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2021年10月26日 (火)

2021年 秋アニメこぼれ話

前回の記事(秋アニメ寸感)で予告したので、「無限列車編」の感想をいまさらですがお伝えしようと思います。

あれから時間を作り、劇場版「鬼滅の刃 無限列車編」テレビ版「無限列車編」第1話を消化しました。
劇場公開からこれまで散々話題にし尽くされ、加えて予告や宣伝など、つまりはネタバレを聞かされてきたので
新鮮な体験とは言いづらい状態でしたが、飽きることなく2時間楽しむことができました。

本気で楽しむにはテレビアニメの第1期にあたる「炭治郎立志編」を見ておく必要はあると思います。
しかし、それは予備知識としてあるだけでいい。独立した映画として、まず冒頭の15分間が秀逸な出来でした。
緊張あり笑いあり、そして煉獄杏寿郎というキャラクターの魅力が詰まった15分間。
その15分間で視聴者の意識がしっかりと作品に惹き込まれ、残りの1時間以上を見続ける準備が整います。

「鬼滅」のファン層は幅広く、下は小学校低学年くらいのお子さんも見る作品です。
そういう低年齢層をどうやって画面に集中させるかも「鬼滅」の映画となれば考える必要はあったと思われます。
まさか序盤からあんなにかわいらしくコミカルな絵が出てくるとは…そのへんも抜かりはないなぁと。

(…と書いてから「無限列車編」の年齢制限をあらためて確認したのですが、PG12でしたね)

長く続く物語の一部ではありますが、「無限列車編」にはどんな時代の人々にも通じる不変のメッセージがあり
それは煉獄さんだけでなく鬼殺隊の面々、魘夢が見せる夢などからも感じ取ることができます。
何が幸せで、どんな悩みがあり、壁にぶつかったときどうするか。あらゆる年齢層、人種に訴えるものがある。
個人的には煉獄さんよりも伊之助が発するセリフに震えることが多かったかな。特に終盤は。

ただし客観的には「社会現象になるほど大ヒットする映画か?」という疑問はあります。
社会情勢や劇場公開までの話題性の増進など、映画単体ではなくさまざまな要因があったのは間違いないかと。


そして、秋アニメとして放送がはじまったテレビ版「無限列車編」の第1話へと話は移ります。

「炭治郎立志編」と劇場版のあいだには若干の空白期間があり、そのあいだを埋めるのが今回の第1話でした。
劇場版と同日に見ても比肩するクオリティ。異常なこだわりを感じられる蕎麦屋の描写(笑)
いまや不動の人気キャラとなった煉獄さんの活躍を新たに描ける、時系列的に過去にあたるエピソード。
無限列車に乗り込むまでの過程、あの弁当の由来、魘夢の手先となる乗客たちの横顔など見どころはたくさん。

列車に乗り込む直前の「また会いましょう!」というセリフの重さが劇場版を見たあとだと段違いですよね…。
劇場版で盛り上がったファンに対する特大のエモいプレゼント。うまい第1話だと思いました。



関係ない話…とも言えないけど、無限列車って鉄ヲタ的にはどう見えたのかちょっとだけ気になりました。

以下は今期の新作を見て思ったこと、寸感では省いた作品の感想をいくつか。
Twitterでの実況を極力減らしてる反動で「これどこかで書いておきたいなぁ」という話がわりとあるんです。


「舞妓さんちのまかないさん」が自分のなかでちょっと盛り上がってます。Eテレで放送中の10分アニメ。
盛り上がってるというのはおもに技術的な話で、10分アニメとは思えない高水準な背景美術も気になるのですが
一番注目してほしいのは本作がきわめて自然なタッチの3DCGアニメであること。

不覚にも初回でそのことに気付けなかったんですよね…なんの違和感も覚えず、普通に見終えてしまって。
翌週、オープニングのすみれが正面を向いて歩くカットの手の動きを見て「おや?」っと初めて気付きました。

なぜここまで自然に見えるのか。3DCGだとわかった途端、お話そっちのけで気になってしまいまして。
おそらくモーションキャプチャーではない、使っていたとしてもそのままでは使わず動画を描くように修正して
中割りのコマを作っているのではないかと。それと、手描きがニガテとするアングルを避ける。
3DCGってどんな角度でも破綻しないせいで、手描きだと絶対にやらないアングルを採用しがちなんですよね。
手描きのアニメを作るのと同じように3DCGを使っているのかな?と、素人目に推測しています。

お話としてはまあグルメものというか、タイトルが示すとおり『まかない』を紹介する作品です。
時間的負担が小さく、気が付くと技術的にも興味深い作品としてオススメ。ちなみに制作はJ.C.STAFFです。



