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2021年10月26日 (火)

2021年 秋アニメこぼれ話

前回の記事(秋アニメ寸感)で予告したので、「無限列車編」の感想をいまさらですがお伝えしようと思います。

あれから時間を作り、劇場版「鬼滅の刃 無限列車編」テレビ版「無限列車編」第1話を消化しました。
劇場公開からこれまで散々話題にし尽くされ、加えて予告や宣伝など、つまりはネタバレを聞かされてきたので
新鮮な体験とは言いづらい状態でしたが、飽きることなく2時間楽しむことができました。

本気で楽しむにはテレビアニメの第1期にあたる「炭治郎立志編」を見ておく必要はあると思います。
しかし、それは予備知識としてあるだけでいい。独立した映画として、まず冒頭の15分間が秀逸な出来でした。
緊張あり笑いあり、そして煉獄杏寿郎というキャラクターの魅力が詰まった15分間。
その15分間で視聴者の意識がしっかりと作品に惹き込まれ、残りの1時間以上を見続ける準備が整います。

「鬼滅」のファン層は幅広く、下は小学校低学年くらいのお子さんも見る作品です。
そういう低年齢層をどうやって画面に集中させるかも「鬼滅」の映画となれば考える必要はあったと思われます。
まさか序盤からあんなにかわいらしくコミカルな絵が出てくるとは…そのへんも抜かりはないなぁと。

(…と書いてから「無限列車編」の年齢制限をあらためて確認したのですが、PG12でしたね)

長く続く物語の一部ではありますが、「無限列車編」にはどんな時代の人々にも通じる不変のメッセージがあり
それは煉獄さんだけでなく鬼殺隊の面々、魘夢が見せる夢などからも感じ取ることができます。
何が幸せで、どんな悩みがあり、壁にぶつかったときどうするか。あらゆる年齢層、人種に訴えるものがある。
個人的には煉獄さんよりも伊之助が発するセリフに震えることが多かったかな。特に終盤は。

ただし客観的には「社会現象になるほど大ヒットする映画か?」という疑問はあります。
社会情勢や劇場公開までの話題性の増進など、映画単体ではなくさまざまな要因があったのは間違いないかと。


そして、秋アニメとして放送がはじまったテレビ版「無限列車編」の第1話へと話は移ります。

「炭治郎立志編」と劇場版のあいだには若干の空白期間があり、そのあいだを埋めるのが今回の第1話でした。
劇場版と同日に見ても比肩するクオリティ。異常なこだわりを感じられる蕎麦屋の描写(笑)
いまや不動の人気キャラとなった煉獄さんの活躍を新たに描ける、時系列的に過去にあたるエピソード。
無限列車に乗り込むまでの過程、あの弁当の由来、魘夢の手先となる乗客たちの横顔など見どころはたくさん。

列車に乗り込む直前の「また会いましょう!」というセリフの重さが劇場版を見たあとだと段違いですよね…。
劇場版で盛り上がったファンに対する特大のエモいプレゼント。うまい第1話だと思いました。



関係ない話…とも言えないけど、無限列車って鉄ヲタ的にはどう見えたのかちょっとだけ気になりました。

以下は今期の新作を見て思ったこと、寸感では省いた作品の感想をいくつか。
Twitterでの実況を極力減らしてる反動で「これどこかで書いておきたいなぁ」という話がわりとあるんです。


「舞妓さんちのまかないさん」が自分のなかでちょっと盛り上がってます。Eテレで放送中の10分アニメ。
盛り上がってるというのはおもに技術的な話で、10分アニメとは思えない高水準な背景美術も気になるのですが
一番注目してほしいのは本作がきわめて自然なタッチの3DCGアニメであること。

不覚にも初回でそのことに気付けなかったんですよね…なんの違和感も覚えず、普通に見終えてしまって。
翌週、オープニングのすみれが正面を向いて歩くカットの手の動きを見て「おや?」っと初めて気付きました。

なぜここまで自然に見えるのか。3DCGだとわかった途端、お話そっちのけで気になってしまいまして。
おそらくモーションキャプチャーではない、使っていたとしてもそのままでは使わず動画を描くように修正して
中割りのコマを作っているのではないかと。それと、手描きがニガテとするアングルを避ける。
3DCGってどんな角度でも破綻しないせいで、手描きだと絶対にやらないアングルを採用しがちなんですよね。
手描きのアニメを作るのと同じように3DCGを使っているのかな?と、素人目に推測しています。

お話としてはまあグルメものというか、タイトルが示すとおり『まかない』を紹介する作品です。
時間的負担が小さく、気が付くと技術的にも興味深い作品としてオススメ。ちなみに制作はJ.C.STAFFです。



