« 2018年9月 | トップページ | 2018年11月 »

2018年10月28日 (日)

ゲームレビュー 「Assassin's Creed Syndicate」

Acsyn01

[クリアまでにかかった時間]
エリアの制圧を8割ほど終わらせて、プレイヤーキャラのレベルを最大まで上げてからのクリアで約45時間。
クリア後に出現するサイドミッションなどもあるため、本編だけでもまだまだ遊べそうな感じはある。

[ゲーム難易度]
シリーズに慣れている人なら並み程度。操作技術と同じくらい観察力が必要。
一対多数の戦闘がやや難しめ。カウンターの受付時間がみじかいので反射神経もそれなりに要求される。

[実績・トロフィー難易度]
今回も収集物は多いが、ゲーム内の売店で配置図を購入できるので早い段階で入手したい。
実績に関わる収集物のうち「ロンドンの秘密」の配置図だけはヘリックスクレジットという専用通貨が必要。
ヘリックスクレジットは有料だが、ほかの収集物をコンプリートすると報酬としてもらうことができる。
なお、「ロンドンの秘密」が配置されている場所はゲーム内の資料で画像つきのヒントを確認できるので
あえて配置図を購入せず、自力で謎解きに挑戦してみるのも一興だろう。

戦闘関係の実績は特定の条件下でないと挑戦・累積できないものがあるが、条件自体は難しくはない。
唯一、馬車で5000個(!)のオブジェクトを破壊するという常軌を逸した条件のものがある。


Acsyn02

[良いところ]
・近代のロンドンを再現したオープンワールド。行き交う蒸気船や汽車は迫力があり、見ているだけでも楽しい。
・見覚えのあるランドマーク、耳馴染みのある意外な著名人たち。味方はどれもチャーミング。
・ロープランチャーによる移動は爽快。発射位置の制限はあるが、立体的な戦闘に大いに貢献してくれる。
・上質な日本語ローカライズ。今回も各種文献にいたるまで非常に丁寧な翻訳がなされている。
・記憶に残る美しいサウンドトラック。

[悪いところ]
・前作と比べてフリーランの動きがやや重く、次の行動へ移る際もたついたりつまづいたりする場面も多い。
・目的地に設定したマーカーがフリーラン操作(Aボタン)で解除されやすい。
・スクリプトだらけの追跡や輸送系ミッション。暴走した馬車が突っ込んでくるなど悪意に満ちた仕掛けが多い。
・高度警戒区域の外にいても銃撃してくる狙撃兵。周囲の歩道を歩いているだけで狙撃してくる衛兵。
・くどいラストバトルと、スタッフロールが流れず達成感に欠けるエンディング。

[どちらとも言えない]
・ふたりのアサシンの使い分けは最初は戸惑うが、役割を理解できれば使い分けを楽しめるようになる。
・4種類の素材が溜まりすぎ。足りなくて困ることはないが使い道が少なく、売ることもできない。
・時代背景的に馬車が出てくるのは仕方ないが、馬車の存在がプレイヤーに楽しく働く場面は少ない。
・ブライターズのテリトリーにいると因縁をつけられるのが少々鬱陶しいが、スキルで防ぐことができる。
・いくらギャングが台頭した時代とはいえ、日中の路上で殺人事件が頻発しすぎではないだろうか?


Acsyn03

[総括]
Assassin's Creedシリーズのメインストリームでは9作目にあたる本作。時代は歴代でもっとも近代である。
高層建築、巨大な駅に発着する機関車、テムズ川を埋め尽くす蒸気船。ストーリーでは内燃機関まで出てきて
もう少ししたら現代とさほど変わらない街並みになってしまいそうな時期のロンドンを描いている。
システムこそAssassin's Creedではあるが、Assassin's Creedらしい時代ではなくなってしまった気がする。

産業の象徴とも言える高い煙突が立ち並ぶ街を駆け抜けるのは、観光としてはじつに楽しい。
しかし、平坦な屋根が本当に少なくなってしまったため、たとえば500m先にある目的地点まで移動したい場合
屋根伝いに移動するよりも地上を走るほうが早いという悲しい現実を突きつけられる。

馬車ならもっと早いが、ゆっくり走っている他の馬車が大きな障害となってくる。近代の仇とでも言うべきか。
GTAシリーズでイライラさせられたアレがとうとうAssassin's Creedにもやってきたわけだ。

