« 「22/7 音楽の時間」サービス終了を発表 | トップページ | 2021年 秋アニメ寸感 »

2021年10月 4日 (月)

2021年 夏アニメ総括

東京五輪が遠い過去のように感じます。時が過ぎるのは早いもので、肌寒さすら感じる日も増えてきました。
3か月に一度訪れる番組改編の時期。しかし今夏もいくつか最終回が10月にはみ出す作品がありまして…。
そうなると感想をまとめるのも難しいわけですよ。ってのは言い訳で、だいぶ遅れ気味に本稿を書き始めました。
どれくらい遅れていたかと言うと、9月30日の時点ではまだ白紙の状態だったので。

さて夏アニメのまとめですが、放送開始時と終盤とで評価が大きく変わる作品がいくつかありました。
それは良い意味でも悪い意味でもあって、特に良かった「BLUE REFLECTION RAY/澪」は2クール作品なので
後述にまわすとして、まずは今期の1クール作品の結果から話していくことにします。


今期の新作のなかでもっとも満足度が高かったのは「NIGHT HEAD 2041」でした。

過去のドラマ版を見ていない人でもじゅうぶん楽しめる、独立した1クールのSF作品としての完成度の高さ。
むしろドラマ版の知識がないほうが後半の展開を素直に受け止められてよかったかもしれません。
ただ、時系列の整理や内容の理解といった面でかなり高いハードルがあったことは否めず。
週1回放送のテレビアニメという形式より、全話一斉配信でまとめて見るほうが向いている作品かもしれません。

あんまり言うと未視聴の人に対してネタバレになってしまう可能性はありますが、伏線の張り方には感心します。
「あのときのアレがここに?」みたいなシーンが結構あるので、録画を残しておいて正解でしたね。
自分の周囲ではまったく話題にならない作品でしたが、総合的な評価で本作をトップに挙げたいと思います。


次点「天官賜福」、続いて「小林さんちのメイドラゴンS」あたりまでは選出に迷いなく。

「天官賜福」も自分の周囲では見てる人がほとんどいなかったものの、大河ドラマを見てから本作に流れるのが
日曜日の定番と思えるほど、「魔道祖師」から引き続き安定した枠となりました。
「魔道祖師」はまだ大河な香りがありましたが本作ではBLみが増し、女性向けな雰囲気が強まってましたね。

「魔道祖師」同様、本作も人名や地名が視聴の難易度を高めていたのは間違いありません。
番組情報欄と作品情報wikiを毎回かたわらに置き、特に人名はきちんと理解できるよう努めて見ていました。

「メイドラゴンS」はもう圧巻というか、京アニの強みはなお健在であることを実感。横綱相撲。
ジャンルとしては日常系なのに他のアニメの一段も二段も上の水準にいる。「やっぱすげえな」って思っちゃう。
そして「やっぱ京アニってすげえな」とふたたび言えることに静かな喜びを覚える作品でした。
性癖の面でも突出してたと思うし(笑)それと、カンナの活躍が加算されてたのが「S」のひとつの特徴でした。

ベスト5として挙げるならここまで…って、4つしか挙げてない。ここからが結構悩んだんですよね。


ベスト5に挙げるには悩むけど、手応えや満足度という意味では欠かせないのが「カノジョも彼女」です。
ラブコメと呼ぶにはコメディが勝りすぎてて、あらゆる出来事が異常でぶっ飛んでてツッコみどころ満載なのに
ラブの部分も決して忘れない。最終回で明かされる新たなラブの矢印でさらにおもしろくなりました。
どちらかに偏ることなく、ラブでもコメでも傑作と呼べる部類なのでは?と思っています。

「ヴァニタスの手記」もラブコメと言えばラブコメですが、こちらはラブの要素、とりわけ『性』を感じられる
描写が意外と多くて、見ててドギマギさせられる作品でした。いつか続きを見られるとよいのですが。
最終回はあくまで次への布石。何かが終わるのではなく始まるための、そう気付くためのステップだったような。


2クール作品も含めていいなら「BLUE REFLECTION RAY/澪」は何よりも先に挙げたかった作品です。

その魅力や感想は既にTwitterのほうで散々話してしまったんですけど、2クールという潤沢な尺があったことが
本作にとっては非常に効果的で、そして別れがたい作品になった要因であると言えるでしょう。
積み重ねによる成長、人間関係の変化。登場人物それぞれが視聴者のなかで愛すべき存在になったこと。
あとは音楽による相乗効果も特筆すべきポイントで。劇伴、前期後期の主題歌すべてが本作を形成していました。

最後まで見続けた人たちの評価が高い反面、未見の人にオススメするには難しい作品ではあります。
不安を覚える作画、わかりづらい専門用語など、アピールするにあたっての壁があることは認めざるをえず。
なので、少しでも興味があるなら自発的に見始めてほしい。きっと後悔はしないと思います。

自分としては珍しく、原作にも手を伸ばそうかな?と久し振りに思えた作品でしたしね。
しかしそこでもひとつ問題があって。ゲームは原作ではなく時系列的に過去になるとか…受け皿にはならない?


