2019年1月 8日 (火)

なぜ「アズールレーン」は続けられるのか

レビューの執筆を終えたあとも「アズールレーン」のプレイを継続しています。意外と続いていると言うべきか。

「アズールレーン」を続けていられる一番の理由は、ながらプレイに向いているところだと思います。
1-3でアンロックされる自立戦闘機能、いわゆるオートモードを利用して特定の海域を周回プレイしているときは
2~3分おきにちょっと操作する程度なので、画面に集中する必要がありません。
これが長らく自分の求めていたところにスッと収まったというか、隙間の需要を埋めてくれたのでした。

燃料や弾薬の補給、艦の修理という概念がないことも、ながらプレイのしやすさに大きく貢献してると思います。
修理を要請して、修理が終わるのを待って…という行程があるゲームではこうはいきません。
プレイヤーが面倒に感じる、ストレスとなる部分をきちんと把握して、極力排してくれている感じがします。


時間的拘束や視線の占有率がものすごく低いのに、経過した時間のぶんだけ見返りがある作りになってるので
限られた時間をムダなく利用したいと考えがちな"現代を生きるオタク"にとってはありがたいゲームです。

たとえばアニメを消化しながらプレイするとか。消化した本数のぶんだけ確実に育成が進むわけです。

ただ、30分単位で継続するこの遊び方はスマホというハードに向いているとは言えません。
発熱もバッテリーの消費もバカにならないし、ハードウェア的な消耗が恐ろしい早さで進んでいくんじゃないかと。
ながらプレイを日常的に続けるのであれば、PC上で動作するAndroid環境を用意したほうがいいでしょうね。
スマホより安価なノートPCでも支障のないレベルでプレイ可能なので、検討する価値はあります。


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現在第4章まで終わったところで、プレイヤーのレベルは43、艦隊の平均レベルは55前後。
前衛艦隊の戦力は6000前後で、この数値で4-4の攻略に少々苦しむ感じでした。

レギュラーで使用する艦(6×2艦隊)を早い段階で決めて、各艦の性能や装備の強化を惜しみなくやらないと
早い段階で壁にぶつかってしまう。見た目のカジュアルさに反して結構ビターなバランスだと思います。
基本はRPGというか、時間と手間をかけて数値の向上を図り、数値で突破するゲーム。

周回でドロップした不要な艦はレギュラー組にどんどん食わせて、可能な限りステータスを上げておく。
Sレア以上の装備は最低でも+4、理想を言えば+6以上に強化しておく。
上限の突破が可能な艦はできる限り突破しておく。Sレア艦の突破なら汎用型ブリの使用を惜しまない。
さらに余裕があるなら改造可能な艦は改造し、特に前衛艦隊はスキルの強化も図っておく。
(周囲のレギュラー組とくらべて)成長の遅い艦は寮舎に入れて、24時間体制で経験値を与え続ける。

このへんを注意しておけば、4-4のような持久戦にもとりあえずは耐えられるんじゃないかと。
あとは、妙にダメージを受けやすい空母にバルジなどを装備させるのも大破対策としてよいと思います。

検索すれば先人の知恵も見つかるのでしょうが、経験から編み出すほうが体験としてはおもしろいですよね。


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そういえば育成の過程で、レギュラー組から初のケッコンが発生しました。初期艦として選んだ綾波です。
秘書艦からはずしていたのに、なんか知らないうちに好感度が100になっていました。

最初のケッコンはメガネ艦の誰かに残しておきたいという気持ちもあったんですけどね…。
「アズールレーン」のケッコンは艦の性能に影響する、つまり思い入れ以外にもメリットがある育成要素なので
できることならレギュラー全員とケッコンするぐらいのつもりでいたほうがいいわけです。一夫多妻ですな。

メガネ艦の収集状況はわりと順調で、イベント限定のグナイゼナウ以外は集め終わりました。
早期に出るはずのロンドンがなかなか出なくて困りました…加古も最初のドロップまで結構かかったなぁ。

加古はメチャクチャ贔屓して育ててます。レギュラー組じゃないのにレベルだけは一番高いですから(笑)

この手のゲームが本当にはじまる瞬間は、ほしいと思ったキャラを入手できた、あるいはお気に入りのキャラが
決まったときだと思うんですよね。それも、モチベーションが続くプレイ開始数日中に。
「この子を贔屓したい」という意識が育成の意欲につながり、ひいてはゲーム自体の継続につながるという。