アサシンにとってはつらい時代だな…と思い始めたころ、新たな移動方法としてロープランチャーが追加される。
近代ならではの新しい装備の追加はプレイヤーの発想力を試す優れた要素だ。
ここまで来ると今度は瞬時に地上へ降りられる道具がほしくなるが、そこは藁の山の出番というわけだ。


Acsyn04

性格と性能の異なるふたりのアサシンの使い分け、ストーリーの描き方も新鮮味はある。
現状でもそれなりに得意分野の違いはあるが、もっと明確に向き不向きを分けてもよかったのではないか。
ふたりのアサシンを交互に使うラストバトルも同様。ふたりいることをもっと上手く使ってほしかったと思う。
プレイヤーの期待と想像を下回る戦闘を最後に用意してしまったことが本作の評価に大きく響きそうだ。

前作の「Unity」同様、ストレスを感じるところもあるがシリーズならではのおもしろさもたくさん残されている。
良いところも悪いところも含めてAssassin's Creedらしい。そんなふうに感じる一本だった。


[オススメ度]
まあまあ。新規のプレイヤーにはやや難しそう。シリーズファンならさまざまな小ネタを楽しむことができる。
アサクリで女性キャラを使いたいと思っている人にはキャラクター性も含めてオススメできる。



Games with Goldで提供された本作、ゴールドメンバーシップの期間内に終わらせなければならないという都合
だいぶ駆け足でのプレイとなりましたが、とりあえずクリアはできたのでよしとします。
シンクロ率の実績とか残ってるんですけどね…ちょっと期間内に終わる数ではないと思ったので諦めました。

道中あちこちでストレスは感じましたが、収集物をすべて集め終えたいまでもまだ続けていたいと思えるくらい
ハマれたし良いゲームでした。街並みと音楽が抜群に美しく、歩くのがホント楽しかったです。


アサクリシリーズの新作が出るたびに「次は日本では?」とか「日本だったらいいな」なんて話を見かけます。
日本を舞台にしたアサクリというとどうしても忍者が出てくる時代を連想しがちですが、現存している建物が少なく
これまでのシリーズで体験できた「実物がある」という感覚は得られないと思うのです。
いっそ現代の日本を舞台にして、繁華街や高層ビルを駆け回るぐらいのほうがおもしろいかもしれません。

| | コメント (0)

2018年10月17日 (水)

2018年第4Q 新作アニメ寸感

季節の移り変わりは早いもので、密閉型の大きなヘッドホンをつけてもよさげな室温になってまいりました。
今夏はイヤホンではなく軽量型のヘッドホンを使ってたんですけど、あれも意外といいものですね。


今期一番好感触だったのは「からくりサーカス」。「うしおととら」でおなじみ藤田和日郎の超人気作品。

約20年前に連載を開始した作品をつかまえて今期一番とか言うのもちょっとアレな感じはするんですが(笑)
初回の熱量、作画、劇伴…どれをとっても今期このアニメを超えている作品はないと思いました。
しかも原作未読の自分がそう感じるんですから。ちなみに「うしおととら」のときも原作未読のまま見始めました。
3クールという長尺なので見続けるのはちょっと大変かもしれませんが、付き合う価値はあるのではないかと。

ちょっと脱線しますけど、今期は2クール以上の作品が多いような。「SAO」なんて異例の4クールですしね。
1クールで切り替わる軽快さに慣れると2クールでも重く感じるようになってしまうからイヤなものです。


次点、僅差で「軒轅剣・蒼き曜」。こちらは1990年から続く台湾製の人気RPGシリーズを原作としたアニメ。
向こうでは実写化されたこともあるほどの人気作品だそうですが、これまで名前を聞いたことがありませんでした。
中国の歴史と神話、それにメカ要素(!)などが入り混じった独特の世界観が魅力。
前期に続き、文化の違いから来る新鮮さも個人的にはかなり良いほうへ働いているのだと思います。
難しいタイトルですが『けんえんけん』と読みます。中国のエクスカリバー的なポジションの神剣なんだとか。

