2013年12月18日
音楽CDの年間シングルランキング、2013年度のTop100から48Gやジャニーズ、EXILEや韓国系
グループなどの多人数ユニットを除くとどうなるのか?という興味深い話がありました。
いわゆるAKB商法により、CDのランキングは適正ではなくなってしまったと言われています。
では、そのような楽曲を取り除けば自称・音楽通の言う「真の邦楽」ランキングが完成するのか。
実際にやってみると以下のとおりになります。
タイトル | アーティスト | 売上枚数 | Top100中 | |
1位 | ピースとハイライト | サザンオールスターズ | 33.9万 | 17位 |
2位 | 『自由への進撃』 | Linked Horizon | 23.0万 | 30位 |
3位 | Dance My Generation | ゴールデンボンバー | 17.7万 | 34位 |
4位 | Preserved Roses | T.M.Revolution×水樹奈々 | 17.5万 | 35位 |
5位 | 潮騒のメモリー | 天野春子(小泉今日子) | 16.1万 | 39位 |
6位 | 誕生日には真白な百合を | 福山雅治 | 15.4万 | 43位 |
7位 | RPG | SEKAI NO OWARI | 12.4万 | 55位 |
8位 | 革命デュアリズム | 水樹奈々×T.M.Revolution | 11.3万 | 59位 |
9位 | Yin Yang | 桑田佳祐 | 9.9万 | 70位 |
10位 | 南部蝉しぐれ | 福田こうへい | 9.7万 | 71位 |
驚くことに、多人数ユニットやそれらに所属するメンバーのソロプロジェクトだけでTop100のうち
80曲以上を占めていることがわかりました。非対象曲を数えるほうが早いくらいです。
1位はサザンオールスターズの「ピースとハイライト」で約34万枚。
タイトルが初耳だという人もいるかもしれませんが、テレビCMでたくさん流れているので誰もが
一度は耳にしたことがあるのではないかと。さすがはサザンという感じ。
続く2位がなんとリンホラ。「進撃の巨人」ブームもあって驚くべき数字ですね…。
紅白の初出場も決まりましたが、逆にこのランキング内で今年の紅白に出場しないのは1位の
サザンと7位のセカオワのみなので、出場者の選定は適正だったと思われます。
ただ、多くの国民が耳馴染みがあるかといえばまた別の話。
CDの売上に関して言えばアニソンの強さが覗えます(セカオワの「RPG」も一応アニソン)。
アイドルとアニソンがCDの売上を支えているという話はよく言われますが、CDという物理媒体に
商品価値を付加しやすく、購入者側もその価値を見出しやすいのでしょうね。
あとは、音楽の購入方法がいまだにCDで止まっている世代。
サザンや「潮騒のメモリー」、「南部蝉しぐれ」が上位に来る理由はそのへんにあると思います。
ちなみに紅白初出場を射止めたE-girlsは73位、Perfumeは77位、ももクロは79位でようやく
名前が出てくる程度で、テレビ番組などから受ける印象ほど奮いません。
いわゆるロックバンドに属するアーティストだとセカオワの次に来るのは80位のUVERworld。
歌唱力に定評のあるコブクロは99位(7.4万枚)でようやく出てきます。
さて…冒頭の話に戻りますが、これで「真の邦楽」は見えてきたでしょうか。
結局「曲の良し悪しは売上では判断できない」というのが一般論なのではないかと。
しかし、「優れた商品を提供できているかどうか」の判断はできると思います。
48Gのシングルの初回盤を買うと、イベント参加券以外にも収録時間が2時間にもおよぶDVDや
メンバーの生写真、トレーディングカードまでついてくる場合があります。
それで定価はなんと1,600円。冷静に考えると1,600円で提供できるサービスではありません。
初めて買われた方は驚かれると思いますし、次も同様なら買いたいと思うはずです。
楽曲を聞いてもらうための「エサ」としてはこれ以上に優れたものはないでしょう。
上記ランキングでいえば1位のサザンも初回限定盤という商法を用いていました。
いまやCDを買ってもらうためには、金額に見合う商品を提供できているかという点が重要であり
売れないアーティストは商才に欠けているとしか言えません。
今回の企画のように、仮にAKBやジャニーズがこの世界から消滅したとして、自称・音楽通が
支持するアーティストたちが売れるようになるでしょうか?
これは「違法ダウンロードがなくなればCDが売れるようになるか?」という話と同じことです。
努力の矛先を間違えてはいけない。原因を他者に押し付けてはいけないのです。
『尊敬すべき敵』からその兵法を学ばねばなりません。
では、売り方が優秀であればどんなに劣悪な楽曲でも売れるのでしょうか。それは違います。
AKBやジャニーズの楽曲にはファンの心をつかむ優れたものがたくさんあります。
なのにアンチの人はそういう部分に目を向けない。きちんと向き合って見つけようともしない。
音楽を聞かないのに音楽の批評をしていては音楽通を自称することもできません。
CDの購入は信仰の証ではありません。たとえファンであっても無条件にお金を出すことはなく
それが金額に見合う商品なのか、楽曲の良し悪しを確認して支払っています。
自称・音楽通のみなさんがそうであるように、AKBやジャニーズのファンだってそうなのです。
売れている楽曲から売れている理由を探る。それがまず第一だと思います。
売れない音楽を支持することを美徳だと感じているのなら、それはそれで止めませんが。
というか、今年のミュージックシーンを語るうえで「恋するフォーチュンクッキー」を抜きにするなど
音楽通であれば絶対にありえないと思うんですけどね…異論あります?
じつは書きかけで公開しようかどうか迷っている記事がこれ以外にもふたつほどありまして…。
どれも物議を醸すおそれがあるので悩んでいるのですが、ここ最近自分が感じた正直なところを
まとめてあるので、反感を覚悟で公開したいというキモチもあり。
まあ…なんといいますか、年末の大掃除みたいなもんですよ。心の整理というか。
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