メカニカルキーボードの話(キーキャップ交換編)
10月末に購入したK688 RGB、紆余曲折あって現在こんな姿になってます。こやつ文字の発光を捨ててる…!?
K688を注文した直後、K688のキーキャップと同様に文字の部分が透過してるキーキャップを色違いで2セット
別途注文し「キーキャップのカスタムもこれでOK!」と、そのときは思っていたのです。
しかし、その後もAliexpressでキーキャップを物色してたらとんでもない掘り出し物を発見してしまいまして。
見た目はEpomakerのSea Saltキーキャップの日本語プリント版…という言い方しかできません。
Epomakerの公式ショップで現在も販売されているセットで、公式ショップでの販売価格は35.99ドル。
これがなんと1,437円で販売されていまして…送料を安く抑えるためか、ケースを移し替えてはあったのですが
(Aliexpressでは送料や配送中の破損を考慮して、Jarと呼ばれる円筒形の容器に移し替える場合がある)
それにしたって普通ならありえない、使えるものが届くのであれば見逃すには惜しい"発見"でした。
仮に粗悪な商品が届いたとしても諦めがつく値段だろうと思い、意を決して注文。
こちらの不安とは裏腹に約1週間後、Aliexpressにしてはかなりの早さで無事手元に届きました。
開封してキーをひとつひとつ検品してもなんら問題なし。真贋は別にして、使えるものなのは間違いありません。
その後、どうしても紫色を入れたくて別途キーキャップを買い足し、写真の状態に組み合わせています。
理想の色味とは微妙に違ったのですが、紫色は単体で販売してるところがあまりないし、まあよしとしました。
さて…このEpomakerのSea Salt"らしき"キーキャップ、XDAプロファイルのしっかりとしたPBT製です。
プロファイルというのはキーの形状のことで、K688の純正品はOEMプロファイルという形状でした。
OEMは列ごとに4種類の傾斜がつけられていて、人の手に合わせて緩やかなカーブを描くよう設計されています。
XDAはスペースバー以外のすべてのキーが同じ高さ、同じ形状で、取り付けると表面が真っ平になります。
(スペースバーはどのプロファイルでもだいたいキートップ部分がかまぼこのような凸状になっている)
ぱっと見の印象がいかにも自作キーボードっぽい、玄人っぽい雰囲気を醸し出してくれるプロファイルです。
ややクセのある形状とも言えますが、キーの位置を入れ替えても違和感が生じないというメリットがあります。
また、キートップが広めなので雑なタイピングでもミスしにくいと言われています。
PBT(ポリブチレンテレフタレート)は耐久性・耐油性に優れた、PET樹脂に近い性質をもつ素材なんだとか。
K688の純正品はABS製で、身近なところではガンプラやミニ四駆など玩具にも採用されている素材です。
PBT製のキーキャップは皮脂を吸収しにくく、長く使ってもテカりにくい特性があるそうな。
ABSとくらべて表面がさらさらしていて厚みや重みがあり、打鍵音が低めになる傾向があります。
あとは個人的な印象として、PBTは触れるとひんやりしてて気持ちいいです。ポリストーンみたいな冷たさ?
このキーキャップを選んだ最大の理由は日本語プリント。海外製なのに『かな印字』されてるんですね。
いまのところK688をメインのキーボードにするつもりはありませんが、将来的に文章を打つ可能性を考えたら
いつかは『かな印字』のキーキャップを手に入れたいと思っていました。
なので、渡りに船だったわけです。「次にいつ来るかわからない船ならいま乗っておくしかない!」と。
おもに海外向けに販売される英語配列用キーキャップに『かな印字』があるのはちょっと不思議な感じがします。
Instagramのキーボード界隈(!)を見てると、日本語が書かれているのがカッコいいと思ってる人が多いのか
あえて『かな印字』のキーキャップでカスタムしている非・日本語話者の投稿を頻繁に見かけます。
『かな印字』なのに26キーしか使ってなかったりして、実用的な目的でつけてるとは到底思えません。
英語配列のキーボードに『かな印字』のキーキャップを取り付けても日本語配列のキーボードにはなりません。
日本語配列とくらべて英語配列はキーの数が少なく、どうしても足りないキーが出てきてしまうのです。
使う頻度の少ない余分なキーを省略しているミニキーボードならなおさら深刻なわけで。
このへんの問題をどうクリアするかが、英語配列で『かな印字』を実用するうえでの大きな壁となります。
英語配列のキーボードでおもに問題になるのは「む」と「ろ」の位置、それと「ー(長音符合)」。
「む」はEnterキーの上。ホームポジションからやや右に逸れたところに横長のキーとして存在します。
OSのキーボード設定を『英語キーボード(101/102 キー)』に変更すれば「ろ」のキーは有効になるのですが
場所がTabキーの上、日本語配列で「全角/半角」があるべきところに置かれてしまいます。
ここはミニキーボードだとEscキーになっているものが多く、3つのキーがポジションを争う状態に。