以降「うちのメイドがウザすぎる!」と「ゾンビランドサガ」が続きます。今期もギャグが強いか?
周囲からだいぶ遅れて始まった「叛逆性ミリオンアーサー」もコメディ要素多めで楽しんでいけそう。
内容はベタですが「抱かれたい男1位に脅されています。」と「寄宿学校のジュリエット」も楽しめています。
あとは「DOUBLE DECKER ダグ&キリル」かなぁ…「タイバニ」的なものかと思ってたらかなり違いましたね。

「色づく世界の明日から」と「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」は好感触ながら様子見の状態。
明確な手応えがあるわけではないのですが、なにか好きになれるものがある気配がする。そんな感じです。
加えてハートフルな作品として「メルクストーリア」も挙げておきたいところ。かわいいしかない。

継続作品では「ゴールデンカムイ」と「ジョジョの奇妙な冒険」第5部が期待どおり。
それとアニメではありませんが、「Thunderbolt Fantasy」の2期も楽しみのひとつになっています。


約7年ぶりに始まった「とある魔術の禁書目録」3期は微妙に古臭いというか、退屈な印象を受けました。
20年前の作品が好感触なのに、比較的新しい「とある」がなぜそう感じさせるのか。ちょっと不思議なのですが
初回から本筋そっちのけで繰り返されるラッキースケベに食傷気味というのも確実にあります。

「東京喰種:re」2期はもう限界かなぁと…ちゃんと見てても話がわからない。原作読者でもわからないらしいし。
戦闘シーンばかりで、彼らがなんのために戦ってるのか目的が見えづらくなったのも一因かもしれません。

巷では「SSSS.GRIDMAN」が話題になっていますが、自分はいまのところ静観している状態。
なんとなく「ダーリン・イン・ザ・フランキス」同様のオマージュにあふれた作品になりそうな予感がしまして…。
劇伴を極力排して静かに展開していく日常の独特な雰囲気がちょっと気にはなっています。
これも大元は1993年という古い特撮作品なので、世代によって評価が分かれる作品かもしれません。


今期の試練枠は「俺が好きなのは妹だけど妹じゃない」ですね。視聴者側だけでなく制作側にとっても。

初回冒頭の「シスター・プリンセス」とのコラボレーションで一部のお兄ちゃんたちをざわつかせていましたが
近年稀に見る作画の危なさのほうがむしろ話題になっているような。
内容は「エロマンガ先生」のクローンみたいな話。東京MXだと1時間前に再放送してるんですけど…?


すでにお気付きかもしれませんが、良いと感じたアニメにも悪いと感じたアニメにも共通しているのが懐古であり
特定の世代を狙い撃ちする、近年のアニメにおけるひとつのジャンルになりつつあるような気がしています。
「ヤマト」ほどのクラシックではなく、90年代や00年代前半を意識した作りだったりリバイバルだったり。
ターゲットに自分自身も含まれているのを実感するから気になってしまうのかもしれません。

手堅いというのは間違いありませんが、新しいもののなかから良いものが生まれていないような印象もあるので
あまり楽観視していい状況ではないと思います。



アニメ自体の良し悪しとはまったく関係なく、そのアニメに対する印象の話という前提で聞いてほしいのですが
本放送開始前からしつこいぐらいCMが放送される作品はマイナスの状態から評価がはじまります。

悪い意味で記憶に残るというか、「不愉快な思いをした」という実害があるのが原因なんですけどね。
このマイナスを第1話でくつがえすのはなかなか難しいと感じています。
なぜかというと作品自体の問題ではなく視聴者の感情の問題だから。キライなものを好きになるのは難しいです。

しつこいCM問題は本放送開始前だけでなく、放送終了後も継続して発生する場合があります。
ソフトの発売告知、コミカライズなどのメディアミックス情報、いつまでも事前登録を受け付けているスマホゲーム。
キライになってしまった顔、声、楽曲がしつこく流れ続けるせいで新たなマイナスがどんどん蓄積されていきます。
結果としてアニメの評価が必要以上に低くなってしまうという。あくまで自分のなかでの話ですけど。

しかし、そういう作品ほど世間の評価は高いんですよね。この価値観の相違がさらに悪さをしてしまう…。

| | コメント (0)

2018年10月11日 (木)

「Shadow of the Tomb Raider」 ネタバレありのストーリー感想

新生トゥームレイダー三部作のラストを飾る「Shadow of the Tomb Raider」のストーリーをきちんと評価するうえで
ネタバレは避けて通れないだろうなぁと思い、ネタバレを前提とした独立記事にすることにしました。
そこまでしてでも書きたい、共有したい問題点があったわけです。


