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2019年3月31日 (日)

2019年 冬アニメ総括

新しい元号の発表が迫っていますが、なんだかまだ実感がないというか、変わっても変わらないというか。
便乗してうちのブログも少し変化させたいと思ってるんですけど、ココログのリニューアルの影響でいまは難しく…。


今期もっとも刺激的だったアニメは「モブサイコ100」の2期。これはもう無料で見ていいアニメじゃないですね。

単によく動くだけではなく、メッセージ性あふれる魅力的なストーリーの上に迫力ある動画が乗っかっているという
アニメという媒体において理想的な状態にある傑作。なんでテレビで放送できてるのかわかりません。
このレベルのアニメをテレビでやられたら他のスタジオが頭抱えるでしょ…簡単にマネできるものじゃないですよ。

完全新規のタイトルとしてはやはり「約束のネバーランド」が群を抜いていたと思います。
手探りの緊張感、テレビアニメならではの次回への"引き"、そして1クールというパッケージでのキリの良さ。最高。

前期からの継続作品も含めていいなら「風が強く吹いている」を挙げたいです。もっと多くの人に見てほしい。
静かな積み重ねの繰り返しで、それが中盤以降の展開を大きく盛り上げる。さながら長い上り坂のようなアニメなので
気軽にオススメしにくいところはあるのですが、最後まで見続けた人を決して裏切らない傑作だと思います。
ぶっちゃけ駅伝ってまったく興味なかったんですけど、次の箱根駅伝から見方が変わりそうですね…。

これらに追随するのが「どろろ」。好調なまま折り返し、来期へと続きます。


「私に天使が舞い降りた!」は期待されたものを期待以上の状態でお出ししてきたのが本当にすごいと思います。
いまや動画工房は一部のアニメファンにとって、ガスや水道に匹敵するライフラインです。

放送前にいろいろあった「ブギーポップは笑わない」の再アニメ化は、終わってみれば結構イイ線いってたような。
世代的な問題も評価に影響しているのは間違いなく。原作を読んでいたころの自分に引き戻される感覚もありましたし。
ただ、毎週30分ずつ放送するテレビアニメの形式に合っていたとは言いがたいところはあります。
途中の4話一挙放送は非常に見やすかったですしね。理想を言えば月1回の2時間放送がよかったんじゃないかと。

「同居人はひざ、時々、頭のうえ。」や「ガーリー・エアフォース」、「えんどろ~!」は突出したものはないけど
これが終わると1週間がさびしくなりそうだな…という、親しみを持てる良いアニメでした。
「バミューダトライアングル」もそこに含まれるかも。最後までふわっとした妙な話ではありましたが。


谷口悟朗監督作品と相性の悪い自分にしては「revisions」の最終評価はわりと良いほうでした。
個人的にタイムリープ要素が好きなのと、手描きに肉薄する3DCGによる作画が影響していると自己分析しています。
今後さらなる危機も描けるだろうと思っていたところに、きちんとその可能性を提示してくれたことにも好感。
中盤の悪いオトナたちのアレコレにはストレスしか感じませんでしたが…まあアレも必要だったのかなぁ。

なんだかんだで全アニメシリーズに付き合い続けている「BanG Dream!」、2期はまあまあでした。
1期の時点で作品全体に対する評価が自分のなかで確定していたこともあり、多少の不手際(笑)は見過ごせるというか
何をやっても加点にしかならない状態で見始めたのがよかったのかも。

ストーリー上に明確な憎まれ役を置いたことで1クールのアニメとして見やすくなっていたのは間違いなく。
ただ、そのぶんワリを食っていたキャラも少なからずいました。登場人物が多いと全員にスポットを向けるのは難しく
作劇のテーマに利用しやすいキャラが優遇されがちです。今回の2期でいえば、おたえがそれですね。
特に後半は『おたえが主人公のアニメ』という印象を抱いた人も多かったのでは。


「ぱすてるメモリーズ」は諸般の事情により第2話が永遠に封印される(笑)というしょーもない事件さえなければ
結構いいところまでいってたんじゃないかな?と思わなくもなく。変なところでミソつけんでくれ…。

「転スラ」の終盤は正直つまらなかったなぁ…子供たちが出てきてリムルが先生になるあたりは本当に退屈で。
新たな"さすリム"要員を増やしただけで、ストーリー上の起伏に影響しなかったのが退屈さの理由かもしれません。
やっぱり森を開拓して村を作るあたりが変化に富んでいて一番おもしろかったですね。

異世界転生という枠で言えば「盾の勇者の成り上がり」も同様。1クール目後半の単調さはだいぶ気になりました。
尚文以外の3人の勇者が掻き回して、尚文たち盾の一行が尻ぬぐいして…今後もこれの繰り返しなのでしょうか?
あと、以前もちょっと触れましたけど、フィーロ登場以降の作品全体の"没個性化"とでも言いますか。
「他の異世界転生ものとは違うものが見れそう」という期待を裏切られたところも評価に影響しています。