いわゆる日常系のアニメって、どこか現実と切り離されたファンタジー感があるほうが素直に楽しめるんだなと
「先輩がうざい後輩の話」を見ていて感じます。舞台設定が現実味を帯びると素直にかわいいできない
…などというのは杞憂で、2話以降は急激に日常系アニメ的なテイストにシフトしたので安心して見れています。
良い意味でありふれた話になったというか。クリスマスのエピソードなんかは特にそんな感じ。

現実味や生々しさを帯びるラインはどこからなのか?と考えると、やはり大学生から上になるでしょうか。
逆に、なぜ高校生以下だと現実味を帯びずに安心して見れるのか。
学生時代に学校が舞台のアニメを見て、その現実味に苦しんだ経験なんてないなぁ…マジメに考えると不思議。

動画工房は本作とは別に今期もう1本、「SELECTION PROJECT」というアイドルものを手掛けています。
リアリティーショー形式と銘打ってはいますが、あれはまあ…量産型アイドルアニメの域を超えるものではなく。


日常系といえば「ジャヒー様はくじけない!」の最近のエピソードを見ていると、もはや「ジャヒー様」という
箱を借りているだけの「サザエさん」や「ドラえもん」みたいな長寿アニメを見てる気分になります。
いや、決して褒めているわけではなく。エピソードの捻出の仕方がそういう領域にはいってきてる感じで。



どういう奇跡が連鎖すると「進化の実 ~知らないうちに勝ち組人生~」みたいな作品がアニメ化にまでなるのか
甚だ疑問なのですが、何もかも投げうって悪ふざけしてる感じが逆におもしろく感じつつあります。

ってかね、令和の時代に井上麻里奈がヒロインを演じるアニメが見れるなんて思ってなかったからうれしくて…。
いやヒロインなのかな?、正ヒロインはピンクのゴリラのほうだもんな。
ピンクのゴリラに半ば愛着が湧きかけたころに美少女化してしまって、わりとガッカリしてる自分に気付きます。
見た目がゴリラのまま声だけ花澤香菜になるとかのほうがネタとしても話題性という意味でも強かったかも。

テンプレートに沿った異世界転生モノが山ほどある時代だし、ギャグに全振りしたこんなメチャクチャな作品が
ひとつぐらいあっても許されるのではないかと。月曜深夜の最終枠ともなれば特に。
でも、こんなアニメの主題歌を歌わされるPoppin'Partyがかわいそうにはなりますね…どうしてこうなった。



テレビ放送の副音声でオーディオコメンタリーを流す試みに若干の弊害を最近感じています。
毎回オーコメがついていた前期の「乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…」2期同様
今期も「終末のワルキューレ」で出演者を毎回入れ替えてのオーコメ放送を実施しています。
しかし録画して2回見るほど好きなアニメじゃないと、どちらを聞きつつ見るかで結構悩むんですよね。

「はめふら」は字幕ありだったので字幕を表示しつつ副音声で視聴していましたが、「終末のワルキューレ」は
字幕がついていないので、本編でどんな会話が交わされているのがほとんどわからないまま見ています。
結果として話の理解度がメチャクチャ低い。いや、主音声で見ればいいんですけど。

なんかこう…主音声もしっかり聞き取りつつ副音声も一度で楽しめる方法ってないものでしょうか?
主音声と副音声の音量のバランスを変えたり、右側と左側で別の音声を出したりとか…それはそれで混乱するか。



寸感のなかで『積み映画』の話をしましたが、かろうじて消化できた作品もいくつかありまして。
そのなかの一本、「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」を見たあとに、本作の批評を調べたところ
『ノスタルジック・フェスティバル』というフレーズが目に留まり、なるほど言い得て妙だなと思いました。

古参のファンにとってそれは心震わす感動の連続であり、決して悪いばかりではないんです。
しかし、新作と聞いて「新しいものが見れる」と思って集まった視聴者にしてみれば焼き直しにほかならず。

「新しいものが見れる」という期待は新作アニメを見る際つねに自分のなかに生じています。
なので新作の体験が『ノスタルジック・フェスティバル』だと良い評価を与えるのが難しくなってしまいます。
『新しいもの』は新しくあってほしい。『新しいもの』は新しいだけで価値がある。
この『新しいもの』にもいろいろあって、何をもって新しいとするかはなかなか難しい話となります。

たとえば時代劇って、舞台設定や史実には『新しいもの』がなくても新しいと感じるときがありますよね。
使い古されたテーマであっても『新しいもの』が出てくる。むしろ、枠組みを変えられないから工夫が生まれる。
枠組みの自由度が高いアニメで、なぜ『ノスタルジック・フェスティバル』が生まれがちなのか。

…いや、答えはわかりませんけど(笑)強いて言えば、作りたい人がいて見たい人がいるからかな?