Sottr08

前作に続き、アクションアドベンチャーゲームとしては非常に遊びがいのある本作。

発売日に始めて達成度100%にしてから1周目クリア、即座に2周目を難易度ベリーハードで始めてクリアした
という事実からしても、かなりハマっていたことは自他ともに認めるところです。
しかし問題点がないわけではありません。新生三部作を遊び尽くしたからこそ言いたくなることもあるというか
三部作の最後だからこそ指摘したくなる問題点がメインストーリー上にいくつかあったのでした。


まず冒頭の場面。ようやく見つけた目的地の目前で自然災害に巻き込まれ、事の発端である数日前に話が戻り
それが終わると現在の危機的状態に…っていう流れ。前作の冒頭をほぼ踏襲してるんですよね。


Sottr09

構成が前作に似てるというのはファンにとってはニヤリとさせられる部分でもあるんです。
クワク・ヤクへ通じる崖を慎重に移動しているときのララとジョナのやりとりは前作のオマージュとして良かったし
直前までギクシャクしていたふたりの息の合った冒険がまた始まるんだなぁといううれしさもありました。

ですが、オマージュにしてはあまりにも踏襲しすぎていたと思います。
墜落後のジャングルでのサバイバルも、行く手を阻むジャガーとの戦いもちょっと状況が似すぎている。
そういう見方をすると、終盤までのいろんな展開がどれも前作の模倣に見えてしまいまして…。
お約束と言ってしまえばそれまでなんですが、前作との類似性をもう少し避けるべきだったのではないかと。

完成されたアクションの部分を継承しているだけでも類似性の指摘は避けられないわけですからね。
意識的な差別化を図ってほしかった。その結果、ステージ構成がギクシャクするとかなら受け入れられましたし。


メインストーリー中の場面転換が雑である、という話はレビューのほうでもやんわりと触れました。
水に落ちる、もがく、浮上して次の場面へ。目が覚めて気が付くと次の場面に。そして武器をすべて失う。
これらがひとつのゲームのなかで複数回つかわれるっていうのはさすがにまずいでしょう…。
次の場面との関連性や、そこへ移動することの必然性が薄い。ごまかすように次のステージへ向かう感じ。

しかも、これらも前作までにやり尽くした要素なんですよね。強制的に流されたり、水中に沈んだりっていうのは。
「困ったら水に落とせばいい」というワンパターンな思考が透けて見えるようでした。


Sottr10

本作の悪役であるククルカンことアマルことドミンゲス博士と、その部下であるローク最高司令官。

これまで追い続けてきたトリニティに高等評議会という幹部組織があることが本作で急に判明します。
パイティティを支配するククルカン教団の大神官とトリニティ高等評議会リーダー、そしてララの父親を殺したのが
すべてドミンゲス博士、つまり同一人物であるというあまりにも都合の良すぎる設定(笑)

パイティティを外界の危機から守るために行動していたという肉付けはあるものの、取ってつけた感が否めなくて
同情を誘うにしては描き足りないというか、いまさらそんなこと言われてどうしろと…という感じもしました。


ローク司令官は名前がついてるわりには特に肉付けもされない、存在感の薄い悪役でした。
プレイヤーのヘイトを稼ぐのにじゅうぶんなウヌラトゥ殺害のシーンでも特に主張もなくあっさり立ち去ってしまうし
ララとの絡みもポルベニール油田の直前に無線で煽ってくる程度。いてもいなくても変わらないレベル
ドミンゲス博士だけだとトリニティっぽさが足りないから入れたのでしょうか。

カギとなるアイテムはふたつあったわけですし、銀の箱のほうをローク司令官が奪い去りドミンゲス博士に渡す
というふうにすれば、クライマックスの展開にも関われる可能性はあったと思います。

ただ、もっと絡ませる予定はあったっぽいんですよね。トリニティの隊員が残した文献を見るとそう思えてきます。
前作のラストで狙撃されたアナは、ローク司令官の指示で始末されたことが明かされています。
これってメインストーリーで触れてもいいくらい大きな事実だと思うのですが…?

