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2021年10月18日 (月)

2021年 秋アニメ寸感

アニメで忙しい…前期の作品が終わらないまま新番組がはじまるとホント余裕がないんですよ。
テレビ放送される映画を「これは見ておきたい!」と思って録画しておいても、消化するタイミングが全然ない。
そんな『積み映画』がいくつかありまして。先日放送された「鬼滅の刃 無限列車編」も見事に積みの山へ。
劇場版を消化しないことにはテレビ版「無限列車編」も見れず、どうしたものやら…。

さて秋アニメですが、今期はロボットアニメが集中していますね。片手の指では数えきれないほどに。
あとは広義の吸血鬼モノが3本。毎シーズン1本はかならずあると言ってた吸血鬼モノがさらに増えた背景には
やはり女性向けとして鉄板のジャンルであることと「鬼滅」の影響も少なからずあるのでしょうか。

もうひとつ傾向というか、テレビ東京が夕方のアニメ枠を実質廃止して(継続枠の「SHAMAN KING」は維持)
月~水曜日の24時台にアニメの帯枠を新設したことが今期の特徴として挙げられます。


今期、放送前の段階からもっとも期待していたのは「ガルパ☆ピコ ふぃーばー!」です!(笑)
おなじみの3分アニメも無印、「大盛り」ときて今回で3期目。「大盛り」ではゲスト参加程度の出演に留まった
RAISE A SUILENやMorfonicaが本格参戦してくれそうなので、非常に楽しみにしております。

…これはBDまで集めてる特待生みたいな枠なので。あらためて今期のピックアップ作品の話題へと移しましょう。


今期のピックアップ作品としてまず挙げたいのはProduction I.Gの新作「海賊王女」
海外では夏から放送されていた作品で、厳密に言えば国内初放送という分類。原作・監督・キャラクター原案が
中澤一登というだけでも個人的にはハイスコアがついてしまうのですが、挙げた理由は贔屓だけではなく。
画面のどこを見ても隙がなく、オープニング映像だけでも今回真っ先に挙げた気持ちを理解していただけるはず。

シリアスありコメディありのバランスの良さ、目新しい舞台設定など他にも評価したい部分は豊富にあります。
海賊と題しておきながら旅の足として登場したのが潜水艦だったことも大きなインパクトとなりました。
ちょっとやりすぎに感じるほどの日本要素は海外向けの味付けとして必要だったのでしょうか?

次点は「古見さんは、コミュ症です。」で。言わずと知れた有名作品で、実写ドラマ版も放送されています。
原作の独特のタッチを見事にアニメに落とし込んだキャラクターデザイン。担当はあの中嶋敦子。
黒板を通じた会話、消される言葉、舞い散るチョークの粉…初回の演出としてはもっとも記憶に残るものでした。
原作未読なのでアレですが、おそらく最大限に恵まれたアニメ化のひとつになるのでは?という期待があり。

唯一気になるのはナレーションの主張の強さで、マンガであれば無音の文字として読者がそれぞれ好きなように
読める存在だったものが、必要以上に存在感をもってしまったみたいな余計さを感じます。
2話ではそのナレーションが激減し、代わりにマンガのようなト書きが増えました。これも良し悪しかな?


数あるロボットアニメからは、サテライト枠ということで自分は「サクガン」を推したいと思います。
広大な地下世界、採掘施設で働く人々、鬱屈した日々と地上への憧れなど、見たことのある要素がならぶものの
初回冒頭から次回への引きまで続く怒涛の勢いと独特なキャラクター名で一気に惹き込まれました。
2話までの印象込みで順位をつけていたら「海賊王女」や「古見さん」の上をいっていたかもしれません。
デザイン周りには河森さんやブリュネさんなど、サテライトおなじみの顔ぶれが。

他にも触れておきたいロボットアニメがいくつかあるので後述。印象の良いものも悪いものもあります。

継続枠から一本、「やくならマグカップも 二番窯」もここで紹介しておきます。
岐阜県多治見市を舞台にしたご当地アニメで、多数の歯科の後援によって作られている特殊な作品であることは
1期の時点で既に知れ渡っていると思いますが、その出来の良さは今回の2期でも維持されている様子。

なんかもうオープニングから見てて泣きそうになるんですけど…本編も引きの絵でのこまかい芝居の付け方など
アニメーションとしての見どころが多く、見る人がもっと増えたらいいなと思える作品です。


今期のタイトル長い枠、改行しないよう伝えたいので変則的な書き方になりますが、『なろう系』異世界モノの
「真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました」という
作品が意外と好印象だったのでピックアップ作品として挙げておきます。45文字!
あまりにもタイトルが長すぎて電子番組表のタイトル欄に収まらない(笑)こんなの初めて見た。