映画の話に戻しますと、「007 プレデター」も似たような意味で少々ノスタルジックな印象が。
最近見れた映画のなかで特に良かったのは「ワンダーウーマン」かな。期待を大きく上回るおもしろさでした。

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2021年10月18日 (月)

2021年 秋アニメ寸感

アニメで忙しい…前期の作品が終わらないまま新番組がはじまるとホント余裕がないんですよ。
テレビ放送される映画を「これは見ておきたい!」と思って録画しておいても、消化するタイミングが全然ない。
そんな『積み映画』がいくつかありまして。先日放送された「鬼滅の刃 無限列車編」も見事に積みの山へ。
劇場版を消化しないことにはテレビ版「無限列車編」も見れず、どうしたものやら…。

さて秋アニメですが、今期はロボットアニメが集中していますね。片手の指では数えきれないほどに。
あとは広義の吸血鬼モノが3本。毎シーズン1本はかならずあると言ってた吸血鬼モノがさらに増えた背景には
やはり女性向けとして鉄板のジャンルであることと「鬼滅」の影響も少なからずあるのでしょうか。

もうひとつ傾向というか、テレビ東京が夕方のアニメ枠を実質廃止して(継続枠の「SHAMAN KING」は維持)
月~水曜日の24時台にアニメの帯枠を新設したことが今期の特徴として挙げられます。


今期、放送前の段階からもっとも期待していたのは「ガルパ☆ピコ ふぃーばー!」です!(笑)
おなじみの3分アニメも無印、「大盛り」ときて今回で3期目。「大盛り」ではゲスト参加程度の出演に留まった
RAISE A SUILENやMorfonicaが本格参戦してくれそうなので、非常に楽しみにしております。

…これはBDまで集めてる特待生みたいな枠なので。あらためて今期のピックアップ作品の話題へと移しましょう。


今期のピックアップ作品としてまず挙げたいのはProduction I.Gの新作「海賊王女」
海外では夏から放送されていた作品で、厳密に言えば国内初放送という分類。原作・監督・キャラクター原案が
中澤一登というだけでも個人的にはハイスコアがついてしまうのですが、挙げた理由は贔屓だけではなく。
画面のどこを見ても隙がなく、オープニング映像だけでも今回真っ先に挙げた気持ちを理解していただけるはず。

シリアスありコメディありのバランスの良さ、目新しい舞台設定など他にも評価したい部分は豊富にあります。
海賊と題しておきながら旅の足として登場したのが潜水艦だったことも大きなインパクトとなりました。
ちょっとやりすぎに感じるほどの日本要素は海外向けの味付けとして必要だったのでしょうか?

次点は「古見さんは、コミュ症です。」で。言わずと知れた有名作品で、実写ドラマ版も放送されています。
原作の独特のタッチを見事にアニメに落とし込んだキャラクターデザイン。担当はあの中嶋敦子。
黒板を通じた会話、消される言葉、舞い散るチョークの粉…初回の演出としてはもっとも記憶に残るものでした。
原作未読なのでアレですが、おそらく最大限に恵まれたアニメ化のひとつになるのでは?という期待があり。

唯一気になるのはナレーションの主張の強さで、マンガであれば無音の文字として読者がそれぞれ好きなように
読める存在だったものが、必要以上に存在感をもってしまったみたいな余計さを感じます。
2話ではそのナレーションが激減し、代わりにマンガのようなト書きが増えました。これも良し悪しかな?


数あるロボットアニメからは、サテライト枠ということで自分は「サクガン」を推したいと思います。
広大な地下世界、採掘施設で働く人々、鬱屈した日々と地上への憧れなど、見たことのある要素がならぶものの
初回冒頭から次回への引きまで続く怒涛の勢いと独特なキャラクター名で一気に惹き込まれました。
2話までの印象込みで順位をつけていたら「海賊王女」や「古見さん」の上をいっていたかもしれません。
デザイン周りには河森さんやブリュネさんなど、サテライトおなじみの顔ぶれが。

他にも触れておきたいロボットアニメがいくつかあるので後述。印象の良いものも悪いものもあります。

継続枠から一本、「やくならマグカップも 二番窯」もここで紹介しておきます。
岐阜県多治見市を舞台にしたご当地アニメで、多数の歯科の後援によって作られている特殊な作品であることは
1期の時点で既に知れ渡っていると思いますが、その出来の良さは今回の2期でも維持されている様子。

なんかもうオープニングから見てて泣きそうになるんですけど…本編も引きの絵でのこまかい芝居の付け方など
アニメーションとしての見どころが多く、見る人がもっと増えたらいいなと思える作品です。


