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2021年4月 5日 (月)

2021年 冬アニメ総括

最終回が4月にはみ出してしまう作品がいくつかあったため、当ブログも若干遅れての振り返りとなります。

歌やスポーツに陰りが見えるコロナ禍で、アニメやゲームは以前よりも輝いて見えます。
「シン・エヴァ」の話題性、競馬に新たな客層を送り込む「ウマ娘」、グッズ化も加速する「モルカー」。
「鬼滅の刃」ブームも最盛期は過ぎた感はあるものの、まだまだ活気を残していそう。

テレビアニメを話題にし続けてきた自分からすると、もっとテレビアニメが注目されてほしいと思うんですよね。
それも、できれば放送中の作品。「鬼滅」は放送終了後でしたが「呪術廻戦」はかろうじて達成できたかな?


長い長い事前登録期間の末にようやく配信開始となった「ウマ娘 プリティーダービー」、その完成度の高さから
プレイヤーたちをテレビアニメ(「Season 2」)のほうにも引き寄せる効果がありました。
今期放送のアニメのなかで、Twitterのタイムラインで確認できる視聴者数がもっとも多い作品でした。
ゲームの効果もさることながらアニメとしての完成度の高さが注目を集める大きな要因になっていたと思います。

なにせ原作が良いので(笑)いや…今期はその原作の無慈悲さに苦しめられる視聴者も多かったのではないかと。
相次ぐケガ、挫かれる希望。史実どおりとはいえ、見ていてつらくなるシーンがいくつもありました。
その一方で肥ゆるスペちゃん、ズッ友なギャルなど、笑いを誘うシーンもバランスよく配置。

かわいさもありカッコよさもあり、本当にあらゆる方向に優れたテレビアニメ。久し振りの手応えでしたね。

ただ、ひとつどうしても申し上げたい苦言があります。それは最終回のレース中に差し込まれたコメディ要素
今回の2期は美容院のふたりなど、よくわからないコメディ(笑)が全体に散りばめられていました。
でもそれが許される雰囲気というものがあって、できれば最後の有馬では避けてほしかったんですよね…。
観戦するすべての人がギャグマンガみたいに号泣しているのも、茶化されてるみたいで個人的には悪印象でした。

最終回でもっとも大事なのは有馬で、そのあとに開催されるウイニングライブではなかったはず。
なのに作画はウイニングライブに注力され、有馬のシーンはあきらかに力の配分が弱かったのも残念でした。
あと、あのライブを見てみんなナイスネイチャの話しかしてないのもメガネ好きとしては納得がいきません(笑)

以上のことから、100点満点はつけられないけど今期随一の作品であった、という評価になります。


ストーリー面で言えば「Re:ゼロから始める異世界生活」の2期後半も特筆すべき内容だったと思います。
通常テレビアニメはCM部分を差し引くと、本編部分は23~4分という程度の尺になります。
しかし今期の「リゼロ」はCMがほとんどない。30分の放送枠を限界ギリギリまで放送に使っていくスタイルで
最後にオマケ程度に挿まれるCMもゲーム版「リゼロ」のものだけ。主題歌が流れる週はわずかでした。

これまでに登場した印象的なキャラが驚くべき役割で登場する過去編。積み重ねが活きる正解のルート。
長いシリーズですが、ここまで付き合ってきてよかったなぁと思えました。特殊な放送形態が許されるのも納得。

なんかもう大団円な感じでしたけど、ここからようやく王選ってヤツが始まるんですよね…まだまだ先が長い。


寸感で注目の作品として挙げた「ワンダーエッグ・プライオリティ」と「魔道祖師」、「SK∞」は期待どおり。
…といっても「SK∞」以外はまだ完結していないので現時点での評価となりますが。

「ワンダーエッグ・プライオリティ」は自分としては珍しく、メモを取りつつ考察しつつの視聴となりました。
そうでもしないと理解が追いつかないというのもあるし、そうさせるパワーがある作品とも言えます。
わからないけどおもしろい、読み解くのがおもしろい。けど、どんなに考えてもわからない。
「エヴァ」ほど衒学的ではないものの感覚的には「エヴァ」を見ていたときに近いかもしれません。

一番厄介なのは劇中で『上』と『下』と表現される空間、リアルとファンタジーの境界があやふやなところ。
後半にあたる9話以降は特にSF的な描写も多く、明かされる情報に戸惑うこともしばしば。
次回の特別編は6月末放送と聞いて、10年前に震災で最終回が放送延期になった「まどマギ」を連想しました。


「魔道祖師」はここまでの1クールがプロローグで、おそらく本筋はこれからが始まるんですよね。
1クール作品が当たり前な昨今、気長な話ではあります。しかし、展開がゆっくりでもじゅうぶん見るに堪える。
大河ドラマを見るような気持ちで楽しんでいます。放送もちょうど日曜で大河の直後ですし。
あと、やっぱり画面の精細さがすごくて。ただ見ているだけでも贅沢な気持ちになれるアニメです。


放送前はスケートボード周辺の文化がアニメファンに受け入れられるか不安だった「SK∞」は、終わってみれば
超次元スケボーアニメとして、つまりホビーアニメ的な味付けの作品として見事に心をつかんでいました。
スケートと沖縄に対する多大な誤解が生じたような気も(笑)まあ、現実の競技と混同する人もいないかな?

