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2022年10月26日 (水)

ゲームレビュー 「Bridge Constructor: The Walking Dead」

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[プラットフォームと購入方法]
PS4版をセール期間中に302円で購入。
他のプラットフォームでは無料配布されたこともあるので、少額でも有料なぶんレビューに影響すると思われる。

[クリアまでにかかった時間]
PS4版は総プレイ時間が表示されないので正確な数値は不明。およそ10~15時間
パズルゲームなのでプレイヤーの発想次第なところはあるが、順調に進めば10時間以内にはクリアできそう。


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[ゲーム難易度]
シリーズの基本となる物理的なパズル要素に加えて、本作では登場人物のコントロールやゾンビの討伐といった
独自の要素が組み込まれているので、建築以外にも考えなければならないことが多い。
特に序盤の章では、ステージ開始時に表示されるヒントを読んでも解がわからない場合がある。難易度は高め。
最大の難関は3章。クルマの飛ばし方で1~2時間悩み続ける可能性あり。

攻略の手順としては、まず鉄鋼で設計して問題なく機能するのを確認してからコストダウンするのがオススメ。
YouTubeで全編クリア動画を見れば考えずともクリアできるが、それは最後の手段として取っておこう。


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[実績・トロフィー難易度]
全13種類。各章のクリアとリソース(建材)の使用量、ゾンビの累計討伐数というシンプルで少なめの構成。
累計討伐数は普通にプレイしていれば5章の終盤で確実に達成できるはず。


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[良いところ]
・「The Walking Dead」を見たことがなくても、ゾンビが何かさえわかっていればすぐに状況が飲み込める。
・設置済みの橋のジョイント部分をあとから微調整できるようになり、試行錯誤の手間が軽減された。
・スタートメニューに用意されているヒント集。シリーズ未経験者は絶対に読んでおいたほうがいい。

[悪いところ]
・登場人物に指示できる行動の選択肢が限られていて、おのずと正解がわかってしまうときがある。
・大量のゾンビを動かす関係で若干の処理落ちが発生する。
・クレジットはオプションから見れるとしても、やはりエンディングで流れるようにしておいてほしかった。


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[どちらとも言えない]
・初代やコラボ作品を踏まえた実質3作目なのでチュートリアルが短く、すぐに難易度高めの応用編がはじまる。
・時間経過で傾く橋の設計を求められるステージは新しさとともに邪道な印象も覚える。
・あいかわらずリプレイ性は皆無だが、全ゾンビ討伐を目指すのも悪くはない。

初代には橋の上を通行させるクルマの選択があったが、最初から重い車種を選ぶほうが合理的だったこともあり
本作にそのような選択肢を入れなかったのはシンプルさという意味でも正しい判断だったと思う。


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[総括]
タイトルが示すとおり、本作は「Bridge Constructor」と超人気ドラマ「The Walking Dead」のコラボ作品で
コンシューマー向けとしては「Portal」とコラボした前作に続く3作目となる建築パズルゲームである。

橋を建設する、その上を渡るという基本はそのままに、本作では新たな要素として『ウォーカー』が現れる。
いわゆるゾンビである『ウォーカー』から逃げるため、ときには押し潰すための武器として橋を利用するわけだ。
ゾンビに立ち向かう人間側としてユージーンやダリルなどドラマでおなじみのメンバーも登場。
彼らは本作では『ヒーロー』と呼ばれ、各自の能力が(パズルの)困難な局面を突破するカギとして活躍する。

橋の建築という無機質なルールをストーリーの一部として組み込んだ手腕は称賛したい。
「ドラマを見ていないと話を理解できないのでは?」と思われそうだが実際はそんなこともなく、わかりやすい
シチュエーションと典型的な登場人物たちが織り成すストーリーは予備知識なしでもすぐに飲み込めるだろう。


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一本のゲームとして本作を見ると、ボリュームの薄さ難易度の急激な上昇という難点が浮かび上がる。
ドラマから本作に興味をもった人が手頃な値段で飽きないうちに遊び切れる量と思えば悪くないかもしれないが
初代「Bridge Constructor」をプレイしていないまったくの初心者がスムーズに進めるかは疑問である。
経験者でもそこそこ悩む難易度なので、シリーズ未経験の「TWD」ファンを突き放している感は否めない。