今期のタイトル長い枠、改行しないよう伝えたいので変則的な書き方になりますが、『なろう系』異世界モノの
「真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました」という
作品が意外と好印象だったのでピックアップ作品として挙げておきます。45文字!
あまりにもタイトルが長すぎて電子番組表のタイトル欄に収まらない(笑)こんなの初めて見た。

アニメ化作品としては初になるのか、いわゆる『パーティー追い出され系』の異世界モノです。
若き勇者一行を引率する立場だった主人公が、勇者たちの成長に追い付けず戦力外になってしまったところから
本作の物語は始まります。決して陰険な理由で追い出されたわけではなく、納得できる理由が説明されてます。

なぜ本作をピックアップに入れたかというと、主人公・レッドのセリフや言葉選びが気に入ったから。
それと、エンディングをJYOCHOが担当してたのも好印象の理由としては大きかったですね。

ただ、2話以降に登場するヒロイン格の女の子が作品全体の雰囲気や評価にだいぶ影響しそうで…判断が難しい。
主人公の人格や実力を知る過去の仲間たちが同じように押しかけてくる展開は今後もたぶんあるのでしょう。
はたしてスローライフを守ることはできるのか。しばらく見守りたいと思います。


今期は中堅クラスぐらいの層が厚く、お気に入りの作品や推したい作品が結構割れそうな印象があります。

ソシャゲ原作の作品がいくつかあるなか、やはり目に留まるのは「takt op.Destiny」
テレ東24時帯枠のひとつで、原作はDeNAと広井王子。制作はMAPPA×マッドハウスという強力タッグ。
音楽とのリンクを意識させる作品であり、精細な画面と相まって非常にリッチな、ウケそうなアニメに見えます。
近代の(設定では2047年)北米が舞台というのも昨今のテレビアニメでは目新しく映ります。

お話的にはそんなに珍しくもないかな…主要キャラの外見や役割分担も『よくあるもの』な感じがしますし。
高水準で実現されているから目に留まる、他よりも記憶に残った可能性はあると思います。

「takt op.Destiny」も含め、抑圧や病魔といったポストコロナっぽいテーマの作品が増えた気がしますね。


「サクガン」以外のロボットアニメでは、バンダイが熱心にキット化を進めている「境界戦機」が話題に。
制作はサンライズで監督はあの羽原信義。分割統治下の日本が舞台という、どこか「コードギアス」を思わせる
設定が気になるところですが、より若い層へのロボットアニメの浸透を期待しているように感じます。
マスコット的なAIキャラクターの存在などは一定より上の層には子供っぽく見えているのでは。

こまかい話をすると、一話のなかで技術設定的に矛盾しそうなセリフがあったりして気になってはいるのですが
(人感センサーを軍用車に搭載できる時代なのに、隠れた操縦者をあぶり出そうと倉庫の銃撃を命じたことなど)
そういう些細なツッコみどころはさておき、プラモデルを売る気が感じられるアニメです。

国内放送が1週間前に急遽決まった「闘神機ジーズフレーム」は中国発のロボットアニメ。
制作のセブンストーンとは、日本のアニメの制作状況がピンチになると颯爽と現れるあの七霊石のこと。
ぱっと見の絵は日本のアニメと寸分違わぬものですが、街並みや看板などに独特の中国っぽさが漂っています。
国産ではきょうび見かけなくなった口のあるロボット、ヒジャブをかぶったイスラム系のキャラが登場するなど
新しいものが見られる感じがして個人的にはわりと注目しています。

厳密に言えばロボットアニメというより仮面ライダー的な、名古屋発のオリジナルアニメ「シキザクラ」も注目。
スタッフやキャストなど全体的に見慣れない名前がならんでいるのは名古屋出身者が多いからだとか。
3Dモデルの完成度が高く、デザインも普通にカッコいいんですよね。個人的にはかなり好み。


吸血鬼モノ3本の中からは「ヴィジュアルプリズン」を紹介しておこうかな。なんか…やべーアニメなんですよ。
上松範康原作の男性ヴィジュアル系バンドが題材の作品で、センスやノリが普通ではないというか。
ボーカルがスカイダイビングで降りてくる初回の一部分だけ切り取っても普通じゃなさはじゅうぶん伝わるはず。
各バンドの紹介でボーカル曲を使い切ってしまうあたりなど「ダイナミックコード」を彷彿とさせる匂いあり。

こちらは「takt op.Destiny」と違い、おそらく目標の水準で実現できていないのでは。
また、本作の上松氏によるボーカル曲はホンモノのV系とはやはりどこか違うな?と思わされます。
ブシロが噛んでる案件っぽいですが「アルゴナビス」からFantome Irisがゲスト参加したりしないのでしょうか。