 ※一応終盤で「シベリアで殺しておくべきだった」というようなセリフは出てきます。唐突に。


本作最後のベースキャンプ以降に無線から流れてくるトリニティの会話もホンひどいですよね。
なぜか現地に集合していた高等評議会のメンバーたちはヤークシルの襲撃によって壊滅。
直前にローク司令官も煽るだけ煽って、道中のついでにムービーで処理されてしまいます。
完全に在庫整理状態。打ち切りが決まったマンガみたいな早さで次々と敵の幹部が消えていったわけです。

あれをトリニティの事実上の壊滅だとすると、あまりにもあっさりしすぎているんじゃないかと…。
今後発売される作品にトリニティの影響を残したくなかったのかもしれませんが、にしてもやり方が雑。


Sottr11

今ある世界を選び、太陽をふたたび取り戻したララ。しかし、あれからどのようにして救助されたかは不明です。
生贄になるという前振りがうやむやにされてしまったというか、あのへんは解釈次第なのでしょうか。
ほかに触れるべきことがありそうなのに、ぽっと出の新ヒロインであるアビーの話には触れるという…。

新たなプレイアブルキャラとして迎えるわりにはアビーの扱いも軽いですよね。
脈絡もなく登場してジョナといい仲になった以外では、クルマの運転くらいしかロクに登場の場面もなかったのに
いきなりプレイアブルキャラになると言われても誰も喜ばないし納得もしないでしょう。
ララに匹敵する活躍を見せたウヌラトゥは還らぬ人となったので、繰り上がり当選みたいな感じがします。

ララがふたり同時に登場する前作の協力プレイは異様な光景ではありましたが、そもそもマルチプレイ要素を
トゥームレイダーというタイトルに求めてる人がどれほどいるのか、前々作から疑問でいます。


ララの母・アメリアの形見のブレスレットをウヌラトゥに捧げた真意もあんまりよくわかっていません。
思いが見えないというか、そうさせるほどの展開を描いてこれたとは思えないんですよね。
母親という共通点だけで、大切な形見を置き去りにできるものなのか。キーアイテムとしては弱かったかなぁと。

ストーリーに関係する点でもうひとつ言いたくなるのがサウンドトラックの弱さ。
新生三部作では共通のテーマが使われているのですが、本作ではその主張もかなりひかえめな感じでした。
音楽が印象に残る場面も少なかったかな…サンフアン教会の書庫ぐらいしか覚えていません。
前作は音楽の相乗効果もよかったので、そういう観点からも「オススメするなら前作」となってしまうわけです。


Sottr12

このままだと悪いところばかり挙げて終わりになってしまうので、良いと思ったところも紹介しておきます。

今回ストーリー上でもっとも気に入ってるのが2頭のジャガーを倒したあとキャンプで語られるジョナのセリフです。
世界を作り変える力を手に入れたらどうするか?と、ララに問われてジョナが答えたあの言葉。

「この世界が好きだ。完ぺきじゃないけど、俺が好きなものは全部ここにある」

このセリフを引き出してきただけでも「Shadow of the Tomb Raider」は評価に値すると思いました。
ものすごく深いし、プレイヤー自身に「自分はどうだろう?」と考えさせる良いセリフですよね。
本編のラストでも引用されるこのセリフはそれだけ本作における重要なメッセージだったのでしょう。
新生三部作はジョナの物語でもあり、このセリフにたどり着くまでの冒険をともにしてきた我々プレイヤーとしては
この一言からスタッフロールに突入してくれてもいいと思えるくらい、大きな価値があると感じました。


今後への期待なんですけど、秘宝探索というトゥームレイダーらしい目的に回帰してほしいですね。
敵対組織の妨害とか諸悪の根源の退治とかではなく、純粋に宝探しを楽しむララ・クロフトの姿が見たいです。
悪の魔王を倒して囚われの姫を救う物語はトゥームレイダーじゃなくてもできるし、期待してないので。

次回はエジプトかなぁ。ティラノサウルスは出てこないと思いますが(笑)そんな布石は打たれた気がします。



メインストーリー中のセリフでひとつ気になったことを思い出したので欄外に記載しておきます。

クワク・ヤクの遺跡を抜けた先、船着き場のような場所でトリニティの兵士たちが会話してる場面がありますが
あのときボートで運び込まれていた水中ドローン、その後まったく出てきませんでしたよね…?
いかにもな場所でああいうふうに紹介されたので、てっきり水中で邪魔してくる新要素だと思ってたんですが。

| | コメント (0)