しかし、悩んでいる時間こそがこのシリーズの醍醐味なので、ぜひその域までたどり着いてほしい。
うまくいけば短くとも充実した時間となるだろう。ゾンビとの戦いの終わりを告げる盛大な花火は見ものである。


[オススメ度]
シリーズ経験者なら確実にオススメ。単独でプレイ可能な追加DLCとして、きっと楽しめるはず。
パズルゲーム好きな人、「TWD」好きのゲーマーにもオススメできる。普段ゲームをやらない人は苦労するかも。
スマートフォンを含め、あらゆるプラットフォームをカバーしているのでお好みの環境でプレイしてほしい。

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2022年10月20日 (木)

2022年 秋アニメ寸感

■お気に入り作品リスト(暫定)
「後宮の烏」
「Do It Yourself !! -どぅー・いっと・ゆあせるふ-」
「虫かぶり姫」

■続編&継続作品
「SPY×FAMILY」2期
「ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン」2クール目
「ポプテピピック」2期
「ゴールデンカムイ」4期
「ヤマノススメ Next Summit」4期
「魔入りました!入間くん」3期
「僕のヒーローアカデミア」6期
「モブサイコ100 Ⅲ」3期
「アイドリッシュセブン Third BEAT!」3期2クール目
「宇崎ちゃんは遊びたい ω」2期
「メガトン級ムサシ」2期

 ※あくまでリストアップであり、順番が順位付けになっているわけではありません。


今期まず言いたいのは、リストで既に伝わっているかもしれませんが、続きモノが非常に多いんですよ。
続編を追いかけるだけで既に10作品超えてる。新作はこの2倍以上あるし、ほかに魅力的な再放送もあります。
なので、人によっては現段階でかなりの削減をおこなっているのではないかと…無理があるので。

曜日で言うと水曜や土曜に本数が偏っていますが、時間帯ごとにターゲット層が分かれている印象があります。
「放送されているものは全部見る!」という剛の者でない限りはなんとかなるのではないでしょうか。


「後宮の烏」はアニプレックス枠としては非常に珍しいタイプのアニメで、「魔道祖師」や「天官賜福」などの
中国原作のファンタジー作品を思わせるような、言い方はアレですが『売れ線』をはずしてきた気がします。
どういうターゲット層を想定した原作選定なのかちょっとわかりませんが、個人的には好きなジャンルです。

「DIY」もテレ東のアニメとしては近年珍しいタイプではないかと。TBSやMXでやりそうじゃないですか。
これまで意外と選ばれてこなかった題材と、AIがヒトの仕事を奪う時代にあえて手を動かすことの意味を考える
メッセージ性が、いまこのタイミングでやることの意味を強く感じさせてくれます。
あとシンプルに画面がかわいいよね。なんか、あんまり深刻で殺伐な絵を見たくない時期なんですよ。

「虫かぶり姫」は異世界モノがやり尽くされてるいまだからこそスタンダードなネオロマっぽい作品できたのが
すごく好感度が高くて、安心して見れていいな…って年寄りじみたことを感じています。

佐々木望の声が近年ツボに刺さっているので、15分枠の「永久少年 Eternal Boys」も気になる存在です。


今期の話題作はまず間違いなく「機動戦士ガンダム 水星の魔女」。やっぱりガンダムという看板は強いですね。
新しもの好きの人は当然のこと、口うるさい(笑)ガンダムファンの人たちも盛り上がっているようで。
なんだかんだでガンダムが始まると見ちゃうんですよ。縁起物というか、ある種のお祭りみたいなものですから。
まあただ…放送終了後に飛び交う熱弁を毎週眺めるのは正直しんどいので、自分は一歩引いて見ていくつもり。

公式サイトなど、放送外でストーリーの補足がおこなわれることについては個人的には拒否感があります。
毎度言ってますけど、テレビアニメはテレビアニメの範囲で語るべきで、放送外で展開される補足情報を超えた
"読むのが普通"みたいな扱いが視聴者のあいだに生じることが腹立たしいんですよね。

同じ理由で、前日譚「PROLOGUE」も初回の前週にテレビ放送がなかったら個人的にはアウトだと思ってました。
しかし、あの前日譚の雰囲気から一転して学園決闘アニメが始まるとは思わなかったな…(笑)