継続枠としては「異世界食堂2」と、次元役の小林清志の交代が発表された「ルパン三世 PART6」が。
前期から引き続き「SCARLET NEXUS」「ジャヒー様はくじけない!」「白い砂のアクアトープ」があります。

再放送を除いても全体で40本以上。その質から言っても結構充実したシーズンと言えるのではないでしょうか。


まあ…そんななかにも初回から悪い意味で話題になってる作品もあるのですが。
あの「TIGER & BUNNY」の西田征史が手掛ける!という宣伝文句で今期に乗り込んできた「テスラノート」
放送前に検索しようとして、サジェストに「EX-ARM」と表示されたときからイヤな予感がしていました。
今期ワーストでは?ともっぱらの評判。画面の異質さが目につきますが、一番の問題は本にあると思ってます。

TOKYO MXも本作がどんな評価を受けるかわかっていて番組編成してると思うんですよね。
大半の視聴者が裏で放送しているフジテレビの「鬼滅の刃」を見るだろうと、確信あっての配置ではないかと。
…とか言うと、同枠の「MUTEKING THE Dancing HERO」にも失礼か。こちらも疑問はなくはないのですが。

なぜいま「ムテキング」を再始動させようと思ったのか、意図がまずわからなくて。
少なくとも「ガッチャマン クラウズ」のような異なる切り口の新作というわけではなさそうですし。

などと言いつつ、冒頭の理由もあって「鬼滅」を見ずに「テスラノート」と「MUTEKING」を優先してますが。

出来が芳しくなくても内容が不快でなければ見続けられるし、見続ければ評価が上向きになる可能性はあります。
今期は内容の不快さで視聴を断念するような作品がいまのところなく、視聴本数の削減に悩まされています。


強いて不快といえば「見える子ちゃん」かな。画面に大写しになる幽霊の顔が単純に不快で。
タイトルが示すとおり、他の人には見えないものが見えてしまう女の子が主人公のホラーギャグ作品なのですが
見える幽霊がなぜかどれも悪霊のようなおぞましい外見をしていて、その偏りがまず気になってしまいました。
彼女の恐怖心がそのように見せている可能性もありますが。見た目の件はとりあえず置いといて。

本作がどうにも半端な印象なのは、ホラーにもギャグにも、エロにも振り切れていないせいではないかと。
幽霊は出てきそうなタイミングでかならず出てくるからジャンプスケアにもなってないし、見えていないフリを
するだけではギャグとしても弱く、エロはわずかで表現も甘め。突出した魅力がないんですよね。
結果として、得るものがないまま幽霊の気持ち悪い顔だけ我慢させられる状態になってるわけですよ。
同じ曜日に放送されている「さんかく窓の外側は夜」のほうがホラーでもエロでも飛び抜けていると感じます。

ホラーとして描くつもりなら前提として、見えることがバレると何がまずいのか明示しておくべきだと思います。
他の作品でいうところの「目が合うと襲われる」や「音を鳴らすと襲われる」みたいな条件の明示。
しかし本作の場合、見えていなくても幽霊に悪さされる可能性は全然あるみたいだし…見えるとなんなの?

原作読者の話を聞く限り、今後の展開も楽しく見ていけそうにない気がします。
捨て猫のエピソードは一見良い話っぽく見えますが、良い猫の霊だけキレイに見えることに違和感がありました。

「テスラノート」や「見える子ちゃん」よりも深刻と感じる作品は他にあります。タイトルは挙げませんが。


寸感としてはこんなところで。後日「無限列車編」の感想も含め、新たな記事を書くつもりです。
余裕があれば15周年の「コードギアス」再放送も見たいと思ってたのですが、ちょっと厳しそうかなぁ…?



自分が「鬼滅の刃」にそれほど熱心でないのは、自分にとっては『多くのアニメのひとつ』だからだと思います。
テレビアニメの本放送のころにはそこまで大きな盛り上がりではなく、優れたアニメのひとつという程度で。
そしてテレビ放送が終わった時点で自分のなかでは『見終えた作品』という位置付けになっていました。
その後の展開にあんまり興味が湧かないというか。次が来るころには別の作品を見ていますし。

「世間の盛り上がりが大きすぎると引いてしまう」というのも当然あり。
いわゆる一般層にまで広まり、大衆のなかで共有される文化になってしまうと『自分たちのもの』ではなくなる。
少なくとも自分のなかでは『当ブログで話題にする必要のないアニメ』として除外するようになります。

まったく同じことが「新世紀エヴァンゲリオン」にも言えます。新劇以降は興味が湧かずチェックしていません。

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2021年10月 4日 (月)