余談ですが、遅れて入手した艦の育成には、委任の「中級自主訓練」が非常に効果的です。
これと寮舎の放置育成を併用すれば、レベル50くらいまではおもしろいくらいすくすくと成長してくれます。
委任で消費される燃料1000を痛いと思うかどうかは人それぞれ。うちはわりと余りがちなので投資してます。
燃料が余り過ぎて困るなら、とりあえず海軍カレーと交換しておくのがいいみたいですね。



理由はわからないけど続かなかったスマホ向けのゲームは、ながらプレイに向いてないゲームだったと考えると
なんだか納得できるような。これはまあ自分の遊び方の問題でしかないのですが。

それともうひとつ、「何をしながらのながらプレイなのか?」という問題もあると思いました。
先に挙げたアニメの場合、ストーリーを楽しみたいという欲求はアニメのほうで満たされている状態にあります。
そこに、さらにゲームのほうから膨大な量のテキストを、読みたくないタイミングで押し付けられたらどう感じるか。
どんなにおいしい料理でも、おなかいっぱいのときは食べられないですよね。


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昨今のスマホ向けゲーム市場は、PS4ほどのハイスペックを要さない作品の需要と供給の場となっています。
一昔前なら家庭用ゲーム機で出ていたであろうゲームが、ガチャなどのマイクロトランザクション要素を取り込んだ
基本無料タイトルとして提供されている…というふうに自分の目には映ります。

家庭用ゲーム機のころの感覚で書かれた、腰を据えてじっくり楽しむような濃密なストーリーをそのままスマホに
持ち込んでしまった結果、スマホに向けられるライトな需要と反発しているように思えるのです。


ただ、そこから先は消費者の取捨選択に任されるので気にする必要はないのかもしれません。
スマホのゲームにもストーリー性を期待する人は読むし、読みたくない人はストーリー性のないゲームを選ぶし。
すべてが同じ方向を向いて、同じように作る必要はないわけですから。
でも、そういうところで選ばれなかったり低く評価される可能性もあることを制作側は考慮すべきでしょうね。

技術的に可能であれば、テキストのスキップ率を集計してみるのもよいのではないでしょうか。

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2019年1月 1日 (火)

ゲームレビュー 「Gorogoa(ゴロゴア)」

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 ※作品内容を考慮し、画像を極力少なくしています。ご了承ください。

[クリアまでにかかった時間]
1周目は1時間半程度。パズルゲームであるため、謎解きが早ければそれだけ時間も縮まる。

[ゲーム難易度]
ノーミスでクリアするとなると難しいが、普通にクリアするならパズルとしてはそれほど難しくはない。
途中、時間制限のあるパズルがいくつかあるので多少の反射神経は必要。

[実績・トロフィー難易度]
クリアの過程で半分が解除される。クリア後にアンロックされる要素にも実績が用意されている。
本編を30分以内にクリア、500手以内でクリアという上級者向けの縛り実績もあり。どちらも意外とシビア。


[良いところ]
・手描き風の美麗で緻密なグラフィック。仕掛け絵本をめくるように進んでいくオリジナリティあふれるゲーム性。
・何気なくパネルを動かしたとき、不意に見つかる突破口。発見の驚きがいくつもある。

[悪いところ]
・画面上ではあまりにも小さすぎる、あるいは見えていないため気付きにくい正解がいくつかある。
・手数を条件とした実績を用意していながら、現在の手数を確認できるような機能がない。

[どちらとも言えない]
・トライアンドエラーを前提としており、ノータッチで正解を発見できるようには作られていない。
・値段なりのボリュームだが、実績面である程度のリプレイ性を確保している。


[総括]
「Portal」以降、コンシューマのパズルゲームはFPS視点のものが主流になっているが、「Gorogoa」は流れに
逆らうかのように平面を意識したアートワークとルールで独自のパズルを組み上げている。

わたしは本作の存在をSwitch版の発売で知り、その特異なグラフィックに興味を惹かれていた。
ページに穴があいた仕掛け絵本のようでもあり、エッシャーのだまし絵のようでもあり。
絵の中へと進み、パネルを動かし、新たに道を切り開いてゆく。仕掛けに合わせて絵の中の時間が移り変わる。
アナログの絵本では体験できない、ゲームならではの芸術表現が本作には満ちあふれている。

ボリュームも値段なりだが、確実にプレイヤーの記憶に残る、新鮮な体験を与えてくれる個性的な作品だ。
なにか新しいゲームをプレイしたいと思っている人にはオススメである。