「ー」にいたっては物理的に存在しません(※)ワンボタンで「ー」になるキーがないんですよ。
キーが存在する「む」はまあいいとして、「ろ」と「ー」はなんとかして独立したキーを確保したいところ。
※英語配列キーボードでは、Shiftキーを押しながら「ほ」を押すと「ー(長音符合)」になります。
自分の場合、『日本語キーボード(106/109 キー)』設定のまま「ChangeKey」でこの問題に対処しました。
きちんとやるなら『英語キーボード(101/102 キー)』に切り替えてやったほうがいいんですけどね。
日本語配列と英数配列では一部の記号(@や&など)の位置が違うため、『英語キーボード』設定にしたほうが
間違いはないのですが、そこまで真剣に移行する気がないので自分はこれでいいんです。
「その日の気分で」とか「文章打つときだけ」とかで切り替える場合、再起動を挿むのは正直ダルいので。
フリーソフト「ChangeKey」を使えば、専門的な知識がなくても気軽にキー配置の入れ替えができます。
Escキーを「全角/半角」に、右Ctrlを「ろ」に、右Altを「ー」にすることで日本語配列に近付けました。
代わりのEscキーをどこに設定するか迷っているのですが、これまでの人生で一度も押した覚えがないF6キーに
Escキーを置いて使用感を確認しています。このへんは好みに合わせて選べばよいかと。
(「ー」と「ろ」のあいだにある紫色のキーはFNキーなので、ソフトウェア的なキーの入れ替えができない)
ノートPCに接続して使う場合、ノートPC側のキーボードの使い勝手も考慮して配置しましょう。
何かアクシデントが起きてから「そういえばあのキーないじゃん!?」ってなことにならないよう注意が必要。
現状このキー配置でまずまず不満なく打てています。ちょっと不便なのが右Shiftキーと「む」の同時押し。
ふだん日本語配列でカギ括弧を打つときは右Shiftキーを小指で、「む」を薬指で、つまり右手だけで押していて
英語配列で同じことをしようとすると手の構造的にかなり無理が生じてしまいます。
左Shiftキーを使えばよいのでしょうけど、『かな入力』中は左Shiftキーって基本的に使わないんですよね。
あらためて確認してみたところ「っ」や「ょ」などの小文字もすべて右Shiftキーと同時押しで入力していました。
自分が左Shiftキーを使うのは半角英数で頭文字を入力するときだけのようです。
自分自身のタイピングのクセを調べる機会を得られたこともキーボード購入後のひとつの収穫かもしれません。
…そういえば肝心の使い心地に関してまだ書いていませんでした。正直言って速度はあまり出ません。
そこはやはり日本語配列かつキーが浅いノートPCのアイソレーションタイプのキーボードのほうが優勢ですね。
でも、タイピングという行為自体が格段に楽しくなる。新しい靴を買ったときみたいな感覚というか。
同じ目的地に向かうにしても履いてる靴によって退屈にも楽しくもなる。目的もないのに歩きたくなってしまう。
手段と目的が逆転して、とにかく文章を打ちたくなってしまうんですよ。そりゃ記事も長くなります。
英語配列で無理矢理『かな入力』している都合、誤打や打ち損ね、もたつきはどうしても生じてしまいます。
つまづきながらでも楽しく打てる、肌触りを確認するだけでも満足感のある、良きキーボードになりました。
ゲーム用に買ったつもりが結構真剣に環境を整え始めてしまって…まあそれはそれでいっか。
冒頭で触れた色違いのキーキャップ2セットの行方が気になっている方もいらっしゃるかもしれません。
今回写真で紹介したPBT製キーキャップに交換するまでの数週間のあいだだけ、部分的に使用していました。
いまとなってはムダな買い物だったとしか言えず…まあ、1セットあたり250円くらいの激安キーキャップなので
損失と考えても微々たるものですし、そのうち日の目を見る日が来るかも…?
キーキャップをPBT製に変えて「青軸もなかなか悪くないかも?」と思えることがひとつありました。
それはスペースバーの感触で、青軸にPBT製のスペースバーを乗せると昔のワープロ専用機のスペースバーの
音や感触に非常に近くなって、押しててなんだか懐かしさを感じるんですよね。
「あのころこんな音だったなぁ…」って、当時の記憶がふつふつと蘇ってきてちょっとうれしくなりました。
英語配列のキーボードのメリット、いろいろ言われていますが一番実感するのはやっぱり選択肢の豊富さ。
そのまま使うにしてもカスタマイズするにしても、選択肢が多いので選ぶ楽しさがあります。
機能面でのメリットは自分の使い方ではなんとも言えません。Backspaceが大きくて押しやすいくらいかな?
プログラマーがコードを打つのに向いてるとか、ショートカットを押しやすいなんて話はよく聞きます。
あとはスペースバーが長いのでゲーム用途に向いてる(FPSでジャンプしやすい)なんて意見も見かけました。
ハッキリ言って『かな入力』には向いてません(笑)明確なデメリットがあることは理解して使ってます。ハイ。
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