだ」とすんなり飲み込めますしね。
楽曲やダンスもその場面を演出するという意識を感じられない、挿入歌として使われている
だけという印象を受けます。お芝居とリンクするところがまるで無いので。
この記事を推敲している最中に峯岸みなみ丸刈り事件が起きまして…。
あきらかに異様なこの『普通じゃなさ』が現代の最先端を行くアイドルがやっていることであり
こういうものも網羅しない限り、現代のアイドルアニメになりえないんですよね。
しかし、そういう『普通じゃなさ』まで取り込んでしまうのが「AKB0048」なのです。
現代のアイドル像を知るためのアニメとして「AKB0048」は欠かせませんし、現実のAKB48は
それ以上に異様な活動を続けているアイドルグループなのです。
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