2021年 夏アニメ総括

東京五輪が遠い過去のように感じます。時が過ぎるのは早いもので、肌寒さすら感じる日も増えてきました。
3か月に一度訪れる番組改編の時期。しかし今夏もいくつか最終回が10月にはみ出す作品がありまして…。
そうなると感想をまとめるのも難しいわけですよ。ってのは言い訳で、だいぶ遅れ気味に本稿を書き始めました。
どれくらい遅れていたかと言うと、9月30日の時点ではまだ白紙の状態だったので。

さて夏アニメのまとめですが、放送開始時と終盤とで評価が大きく変わる作品がいくつかありました。
それは良い意味でも悪い意味でもあって、特に良かった「BLUE REFLECTION RAY/澪」は2クール作品なので
後述にまわすとして、まずは今期の1クール作品の結果から話していくことにします。


今期の新作のなかでもっとも満足度が高かったのは「NIGHT HEAD 2041」でした。

過去のドラマ版を見ていない人でもじゅうぶん楽しめる、独立した1クールのSF作品としての完成度の高さ。
むしろドラマ版の知識がないほうが後半の展開を素直に受け止められてよかったかもしれません。
ただ、時系列の整理や内容の理解といった面でかなり高いハードルがあったことは否めず。
週1回放送のテレビアニメという形式より、全話一斉配信でまとめて見るほうが向いている作品かもしれません。

あんまり言うと未視聴の人に対してネタバレになってしまう可能性はありますが、伏線の張り方には感心します。
「あのときのアレがここに?」みたいなシーンが結構あるので、録画を残しておいて正解でしたね。
自分の周囲ではまったく話題にならない作品でしたが、総合的な評価で本作をトップに挙げたいと思います。


次点「天官賜福」、続いて「小林さんちのメイドラゴンS」あたりまでは選出に迷いなく。

「天官賜福」も自分の周囲では見てる人がほとんどいなかったものの、大河ドラマを見てから本作に流れるのが
日曜日の定番と思えるほど、「魔道祖師」から引き続き安定した枠となりました。
「魔道祖師」はまだ大河な香りがありましたが本作ではBLみが増し、女性向けな雰囲気が強まってましたね。

「魔道祖師」同様、本作も人名や地名が視聴の難易度を高めていたのは間違いありません。
番組情報欄と作品情報wikiを毎回かたわらに置き、特に人名はきちんと理解できるよう努めて見ていました。

「メイドラゴンS」はもう圧巻というか、京アニの強みはなお健在であることを実感。横綱相撲。
ジャンルとしては日常系なのに他のアニメの一段も二段も上の水準にいる。「やっぱすげえな」って思っちゃう。
そして「やっぱ京アニってすげえな」とふたたび言えることに静かな喜びを覚える作品でした。
性癖の面でも突出してたと思うし(笑)それと、カンナの活躍が加算されてたのが「S」のひとつの特徴でした。

ベスト5として挙げるならここまで…って、4つしか挙げてない。ここからが結構悩んだんですよね。


ベスト5に挙げるには悩むけど、手応えや満足度という意味では欠かせないのが「カノジョも彼女」です。
ラブコメと呼ぶにはコメディが勝りすぎてて、あらゆる出来事が異常でぶっ飛んでてツッコみどころ満載なのに
ラブの部分も決して忘れない。最終回で明かされる新たなラブの矢印でさらにおもしろくなりました。
どちらかに偏ることなく、ラブでもコメでも傑作と呼べる部類なのでは?と思っています。

「ヴァニタスの手記」もラブコメと言えばラブコメですが、こちらはラブの要素、とりわけ『性』を感じられる
描写が意外と多くて、見ててドギマギさせられる作品でした。いつか続きを見られるとよいのですが。
最終回はあくまで次への布石。何かが終わるのではなく始まるための、そう気付くためのステップだったような。


2クール作品も含めていいなら「BLUE REFLECTION RAY/澪」は何よりも先に挙げたかった作品です。

その魅力や感想は既にTwitterのほうで散々話してしまったんですけど、2クールという潤沢な尺があったことが
本作にとっては非常に効果的で、そして別れがたい作品になった要因であると言えるでしょう。
積み重ねによる成長、人間関係の変化。登場人物それぞれが視聴者のなかで愛すべき存在になったこと。
あとは音楽による相乗効果も特筆すべきポイントで。劇伴、前期後期の主題歌すべてが本作を形成していました。

最後まで見続けた人たちの評価が高い反面、未見の人にオススメするには難しい作品ではあります。
不安を覚える作画、わかりづらい専門用語など、アピールするにあたっての壁があることは認めざるをえず。
なので、少しでも興味があるなら自発的に見始めてほしい。きっと後悔はしないと思います。

自分としては珍しく、原作にも手を伸ばそうかな?と久し振りに思えた作品でしたしね。
しかしそこでもひとつ問題があって。ゲームは原作ではなく時系列的に過去になるとか…受け皿にはならない?