ほかでは、「名探偵コナン」のスピンオフのアニメ化第2弾となる「犯人の犯沢さん」が何気におもしろいです。
10分枠という時間的な見やすさ、「コナン」への共通認識があるおかげで成立するイジりにも似たパロディ。
元ネタを知ってる前提で進むお笑いなので、不特定手数を相手にするテレビアニメとしては問題があるのですが
「コナン」くらい有名な作品であればまあ…深夜にこっそりやるぶんにはよいのではないかと。

話は少々違いますけど、特定のアニメを知ってる前提で進むお笑い芸人のネタって見ててキツいんですよね。
不特定多数のお客さんを相手に舞台で、ニッチな予備知識が必要なネタをやるのは冒険が過ぎる。
それが「ドラゴンボール」であれ「ガンダム」であれ、早口で語ってるオタクとさほど違わない感じがします。



ネット上でしばしば『ライブ感を楽しむアニメ』と評される作品があります。
よく言えば実況向きな、前後のつながりが希薄で場当たりな展開が多く、あとから冷静に全体を振り返ったとき
いくつも問題を抱えていることがわかるアニメを京都弁風に(笑)表現したスラングみたいなものです。
ようするに、文面どおりに受け取ってはいけない評価なわけですよ。

「ポプテピピック」くらいストーリー性が薄く、意図してライブ感を狙った作りであれば評価もできるのですが
そうでないなら『ライブ感を楽しむアニメ』などと評されるような作りではダメなんです。

なんでそんな話を?と思われるかもしれませんが。数日前に最終回を迎えたアニメに思うところありまして。

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2022年10月13日 (木)

「白夜極光」12-14クリア

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「白夜極光」の1周年アップデートで実装された第11・12章を先日ようやく完走しました。
1周年アップデートがおこなわれたのは今年の6月なので、実装から4か月もかかってしまったことになりますが
始めたのがサービス開始から半年遅れだったし、時間がかかるのは仕方ないことだと思っています。
この期間、いくつかのゲームを並行して進めていたせいもありますね…これは完全に自分のせい。

第11・12章が実装された当時の記事によると、もっとも育っているのが水属性パーティーで覚醒3のLv.40。
あれからすべての属性のレギュラー光霊を覚醒3のLv.50まで育てて、武器レベルも最大の10まで強化しました。
文章にするとほんの1行の話ですけど、実際やろうと思うとそんなに簡単じゃないんだこれが…。

「白夜極光」の場合、イベントにきちんと参加すれば大量の育成素材を入手できるのが救いですね。
比較の対象をそんなに知らないのでアレですが、個人的には法外とすら思える、非常に手厚い量をもらえます。


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第12章の難関である『12-14』はボスの弱点属性が火だったため、既存のレギュラー陣の追加育成は当然のこと
手持ちの火属性光霊のなかから新たな、特にこのステージの攻略に特化した人材の選出が必要でした。
『12-14』は第10章の『10-14』と同じくらい、他とは異なる戦い方を要求されるステージだったのです。

一般的にはクソステージって言われてますね(笑)いや、気持ちはわかります…ストレス溜まるギミックなのよ。


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『12-14』のボスはステージ上に配置された台座の上を移動しながら攻撃を仕掛けてきます。
台座は敵のターンに最低2個、多いときは5個追加され、ボスが台座の上にいるあいだは通常攻撃が当たりません
台座があるマスは通行も不可能ですが、『能動技(言わばマップ兵器)』を当てることで破壊できます
ボス自身が台座を消費して攻撃を仕掛けてくることもあります。しかし、基本は増え続ける一方。

メインのボス以外に台座型の中ボスが配置されていて、この中ボスは体力を削り切っても倒せません。
体力を削り切った次のターンだけ気絶状態になり、気絶から復帰する際に体力が規定値まで回復します。

タイミングを揃えてすべての台座と台座型ボスを排除し、メインのボスを攻撃しなきゃいけない。
攻撃がうまくいっても失敗しても、次のターンには4つの台座と台座型ボスが復活してふたたび攻撃を無効化。
つまり、きちんと対策を考えたパーティー編成でも結構ストレスが溜まる戦いを強いられるわけです。

