2013年6月30日
「わがままファッション GIRLS MODE よくばり宣言!」を購入しました。
昨年秋に発売され、おもなターゲットである女性にとどまらず男性にも異様な好評を得た本作。
3DS LLの購入を検討する際に「とび森」とならんで気になっていたタイトルでした。
というか、現在にいたっても「とび森」と本作以外で注目する3DSのタイトルがないほどで。
「GIRLS MODE」は公式的には『よくばりファッション』というジャンルに属しています。
なんじゃそり?って感じですけどね…ただ、ほかに上手い説明ができそうにないのも事実。
プレイヤーはブティックのアルバイト店員から始めて、店長の指導という名のチュートリアルを
経験したのち、店長に任命されてブティックの経営を任されることになります。
店長のおもな仕事は在庫の仕入れや陳列、それとお客さんへの商品の提案です。
これだけ書くと経営シミュレーションのように思えますが、そこまで敷居は高くないのです。
実際プレイしてみるとわかりますが、経営シムというほどシビアな要素はないんですよね。
ほったらかしにしてもブティックは潰れないし資金が底を突くこともまずない。
光熱費やアルバイト店員への給料の支払いという概念もなく、客足が途切れることもないうえ
テキトーな提案でも商品は飛ぶように売れていくという…とにかく苦しさが皆無なのです。
プレイヤーは経営的なことに余計な頭を使う必要がなく、感性のおもむくままに問屋で仕入れて
買い物とファッション、アドバイスを求めるお客さんへの提案を楽しむことができるのです。
コアなゲーマーからすると、難しくないゲームをどうやって楽しむのか?と思われそうですけど
ファッションという『感性に基づくパズル』であると考えてみてください。
多岐に渡るファッションのジャンル、形状、色使い。それらを客の好みに合わせて組み合わせ
いかに好評を得られるか?という、芸術的評価を重視したパズルだと考えられるわけです。
ただ、パズルというほど明確な答えのあるゲームでもないんですよね。
コアなゲーマーが知る既存のジャンルには当てはまらないゲームなのかもしれません。
一番近いところで言えば、モンハンシリーズやMMORPGの装備の組み合わせだけをひたすら
考えるようなゲームという感じでしょうか。しかもステータス無視するタイプの。
防御力やスキルを軽視し、見た目の統一感やかわいさを重視してしまう人ならこのゲームは
至宝と呼べるレベルの幸福感をもたらしてくれるでしょう。
なにせ衣類は15,000アイテム以上、それに膨大な数の化粧品やヘアスタイル、カラコンなど
外見を組み立てる要素が他とは比べものにならないくらい充実しているのです。
キャラクターエディット大好きな人には天国のような環境なわけですよ。
プレイヤーが心ゆくまでファッションを楽しめる、『よくばりファッション』というジャンルに恥じない
欲望の充足と幸福の追求しかない徹底した作りになっているのです。
そして、特筆すべきは細部までこだわりを感じられる丁寧なビジュアルデザイン。
過度にファッション寄りでも女児向けでもない、かといって媚び媚びのアニメ寄りでもないという
絶妙なキャラクターデザインと彼女たちのモーションは非常に魅力的に映ります。
女性にも男性にも不快感なく愛されるであろうこのデザインは本当に素晴らしいです。
お客さんのデータも何人分用意されてるのか…それぞれ個別に名前や好みのジャンルがあり
それが外見に反映されるので、自然と常連客の顔を覚えることができます。
全体の雰囲気が子供向けではないのもポイントですよね。
あえてオトナっぽくすることで、オトナっぽさに憧れる子供たちにも確実にウケそうな雰囲気は
同時にオトナが持ってても恥ずかしくないオシャレさもあるわけです。
目立たない部分では、音楽や効果音、小物のデザインなども秀逸だと思います。
折り畳み式のケータイを閉じたときってこういう音がするよなぁ…って地味に感心したり。
ひたすら褒めちぎってきましたが、不満や違和感を覚える点がないかといえばそうでもなく。
まず、起動時のローディングが長い。起動時にセーブデータも読み込んでしまうせいでしょうが
「とび森」の高速さに慣れてしまうとややダルさを感じてしまいます。
あとは在庫が切れた商品の再補充が難しいこと。需要がありそうな同じ商品を再度仕入れる
という当たり前にできそうなことができないため、最初は戸惑うと思います。
ただ、そうすることによって新たなアイテムへの着目と仕入れにつながっていることを考えると
意図的にそのようなシステムにしたのではないかと考えられます。
そして…先にちょっと触れましたが、労働基準法的にヤバいってことですね(笑)
店長になると自分の勤務時間を自分で管理することになるため、夢中になってプレイしていると
24時間営業のブティックになってしまうおそれがあるのです。
本作をお子さんに与える場合、「自分の時間は自分できちんと管理する」という約束を交わして
プレイさせるべきではないかと思います。これもゲームを通じた学習のひとつ。
いや、むしろ悪いオトナこそこのゲームで自己管理を学ぶべきかな。
気が付くとあまりのブラック企業ぶりに「このブティック大丈夫か?」って心配になりますからね。
そんなこんなで、今後は「とび森」と並行して「GIRLS MODE」をプレイしていきます。
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