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2016年3月26日 (土)

なぜ人々は【悲報】を求めるのか

Wii U生産終了を報じる日経の記事が話題になっていましたが、ひどいものです。

なにがひどいって、その日経の記事を取り扱う各メディアやまとめブログの反応が本当にひどい。
任天堂側は即座に「生産終了しない」と公式声明を発表していて、メディアはそれも同時に扱ってるのに
「任天堂はこう言ってるけど実際は生産終了らしいよ」という捻じ曲げ報道をおこなっているのです。

こうなるともう「べつに本当のことなんてどうでもいい」って感じですよね。

消費者側からすれば「生産終了しない」という公式声明のほうが確実に【朗報】なはずです。
なのに、事実を捻じ曲げてまで【悲報】にしてしまう。

今回のWii Uの件に限らず同じような構造で、訂正のために公式が明確な【朗報】を発表しているのに
【悲報】のほうが圧倒的な浸透力で広まっていき、事実と化してしまうケースが散見されます。
大衆は【朗報】よりも【悲報】を求めている。そう思われても仕方ない状況です。


なぜ人々は【悲報】を求めるのか。悲しい【速報】を求めるのか。

彼らは被害者になりたがっているのではないか?と自分は感じています。
みんなで被害者になり、悲しみと憤りの連帯感を共有したい。
負の感情によるそれは喜びや安堵の感情でつながるよりもよっぽど強固な団体を結成します。

結成された被害者団体はその圧倒的な人数で優位性と安全地帯を得ることができます。
被害者側には謝罪だけでなく金品を要求できるほどの強みがあるわけで。
誰だってそんな絶対的優位に立ちたい。その結果がこの『被害者になりたい願望』なのではないかと。

言ってみれば当たり屋のようなものです。被害者になれるチャンスを虎視眈々と窺っている人たち。
実際はたいして被害を受けていない、被害の実態がないのに大騒ぎするところもソックリです。

謝罪を要求する機会を増やしてくれるサービスを求めているなんて、さもしいにもほどがあります。


ある深夜のニュースバラエティ番組で「メディアは民度を映す鏡」と表現する方がいました。

大衆が要求するものを提供しないとメディアは生き残れません。
生き残るためには情報の品位を視聴者のレベルに合わせなければならない。
程度の低い人が多いなら、程度の低い人たちにウケるネタを前面に押す。嘘でも発信する。
社会的にもっと重要なニュースがあるのに芸能人や政治家の不倫問題がトップニュースになる。
しかもそれがことさら大事のように扱われ続けてしまう。

メディアの品質を上げるためには我々視聴者の質を上げなければダメなんです。
客の質がよくならないと店の質はよくならない。まず視聴者の側から変わらなければいけません。



「オタクは犯罪者予備軍である」という、いわゆるオタクバッシング。
「もし実写化されたらこんな芸能人が配役されてダメになる」という実写化映画の『仮想出演者』叩き。
ベクトルは違えど、双方とも『被害者になりたい願望』から来ているなのではないかと。

どちらも状態としては「まだ起きていない事件」なわけで。
なのに必要以上にレッテルを貼りたがり、被害が起きる可能性を想定したり探ったりする。
まだなにも起きていないのだから平和でいいではないか。なぜ無暗に不安や怒りを煽ろうとするのか。
あまりにも取り越し苦労が過ぎるし、叩きの題目になる人たちが不憫でなりません。

しかし、お互い対岸の人々がどう思っているかなどまるで考えていません。
彼らは我々の敵なのだから、敵になろうとしているのだから。そう思うことで納得しようとしている。

被害者になろうとして、敵を作ろうとしているあなた自身に問題があるのですよ。

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