[オススメ度]
パズル好き、新しい体験を求めている人にはオススメ。小規模なゲームに理解のない人にはオススメしない。



新年最初の記事はレビューとなりました。「Gorogoa」、カウントダウンセールで爆発的に売れたようです。

条件つきのクリア実績を解除するのと、記事の内容を確認する目的で都合6回ほどクリアしました。
タイムアタックや最短手のクリアはある意味e-Sportsなんじゃないかと(笑)それくらい意外と緊張感あります。
画面に経過時間や手数を表示できていたら、本作の遊びの幅はもっと広がっていたでしょうね。

500手以内でのクリアを目指す際に重要なのは、取り外したパネルを縦にならべるか横にならべるかの判断。
横にならべないと次のギミックが作動しない組み合わせなど、次の展開を考えるのが大事です。

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2018年12月26日 (水)

「アズールレーン」をプレイしてみて

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前回の最後でちょろっと触れましたが、現在「アズールレーン」というスマホ向けのゲームをプレイしています。

「アズールレーン」は昨年の5月に配信開始された、いわゆる「艦これ」フォロワー的な艦船美少女化ゲーム。
基本構造は「艦これ」や「刀剣乱舞」に似ていますが、後発タイトルということもあっていろんな面で先達よりも
改良・強化されている印象があります。やりがいのあるゲームになってると言ってもいいかも。

開始してまず気付くのはストーリー描写で、一枚絵を多用した豪華な作りになっています。
うんざりするほど長くもなく、疎外感を受けるほどわかりづらくもなく。バランスのよいテキストだと思います。


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「艦これ」との最大の違いは戦闘システムにあり、戦略SLG風のマップと横スクロール弾幕系STGの2構成。
プレイヤー自身が操作可能で、移動や確率にかなり能動的に関われるというのが特徴です。
よくわからない確率に左右されて攻撃がはずれたり喰らったりといった、従来の同系統のゲームで味わった
不愉快感がかなり少なくなっている…と言いたいところなんですけど実情はそうでもなく。

正直、避けられるような弾幕ではないですね。ある程度は当たること前提で動かさなければなりません。
自機には回避率というステータスがあって、見た目には直撃していても確率でノーダメージになる仕組みなので
「回避に期待しつつ弾幕の薄いところを移動する」という遊び方になると思います。

あくまでSTG"風"であり、根本にあるのはRPGやSLGのような数値的性能。つまり育成が大事なわけですよ。


戦闘システムで意外だったのは、艦が大破しても失うものがほぼないこと。ロストもなし。
好感度というステータスに影響するそうですが、数回の大破ではほとんど影響がなくノーリスクという感じ。
各艦の耐久値はミッションクリアもしくは撤退で全回復。修理や回復待ちという概念がありません。
ミッション開始や行動時に燃料を消費しますが、供給量が多すぎてプレイ時間を制約するものになっていません。

さすがにこれはちょっと甘すぎるような…おかげで変に心配せず遊べるからいいんですけど。
上記の仕様により、特定のミッションを気軽に周回してレベル上げやドロップ狙いを続けることができます。


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育成は楽しく、あるいは時間はかかるけど手軽にできるようになっているのは非常にありがたいですね。
STGが好きなら動かす楽しさがあるし、ニガテな人はオート操縦で派手な見た目を楽しめばいいし。
投資した資材や資金、経過時間に応じた経験値が振り込まれる"放置"育成システムも複数用意されています。

それぞれに合ったやり方で、プレイしてるあいだもプレイしてないあいだも育てることができる。
育成というちょっと面倒な要素に対してこれほど親切な環境を用意してくれてるゲームも珍しいんじゃないかと。


ただ、わかりづらいところもあるかな。育成可能な箇所が多岐にわたるので覚えるべきことも多いです。

各艦基本となるレベル以外に、改造・強化・突破という3つの育成箇所があり、装備品もそれぞれ強化が可能。
ひとつの艦だけでもこれだけあるのに、6隻で艦隊を編成しようと思ったら作業は6倍。
育成や装備の見直し、艦隊の編成だけで30分くらいかかるなんてこともザラ。戦闘より全然長いです。

最初はその重要性に気付けないというのもあると思うんですよね。テキトーにやっても勝ててしまうので。
メインミッションの第2章の終わりあたりからキツく感じてきて、3-2で壁にぶち当たる感じ。
艦隊の平均レベルを上げ、各艦できる限り育成し、装備を見直して、ようやく先に進めるバランスのようです。
手持ちの艦をあれもこれも育てるのではなく、タイプ別に本命を定めてしっかり育てるのがいいみたいですね。