今期最低は間違いなく「エガオノダイカ」でしょう…少しでも褒められる部分を見つけられればよかったのですが
30分間の放送のなかで褒められる部分がまるで見つからない、どうしようもないアニメでした。
ロボットもののオリジナルアニメってつくづく鬼門だなぁ…いや、今回の場合ロボットはあまり関係ないか。


最後にちょっと実写作品の話もしていいっスか? 今期は「トクサツガガガ」が非常におもしろかったですね。

他人の趣味や嗜好を侵害する怖さ、特に親子関係の場合、そこに強制力が備わってしまう恐ろしさがあることを
NHKという日本一視聴者の多い放送局から発信してくれたことを評価しなければなりません。
親のキモチもわからなくはありませんが、子供にしてみれば一番身近な人が敵にまわるわけですからね。
親にとっては些細なことであっても永遠の決別につながる場合もあります。

とりあえず、法に触れていないうちはどんな趣味や嗜好でも許してあげてほしいですね。
年齢や性別で判断するのは色々な意味で(ドラマで描かれていた以上の理由も含めて)大変危険です。
理解できなくてもいいので否定だけはしないでほしい。「そういう人もいる」と思えばいいだけの話ですから。


さて…来期はもう目前に迫っております。なんでも来期は新作アニメの本数がだいぶ少なくなるとか。
少なくしたほうがいいと思いますよ。人を集めるのに苦労して、無残なアニメが世に放たれてしまうくらいなら。



「ケムリクサ」と「けものフレンズ2」の感想は長くなってしまったので、他の作品と分けることにしました。

これまでシリーズ構成の仕掛けというと、第3話の終わりにどんでん返しを仕込むのが一種の定型となっていましたが
たつき監督の場合、11話の最後にクリフハンガーを用意するのが定型として認められたことになります。
しかし「ケムリクサ」のアレは逆効果だったかなぁと…クリフハンガーの種明かしに裏切られた感じがしまして。

その影響もあってか、あきらかに間に合っていない戦闘シーンを見ているうちに自分のテンションはどんどん下がり
最終的な評価は佳作程度に落ち着きました。OP・EDの効果的な利用など見どころはたくさんあったんですけどね。

自分のテンションを下げた理由はもうひとつあります。それは、いわゆる『ネットの総意』のこと。
「ケムリクサ」を絶賛しよう、「けものフレンズ2」は盛大に貶そう。この考えがネット上の"体制"になったことで
「ケムリクサ」という作品を取り巻く環境すべてが胡散臭いものに見えてしまったのです。
正直怖いですよ、外側から見ると。「たつきを信じろ」という信仰によって結束した至上主義の集団ですから。

どんなに「ケムリクサ」がおもしろくても、反比例的に「けものフレンズ2」の評価を下げる必要はありません。
ニコニコ動画の視聴後の投票でありえない数値が出たのも、低い評価を下すことを楽しむ"祭り"によるところが大きく
アニメ本編の内容とはかけ離れた過剰なものである、と個人的には捉えています。


たつき監督のこれまでの作品、「けものフレンズ」や「ケムリクサ」には伏線の回収や考察の余地が盛り込まれており
その影響で視聴者みんなが伏線の存在に期待し、無暗やたらと考察する傾向が定着しました。
結果として、異なる監督の手による「けものフレンズ2」にも伏線や考察を求める視聴者が多くなったわけです。
よくない傾向だなぁ…と、内心思いながら"体制"の反応を見つめていました。

世間に最初に認知された「けものフレンズ」がたまたま1期のようなアニメであったため、その路線から逸れるのを
許さない空気が生まれてしまったことが、いろんな方面に不幸を生じさせているような気がするんです。
つまり、"体制"にウケたのは「けものフレンズ」というコンテンツではなく、たつき監督の芸風だったのでは。

…とまで言うとさすがにアレですか。「けものフレンズ」の部分を好きになった人も確実にいますからね。
自分もどちらかといえば「けものフレンズ」の「けものフレンズ」の部分(ややこしい)を楽しんでいました。

「けものフレンズ2」にはたしかに気になるところはありましたが、酷評するほどのものではありませんでした。
劇中に登場させたものをうまく利用できずに終わってしまったところがあり、もう少し先を見据えて出せないものかと
…いや、やっぱり自分にも伏線の存在に期待してしまうところが少なからずあったようです。

かわいいだけでもいいけど、その先にストーリー性やメッセージ性がほしくなるのは仕方ないかな。



[4/2 追記]
放送と編集のスケジュールの都合で「けものフレンズ2」の最終回を評価の材料に入れることができなかったのですが
最終回を見たあとでは、このアニメをあんまり擁護できない気もしてきました…なので追記しておくことに。

結末自体はみんな予想できてたと思うんですよ。キュルルちゃんがたどり着く"おうち"の答えに関しては。
そこに味付けとして、帰る場所を失ってしまったリョコウバトや、定住と相反する存在であるホテルを出してきたのは
物語の構造として結構うまいなぁと思って見ていたんです。使い方次第で良くなるだろうと。
しかし、期待したほどうまく利用されませんでしたね。まあ勝手に期待してしまった自分が悪いんですが。

それでも『今期最低』はないです。それは絶対に。でも、悪く言われるなりの理由はあるアニメでした。

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