「マギアレコード」2期「覚醒前夜」は製作上すこし残念なところはあったものの、おもしろいことが起きてる
という意味(笑)で個人的にはかなり楽しめました。やちよさんがトラックに乗ってきたところがピーク。
原作ファンも知らない予想不可能な出来事が起きる、「ゲッターロボアーク」とならぶ話題性のある作品でした。

「アーク」は正直わからんよ…なんかわからんまま終わってしまった。考察する楽しさはまああるのかな?

考えながら見る楽しさがある作品といえば「Sonny Boy」も挙げておきたい。
劇中で描かれていること、語られていることが何を意味しているのか。視聴者に何を伝えようとしているのか。
視聴者それぞれがまったく違うものを受け取り、答えを出す。正しい意味でアートのようなアニメで。
なんかすごいものを見た気がするけど、結局このアニメってなんだったんだろう?と悩んだ人も多かったのでは。

人類の歴史をたどるような1クールの流れ、現代の若者が抱える不安、与えられた道と自分の意思で選ぶこと。
薄暗い天気に似つかわしいくらい不思議な希望に満ちたラストカットの表情も印象的でした。

「ひぐらしのなく頃に 卒」は話題性という点では突出した作品だったと言えるでしょう。
内容的には賛否両論あって然るもので、終盤のドラゴンボールさながらの格闘戦は評価を揺るがすものでしたが
鉄平が幸せならもういいかな?と思ってます(笑)卒業できたかどうかではなく、もう卒業でいいや!って。
実況向きのアニメであったことは間違いありません。グロも百合も含めての娯楽みたいな。


「SCARLET NEXUS」「白い砂のアクアトープ」は意外にも2クール作品で秋以降も継続。
あと、放送開始が遅れた「ジャヒー様はくじけない!」も2クールあるそうで。あの内容で2クール引っ張るの?
寸感の時点でピックアップ作品に入れていた「アクアトープ」は折り返し時点では正直ビミョーかな…。

同様にピックアップ作品として挙げていた「魔法科高校の優等生」は、序盤に見られた本作独自の解釈が九校戦
開始以降ほとんど見られなくなり、本家「劣等生」の視点を変えただけになってしまっていたのが残念。
七草会長やクリムゾンプリンスの二次創作的(笑)言動がほかのキャラクターでも見られれば違っていたかも。
せっかくのスピンオフなのだからもっとはっちゃけてもよかったのではないかと。

男性視聴者を意識したかのようなサービス描写が多いと視聴中は感じたのですが、後日「星を呼ぶ少女」を見て
こんなに脱ぎっぷりのいいアニメだったんだな…と考えを改めました。
特に「星を呼ぶ少女」の柴田美月はすごい。入浴シーンのためだけに参加させられたのでは?と思えるほど。


最後に今夏の作品で言及しておきたいものをいくつか挙げて終わりたいと思います。

「RE-MAIN」は五輪特需のアニメとして、水球のアニメとして見ると期待ハズレに感じてしまったのでは。
しかしちょっと角度を変えて、パラスポーツのアスリートの物語として見たらどうか?
時期的にちょうどパラリンピック直後で、そのことに気付いて本作の捉え方が自分のなかで少し変わりました。
本作は水球の魅力を伝えるためのアニメではない。少なくともそこだけは間違いないと思います。

周囲から期待される自分と本当の自分のギャップ、コミュニケーションを欠いてこじれてしまった関係。
誰もが抱えている問題を堅苦しくないタッチで描こうとした作品だったのかもしれません。買いかぶりかな?

同様にとまでは言いませんが、「探偵はもう、死んでいる。」も見方を変える必要はあると思いました。
本作はまず探偵モノではないし、シエスタの死後いろんな女の子が出てくるけど結局ヒロインはシエスタであり
君塚とシエスタのつながりをひたすら綴るだけの、ぶっちゃけふたりだけいればいい世界の物語なんですよ。

心臓を引き継いだせいで最終的には人格まで、声まで乗っ取られてしまう夏凪があまりにもかわいそうで(笑)
事実上のラストバトルの相手であるカメレオンも舞台装置のひとつでしかなく、扱いがひどいし。
小説の地の文をそのまま読み上げているかのような、セリフと呼ぶにはあまりにも自然さがないセリフなどなど
見ていてつらくなる、肌に合わないと感じるところが非常に多いアニメでした。

目立たないけど地味におもしろかった「現実主義勇者の王国再建記」は2期決定の報に歓喜。



そういえば最近「キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦」の続編製作が決定したと聞きまして。
自分は特別「キミ戦」好きなわけではないのですが、雨宮天が演じるおもしれー女と石原夏織の歌が好きなので
そこだけは変わることのないよう祈りつつ放送を待ちたいと思います。

|

« 「22/7 音楽の時間」サービス終了を発表 | トップページ | 2021年 秋アニメ寸感 »

アニメ レビュー&コラム」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 「22/7 音楽の時間」サービス終了を発表 | トップページ | 2021年 秋アニメ寸感 »