2018年10月 3日 (水)

ゲームレビュー 「Shadow of the Tomb Raider」

Sottr01

[クリアまでにかかった時間]
達成度100%にしてからストーリークリアで約40時間。前作と同程度と言える。
メインストーリーだけなら7~8時間程度か。難易度ベリーハードクリア時は約9時間(死に戻りの時間含む)。


[ゲーム難易度]
前々作より若干難しくなっていた前作から、さらに少し難しくなっている。特に戦闘面がなかなか過酷。
今回から戦闘・探索・パズルという3分野の難易度をそれぞれ個別に設定できるようになった。
得意不得意に合わせて視覚や聴覚の情報までカスタマイズして楽しむことができる。

難易度をイージーに設定するとインスティンクト中にララが語るヒントの量が格段に増える。
前作と同じくらいヒントがほしい人、ララのセリフをたくさん聞きたい人はパズルだけイージーを選ぶとよいだろう。


[実績・トロフィー難易度]
4段階の難易度別実績あり。上位をクリアすることで下位の難易度実績もまとめて解除される。
それ以外の大半の実績は達成度100%を目指す過程で解除されるが、収集系など時間がかかるものはある。

敵兵との戦闘があまり多くなく、前作では本編クリア後に敵兵の再配置があったが今回は再配置がない。
メインストーリー中のわずかなチャンスを逃してしまうと戦闘関係の実績を取り返すのに若干の手間がかかる。
また、特定の戦闘系スキルの習得が必須の実績あり(『チェーンギャング』『一瞬の出来事』『忍耐』)。
ある程度は意識的なスキル構築が必要なので、スキルの一覧を確認しておこう。


[関連記事]
ゲームレビュー 「Rise of the Tomb Raider」(前作)
「Shadow of the Tomb Raider」 ネタバレありのストーリー感想


Sottr02

[良いところ]
・日本語を含む14ヶ国語字幕と12ヶ国語音声は今回も健在。登場する人種ごとに言語を変えることも可能に。
 (海外版には日本語字幕と吹き替えが収録されていないという情報あり)
・完成された前作をほぼ継承しており、その時点で一定のおもしろさが保証されていると言える。
・新たに追加されたアクション。ラペリング、ロープスイング、オーバーハングを駆使した移動。
・美麗なグラフィック。密度の高いジャングルと植物の表現には目を見張るものがある。
・文明と生活感を感じられるハブエリアの街並み。ちょっとした海外旅行気分を味わえる。
・音は聞こえるが姿は見えない存在により、ホラー的な要素をうまく強調している。
・フォトグラファーモードの追加。被写界深度やフィルターを設定して撮影ができる。ムービー中でも起動可能。
・音声ログの再生が任意になり、ゲームの進行を止めることがなくなった。
・クリア後に『強くてニューゲーム』モード追加。ここでしか入手できない専用の武器や装備まである。

 ※掲載されている画像はすべてゲーム内のフォトグラファーモードを利用したもの。


Sottr03

[悪いところ]
・ストーリーがやや薄味。ワンパターンな展開、こじんまりとした敵組織、雑な場面移動。
・登場人物の解説などが少なく、新規プレイヤーに優しくない作り。
・敵が基本的に近接攻撃主体で、飛び道具を恐れることなく駆け足で近付いてくる。ラスボスも同様。
・突然はじまる閉所暗所でのファイアファイト。上記の敵の習性もあって、プレイヤー側がかなり不利。
・敵の追跡を振り切るのが難しい。というより、どうすれば振り切れるのか条件が不鮮明。
・新たに入手した収集物を一覧から探し出すのが困難。音声ログを再生したかどうか確認する手段がない。
・収集物に隠された謎が本当にどうでもいい感想ばかりで、前作のような奥深さがない。
・前作にあったリプレイモードやスコアアタックモードが廃止されており、リプレイ性は低め。
 (トゥームのリプレイは追加の予定があるが発売時点では実装されていない)