アニメ化作品としては初になるのか、いわゆる『パーティー追い出され系』の異世界モノです。
若き勇者一行を引率する立場だった主人公が、勇者たちの成長に追い付けず戦力外になってしまったところから
本作の物語は始まります。決して陰険な理由で追い出されたわけではなく、納得できる理由が説明されてます。

なぜ本作をピックアップに入れたかというと、主人公・レッドのセリフや言葉選びが気に入ったから。
それと、エンディングをJYOCHOが担当してたのも好印象の理由としては大きかったですね。

ただ、2話以降に登場するヒロイン格の女の子が作品全体の雰囲気や評価にだいぶ影響しそうで…判断が難しい。
主人公の人格や実力を知る過去の仲間たちが同じように押しかけてくる展開は今後もたぶんあるのでしょう。
はたしてスローライフを守ることはできるのか。しばらく見守りたいと思います。


今期は中堅クラスぐらいの層が厚く、お気に入りの作品や推したい作品が結構割れそうな印象があります。

ソシャゲ原作の作品がいくつかあるなか、やはり目に留まるのは「takt op.Destiny」
テレ東24時帯枠のひとつで、原作はDeNAと広井王子。制作はMAPPA×マッドハウスという強力タッグ。
音楽とのリンクを意識させる作品であり、精細な画面と相まって非常にリッチな、ウケそうなアニメに見えます。
近代の(設定では2047年)北米が舞台というのも昨今のテレビアニメでは目新しく映ります。

お話的にはそんなに珍しくもないかな…主要キャラの外見や役割分担も『よくあるもの』な感じがしますし。
高水準で実現されているから目に留まる、他よりも記憶に残った可能性はあると思います。

「takt op.Destiny」も含め、抑圧や病魔といったポストコロナっぽいテーマの作品が増えた気がしますね。


「サクガン」以外のロボットアニメでは、バンダイが熱心にキット化を進めている「境界戦機」が話題に。
制作はサンライズで監督はあの羽原信義。分割統治下の日本が舞台という、どこか「コードギアス」を思わせる
設定が気になるところですが、より若い層へのロボットアニメの浸透を期待しているように感じます。
マスコット的なAIキャラクターの存在などは一定より上の層には子供っぽく見えているのでは。

こまかい話をすると、一話のなかで技術設定的に矛盾しそうなセリフがあったりして気になってはいるのですが
(人感センサーを軍用車に搭載できる時代なのに、隠れた操縦者をあぶり出そうと倉庫の銃撃を命じたことなど)
そういう些細なツッコみどころはさておき、プラモデルを売る気が感じられるアニメです。

国内放送が1週間前に急遽決まった「闘神機ジーズフレーム」は中国発のロボットアニメ。
制作のセブンストーンとは、日本のアニメの制作状況がピンチになると颯爽と現れるあの七霊石のこと。
ぱっと見の絵は日本のアニメと寸分違わぬものですが、街並みや看板などに独特の中国っぽさが漂っています。
国産ではきょうび見かけなくなった口のあるロボット、ヒジャブをかぶったイスラム系のキャラが登場するなど
新しいものが見られる感じがして個人的にはわりと注目しています。

厳密に言えばロボットアニメというより仮面ライダー的な、名古屋発のオリジナルアニメ「シキザクラ」も注目。
スタッフやキャストなど全体的に見慣れない名前がならんでいるのは名古屋出身者が多いからだとか。
3Dモデルの完成度が高く、デザインも普通にカッコいいんですよね。個人的にはかなり好み。


吸血鬼モノ3本の中からは「ヴィジュアルプリズン」を紹介しておこうかな。なんか…やべーアニメなんですよ。
上松範康原作の男性ヴィジュアル系バンドが題材の作品で、センスやノリが普通ではないというか。
ボーカルがスカイダイビングで降りてくる初回の一部分だけ切り取っても普通じゃなさはじゅうぶん伝わるはず。
各バンドの紹介でボーカル曲を使い切ってしまうあたりなど「ダイナミックコード」を彷彿とさせる匂いあり。

こちらは「takt op.Destiny」と違い、おそらく目標の水準で実現できていないのでは。
また、本作の上松氏によるボーカル曲はホンモノのV系とはやはりどこか違うな?と思わされます。
ブシロが噛んでる案件っぽいですが「アルゴナビス」からFantome Irisがゲスト参加したりしないのでしょうか。


