芸能人の不倫で盛り上がるのはもうやめよう
昨今世の中を騒がせている芸能人の不倫問題。なぜ世間の人は不倫でそこまで騒ぐのでしょうか。
自分に直接関係のないことでどうしてそこまで憤れるのか、叩けるのか。甚だ疑問です。
「アイツに足を踏まれたことがあるから許せない!!」とか直接的な理由があるならわかるのですが
まるで面識も接触もなく、たまたまテレビで見て知ってた程度の間柄でそこまで怒れますか?
あらかじめ言っておきますが、自分はべつに不倫を擁護してるわけではありません。
それが道徳上正しくないことぐらいは理解できますし、普通はそうならないよう努めるものです。
ただ、不倫というのは当事者間の問題です。刑法ではなく民法上の問題。
しかも民法上に不倫という言葉はなく、『不貞行為』についてしか書かれていません。
この『不貞行為』の定義もなかなか難しく、世の中を騒がせている不倫というものがこれに該当するか
疑問なケースもわりと紛れ込んでいたりします。しかし現状、不倫と一緒くたにされています。
まず、当事者間の問題になぜ部外者である一視聴者がそれほど憤慨するのか。
当事者たちの熱烈なファンだったというのなら、それは同情できます。
しかし騒いでいる人たち全員がファンだったとは到底思えません。あまりにも数が多すぎます。
「なんか叩けそうな雰囲気だから叩きに便乗している」という人ばかりなのではないかと。
日頃の腹いせに、サンドバッグとして芸能界の醜聞を利用しているだけ。そうとしか思えません。
不倫という「道徳的に正しくない行為」だから、そういう便乗叩きを内包できてしまえる。
便乗叩きを批判すると「不倫に賛同している」と思われてしまうので、真っ向からは批判しにくい。
言わば道徳観を盾にした、安全なバッシングなわけです。うまい構造ですよね。
次に民法上の『不貞行為』についてですが、今回マスコミの報道で明るみになった情報だけでは
『不貞行為』を立証するのは結構むずかしいのではないかと思います。
当事者間でそれらしい会話があった、当事者が連れ添って男性側の実家を訪れた。
これらは不倫の様子には見えますが『不貞行為』を立証できてはいません。
実家の件なんて完全に衆人環視のなかにあるわけですからね。むしろ反証要素にすらなりえます。
ちなみに『不貞行為』の条件ですが、街中でキスをしていた程度でも当てはまらないそうです。
街路でキスをする様子を激写したとしても不貞証明の材料としては足りないとのこと。
ただ、世間が思うところの不倫の条件は異なります。世間がどう感じるかは民法とは関係ないので
「法で裁くことはできないが報道によって貶めることはできる」わけです。
不倫報道というのはそもそもサンドバッグを用意する行為なんですよ。
「さあ皆さん一緒に叩きましょう」という焚き付け、扇動以外のなにものでもありません。
報道が信じる正義の行使のために、彼らが用意した扇動にまんまと乗せられている現状。
とりあえず一度冷静になりましょう。芸能人の不倫や薬物依存はあなたの人生に関係ありません。
他人の怒りを肩代わりするなんてリソースの無駄ですよ。
不倫報道の際に、なぜか既婚男性側ではなく女性のほうが叩かれるのも疑問なんですよね。
たしかに既婚者側からしてみれば、その女性によって家庭をメチャクチャにされたという被害者的な
見方もできるのですが、不倫というのは外側から一方的にできるものではありません。
家庭をもっていながら妻とは別の女性に手を出そうとした既婚男性も相当な悪者なはずです。
ちなみに既婚の事実を隠蔽して別の女性と交際しようとした場合、女性側に訴える権利があります。
なので『既婚の事実を知らなかった女性』は被害者として世間から擁護されるべきです。
しかしそうならなかった事実を、事案を知っています。だから不倫報道はおもしろくありません。
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コメント
妻(彼女)は夫(彼氏)が浮気をしていた場合、なぜか浮気相手の女の方を恨む傾向があります。
これは少なくとも明治時代にはそうだったようで、小泉八雲の著作に「友人の言葉」として出てきます。
ワイドショーの視聴者は奥様方が多いと思われるので……なにか感情移入してしまうものがあるのでしょう。
「感情移入」というのは人間の基本的な性質で、可哀想な人を見ると自分も悲しくなって助けたくなるというように良い方向に向くこともあります。