「マギアレコード」2期「覚醒前夜」は製作上すこし残念なところはあったものの、おもしろいことが起きてる
という意味(笑)で個人的にはかなり楽しめました。やちよさんがトラックに乗ってきたところがピーク。
原作ファンも知らない予想不可能な出来事が起きる、「ゲッターロボアーク」とならぶ話題性のある作品でした。

「アーク」は正直わからんよ…なんかわからんまま終わってしまった。考察する楽しさはまああるのかな?

考えながら見る楽しさがある作品といえば「Sonny Boy」も挙げておきたい。
劇中で描かれていること、語られていることが何を意味しているのか。視聴者に何を伝えようとしているのか。
視聴者それぞれがまったく違うものを受け取り、答えを出す。正しい意味でアートのようなアニメで。
なんかすごいものを見た気がするけど、結局このアニメってなんだったんだろう?と悩んだ人も多かったのでは。

人類の歴史をたどるような1クールの流れ、現代の若者が抱える不安、与えられた道と自分の意思で選ぶこと。
薄暗い天気に似つかわしいくらい不思議な希望に満ちたラストカットの表情も印象的でした。

「ひぐらしのなく頃に 卒」は話題性という点では突出した作品だったと言えるでしょう。
内容的には賛否両論あって然るもので、終盤のドラゴンボールさながらの格闘戦は評価を揺るがすものでしたが
鉄平が幸せならもういいかな?と思ってます(笑)卒業できたかどうかではなく、もう卒業でいいや!って。
実況向きのアニメであったことは間違いありません。グロも百合も含めての娯楽みたいな。


「SCARLET NEXUS」「白い砂のアクアトープ」は意外にも2クール作品で秋以降も継続。
あと、放送開始が遅れた「ジャヒー様はくじけない!」も2クールあるそうで。あの内容で2クール引っ張るの?
寸感の時点でピックアップ作品に入れていた「アクアトープ」は折り返し時点では正直ビミョーかな…。

同様にピックアップ作品として挙げていた「魔法科高校の優等生」は、序盤に見られた本作独自の解釈が九校戦
開始以降ほとんど見られなくなり、本家「劣等生」の視点を変えただけになってしまっていたのが残念。
七草会長やクリムゾンプリンスの二次創作的(笑)言動がほかのキャラクターでも見られれば違っていたかも。
せっかくのスピンオフなのだからもっとはっちゃけてもよかったのではないかと。

男性視聴者を意識したかのようなサービス描写が多いと視聴中は感じたのですが、後日「星を呼ぶ少女」を見て
こんなに脱ぎっぷりのいいアニメだったんだな…と考えを改めました。
特に「星を呼ぶ少女」の柴田美月はすごい。入浴シーンのためだけに参加させられたのでは?と思えるほど。


最後に今夏の作品で言及しておきたいものをいくつか挙げて終わりたいと思います。

「RE-MAIN」は五輪特需のアニメとして、水球のアニメとして見ると期待ハズレに感じてしまったのでは。
しかしちょっと角度を変えて、パラスポーツのアスリートの物語として見たらどうか?
時期的にちょうどパラリンピック直後で、そのことに気付いて本作の捉え方が自分のなかで少し変わりました。
本作は水球の魅力を伝えるためのアニメではない。少なくともそこだけは間違いないと思います。

周囲から期待される自分と本当の自分のギャップ、コミュニケーションを欠いてこじれてしまった関係。
誰もが抱えている問題を堅苦しくないタッチで描こうとした作品だったのかもしれません。買いかぶりかな?

同様にとまでは言いませんが、「探偵はもう、死んでいる。」も見方を変える必要はあると思いました。
本作はまず探偵モノではないし、シエスタの死後いろんな女の子が出てくるけど結局ヒロインはシエスタであり
君塚とシエスタのつながりをひたすら綴るだけの、ぶっちゃけふたりだけいればいい世界の物語なんですよ。

心臓を引き継いだせいで最終的には人格まで、声まで乗っ取られてしまう夏凪があまりにもかわいそうで(笑)
事実上のラストバトルの相手であるカメレオンも舞台装置のひとつでしかなく、扱いがひどいし。
小説の地の文をそのまま読み上げているかのような、セリフと呼ぶにはあまりにも自然さがないセリフなどなど
見ていてつらくなる、肌に合わないと感じるところが非常に多いアニメでした。

目立たないけど地味におもしろかった「現実主義勇者の王国再建記」は2期決定の報に歓喜。



そういえば最近「キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦」の続編製作が決定したと聞きまして。
自分は特別「キミ戦」好きなわけではないのですが、雨宮天が演じるおもしれー女と石原夏織の歌が好きなので
そこだけは変わることのないよう祈りつつ放送を待ちたいと思います。