艦隊以外にも、母港の各施設の改修や技術研究、そもそもプレイヤー自身のレベル上げという要素もあります。
徐々に増えていくのでひどく混乱するということはないのですが、とにかくイジれるところが多いです。


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「アズールレーン」の建造システムは「艦これ」や「刀剣乱舞」とくらべるとかなりシンプルです。
消費するのは建造資金と、艦の核となるメンタルキューブというアイテムのみ。素材の種類が少ないのです。

建造できるタイプはざっくりと3つに分かれていて、小型艦はキューブを1個、大型と特型は2個消費します。

一応ログインボーナスという要素はあるものの、メンタルキューブの配給は週に1回程度。
建造を毎日やりたい場合、『任務』という欄にある課題をクリアしてキューブを手に入れる必要があります。
とはいえ、課題はそれほど難しくはありません。1日1回ペースの建造なら余裕で楽しめます。

レアの排出率も結構高めなんじゃないかな? 結構な割合で背景色がレアな感じの艦が出てくれます。
手持ちの艦とダブった場合は、艦の強化や突破の素材、パーツ取りとして活用することも可能。
しかし、貴重なキューブを消費して建造した艦を素材にしてしまうのはなんだかもったいない気もしますね…。
素材用の艦はクリア済みのミッションを周回して稼いだほうが精神衛生上よさそうです。


現状多数の艦が実装されていますが、声がついていない艦もあります。あと、『改』がない艦も多いかな。
早い段階で好みの艦が見つかれば、それだけ長続きするんじゃないかと。育てがいもありますし。
先々『ケッコン』なんて要素もありますしね。着せ替えによる外観変更とか、そのへんのサービスは万全です。

やりがいがあって、注いだ時間や労力にじゅうぶん報いてくれる。かなり優秀なゲームだと思います。

ひとつこれはおもしろいなぁと思ったのが、各艦に寄せられているコメントと『いいね!』数の表示。
手に入れた艦の評価をひとつひとつ確認していくだけでも読み物としておもしろいです。


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前回の冒頭で触れたインストールの件においても、「アズールレーン」は優れた配慮がなされています。

ストアから最初にダウンロードするアプリ本体は800MBを超えていますが、SDカードにインストールできます。
(アプリ起動後にダウンロードされるデータは今後アップデートのたびに大きくなりそうな予感)

始めたばかりの状態では、Live2Dに必要なデータとボイスデータはインストールされていません。
任意でダウンロードするようになっているので、遊び方や環境に応じて負担容量をコントロールできるわけです。
普段スマホで音声をミュートしてる人は最小限のインストールでも全然問題ありません。

それに加え、見た目のわりに要求スペックが低めというのも非常に優れたポイントだと思います。
多少のモタつきはあるものの、型落ちのスマホやタブレットでも支障なくプレイできるのはありがたいですね。
遊べる端末が多いということはそれだけプレイ人口も見込めるということ。
最先端のハイエンド機じゃないと動かないゲームはプレイ人口が増えず、盛り上がりを欠く結果になりえます。


至れり尽くせりなゲームではありますが、画面が小さいスマホでプレイするのは正直しんどいですね。
UIのボタンが小さくて頻繁に押し間違えるし、戦闘画面の仮想アナログスティックも反応がいいとは言えません。
できることならゲームパッドでやりたいし、欲を言えば家庭用ゲーム機でやりたい(笑)

スマホでやるとすぐに本体が熱くなり、バッテリーが空っぽ寸前までいってしまいます。
それだけ長時間ハマれる優秀なゲームってことでもあるんですが、遊ぶ環境としてはだいぶ苦しいなぁと。

スマホ向けのOSで動くように作られているだけで、スマホで遊ぶのに向いてるわけではないってことでしょうか。



いま流行りのゲームをやってるぜ~!って感じしてるけど、世間から1年以上遅れているんだなこれが。

横長画面の横スクロールSTGということで「赤い刀 真」を熱心にプレイしていたころを思い出します。
「艦これ」や「刀剣乱舞」のときにも思いましたけど、「赤い刀」は世に出るのが早すぎたゲームだったのかも。
コアなジャンルではありますが、時期が違えばもっと注目されていたと思うんですよね。

家庭用がXbox 360でしか出てないし、ダウンロード版はNAIJでXbox Oneの後方互換に非対応。
初回版に付属していた音声追加DLCは非売のままだし、なんとかしてほしいところ。CAVEさん聞いてます?

