2018年第3Q アニメ総括
今期はちょっと読めなかったなぁ…寸感で触れなかった作品があとからジワジワとおもしろくなっていきました。
代表的なのが「プラネット・ウィズ」と「ハイスコアガール」、それに「悪偶」の3作品。
「プラネット・ウィズ」は過去のロボットアニメのおもしろいところ、熱い展開をぎゅっと寄せ集めたようなアニメ。
1クールのあいだに最終回が4~5回来る。体感、内容的には2クール分はあったと思います。
普通はこんなことしたらどこかで破綻するものですが、しっかりまとめてあるうえにすべてのキャラが立っているし
田中公平が手掛けた劇伴によってさらに熱く、1クール作品としては近年稀に見る満足感でした。
レトロゲームを題材とした「ハイスコアガール」は、ノスタルジックな部分は時代背景を映すフレーバーでしかなく
本筋はラブコメディーで…いや、コメディー要素もそれほど多くないと思えるくらいのラブロマンス。
そういう性質の作品であることをビジュアルから読み取れませんでしたね。
今期は上記の2作品も含めJ.C.STAFFの作品が4つもあったのですが、どれも崩れることなく完走しました。
ただ、「殺戮の天使」はやっぱりアニメ向きのお話ではなかったかな…じつにゲーム的だったなと。
「悪偶」はもう完全に予想外。評価だけでなく、お話の展開も本当に予想外で楽しめました。
一見重要ではなさそうな、そのエピソードが終わったら用済みになりそうなキャラが長期にわたって本筋に絡むし
私欲のために時には敵になり、時には味方になり…正義と悪の二元化にならず人間関係も複雑。
ベースは少年マンガ的ではあるものの、これは日本人の頭からは生まれにくい物語であると感じました。
どう考えても2期がありそうな展開なのになんの発表もなかったのですが、視聴者見殺しですか?
原作が日本語訳されていないので、続きは原作を読んで!というのも容易ではありません。
日本国内の反応を見る限り、どこかが翻訳して出版なんて展開にもなりそうもないのでわりと絶望的です。
加えて、続きものである「STEINS; GATE 0」と「ルパン三世」が上位に。双方とも絶賛すべき結末でしたね。
シリーズファン大喜びの出来。それだけに、終わることに物悲しさや不安を覚えたりもしました。
あとはだいたい新作寸感から評価変わらず。「邪神ちゃん」と「天狼」は続きを見たくなる作品でした。
「はるかなレシーブ」は寸感よりも上方修正かな。想像以上にしっかりとスポーツものしていたところが好感。
今期の作品のなかでは「プラネット・ウィズ」とならんで劇伴の評判がよかったことも特筆すべきところ。
今期はコメディやギャグを主体とした作品が固まっていて、それらが好評を得る傾向にもありました。
それと今期というよりは今年なんですけど、タイムリープやループを扱っていて田村ゆかりが出演してるという
奇妙な条件(笑)で一致する作品がそろっていたのも傾向として言えるかもしれません。
なんで狙ったように集まってしまったんだろう。なにかそうさせる声の力でもあるのでしょうか?