さらにストレスになるのが、台座が追加される際にプレイヤーが隣のマスに押し出される場合があること。
ボスが乗ってる状態で中ボスを気絶させるとボスが遠い位置に落下し、追加攻撃が当たらないのも地味にキツい。

スナイパータイプの光霊で揃えて『連鎖技』でガンガン殴る方法もあるそうですが、自分は正攻法で挑みました。


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台座をひとつずつチマチマ破壊しててもキリがないので、ステージ全体攻撃が可能な光霊を組み込むのが定石。
加えて、すべての台座を破壊したあとメインのボス付近に飛べる移動系『能動技』持ちを入れると安心できます。

全体攻撃系かつ障害物を破壊可能な『能動技』をもつバーバラはこのステージに必須と言える存在です。

他にも全体攻撃系『能動技』持ちはいますが、ステージ上の障害物を破壊できる光霊となると限られます。
バーバラは☆5光霊なので1年プレイしていればまあ持っていておかしくないと思いますが…彼女がいない場合は
イベント限定光霊のルコアさんしか選択肢がないんだとか。そっちのほうが入手難易度高いよ?!

バーバラ以外は既存のレギュラー陣で固めました。フィリスは副属性に火をもつ移動&回復役として選抜。


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この編成で、残りターンが1になる接戦の末に辛勝。フィリスの回復がなければもっと早く終わっていたかも。
単純に火力不足もありましたし、ステージ上のマスの配置に恵まれなかったせいもあったと思います。

短期決戦を狙う場合は前述のスナイパー戦法でいくのが確実でしょう。バーバラ戦法は時間がかかります。
バーバラの『能動技』は発動に必要なCD値(ターン数)が重めで、どうがんばっても3回しか撃てないはず。
『12-14』のチャレンジ「残りターン数5以上でクリア」を達成するつもりなら完凸していないと厳しいのでは。
完凸は運次第ですからね。ピンポイントで完凸バーバラを貸し出しているプレイヤーが見つかれば…。


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てなわけで、「白夜極光」の当面の目標であった第12章は終了。しばらくは育成の手を休められそう。
…などと思っていたら黒バイスが追加されましてね。通常のバイスと別ユニット扱いとは。ならば育てないと。
それが終わったら、入手したまま放置していた☆6光霊の育成でも進めますかね。


「白夜極光」のモチベは不思議と維持できています。やっぱりストーリーのおもしろさが大きいのではないかと。
今回の記事で触れた第11・12章は攻略に時間がかかったこともあり、大きな山場となる体験でした。
比重でいえば、第11・12章のふたつで以前の10章分の重みに匹敵するくらいの壮大な危機と戦い。
…さすがにそれは言いすぎか。でも、アニメにたとえるなら第2期と呼べるような内容になっていたと思います。

ソシャゲやネトゲには『運営が続く限りはストーリーを完結できない』という制約がどうしても付きまといます。
その制約があるなかで、制約を感じさせないようにうまくストーリーを運んでいると感じるんですよね。

ずっと言ってますけど、この内容を自分はテレビアニメで見たいですよ。なんとかしてアニメ化してほしい。



黒バイスの存在については公式が盛大にネタバレしているので特に隠すことはしませんでした。
ってか、第11・12章以降のイベントストーリーが普通に黒バイス化に触れてるのはホントよくないと思います。

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2022年10月 5日 (水)

2022年 夏アニメ総括

■好評価作品
「メイドインアビス 烈日の黄金郷」
「シャドーハウス 2nd Season」
「神クズ☆アイドル」
「連盟空軍航空魔法音楽隊 ルミナスウィッチーズ」
「異世界薬局」
「ユーレイデコ」

■ピックアップ作品
「ブッチギレ!」
「カッコウの許嫁」
「オリエント 淡路島激闘編」

■9月中に放送終了しなかった作品
「異世界おじさん」※制作上の都合、夏から秋に異動
「シャインポスト」※制作上の都合
「風都探偵」※ネット配信先行で地上波放送開始がそもそも遅かった


以前よりはだいぶ穏やかにはなったものの、コロナの影響でアニメが止まる事態はまだまだあるのだなと。
かく言う自分もこの期間に感染したわけですからね。人がたくさん動く場所では当然リスクも増すでしょう。
ひとりの視聴者としては、放送休止期間に作品への熱が冷めてしまうことを一番危惧しています。
作品の内容が同じでも、休止を挿むことで作品の評価が変わる可能性は大いにありますから。

前置きはこんなとこにしておいて。夏アニメで気になった作品を足早に触れていこうと思います。
なにせ、これ書いてる時点でもう秋アニメ始まってますからね…なんで9月30日から新番組が始まるのよ?


