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2016年11月28日 (月)

ゲームレビュー 「Forza Horizon 3」

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[クリアまでにかかった時間]
スタッフロールまで約45時間。用意されているすべてのレースを完了するには100時間超。

[ゲーム難易度]
自由自在。プレイヤーの技量に合わせて非常に柔軟な調整ができる。
CPUの挙動はForzaシリーズのなかでもかなり乱暴なほうなので、ぶつけられるのが普通だと思おう。

[実績難易度]
ほとんどのものはそれほど難しくはないが、とにかく時間がかかる(本編実績だけで130時間以上)。


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[GOOD]
・レースゲーム史上最高レベルのリアルなグラフィック。
・海岸、都市部、森林、河川、荒野、砂漠など多岐にわたるシチュエーション。
・現地でHDR撮影された空の表現(撮影用のカメラのリグだけで約1300万円もかかっているとか…)
・遠方の雨が降っていそうなところへ行くと実際に雨が降っている。その逆に、雨から逃げることも可能。
・オープンロードレーシングからオープンワールドレーシングへの拡張。
・プレイヤーを驚かせてくれるショーケースイベントと、挑戦意欲を掻き立てられるPRスタント。
・フレンドがいなくても疑似的にツーリングを楽しむことができるコンボイ機能。
・様々な要求に応えてくれるサウンドトラック。


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[BAD]
・プレイヤーに優しすぎて達成感に欠けるレースイベント。
・ひとつのレースポイントを2回(エキシビジョンとチャンピオンシップ)走らないと完了扱いにならない。
・キャリアのラストを飾るショーケースイベントは、迫力はあるが車種の選択に疑問あり。
・ドライバターの目に余る危険運転、進路妨害。
・車体に貼り付けたバイナルの解像度が「1」のころと大差なく、カメラが寄ると粗さが目立つ。
・直訳に近い日本語メニュー。チャンピオンシップ終了時に表示されるべき字幕が表示されない。
・音声ナビゲーションシステム『ANNA』。


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[NEITHER]
・車体にセルフシャドウが落ちないなど、突き詰めて言えばグラフィックへの不満がある。
・日本語吹き替えの廃止は賛否両論あると思うが、プレイ中はあまり気にならない。
・最初から高出力の車種が提供されるので、段階を踏んで成長していく楽しみに欠けるが便利ではある。
・広いはずなのにあまり広さを感じさせないマップ。思っていたよりも早く世界の端へ行ける。
・ドライバターによる後続車のブロック行為が執拗だが、追い抜く楽しみにもつながっている。
・例の問題の直後なせいか、フォルクスワーゲンの車種が一切採用されていない。


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[総括]
ヘタでもいい。速く走れなくてもいい。1位になれなくてもみんなと同じゴールにたどり着ける。
極端な話、走らないでいい。写真を撮り続けるだけでもいいし、ひたすら塗装にこだわるだけでもいい。
クルマが好きであれば楽しめる、プレイヤーそれぞれにクルマとの関りを見出せるゲーム。
本作はForzaシリーズが追い求めてきたカーライフという観点を可能な限り突き詰めた最新作と言える。

ひとことで言えば『最高のレースゲーム』で、プレイヤーの要求に必要以上に柔軟に応えてくれるのだが
その柔軟さが本来ゲームに必要な挑戦的な部分を削ぎ落としてしまっている感じがする。

各地のレースイベントのレギュレーションはあらかじめ用意されているもの以外に、プレイヤー側が自由に
車種やクラス、ルートを設定できるブループリントという機能がある。
つまり、これと決めた1台の愛車を最初から最後まで乗り通すことも可能なのだ。
自作したレースイベントはゲーム側が用意したものと同等に扱われるのでゲームの進行に支障はない。

ブループリントの作成が面倒ならフレンドやチームメイトが作成したものを読み込んでプレイしてもいいし
資金の温存が目的なら手持ちのクルマでなんとかなるよう工夫することもできる。
クルマとの関りだけでなく、レースへの取り組み方もプレイヤーの自由というわけだ。


X1fh3cap10

しかし全体のレースイベント数は気が遠くなるほど多く、どんなやり方でもいつか中だるみが生じてくる。
その中だるみを解消するプランをプレイヤー自身で考えなければならない。
これを自発的にできないと、ただ長いだけのレースゲームに感じられてしまうだろう。
自由という言葉の意味を正しく理解できるシステムとも言えるが、万人向けとは言いがたいところもある。
個人的にはもう少し不自由でもよかったし、そのほうがゲームとして取り組みやすかったと思う。

レースイベントの膨大さから言っても、本作は1か月程度でクリアできてしまうようなゲームではない。
中だるみしないための方法やキャリアの合間を埋める正しいサボり方をきちんと考えて取り組んでほしい。
さいわい本作にはそれをゲーム内で解消できるだけの多彩な要素が詰め込まれている。

以上の理由から、ちょっとクルマが好き程度のゲーマーには少々オススメしにくいゲームではある。
本気でクルマが好きなら是非プレイしてほしい。レースゲームの最先端を見ることができる。

ひとつ残念なのはフリー走行中のドライバターの存在で、ドライバターの危険運転および往来妨害によって
クリア後も同じルートをひたすら走り込もうという気力が湧かなくなってしまったことだ。
トラフィックの調整を可能にするオプション項目を付け加えておくべきだったのではないかと思う。


[オススメ度]
レースゲーム好きなら必携。本体未所持の場合、本体と一緒に買ってもきっと後悔しないだろう。



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リアルなゲームを作るためにはまず大気から構成する。大袈裟に言えばそういう次元に来ているのです。
光を、そして土を。まさに天地創造のごとき手順を踏まなければなりません。

かのトールキンが「指輪物語」を書くにあたって、文化や文明を作るためにまず言語から構成したという話は
そこそこ有名だと思いますが、それに近いことがゲームにも求められる時代だということですね。
ただ、そういうレベルで開発ができるメーカーというのは世界でも本当に限られています。
単にお金を持っていればできるというわけではありません。お金の使いどころにもセンスが問われるので。

高次元に構築された世界でゲームとしてきちんとおもしろくする、となると難易度はさらに高まります。
だから本当に憧れるし、そうして奇跡的に生まれた作品が数千円で手に入ることに驚かされるのです。


Xbox Exclusiveはもっと評価されるべきなんですよ、日本で。"尊敬すべき敵"の作品として。
ユーザーがそういう目線で見れていないのは仕方ないとして、ゲームマスコミや開発レベルにいる人間が
そのことを正しく認識できていないというのが本当に絶望的だと思います。

まあ…いま現在一番お金が落ちるのはスマホに表示される一枚絵なので、そりゃ無理ですよね。

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