いわゆる日常系のアニメって、どこか現実と切り離されたファンタジー感があるほうが素直に楽しめるんだなと
「先輩がうざい後輩の話」を見ていて感じます。舞台設定が現実味を帯びると素直にかわいいできない
…などというのは杞憂で、2話以降は急激に日常系アニメ的なテイストにシフトしたので安心して見れています。
良い意味でありふれた話になったというか。クリスマスのエピソードなんかは特にそんな感じ。

現実味や生々しさを帯びるラインはどこからなのか?と考えると、やはり大学生から上になるでしょうか。
逆に、なぜ高校生以下だと現実味を帯びずに安心して見れるのか。
学生時代に学校が舞台のアニメを見て、その現実味に苦しんだ経験なんてないなぁ…マジメに考えると不思議。

動画工房は本作とは別に今期もう1本、「SELECTION PROJECT」というアイドルものを手掛けています。
リアリティーショー形式と銘打ってはいますが、あれはまあ…量産型アイドルアニメの域を超えるものではなく。


日常系といえば「ジャヒー様はくじけない!」の最近のエピソードを見ていると、もはや「ジャヒー様」という
箱を借りているだけの「サザエさん」や「ドラえもん」みたいな長寿アニメを見てる気分になります。
いや、決して褒めているわけではなく。エピソードの捻出の仕方がそういう領域にはいってきてる感じで。



どういう奇跡が連鎖すると「進化の実 ~知らないうちに勝ち組人生~」みたいな作品がアニメ化にまでなるのか
甚だ疑問なのですが、何もかも投げうって悪ふざけしてる感じが逆におもしろく感じつつあります。

ってかね、令和の時代に井上麻里奈がヒロインを演じるアニメが見れるなんて思ってなかったからうれしくて…。
いやヒロインなのかな?、正ヒロインはピンクのゴリラのほうだもんな。
ピンクのゴリラに半ば愛着が湧きかけたころに美少女化してしまって、わりとガッカリしてる自分に気付きます。
見た目がゴリラのまま声だけ花澤香菜になるとかのほうがネタとしても話題性という意味でも強かったかも。

テンプレートに沿った異世界転生モノが山ほどある時代だし、ギャグに全振りしたこんなメチャクチャな作品が
ひとつぐらいあっても許されるのではないかと。月曜深夜の最終枠ともなれば特に。
でも、こんなアニメの主題歌を歌わされるPoppin'Partyがかわいそうにはなりますね…どうしてこうなった。



テレビ放送の副音声でオーディオコメンタリーを流す試みに若干の弊害を最近感じています。
毎回オーコメがついていた前期の「乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…」2期同様
今期も「終末のワルキューレ」で出演者を毎回入れ替えてのオーコメ放送を実施しています。
しかし録画して2回見るほど好きなアニメじゃないと、どちらを聞きつつ見るかで結構悩むんですよね。

「はめふら」は字幕ありだったので字幕を表示しつつ副音声で視聴していましたが、「終末のワルキューレ」は
字幕がついていないので、本編でどんな会話が交わされているのがほとんどわからないまま見ています。
結果として話の理解度がメチャクチャ低い。いや、主音声で見ればいいんですけど。

なんかこう…主音声もしっかり聞き取りつつ副音声も一度で楽しめる方法ってないものでしょうか?
主音声と副音声の音量のバランスを変えたり、右側と左側で別の音声を出したりとか…それはそれで混乱するか。



寸感のなかで『積み映画』の話をしましたが、かろうじて消化できた作品もいくつかありまして。
そのなかの一本、「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」を見たあとに、本作の批評を調べたところ
『ノスタルジック・フェスティバル』というフレーズが目に留まり、なるほど言い得て妙だなと思いました。

古参のファンにとってそれは心震わす感動の連続であり、決して悪いばかりではないんです。
しかし、新作と聞いて「新しいものが見れる」と思って集まった視聴者にしてみれば焼き直しにほかならず。

「新しいものが見れる」という期待は新作アニメを見る際つねに自分のなかに生じています。
なので新作の体験が『ノスタルジック・フェスティバル』だと良い評価を与えるのが難しくなってしまいます。
『新しいもの』は新しくあってほしい。『新しいもの』は新しいだけで価値がある。
この『新しいもの』にもいろいろあって、何をもって新しいとするかはなかなか難しい話となります。

たとえば時代劇って、舞台設定や史実には『新しいもの』がなくても新しいと感じるときがありますよね。
使い古されたテーマであっても『新しいもの』が出てくる。むしろ、枠組みを変えられないから工夫が生まれる。
枠組みの自由度が高いアニメで、なぜ『ノスタルジック・フェスティバル』が生まれがちなのか。

…いや、答えはわかりませんけど(笑)強いて言えば、作りたい人がいて見たい人がいるからかな?

映画の話に戻しますと、「007 プレデター」も似たような意味で少々ノスタルジックな印象が。
最近見れた映画のなかで特に良かったのは「ワンダーウーマン」かな。期待を大きく上回るおもしろさでした。

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