「音楽少女」は新しい切り口をもつアイドルアニメとして好印象…でした。最終回以外は。
期待して見ていただけに、停電以降の展開すべてがどうにも納得がいかず憤りさえ覚えるほどでした。
すべてがステージ上でおこなわれたせいで、筋書きどおりの演出にしか見えなかったというのも理由のひとつ。
山田木はなこをステージに上げてメンバーに組み込むという前提で、逆算的に書かれたものだと思うのですが
彼女はメンバーになりたくてこれまで裏方として下積み生活をしていたわけではないんですよね。
スタッフとしてメンバーを支えるという関わり方を見出し、そういう活躍をずーっと描いてきたはずです。
なのにメンバーたちに認められてステージに上がることがゴールになってしまった。
『シャイニング・ピース』の最後のピースとは、ファンのことだと思ってたんですよ。
アイドルソングにおける「キミ」はいつでもファンのことだろうと。まさかスタッフのことだったとは…。
ただ、この最終回の脚本を書いたのはシリーズ構成と同一人物なので、この結末が正しいのでしょう。
良いものは良いまま、悪いものは悪いまま終わることが多いなか、最終回の内容だけで評価が急落するという
ケースは自分的にはかなり珍しいです。そういう意味では記憶に色濃く残る作品となりました。
それでも最終回を見られただけマシかもしれません。最終回を放送しないアニメとかいまだにあるんですね…。
先述の「殺戮の天使」のことですが、13話以降を地上波でやらず有料配信としたことに批判が殺到。
1クールというフォーマットに収まらなかったとか、地上波では流せない内容があるとか推測はできるのですが
作品によほど自信がないとできないやり方だよなぁ…というのが正直なところ。
個人的な感想を言えば、13話以降を見たいと思うほどの牽引力は(12話までには)なかったと思います。
ただ、1クールという決められた尺に収める作り方自体がもう古いのかな?と思わなくもなく。
特に原作がある作品の場合、尺の都合で割愛しなければならなくなるという事態を防ぐことができますし。
しかし地上波のフォーマットではどうしても放送できなくなってしまうので、なかなか難しい話です。
まあ…やるんなら最初っから全部、有料配信でやりゃあいいんですよ。そうすれば文句も出ませんし。
視聴者がいつも見ていた場所で最後まで見られるようにするのが当たり前。視聴者を動かすなと言いたい。
クライマックスを年末や来春に持ち越しなど、視聴者を焦らす作品がほかにもいくつかありました。
今期もいろいろとひどい作品がありましたけど、個人的なワーストは京都を舞台にしたあのアニメです。
原作が何十万部売れた!とか現在十何巻まで刊行!とか、客観的な数字が全然アテにならなかったですね。
こういうものを出版し続けている、買い支えている人たちもいる…という新たな認識を得られただけでした。
オンラインゲームを題材にした作品で、現実のオンラインゲームに照らし合わせて考えるとあきらかに不自然な
状況を見ると苦言を呈したくなるというか…監修とかどうなってるんだろう?って思いますよね。
すべてのキャラにプレイヤーがいるのに、主要キャラ以外をまるでNPCみたいに扱ってる作品とか。
他のプレイヤーを永続的に洗脳するスキルとか、サービスを継続したまま重要なメンテを強行する運営とか。
「SAO」などのヒットの影響で、ウケる要素として採用されているという背景はなんとなく理解できるのですが
どうせやるならもうちょっとツッコみどころを減らしてやってほしいなぁとゲーマー視点では思うのです。
まあ…肝心な「SAO」の後続である「GGO」でも、スナのヘッドショットで即死しないとかやっちゃってましたが
作劇の都合で不自然に不便にしたり、先に提示したルールを無視したりされると印象は悪くなります。
推理ものなんかもそうですね。先に推理に必要な材料をきちんと提示する。それがルールとなるわけで。
探偵が述べた妄想どおりの真相だった、とか言われても視聴者は困るんですよ…それは推理ではありません。
今期は芸能界にさまざまな訃報が流れましたが、アニメ業界も例外ではなく。
なかでも「パンドーラ」や「BANANA FISH」に出演中だった石塚運昇さんの逝去は本当にショックでした。
当ブログのアクセス解析を見ていて気付いたのですが、アニメ関連の記事は見る人ほとんどいないですね…。
記事ごとのアクセス数の順位を見るとアニメ関連の記事がまあ出てこない。
ゲーム関連の記事が人気で、特に攻略情報など資料性の高い記事がよく読まれていることがわかります。
検索してアクセスするネットの性質上、やはりほしい情報を探して…というのが多いのだと思います。
他人が書いたアニメの感想や考察を検索してまで読む人はかなり少ないみたいです。
実際、自分自身もアニメの感想を検索してまで読むことは皆無です。ただしTwitterを除く。
いまはアニメの感想や視聴中のリアクションはTwitterに集約されているので、そっちを見るほうが確実なのです。
某所でしばしば聞く話ですが、最近は攻略wikiというものの信頼性や需要が落ちているのだとか。
wikiの乱立、誤った記述や管理放棄。個人のブログに掲載される研究結果のほうが参考になると言われてます。
そういう需要に合わせて、うちも有益な情報を増やしていくべきでしょうか。
ちなみに人気がある記事は「Rise of the Tomb Raider」関連ですね。ネット上の記事が少ないせいかな?
あとは「FF14」関連も人気。「FF14」は検索して予習する文化が根付いていてるのが理由かも。