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2018年12月21日 (金)

「ココロセカイ」をプレイしてみて

Amazonのサイバーマンデーにまんまと乗せられ、microSDカードを買ってしまったところから話は始まります。
32GBもあればUSBメモリ代わりにも使えるし、とりあえず無駄にはならないだろうと思ったんです。

で、このSDカードをスマホに入れまして。内部ストレージ化して大量の保存領域を確保したわけです。
これまで容量の問題でインストールできなかったゲームをこの機会にプレイしてみようと思い、興味があったものを
あれこれ試してみたのですが、この内部ストレージ化というものがなかなか厄介でして…。

まず、内部ストレージ化したSDカードにインストールできるアプリとできないアプリがあるんですね。
できるかどうかは実際にインストールしてみるまでわかりません。ダウンロードが無駄になる可能性も大いにあり。


Sdstrage01

そして、アプリ起動後にダウンロードされる追加データは内蔵メモリにしか保存できないみたいなのです。
そんなわけないだろうと思ってアレコレと設定を確認してみたのですが、そういう仕様と見て間違いないようです。
アプリ本体が小さくても、追加データが2GBくらいあるゲームとかだとSDカードの意味がありません。
逆に、本体のほうが大きいアプリならSDカードの恩恵は最大限に発揮できます。

あとは初歩的な問題として、端末のスペックが足りていない場合もあります。
どんなに保存領域を確保できたとしても、OSが要求どおりでも、スペックが足りないとマトモにプレイできません。


そんなこんなで最初に試したいくつかのタイトルは早々に諦めました。
具体名を挙げると「叛逆性ミリオンアーサー」と「ゲシュタルトオーディン」。どちらもスクエニの新規タイトルです。
「ゲシュタルトオーディン」のほうはチュートリアルを終えるところまでいけたのでまだマシだったかも。
ホーム画面がPSOのロビーみたいに3D表示の常時マルチプレイ状態で、その重さに耐えられませんでした。

「ドールズフロントライン」は先述のSDカードにインストールできないタイプのアプリでした。

3D主体のゲームはスペック的に無理だろうと考え、2D主体のゲームに候補をしぼることに。
最初に白羽の矢が立ったのが、ストアを眺めていてちょっと気になった「ココロセカイ」というゲームでした。


Kokorosekai01

「英語とクイズのココロセカイ」は今夏サービス開始した、戦闘がクイズ形式というちょっと変わったRPG。

いや…スマホのゲームに慣れてる人にしてみればそんなに珍しくもないのかな。
「魔法使いと黒猫のウィズ」や「英語物語」など、似たような先発タイトルはありますからね(調べました)。
自分はスマホのゲームといえば「ブレイブソード×ブレイズソウル」しかやったことのないスマホゲー素人なので
英語にまつわるクイズで敵を倒すという本作の戦闘システムにちょっと新鮮さを感じたのでした。


プレイしはじめて、本作の妙に割り切られたゲームの流れにちょっとビックリしました。

冒頭でファンタジーな世界観とストーリーの導入が描かれ、ときおり画面には選択肢形式のセリフが表示されて
なるほどこうしてアドベンチャーゲーム風に進んでいくのか…と最初は思っていました。
しかし、会話や選択肢が出てくるのはチュートリアルまで。以降はストーリー描写がまったく出てきません。
操作のミスかなにかで表示しなくなってるのかと思いきや、これが本作の仕様だったのです。

ごくまれにボスクラスの敵が戦闘前にしゃべる以外はテキスト一切なし。
ガチャを引いて、クイズに答えて、キャラを強化してパーティー編成。本当にこれだけで進行していきます。

クエストの各章にはそれぞれストーリーありげなタイトルがついてますが、本当にただついてるだけなのです。
何か起きそうなのに何も起きない(笑)毎回、出てくるモンスターをクイズを解いて倒すだけ。
プレイするぶんには問題はないんですけど、これほどフレーバーを排除しているのは特殊ではないかと。

いや…これも特殊でもないか。「艦これ」や「刀剣乱舞」にもストーリーらしいものはなかったし。
長ったらしいテキストなんてダルくて読んでられない!って人にはむしろオススメできるかもしれません。


Kokorosekai02

プレイヤーの敵として登場する各種クリーチャーをモンスター、クエストの目的地をダンジョンと呼んでいたり
物理と魔法というふたつの攻撃属性、火・水・風・光・闇という5大元素による有利不利が組み込まれていたりと
固有名詞だけを見れば、表面上は疑いようのないくらいファンタジーなゲームです。
しかし設定上は、本作の舞台はファンタジー世界ではありません。

