2016年第4Q アニメ総括
今期はゲームのためにアニメの視聴本数を大幅に削減したため、完走作品は14本となりました。
『新作を無条件で見る』のをやめると、本当に好きなアニメがどれか自然とわかることに気付きました。
それがわかっただけでも今期は大幅に削減した価値があったと思います。
途中で興味を惹かれない展開に突入すると次回を消化しようという気力が湧かず、自然と見なくなるので
毎週録画に設定していたアニメは「どのタイミングで興味を失ったか」がハッキリわかるのです。
次回まで1週間という長い猶予があっても見る気が起きない。というか、消化してないことを忘れている。
未消化のまま次回を迎えたとき、その作品の比重がどれだけ下がっているかに気付きます。
今期途中で消化が止まってしまった筆頭が「レガリア」で、次いで「イゼッタ」が2週分ほど溜まりました。
「レガリア」は中断が響いたのもありますが、放映枠の影響で消化が滞ったのも大きかったです。
あとは単純に趣味が合わなかったというか…売りにしている部分がことごとく刺さらなかった感じがします。
一応すべて録画はしてあるので年末年始に気が向いたら見ようかとは思っています。
…という発言がもはやフラグにしかならない(笑)見る気があればとっくに見てるでしょうしね。
「イゼッタ」は前半はおもしろく感じていたのですが、中盤を超えたあたりから雲行きが怪しくなっていって
これはダメかもな…と、消化の手が止まってしまったのが8話終了時。
それまでの顔見せシーンを伏線として9話で正式に登場したもうひとりの魔女が決定打となりました。
「イゼッタ」という作品において魔女・イゼッタは唯一の特異点であるべきだったと思います。
同じ力をもつ者がふたりと存在しないからこそ、それに拮抗しようとする者たちとの戦いが盛り上がるわけで
そこにもうひとりの魔女をぶつけてしまうのはちょっと違う気がするんですよね。
しかもライバルの魔女がクローンであり、記憶あるいは魂の継承までしているというのが引っ掛かりました。
百歩譲ってクローン技術までは許せるんですよ。ド○ツの科学は世界一ってイメージありますし。
ならその科学力で戦えよ!って思いませんか? クローン作れるくらいの謎技術をもってる国なら。
そういう架空戦記的な部分ではなく、イゼッタとフィーネというふたりの少女の関係に注目してた人にとっては
大いに評価される作品となったのではないでしょうか。なので、評価が結構割れてる感じなんです。
判断基準をどちらに置くにせよ、たびたび描かれた空戦シーンは非常に見応えがありました。
それにしても、地球上のエーテルを枯れるまで使い尽くすって魔法理論的に可能なんですかね…?
ひょっとすると「レガリア」も、女の子同士の関係にハマれる人にはウケていたのかもしれません。
今期の注目作品はなんとなく『同性同士の連帯』という要素で共通していたように感じます。
その最たるものが「ユーリ!!! Yuri on Ice」。BLとしても楽しめるけど、そうじゃない人たちにも好評でした。
「ユーリ」が他の作品よりも抜きん出ていたのは、人間関係と心理を描くことに注力していたところ。
魅せ場となるフィギュアスケートのシーンでも刻々と揺れ動く心情をモノローグや表情の変化で描いており
次の瞬間にどうなるかわからないハラハラ感をキープし続けることができたのが大きいと思います。
フィギュアスケートのシーンはアイドルアニメでいえばライブシーンになるわけですが、ライブシーンにおいて
心情の変化をきちんと描けている作品はやっぱりおもしろかったんですよ。「0048」とか。
ライブシーンを単なる動画的な魅せ場、PVの挿入としか思っていない作品はダメですね。
そこがきちんとできていたからこそブームになるほどの評価につながったのだと個人的には思っています。
あと、やっぱり初回でハートをつかむのって重要ですよ。アニメで一番大事なところだと思います。
「0048」以降ひとつの指標としていますが、間違いのない判断基準になっています。
今期個人的に手応えを感じられたのは「ユーリ」以外だと、「Occultic;Nine」と「舟を編む」。
「Occultic;Nine」はゲームにつながる作品ということで未消化なモヤモヤ感を残しての終わりとなりましたが
現時点でもかなり評価の高いアニメ作品と言えます。終盤はちょっと弱かった気もしますが。
もう少し尺があれば別の終わり方もできたんじゃないか?と思えるような、微妙な尺足らず感があり。
「舟を編む」は本当に素晴らしかった…原作や実写映画にも手を伸ばしたくなるくらい良かったです。
それより、紙の辞書を使ってみようかな?と改めて思わせるパワーがありましたよね。
紙質や感触なんていままで使っていて考えもしなかったし、作っている人たちのことも考えたことがなかった。
それに数多くのメッセージが込められていて、見る人それぞれに共感して思うところがある。
登場人物それぞれが主人公で、視点が次々と変化していく。地味だけど近年稀に見る収穫でした。
「ドリフターズ」と「ジョジョ」、「亜人」は期待通り…いや、期待を超える出来だったと言ってもよいでしょう。
特に「ジョジョ」の終盤は結末を知っていても熱くなれました。主題歌も含めてパーフェクトという感じ。
「私がモテてどうすんだ」と「斉木楠雄のΨ難」は緊張感ある他の作品のあいだを埋める緩衝材として(笑)
不思議と心地よく、継続して見れる作品でした。完走できたのが自分でも意外です。
「てーきゅう」はもうそろそろ限界かな…8期は全体的にネタの弱さを感じる場面が多かったですね。
意外といえば実写版「咲-Saki-」もかなり楽しめました。原作もアニメも、麻雀もルールも知らないのに。
実写化作品なのに、もう少し長く見ていたかったなぁと思えるくらいに良い作品でした。
完走したなかで残念だなぁと感じたのは「ブレイブウィッチーズ」のみ。
終盤の作画のガタつきとベタすぎる展開、演出にややゲンナリしつつ、くじけるギリギリのラインでしたね。
佐藤利奈さん演ずるラル隊長をピックアップした回がなかったのも個人的評価に響いています。
「タイガーマスクW」と「鉄血のオルフェンズ」、「魔法つかいプリキュア」は来期も継続です。
「タイガーマスクW」は当初感じたまま安定しておもしろいので、この先も続いてくれることに期待してます。
今年のアニメ全体の総括や10選なども書こうかと思ったのですが、いろいろ足りない感じで断念しました。
代わりと言ってはなんですが、各Qごとの総括記事へのリンクを貼っておきます。
・2016年第1Q アニメ総括
・2016年第2Q アニメ総括
・2016年第3Q アニメ総括
改めて読み直してみると、結構いい作品が揃っていた1年だったような気がしますね。
続きを見たくなる作品も多いし、実際に続きが来年放送される作品もある。良い傾向ではないかと。
たった1クールで消化されるのではなく、継続的に愛される作品が増えていってほしいと思います。
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