2013年12月27日
2013年のベストアニメを過去の記事を読み返して自分なりに決めてみました。
これはあくまで個人的な価値観に基づいたものであり、売上枚数やネットの総意からは離れた
独自のものであることをあらかじめおことわりしておきます。
ただ、どの作品も他者にオススメするに値するものばかりであると言えます。
まず筆頭として挙がるのが、文化庁メディア芸術祭で優秀賞を獲得した「有頂天家族」。
原作の世界観の優れた映像化というだけでなく、音楽やカット割りなどの演出面も素晴らしくて
しかも品質が終始くずれないという非常に優秀な作品であったと思います。
また、キャラの横顔から背景にいたるまで久米田テイストが徹底されていたことにも感心。
2013年のアニメを語るうえで欠かすことのできない存在として自分も選ぶことにしました。
今年見たアニメで唯一泣いてしまったのがこの「有頂天家族」で、そこまで心を揺り動かされて
一番に挙げないわけにはいかないだろうという、文句なしの選定となります。
以下は明確に順位をつけないという方針で10作品ほど選出してみました。
昨今貴重なロボット枠でオリジナリティと存在感を見せつけてくれた「翠星のガルガンティア」と
「マジェスティックプリンス」、それに社会現象にもなった「進撃の巨人」。
前期など関連作品を見ていることが前提になりますが、芸術祭推薦作品の「AKB0048」2期や
「Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ」も非常に強烈な印象を残してくれました。
加えて「はたらく魔王さま!」「ゆゆ式」「波打際のむろみさん」「ぎんぎつね」などそれぞれ独特の
個性や空気感、視聴後の後味の良さをもっている作品が続きます。
年またぎをしているのでハッキリ2013年とは言えないものの、これははずせないだろうというのが
「PSYCHO-PASS」と「ガンダムビルドファイターズ」。後者は今後にも期待が募ります。
あと、技術的な意味で新時代を体現していた「蒼き鋼のアルペジオ」も特筆すべき作品でした。
「犬とハサミは使いよう」も入れたいんだけどなぁ…さすがに上記の作品群に食い込ませるには
無理があるというか、かなり厳しいということを自覚します(笑)好きなんですけどね。
以上の選出を見て「俺ならアレを挙げるのに…」という感想はあるとは思います。
あくまで個人の主観に基づいてのものであることと、選ばなかったものにはそれなりに理由がある
ということをご理解していただきたく。各シーズン終了時の感想まとめもお読みいただければと。
四半期ごとにかなりの枠を割いて感想書いてますからね…。
明けて2014年の第1Qはだいぶ減るかな…毎回そう言っておきながら減らせないんですけど。
前回「パシフィック・リム」の感想のなかで「THE ビッグオー」についていろいろと紹介しましたが
アレでは「ビッグオー」という作品を勘違いされそうだと思ったので補足を少々…。
「ビッグオー」は演出や描写において「パシフィック・リム」と共通する部分がいくつもあります。
しかし、作品の方向性はまったく異なります。
突き詰めて考えれば、「ビッグオー」におけるロボットや怪獣は舞台装置でしかありません。
「ビッグオー」はパラダイム・シティと呼ばれる閉鎖的な都市における、さまざまな事件や人物を
ロジャー・スミスたち登場人物の視点から見つめた人間ドラマとでもいいましょうか。
都市を統括するパラダイム本社、駆り出される軍警察、それらの権力やしがらみから抜け出し
己の信念に基づいて行動するロジャー。三者三様に毎回起こる事件に取り組みます。
戦闘シーンが『動』とすれば、「ビッグオー」はそれ以外の『静』の部分に重点が置かれており
そこで交わされる巧みな会話や心の微動をたのしむアニメだと思います。
夜中にひっそりと見て、じわりと泣ける。「パシフィック・リム」とは対照的な作品ですよね。
ただ、泣けるだけじゃない。『動』の部分にも非常に見せ場があり、そこが「パシフィック・リム」の
魅力と非常に重なるので「パシフィック・リム」好きにもオススメできます。
よく「どんな事件も結局は拳で解決する」と勘違いされがちですが、パラダイム・シティの権力の
構造をよく考えると、正しくはそうではないことがわかるはずです。
パラダイム本社は軍警察を意のままにできるほど強大な権力をもっています。
パラダイム・シティ内のほとんどの企業はパラダイムの傘下であり、勤める人々も逆らえないため
基本的に揉め事は起こらないし、もし起きてもお金で解決できます。
つまり、パラダイムの権力をもってしても解決できない問題というのは非常に限られるわけです。
そういうどうにもならない問題がネゴシエイターであるロジャーのところにまわってくるのです。
劇中で描かれた立ち退き交渉もそのひとつですが、大半は危険な案件ばかり。
パラダイム本社の中枢もロジャーのドミュナス(操縦者)としての能力に期待していますからね。
衒学的で情報過多な方向性を避けるために、謎は謎のままで極力説明を省いた作品ですが
考えればちゃんと論理的なのだということを理解していただけるのではないかと。
| 固定リンク
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 人生をつまらなくする合理化(2023.07.27)
- バランスボールをイス代わりに買った話(2023.02.07)
- 新型コロナウイルス感染に関するご報告(2022.07.27)
- 復讐する気は我になし(2022.07.13)
- 2021年 もっとも読まれた記事トップ10(2022.02.14)
コメント