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2021年10月 2日 (土)

「22/7 音楽の時間」サービス終了を発表

227onj31

先月30日、「22/7 音楽の時間」のサービス終了が発表されました。終了日時は12月22日、約3か月後。

最後のイベントが終了してから1か月以上も新たな動きがなく、Twitterの公式アカウントも何も告知しないまま
沈黙を続けていたので、終わりが近いであろうことはプレイヤーの誰もが予感していたのではないかと。
あとはいつ発表するか。終了日時の1か月前なんてところも見かけるので、だいぶ早い時期であったと言えます。

終わること自体はまあ仕方ない。珍しい話でもないし、気配を察していたので素直に飲み込めました。
同時に発表された22/7メンバー3人の一斉卒業がニュースとして大きすぎて、衝撃が薄れたというのもあり…。

「ナナオン」を沈みゆく舟だと思っていたら22/7自体が沈みゆく舟になっていたとは…。
これは決してネガティブすぎる捉え方ではなく、3人同時はじゅうぶん深刻な数字と言えるでしょう。
この発表を踏まえて振り返ると、佐藤麗華役・帆風千春の卒業&移籍もひとつの前触れだったと思えてきます。
今回の3人にも向かう先があるのかどうか。そして、残留を決めたメンバーの心境やいかに。


個人的な話、ゲーム内最後のイベントが終わったころから22/7に対する興味が薄れていまして。
関連コンテンツとして唯一追いかけていた冠番組「22/7計算中」もファンアートの企画のあたりから見なくなり
やるべきことがないゲームは起動する理由もなく、接点はほぼなくなってしまいました。


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ゲームのほうに話を戻しますと…サービス終了の発表とともにメインストーリーの最終章が公開されました。
内容としては、劇中の1年間を振り返って「わたしたちにとってこの学校とは?」を考えさせるもの。

いつ頃から書き始めたものかはわかりませんが、結びとしては悪いものではなかったと思います。
お好み焼きのエピソードに頼りすぎなところはありましたけどね(笑)さすがに引用しすぎなのでは。
『二人三脚プロジェクト』のほうでは見られなかった後輩たちの立ち絵が初めて出てきたことには驚きました。


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それにしても、『二人三脚プロジェクト』って結局なんだったんでしょうね?
あれだけキャラを用意して投票で選ばせて、役者さんまで用意して。間に合わせの全10話で終わってしまって。
サービスの命運を賭けた起死回生の一手としてやってはみたけど期待どおりにいかなかったとかでしょうか。
まあ…プレイヤー以外の人たちにまで知れ渡るほど宣伝されたイベントではなかったし。

結果として「ナナオン」のサイドストーリーをちょっと拡張する程度に留まったこの企画。
22/7の新メンバーオーディションに合わせて、新メンバーを選ぶ企画にできたら理想的だったのかも。

そうそう、新メンバーオーディションがあるんですよ。ゲームのほうではなくグループの。

新たなメンバーを追加するのって結構センシティブな企画ですよね。三次元でも二次元でも。
前向きに捉えるファンが少ない。波乱の予感、安定した組織に不安をもたらすものとして恐れる人も多いので。
「結果としてグループに良い影響をもたらした」と思える日ははたして来るのでしょうか。


残り3か月。おそらく新たに石をもらえるような企画もないだろうから、ガチャをまわす楽しみもありません。
何もできることがないゲームをストレージに残しておくのもアレだし、なにか新しいゲームでも探しましょうか。



サービス開始時からプレイしていたソシャゲの終了を初めて経験できたのはひとつの収穫でした。
「せめてカバーアルバムくらいは出せ」という意見には同意しつつも、それは余裕があるところができることで
サービス終了してしまうような苦しいゲームに望むことではないと思うんですよ…。


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自分のアカウントの現時点での最終状態はこんな感じ。渋いガチャのわりにはがんばったほうではないかと。
余談ですが、終了告知後に始まった復刻ガチャは確率的には渋いままみたいで。そういうとこだぞ?


[11/2 追記]
サービス終了までに何かしらの動きがあったとき、すぐに起動できるようにとアプリのアンインストールをせず
残したまま様子を窺っていたのですが、飛び込んできたのはさらなるメンバー脱退の報でした…。
それもなんか穏便ではない事情があるみたいで。ともかく、22/7全体を諦めるにはじゅうぶんな内容でした。

運営の発表を見るとメンバー側の一方的な落ち度に見えます。しかし、そればかりを信じていいのかどうか。
脱退するメンバーに対し、他のメンバーがTwitterで言及しているあたりメンバー間は温和みたいですしね。

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