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2015年5月15日 (金)

2015年5月15日

この世に存在しない、「ないもの」を実在することにできる方法があります。
それは「ないもの」を「ある」と主張する人を、どんな手段を使ってもいいのでとにかく増やすこと。

たとえば「宇宙人は実在する」と主張するとします。
その主張を信じる人を増やせば、社会的に無視できないひとつの大きな意見に成長します。
加えて、実在しないことを証明しない限り実在することにできてしまうわけです。

同じ方法で、実在しない悪行を実在することにして社会的に悪とすることが可能です。
たとえば「芸能界では枕営業が横行している」という、イメージとして噂されている程度の話でも
それを信じる人が多ければ、事実がわからなくても実在することにできるのです。
「本当にありそう」「あってもおかしくない」「あってほしい」…期待の収束が実在のカギなのです。

ネット上には『炎上ネタを楽しむ人』というのが一定の割合でいます。かなりの割合かも。

彼らは日々、新たな炎上ネタが投下されるのを待っています。
最新の炎上ネタを最速で提供してくれるまとめブログや写真週刊誌は彼らにとって不可欠であり
彼らの価値観を肯定してくれる絶対的な情報源となっているわけです。

そこに書かれていることが事実でなくてもいい。燃やせるならどんな燃料でもかまわない。
安全地帯から攻撃することが目的であり、情報の信頼性や事実確認は必要ではないからです。

「ないもの」を「ある」にする力と、まとめブログや写真週刊誌がくっついたらどうなるでしょうか。
書かれていることは事実でなくてもいい。広く拡散して叩いて楽しめればそれでいい。
実在しないものが社会的に実在することになってしまう。これは非常に恐ろしいことなのですが
加担しているひとりひとりは無自覚で、その責任や影響力を理解できていません。

なにかされたわけじゃないけど「みんながそう言ってるから」あの人をキライになった。
一度も食べに行ったことはないけど「みんながそう言ってるから」あの店には行かないことにした。
見たことないけど「みんながそう言ってるから」あの映画はつまらないに違いない。

根拠がなくても「みんながそう言ってるから」という理由で情報の正当性を信じられる。
「みんながそう言ってるから」という理由で発言に責任をもたなくて済む。
新着記事に書かれていることが次に信じるべき意見である。「みんながそう言ってるから」。
考えなくても正しい意見を授けてくれるのですから、読者は考えることをやめます。

考えることをやめた先になにが待っているのか。平たく言えば洗脳ですね。
敵意を抱く原因もないのに、「みんながそう言ってるから」誰かに強烈な敵意をもってしまったり
「みんながそう言ってるから」実在しないはずの敵の存在を信じられる。

擬似的な感情や擬似記憶というのはなにもSFの世界に限ったことではない、ということです。

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