「メイドインアビス」はもう別格というか、テレビアニメとして提供する物語の域を超えていた気がします。

どういう頭をしていたらこんな話が思いつくのか、原作者の頭の中を念入りに覗いてみたくなりました。
同期の他の作品とくらべてあまりにも濃密で重く、作品から伝わってくる精神年齢が高い。
オトナの目線で見てもはるか上のオトナに向けた内容に見えてしまう、そんな異次元の領域から来た物語。
でも、この物語に込められたメッセージははるか下の少年少女たちに向けられたものだろうとも感じました。
特にワズキャンの最後のセリフなんか聞いてるとそう思います。ある種の警告であり、新世代への期待でもあり。

このレベルの作品をホイと出されると他の作品を評価しにくくなるんですよね…どうしたってくらべてしまう。
なので「メイドインアビス」だけは大きく遠ざけたシード枠に置いて話を進めなければなりません。

主題歌も音楽もバツグンによかったしなぁ。欠点がひとつも見当たらないアニメってたまにはあるんですね。


完全新作のなかでは、今期最速で最終回を迎えた「神クズ☆アイドル」が好感触でした。
アイドルアニメはやはりアイドルたちだけでなく、より俯瞰してアイドル文化全体を描いていてほしい。
本作ではメインのアイドルたちと同等に、アイドル文化を支えるファンの苦しみや叫びが親近感ある描かれ方を
していたのが印象的で、相当なアイドル好きの方が原作を書かれたのでは?と思える解像度の高さでした。

やはり題材として選んだ以上、題材の魅力がきちんと伝わるよう描いてほしいという希望があります。
アイドルに限らずスポーツものやホビーについても言えますが、本作を優れていると感じた理由はそこにあり。
アイドルというお仕事、アイドルを応援することの楽しさや魅力が十二分に伝わってくる内容になっていました。

メインの男性デュオだけでなく、幽霊の状態で登場する女性アイドル・最上アサヒもきちんとかわいかったし。
アイドルアニメだけど視聴者の性別を選ばない、非常にバランスのよい作品だったことも好評の理由です。


次いで挙がるのは「ブッチギレ!」と「ユーレイデコ」になるでしょうか。どちらも当初の印象を上回る出来。

「ブッチギレ!」は新選組を題材にした作品としてはかなり大胆な設定でしたが、史実への折り込み方がうまく
見た目とは裏腹によく考えて辻褄を合わせているなぁと、ちょっと感心しつつ楽しませてもらいました。
キャラクター原案を「シャーマンキング」の武井宏之に任せたなりの理由がわかる設定や描写が終盤出てくるし
あらためてオープニングを見るとお手本のようなキャラデザだなと勉強にもなりました。
ただ、最終回の尺の使い方には少々疑問が…尺が余ってしまったかのように感じられるBパートでしたよね。


湯浅政明と佐藤大というダブルネームを見て、当初はぶっちゃけ警戒していた(笑)「ユーレイデコ」
何を伝えようとしているのか、おもしろさを理解できるまでちょっと…いやかなり時間がかかる作品であるのは
間違いなくて、本筋からちょっと離れた第5話のエピソードを見て本作の評価が大幅に変わりました。

当初感じた『年寄りががんばって新しいことをしようとしている感』はある意味正しかったのかも。
本作は非デジタルネイティブ世代からSNS世代に向けた、年長者なりのメッセージだったのかもしれません。
自分の在り方、自分自身の定義、自分の居場所、信条。上の世代から連綿と続く疑問や悩み。
若者の居場所は若者たち自身で創造し、管理していくべきであり、年長者の決め付けに囚われるべきではない。
…とか。自分の解釈が正しいかはわかりませんが、『いま』見るべき価値のある作品だと思います。