競技内外の直接的な暴力行為でトーナメントが動いていくとは思っていませんでした。でも、ああでもしないと
テクニックの面では天才たちにおよばないレキのスケートへの取り組み方を描けなかったでしょうね。
シャドウはいろんな意味で不運だった…もし続編があるなら報われるところが見たい。
予想に反してアダムは逮捕されなかったし、続きを描くにじゅうぶんな下地が整っているのでは?

余談ですが「ワンエグ」は8週目に、「SK∞」は9週目に実質上の総集編を挿んでいました。
今期はこういう後半や最終回直前に総集編が放送される作品がいくつかあり。ちょっと気になる傾向でした。


いまどき珍しいぐらいマジメに戦記をやってる印象だった「オルタンシア・サーガ」は最終回で評価が急上昇。
なんか無難に終わるのでは?とゆったりした気持ちで見ていたら、とんでもない結末に驚かされました。

登場人物たちの成長が見える最終回までの流れや、非常に合理的な展開も評価していたんですよ。
なぜこの世界に魔物と呼ばれる幻想的な生き物がいるのか、そこまできっちり説明してた作品ですからね。
それだけに、この結末で終わるの!?という強い衝撃があったのかもしれません。原作の続きが気になるわぁ~。

同じく、マジメで堅実な内容のファンタジーものとして「キングスレイド」にも触れておかねばなりません。
ストーリーも本当に王道中の王道で、そのせいで目立った特徴のない作品として見られていた気もします。
2クールという尺で「オルタンシア」以上に積み重ねを築き、別れるには惜しい旅を描いてくれました。
あとは…なんか全体的におっぱいデカいアニメだったな(笑)胸の描き分けにも妙なこだわりがあったような?


「キングスレイド」とならんで、評価とか関係なく好きで見ていたのが「ラスダン」でした。

「ラスダン」こと「たとえばラストダンジョン前の村の少年が序盤の街で暮らすような物語」は原作から改変や
省略が多いという話は耳にしていましたが、アニメ単体で見ていてそれほど違和感のあるものではなく。
少なくとも自分はまったく悪い気がせず、むしろ毎週楽しく見ていました。
登場人物みんながかわいらしく愛着をもって見られる、もうちょっと続きを見ていたくなるアニメでした。

「ラスダン」に限らず、原作既読者がアニメ化作品を見るとどうしても間違い探しになってしまって。
どこが違う、何が欠けてる。アニメ化に際して変えた部分がすべて減点対象になる。厳しい見方になりがちです。
そういう原作既読者の指摘が『アニメだけを見て楽しんでる人たち』に水を差すことになりかねません…。

テレビアニメはテレビ番組として、テレビで見ている人を楽しませるものになっていればそれでよい。
そこを起点として、原作に興味をもってくれればなおよし。「ラスダン」はきっと成功の部類ではないかと。

アニオリの部分が指摘される「約束のネバーランド」もアニメ単体としてはひとつの正解だと思うんです。
やや駆け足なエピローグにしても、あのあとの出来事を想像するにはじゅうぶんな置き土産だったと思いますし。
「キングスレイド」のリヒトなどは彼が想像しない状態で描かれる原作を想像しにくいほどでした。


「ラスダン」といえばオープニング曲もツボでしたね。世代に刺さり過ぎる、ものすごいI've固めの制作陣。
今期ほかにお気に入りだった主題歌は「約ネバ」と「のんのんびより のんすとっぷ」のOP曲。
「のんすとっぷ」のOPは全編に渡ってギターの音がとても気持ちよく、ニヤニヤしながら聴いてました。
あと「ワールドウィッチーズ 発進しますっ!」のOPも本編に不釣り合いなくらい無駄にエモくて(笑)よかった。

「のんのんびより のんすとっぷ」は第5話のこまぐるみが脱走するエピソードが傑作。
ああいう不条理なギャグと心暖まるエピソードが交互にやってくるため、回ごとの印象にかなり波がありました。
否応なしに過ぎていく時間、次へ向かうこと、変化の春。それらがポジティブに描かれていたのが好感。


ほかに今期視聴中に思ったことをいくつか、視聴時のメモから書き写しておきます。

「ゆるキャン△」はもはや良し悪しではなく、全国民に必要な穏やかさを給付する存在と言えます。
アニメ2期が終わって、その30分後にはドラマ2期が始まる。アニメで見たエピソードがもう実写になってる…。

「Dr.STONE」の2期「STONE WARS」は全体的に満足できるもので、司の冷凍睡眠も科学的なロマンがあって
よい結末だったのですが、その先の続編を描くことについては反対というか。妄想であるうちが華かなぁと。
妄想どおり、理想どおりにきちんと描かれたらそれはそれで満足しちゃうんでしょうけど!