群れの仲間を守るという、生存のための本能でしょう。
現代人というのは理性的に見えて、まったく動物的な本能で行動しているときの方が圧倒的に多い。
しかし悪いのは本能で行動することではなく、本能で行動していることに無自覚で自分は理性的だと思い込んでいることだと思います。
多くの人がこの事を自覚すればもっと寛容で生きやすい世の中になるのではないでしょうか。
投稿: | 2016年2月 6日 (土) 08:00
ワイドショーの視聴者の中核は主婦層でしょうから、ワイドショーに限定すればそうですが
今回の件を問題視している人たち全員が主婦なわけではありません。
男性だって当然混じっているでしょう。
それと、今回の件で渦中の男性側がCMを降ろされたりタイアップを解消されたりという話は
いまのところほとんど見られない気がしますし、記事化されてニュースポータルを騒がせたりもしていません。
この状況だけを見れば、社会全体が女性側のみを糾弾、あるいは糾弾の方向へと導いてるように感じます。
いづれにせよ理性的ではないし、論理的でもありません。だから納得がいかない。
納得がいかないことに多くの人たちが扇動されてしまっているから余計に疑問視してしまうわけです。
ときに「趣味なんて時間の無駄」と言われることがありますが、自分から見れば芸能人叩きのほうが不毛に感じます。
でも、自分が思う趣味の価値と同じぐらい芸能人叩きに価値を見出してる人もいるのかもしれません。
その平行線はどうにも修正しがたく、彼らの楽しみをある程度は尊重しなければならないのかもしれません。
余談ですが…以前話題になった元・○ー娘。メンバーの不倫相手は未婚男性だったと思いますが
この場合、主婦層の感情移入先はどこになるのでしょうか?
投稿: うごー(ブログ著者) | 2016年2月 6日 (土) 21:09
マギーと横山健の不倫で、Twitterの批判コメント数が、圧倒的にマギーが上というのを聞き、なぜいつも女性側ばかり叩かれてるのか調べてたらここにたどり着きました。
ベッキーの時も「会見が良くなかった」「優等生キャラだったから」などと言われてましたが、「既婚を隠して交際しようとしたことより?」「元々イメージ悪かったら許されるの?」と釈然としませんでした。
私はどちらかと言うと、既婚者側が自制しない方が理解できないので(他人でなく伴侶を傷つける方が抵抗あると思うので)、性別や好き嫌いで叩く対象や度合いが変わる世間の反応に違和感がありました。
私も不倫は軽蔑しますが、叩くにしても平等に、そして程々にすればいいのになぁと思ってしまいます。言っても仕方のないことですが。
スルーしてもらえたりネタ話にして笑ってる人がいる一方で、自殺してもおかしくない位の追い込まれ方してる人がいるのが可哀想だなぁ・・・と。
投稿: | 2017年1月18日 (水) 04:53
この記事を書いてから約1年が経ったいまでも、数々の不倫騒動に対するわたし自身の一番の疑問は
「自分の生活とは縁のないものに怒りを向けて叩いている」という点に尽きます。
いまになってこの記事を読み返すと、タイトルと本文にズレがあることに気付きます。
女性云々の部分は文末でしか触れてなかったようで…。
もともとイメージが悪い芸能人だったらたぶん「やっぱり悪いヤツだったか」という話になるので
優等生イメージからの落差や、事前の好き嫌いというのはそれほど関係ないのでしょう。
謝罪のやり方も、おそらくどんなやり方をしてもなにかしら批判はあると思います。
土下座をしたら「パフォーマンスに見える」、泣いたら「泣けば許されると思ってる」などなど。
たしか社会心理学だったか…詳しいことは覚えていませんが、以前テレビで聞いた話なのですが
「集団内で問題が起きたとき、その原因や責任を女性に求める傾向がある」そうで
不倫や不妊など極小の男女間問題においてもこの法則が見られるのかもしれません。
不公平であることはわかっていても、そうすることで全体の精神的安定を保っているというか。
ざっくり言えば、古来から変わっていない日本の風習ということになるのかも。
不倫の話題とはちょっとズレますが、テレビなどで「わたしはオタクです」アピールをする芸能人が
『にわか』だったと判明したときも女性のほうが強く批判される傾向があると感じています。
投稿: うごー(ブログ著者) | 2017年1月18日 (水) 18:11