変に説教くさくもないですしね。ネット上で見かける出来事を寓話的に描いていたりもしてて興味深い作品です。


意外な掘り出し物だったのが「異世界薬局」。まず今期の異世界系のなかではトップと言ってよいはず。
医療ものはよほどの間違いがない限りおもしろいってのはあるのですが、チート能力で貴族が薬局を開業したら
起こりうるであろう出来事、身分や貧富、信仰との衝突が違和感なく描かれていました。
それでいて明確な悪が存在するわけではなく、誰もが自身の信条に基づいて行動してるところがまたよくて。

放送されたのがポストコロナというのもタイミング的によく、本作終盤の黒死病に対する取り組みを見ていると
以前よりもずっとリアリティを感じるというか、視聴者側が経験をもとに見れるようになったのが大きいなと。


今期の異世界系は全体的にマジメな印象がありましたね。エロ全振りの作品でも基本はマジメという(笑)

ただ、最近は異世界系の一部に「いわゆる創作とは違うものなのでは?」と感じるときが増えています。
自分が知っているなかでもっとも近いのが『テーブルトークRPGのリプレイ』で、RPGのルールの上で起こった
プレイヤーたちの選択や行動、会話を小説のようにまとめている小説とは非なるものみたいな。
今期それを一番強く感じたのが「異世界迷宮でハーレムを」で。あそこまでいくとほぼ『リプレイ』ですね。

良い悪いの話ではなく、一般的なマンガや小説とは異なるジャンルの何かになりつつあるという話で。
ゲームの実況をアニメ化して見てるみたいな違和感というか。視聴者として馴染んでいけるとよいのですが。


世間的には「リコリス・リコイル」一色な感じでしたね。自分もまあ、そこそこ高く評価しているつもり。
今年アニプレックス枠で放送された作品のなかでは確実に最上位に食い込む内容だったと思います。
こまかいところを突きまわすアニメではなく、ノリと会話(と百合?)を楽しむアニメであり、その割り切りが
きちんとできていれば心底楽しめるであろう娯楽アクション。加えて小学生レベルの下ネタ…。

昔は当たり前に見られた、治安が悪すぎる街で銃をバカスカ撃つハードボイルド風ドラマってよかったよなぁ…
という特定の世代の需要を制服美少女というフォーマットで埋めにきたみたいな。それが好評の理由かと。

終盤の延空木での決闘を見て「まるでMGSシリーズみたいだなぁ」と思ってたら、当の小島監督にウケたという。


「風都探偵」は人気実写作品のスピンオフとして、ファンが期待することに100%応えている感じがします。
次元を違えたメディア展開では「あれが足りない、やり直し」と口うるさく言われがちですからね。
逆のパターン、二次元の実写化作品も最近は原作ファンが何を要求するかをきちんと理解して作ってきてますし
三次元の二次元化においても、用意できるものはすべて用意して当然と言えるかもしれません。


続きモノとしては「シャドーハウス」が期待を超えてくるおもしろさ。ときにシリアス、ときにコメディ。
戦いあり謎解きありのバランスのよさ。そしてどんなときでも視聴者の心を和ませるエミリコのリアクション。
またいつか続きが見られるでしょうか…続きの見たさで言えば「メイドインアビス」とならぶ位置にはあります。

あとは、冒頭で挙げていませんが「オーバーロード」4期も。気が付けば長寿のシリーズとなりました。

「オリエント」は1期とくらべて『この話のどこを見てほしいか?』が明確で見やすくなっていたと思います。
話の中心に武蔵とみちるがいて、戦いのなかで武蔵が成長して主人公らしい立ち回りを見せていく。
みちるは非常にヒロインらしい立ち回りで、つぐみとは扱いが違う(笑)のがハッキリと伝わってきました。

それだけに、最終回におけるみちるの顛末が本当に解せない。ああするならなぜ八咫郎と対話させたのか。
2期を通じて育て上げてきたみちるというキャラを手放してしまうのが惜しいというか、ちょっと信じられない。
全体的に女性キャラに対する当たりが強く、積極的に活躍させようという気がない感じがします。
これはつぐみの扱いを見てもあきらかな話で。原作者のなかに何か特別な思いでもあるのでしょうか…?
(キービジュアルに描かれているのにマトモな活躍がない女性キャラなんて、普通はありえないと思います)