継続枠としては「異世界食堂2」と、次元役の小林清志の交代が発表された「ルパン三世 PART6」が。
前期から引き続き「SCARLET NEXUS」「ジャヒー様はくじけない!」「白い砂のアクアトープ」があります。

再放送を除いても全体で40本以上。その質から言っても結構充実したシーズンと言えるのではないでしょうか。


まあ…そんななかにも初回から悪い意味で話題になってる作品もあるのですが。
あの「TIGER & BUNNY」の西田征史が手掛ける!という宣伝文句で今期に乗り込んできた「テスラノート」
放送前に検索しようとして、サジェストに「EX-ARM」と表示されたときからイヤな予感がしていました。
今期ワーストでは?ともっぱらの評判。画面の異質さが目につきますが、一番の問題は本にあると思ってます。

TOKYO MXも本作がどんな評価を受けるかわかっていて番組編成してると思うんですよね。
大半の視聴者が裏で放送しているフジテレビの「鬼滅の刃」を見るだろうと、確信あっての配置ではないかと。
…とか言うと、同枠の「MUTEKING THE Dancing HERO」にも失礼か。こちらも疑問はなくはないのですが。

なぜいま「ムテキング」を再始動させようと思ったのか、意図がまずわからなくて。
少なくとも「ガッチャマン クラウズ」のような異なる切り口の新作というわけではなさそうですし。

などと言いつつ、冒頭の理由もあって「鬼滅」を見ずに「テスラノート」と「MUTEKING」を優先してますが。

出来が芳しくなくても内容が不快でなければ見続けられるし、見続ければ評価が上向きになる可能性はあります。
今期は内容の不快さで視聴を断念するような作品がいまのところなく、視聴本数の削減に悩まされています。


強いて不快といえば「見える子ちゃん」かな。画面に大写しになる幽霊の顔が単純に不快で。
タイトルが示すとおり、他の人には見えないものが見えてしまう女の子が主人公のホラーギャグ作品なのですが
見える幽霊がなぜかどれも悪霊のようなおぞましい外見をしていて、その偏りがまず気になってしまいました。
彼女の恐怖心がそのように見せている可能性もありますが。見た目の件はとりあえず置いといて。

本作がどうにも半端な印象なのは、ホラーにもギャグにも、エロにも振り切れていないせいではないかと。
幽霊は出てきそうなタイミングでかならず出てくるからジャンプスケアにもなってないし、見えていないフリを
するだけではギャグとしても弱く、エロはわずかで表現も甘め。突出した魅力がないんですよね。
結果として、得るものがないまま幽霊の気持ち悪い顔だけ我慢させられる状態になってるわけですよ。
同じ曜日に放送されている「さんかく窓の外側は夜」のほうがホラーでもエロでも飛び抜けていると感じます。

ホラーとして描くつもりなら前提として、見えることがバレると何がまずいのか明示しておくべきだと思います。
他の作品でいうところの「目が合うと襲われる」や「音を鳴らすと襲われる」みたいな条件の明示。
しかし本作の場合、見えていなくても幽霊に悪さされる可能性は全然あるみたいだし…見えるとなんなの?

原作読者の話を聞く限り、今後の展開も楽しく見ていけそうにない気がします。
捨て猫のエピソードは一見良い話っぽく見えますが、良い猫の霊だけキレイに見えることに違和感がありました。

「テスラノート」や「見える子ちゃん」よりも深刻と感じる作品は他にあります。タイトルは挙げませんが。


寸感としてはこんなところで。後日「無限列車編」の感想も含め、新たな記事を書くつもりです。
余裕があれば15周年の「コードギアス」再放送も見たいと思ってたのですが、ちょっと厳しそうかなぁ…?



自分が「鬼滅の刃」にそれほど熱心でないのは、自分にとっては『多くのアニメのひとつ』だからだと思います。
テレビアニメの本放送のころにはそこまで大きな盛り上がりではなく、優れたアニメのひとつという程度で。
そしてテレビ放送が終わった時点で自分のなかでは『見終えた作品』という位置付けになっていました。
その後の展開にあんまり興味が湧かないというか。次が来るころには別の作品を見ていますし。

「世間の盛り上がりが大きすぎると引いてしまう」というのも当然あり。
いわゆる一般層にまで広まり、大衆のなかで共有される文化になってしまうと『自分たちのもの』ではなくなる。
少なくとも自分のなかでは『当ブログで話題にする必要のないアニメ』として除外するようになります。

まったく同じことが「新世紀エヴァンゲリオン」にも言えます。新劇以降は興味が湧かずチェックしていません。

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