「BEASTARS」2期と「ホリミヤ」BLです。原作者が否定したとしても断言できるレベルのBL。
どちらも男女の恋愛として描かれると思って見ていただけに、思い込みとのギャップで毎週結構な衝撃でしたね。
ハルちゃんもジュノさんも影が薄すぎる…サービスシーンはあったものの記憶から抜け落ちていました。
「ホリミヤ」は歯型の一件が堀さんとの山場で、それ以外は宮村総受け(男からの)が事実。

「ひぐらしのなく頃に 業」の『郷壊し編』は半分ギャグでしょ…原因の大半は沙都子の選択にあるのですが。
あれほど強大な能力を得てもなお、その力を学力向上に使おうとしない意地がすごいというか(笑)

物語は「業」から「卒」へ。我々も「ひぐらし」を卒業できることを祈りつつ。次こそ悟史は出てくるのかな?


「転生したらスライムだった件」の2期終盤はずっとモヤモヤした気持ちで見つめていました。
生き返ることが織り込み済みの味方の犠牲と、リムルが魔王になるための材料としての敵軍2万人の犠牲。
単純に勧善懲悪として見れば、仇を討って材料も手に入って一石二鳥!でよいのですが、同じ命ですからね…。
1万人の被害が魔物の国に対する印象をどう変えるかなど、ハッピーラッキーでは済まされない懸念があります。

この先どう落とし前をつけるのか、気になるといえば気になるのですが楽しくは見続けられないかも。
シオンは死んだままのほうがドラマとしてはよかったんじゃないかな…などと個人的には思っております。


今期最終回を迎えた「ヒーリングっど プリキュア」。終盤のダルイゼンとの決別の回は衝撃的でした。
これまでのプリキュアでは敵にもある程度の情けをかける、あるいはなんだかんだで生き延びて地球で生活する
パターンが多かったので、「悪は悪である」と断じて見放すという選択は新しかったと思います。
ニチアサという広い範囲で見ても珍しい『お約束潰し』だったのでは。でも、あの選択は正しかったですよね…。

新作「トロピカル~ジュ!プリキュア」は微妙にレトロな空気が漂う、悪く言えば古臭さが気になります。
トロピカルや南国といったキーワードから連想するイメージの安直さ。ステレオタイプに乗っかっているところ。
オトナのアニメオタクにはお約束として通じるものが、はたして現代のお子様に通じるのかどうか。

学内のなんでも屋的なポジションに納まると思っていたトロピカる部が、活動に具体性がないままOGの後押しで
部活として認められてしまったあたりに、視聴者を納得させる力がちょっと弱いなと感じています。


さて…これでようやく区切りをつけられる。既に春アニメの一部は放送が始まっております。

長年アニメの新作情報を提供してくれていた某・サイトがプロバイダのWebサービス終了とともに閉鎖したため
春から新作アニメの放送日程などを調べるのにちょっと手間取っています。
Yahoo!テレビの番組表で、検索条件を『アニメ/特撮』『新番組』に設定したものがなかなか便利。
番組情報にあらすじや役名が併記されたキャスト欄なども載っており、視聴時のお供としてオススメです。

しかし正直な話、アニメを継続的に追いかけるのにも疲れてきましたね。いや、サイクルに飽きてきたのか。
何か新しいことを始めようとするのにアニメ視聴の時間的拘束がジャマになってきた、というのが正しいかも。
続きモノは別として、オンタイムで実況しつつの視聴は今後減らしていこうかと思っています。



今期は途中で脱落してしまった作品が結構多かったですね。そのなかに傑作もあったかもしれません。

アニメの内容とは関係なく、バックにいる企業を理由に作品を貶すタイプのアンチもいるようで。
原因はおそらく過去のアニメ作品における『やらかし』で、ようは前科持ちを前科で殴り続けてるわけですね。
至極くだらない話ですが、そういう人たちの貶しも作品の評価として同等にネット上には置かれています。
他の人の評価を読むうえでそういう事情は一応把握しておくべきかと…あくまで、他人の評価を気にするならば。

「PUI PUI モルカー」を見ていると、アンチがつきにくくウケやすい作品の傾向が見えてくる気がしました。
まず大前提として、商売っ気が薄そうに見えること。回収できてるのかどうか視聴者が不安になるくらいがよい。
ある種の嫌儲主義といいますか、お金の匂いがするとネット上の群衆はすーっと去っていくものです。

あとは考察の余地ですね。なんでも掘り下げるのが大好きな人たちによる考察がライト層への拡散につながる。
一見ソフトタッチの世界が、その奥に仕込まれたネタによって奥深いものに見えてくるみたいな。

この条件に当てはまるのが「けものフレンズ」で。2期がそうならなかった理由もこれで説明がつくのでは。

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