自分でも意外なくらい、思いのほか楽しめていた「カッコウの許嫁」。ひとえに天野エリカの魅力に尽きます。
「ちょっとニガテだな…」とか「退屈そうだな…」と感じるタイプの作品でもお気に入りのキャラが見つかると
そこを突破口にしてお話全体が見えるようになり、作品そのものを好きになれる可能性がある。
天野エリカはヒロインのひとりとしてだけでなく、視聴を進めるうえでの貢献度がとても大きかったです。

逆に、瀬川ひろの魅力が自分には正直わかりません。最終回に向けてさらにわからなくなっていった感じで。
主人公・海野凪が彼女に感じている魅力が視聴者に伝わってくるような客観的描写が足りない気がするんですよ。
終盤の別荘のエピソード以降、不可解に場を荒らすようになってむしろ印象は悪くなりました。

2クールという長尺で、最終回に1時間枠取ったのにアニメ独自の完結を見せるでもなかったのはちょっと意外。
しかも謎を増やして終わる(笑)誰なのよ写真の子は…宗助の問題も解決してないってのに。
あとはエリカの父親の思惑も。ひとつぐらい何かスッキリしてから終わってほしかったなと思います。
原作既読の方のツイートによると結構アニオリも多かったみたいだし、アニオリで終わらせてもよかったのに。

まあ原作未完の作品の難しいところですね。特に恋愛モノでは誰が選ばれるか?って重大だし。
恋の行方についてはベストエンドではないものの、グッドエンドのひとつにはたどり着いた感じはありましたが。


余談ですが、好きになれそうなキャラがひとりも見当たらないアニメはキツいですね…視聴打ち切りまである。
キャラって表現するとキャラ萌えで見てるみたいに思われそうですが、そういう観点の話ではありません。
どんなに絵がキレイでも、どんなに世間的評価が高くても、共感しがたい言動にあふれたアニメは見てられない
ひとりの人間として「彼らを理解できない…」と感じた瞬間、作品との断絶が起きるのです。


夏アニメの感想はこんなもんで。既に秋アニメが大量に始まっているので多少の焦りを感じています。
もし個別に感想を尋ねたい作品があれば当記事のコメント欄、Twitterの匿名コメントなどをご利用ください。

そういえば「サマータイムレンダ」の感想はどこにも落としていなかったので最後に少し触れておきます。
本作はタイムリープものとして見始めるとちょっと肩透かしを喰らう、強めの言い方をするとガッカリな内容で
どちらかといえば未知の生命体との命懸けの戦い、それも異能力バトルに重きを置いた作品と言えます。
しょうゆ系だと思って入ったらとんこつ系だったみたいな(笑)期待と違うものが出てきた感があったわけです。

おなかは満たされたものの「やっぱりしょうゆ系が食べたかったな…」という不満が残る。
入口を誤ってしまった。これは自分の責任でもありますが、本作のプロモーションの責任でもあると思ってます。
最初から未知の生命体との戦いと思って見れば間違いなく満足できる、リッチな2クール作品でした。



後日「シャインポスト」の感想は落とすかもしれませんが、現状あまり期待できないと思います(オブラート)。

「からかい上手の高木さん」あたりから始まった感のある、男子をもてあそぶ系ラブコメのブーム。
ひとつの作品に留まらずブームと呼べる状況になっているのは『時代の需要』があるからと見てよいでしょうか。
個人的な傾向を言うと、どう楽しめばいいのかわからずリタイアしてしまうことも珍しくありません。

男性が受けにまわる構図がまったくダメなわけではなく。実際このジャンルで完走できてる作品もありますしね。

女性上位の描写がいきすぎて男性蔑視になってしまっていると、さすがに不快感を無視できなくなります。
単にマウントを取るだけならそこまで言わなくていい。言い方に愛を感じないというか、ドM向けになっている。
さじ加減の問題もあるのかも。強めの表現って第三者の耳にも不快に聞こえるものですから。
でもまあ…そもそもがマニアックなジャンルだから、ツボに刺さらなかったとしても仕方ないのかな?

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