Sottr04

[どちらとも言えない]
・贅沢な話ではあるが、完成された前作から変わり映えがしないという印象もある。
・ハブエリアに豊富に用意されたコンテンツのせいでストーリーの進行が止まりがち。
・一発即死のギミックは増えたが、落とし穴やトラバサミは減っているので歩き回りやすくなった。
・戦闘エリアとそれ以外のエリアの線引きがハッキリしており、よく言えば頭を切り替えやすい。
・大型敵性動物がリスポンするようになったが1種類のみ。
・音声ログすべてをララ自身が読み上げており、それぞれの著者や記録者は読み手として登場しなくなった。
・お金の使い道が増えたが、コスチュームはレシピを買ったあと素材を消費して自作しなければならない。
・クラフト用の素材が増えたが足りなくて困ることはあまりなく、狩りの必要性は薄い。
・前作と同じく、最終的にだいたいみんな一緒になってしまうスキル構築システム。使わないスキルも多い。

[補足]
・前作、前々作のセーブデータがあると?対応したコスチュームが追加される。
・デフォルトの明るさ、ガンマ値だとありえないくらい真っ暗な場面があるので若干あかるめ推奨。
・カメラの揺れを軽減する設定項目が今回から追加されたので、画面酔いしやすい人はチェックしておこう。
・不具合の一種だと思われるが、クリア後に進入すると出られなくなるエリアがある(後述)
・登場人物やストーリーの解説を聞きたい場合は、収集物一覧にある『ララのノート』をチェックしよう。
・スキルは1周100%分の経験値で9割くらい習得できる。全スキル習得には足りない。
・無敵のララ・クロフトでもピラニアには勝てない。


Sottr05

[総括]
「Shadow of the Tomb Raider」は新生三部作の最後を飾る作品である。
本作を語るうえで、良くも悪くも説明を果たす一文となる。頭の片隅につねに置いておかねばならない。

Game of the Yearに匹敵するとも言われた前作を超えるのは容易ではない。発売前は不安に思っていたが
根幹は大きく変えず、各要素に少しずつ新たなものを足すことで完成されたバランスを保っている。
特に前作に慣れ親しんだ人はその経験をそっくりそのまま本作でも活かすことができるだろう。


本作においてララ・クロフトの目的、行動原理はトリニティの野望を阻止することにある。
前作で見られたプライベートな事情や考古学的興味、秘宝探索といった動機は本作では二の次である。
これが微妙な違和感となっていたことにストーリーをクリアしてから気付いた。
トゥームレイダーという題名でありながら、悪の魔王を倒す正義のヒロインの物語になってしまっているのだ。

三部作の最後である以上、残された問題には決着をつけねばならない、そういう事情があるのはわかる。
ただ、数百年という長きにわたって暗躍し続けた秘密結社との戦いの終焉がこれででいいのだろうか。
すべての原因をひとりの悪役に押し付けるのはあまりにも都合が良すぎやしないか。

一挙両得の末、晴れやかな笑顔をたたえるララの姿に安堵しつつも、若干の疑問が残るところだった。


Sottr06

アクションアドベンチャーゲームにおいて、必要以上の説明はプレイヤーの操作の邪魔になってしまうものだが
本作は必要な説明が省かれていると感じた。もう少し饒舌に語ってくれてもよかった。
すべてのファンが研究や独自解釈を楽しめるわけではないし、できるとも限らない。
アクションの部分はほぼ完成されているので、もう少しアドベンチャーの部分を濃くしてほしかった。

現段階で判断するなら、やはり前作のほうが完成度の高いゲームであったと言える。
とはいえ前作もDLCによる補強で完成されたところもあるので、本作が今後どのようなDLCを提供してくるのか
2周目をプレイしながら待ちたい(2周目を始めさせるだけの力はある)。

高難易度に挑戦させるために『強くてニューゲーム』を導入したのは素晴らしい判断だ。
ただしベリーハードは生易しくない。次のベースキャンプが恋しくなり、操作する手が震えてしまった。


[オススメ度]
前作に引き続いて高いが、興味をもってプレイするなら最低でも前作からプレイしておいたほうがよい。

前作や前々作の登場人物の名前がしばしば会話に出てくるが、本作のどこを見ても紹介は載っていないので
疎外感を味わいたくないのであれば予習しておいたほうがいいだろう。



[難易度設定補足]

Sottr14

難易度の変更でどれくらいヒントが変わるのか、比較画像を用意したのでご覧いただきたい。
上の画像はノーマルでインスティンクトを発動している状態。操作可能なオブジェクトが黄色で表示されている。

壁や足場の白いペイントは前作よりも控えめになり、正しい進路を見つけるのが難しくなっている。


Sottr15easy

探索とパズルの難易度をイージーにすると、このような変化が出る(画像の円の部分に注目)。
壁や足場の白いペイントはよりハッキリと表示され、トゥームの攻略に必要なオブジェクトは青色で表示される。
青色で表示されるオブジェクトはトゥームの攻略が進むたびに変化していくので非常にわかりやすい。
ララが述べるヒントもかなり具体的になり、プレイヤーがほぼ頭を使わなくていいくらいの指示を出すようになる。

なお、前作ではインスティンクト中に黄色で表示されていたクライミング可能な壁は今回は黄色で表示されない。
難易度を下げても、それらしい性能をもつスキルを習得しても強調表示されないのでやや見つけづらい。



[確認した不具合]

Sottr13

サンフアン教会のサイドミッション「悲運」でイサベラを救助した遺跡は、クリア後にふたたび内部に進入すると
脱出できなくなってしまうので注意すること(入口のハシゴがなぜか登れなくなってしまう)。

遺跡の内部でチェックポイントが記録されると、そのセーブデータでは脱出不可能になってしまう。
この場合、一旦ゲームを終了してメインメニューから「ゲームのロード」を選び、LT+RTでバックアップセーブを
ロードして遺跡進入前まで戻れば解決できる。特に用がないなら遺跡には近付かないこと!

 ※DLC第1弾「The Forge」が配信された11月13日時点でもこの不具合は解決されていない。



[難易度ベリーハード補足]
セノーテは最大の難所。オーバーハング用の登山用具を入手して地上へ出るまで次のベースキャンプがない。
地下室での戦闘、パズルと戦闘の複合エリアでは各種ハーブを惜しみなく使って自身を強化していこう。
各エリア内に配置されている緑色に光るツボは爆発物なので、敵の出現に合わせて使うこと。
ハンドガンのフレア弾が何気に強力でオススメ。踏み込む前に5発分作っておきたい。

装備はフォーカスタイム延長がつくウルクのカウル、下半身はお好みで合わせるといいかも。
ちなみにシックス・スカイの自然回復はベリーハードの戦闘中は一切効果がないので装備してもムダ。

エリア間を結ぶ通路で飛び移るのに失敗したり、事故死したりでも当然だがベースキャンプまで戻される。
複合エリアを抜けた先の強制移動シーンもワンミス即ベースキャンプ送りである。
強制移動エリアの一番最初にあるジャンプ→グラップルの部分は本当に怖いので見落とさないように。

やや反則気味の技だが、画面の明るさとガンマ値を最大にしておくと見やすくてミスを減らせるかもしれない。

セノーテを突破できる腕があれば、以降はつまづくことはないと思われる。
とにかく落下死にくじけない強さをもとう。ベリーハードでもっとも恐ろしいのは落下死である。



Sottr07

ものすごく当たり前なことを書きますけど、達成度100%にしちゃうと本編でやることがなくなるんですよね…。
なので、特に理由がない限りは急いで100%を目指すのはやめておいたほうがいいと思います。
攻略情報はできるだけ見ず、隠されているものはすべて自力で探す。
それぐらいゆっくりプレイしたほうが満足度は高くなり、本作の印象も大きく変わるのではないかと。

達成度100%には武器の収集や強化、音声ログの再生は含まれていません。
高難易度のクリア実績に向けて武器の全強化、音声ログの順番どおりの再生などをしておくのがオススメです。
単に実績目的というだけでなく、ストーリーの復習という意味でも2周目はありだと思います。


いまのところDLCの内容が不明で、今後どれくらい遊ばせてくれるのかちょっとわかりません。
前作より値段が上がっているシーズンパスが気掛かりです。なんとなくイヤな予感がしなくもありません。

前作のDLCに導入されていたCo-opモードが今回も実装されるという噂は聞いてるんですよね。
(先日公開された動画を見た感じでは、専用のチャレンジトゥームを2人プレイするっぽい?)
でも、トゥームレイダーというゲームにCo-opや対戦といったマルチプレイ要素を期待する人がどれだけいるのか
甚だ疑問であります。実装してもいいけど専用の実績は作らないでほしいです(笑)

| | コメント (0)

« 2018年9月 | トップページ | 2018年11月 »