ゲームなどの仮想世界を舞台とした、どちらかといえばSFに分類される世界観をもつゲームなんですよね。
ストアに掲載されている紹介文にも世界設定についての説明がきちんと書かれています。

おそらく伝わりやすさを重視してファンタジーの体裁をとっているゲームなんだと思います。
ただ、どうにもハンパというか。他所のゲームがそうしているから、うちもそれっぽく…みたいな。
ダンジョンと呼んでるわりに戦闘画面にダンジョンらしさが微塵にも感じられないあたりもそんな感じがします。


クイズは4択形式で、間違えずに正解を選べばダメージにボーナスが上乗せされます。
間違えるとダメージは半減。それでも攻撃自体はできるので、ゲームとしてはかなり甘めな仕様だと思います。
また、パーフェクトを取れるまでノーコストでいくらでも再挑戦できるので緊張感はまったくありません。
1問ミスった時点で画面右上のメニューからリスタートなんてことも可能。勝てるまで戦えてしまうんです。

難易度あたりの問題数はそんなに多くない気がします。わりと早い段階で、以前答えた問題が再登場します。
よく言えば反復した学習ができる。解答を覚えてしまう、すなわち身につくということですからね。

戦闘画面の左上に5大元素の有利不利の説明がつねに表示されてるのは地味にありがたいところ。
意外と忘れてしまうんですよ…「ブレ×ブレ」やってるときもしょっちゅう再確認しました。
あらゆる面でユーザーフレンドリーという褒め方ができるかな。これくらい甘口でもまあ許されるんじゃないかと。


Kokorosekai03

スマホのゲームで一番注目されるのがキャラの部分ですが、これはどうなんだろう?と思わなくもなく。

ガチャで出てくるのは大半がモンスター。パーティーに組み込むこともできますが、まず使われないでしょうね。
強化素材として消費されるだけのモンスターがとにかく出る。10連全部モンスターなんて場合もあります。
課金して回したガチャでこの結果だったら…と想像すると、ガチャのモチベは下がりまくりです。

人間タイプのキャラは10連で3体出たらかなりラッキーなほう。平均1体くらい。
声がついているのは本当に激レア。「ブレ×ブレ」に慣れているとこの仕様には結構なショックを受けます。

 ※「ブレ×ブレ」はガチャで排出される500体以上のキャラすべてに音声と画像の差分がついてます。

プレイヤーとキャラの関係を示すような演出はなく、キャラとの触れ合いを楽しめるような要素もなく。
申し訳程度に付属している説明文からどんなキャラか想像させるだけ。声なしのキャラは当然セリフもなし。
いわゆるキャラ萌えを前提としたプレイは向いていないと思います。
そういうところでモチベを維持できそうな、下品な言い方をすれば"課金をうながすゲーム"にはなっていません。

長く続けるにはちょっとつらいかな。毎日アプリを起動させるには動機付けが弱すぎる感じ。
1日1回ガチャできたとしても、また同じモンスターが出るのか…と思うと、日課にはできそうにないです。
「ブレ×ブレ」は毎日のガチャの結果を見るだけでも年単位で楽しめましたからね。


他のプレイヤーのキャラをパーティーの5人目として召喚できるサポーター制度や、視聴後に一定量のダイヤを
もらえる広告動画の存在など、おもしろいなぁと思える工夫は現状でもいくつか見ることができます。

しかし、長く続けるために必要ななにかが欠けてる感じがしました。愛着を抱けるようななにかを。




ソシャゲやスマホ向けゲームの世界では「パズドラ」の影響が本当に大きいのかもしれません。

余談ですが、ガチャのことをガチャって呼んじゃうゲームはキライです。伝わりやすいけどダメ。
ぶっちゃけガチャなんだけどこの世界では違う呼び方をしているんですよ~という言い訳があるべきですよね。
用意した世界観をみずからぶち壊すようなことはクリエイターとして絶対にやってはいけないと思います。


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「ココロセカイ」の次に始めたのは「アズールレーン」。「艦これ」フォロワー的な艦船美少女化タイトルです。
見た目のわりに意外と軽いアプリで、「ブレ×ブレ」が動くスマホなら問題なくプレイできると思います。

こちらは戦闘が横スクロールシューティング風な以外はだいたい「艦これ」や「刀剣乱舞」みたいな感じですかね。
ダブりの処理や装備品の換装がちょっとめんどくさい以外はおおむね良し。
建造が素材依存であるため、毎日1回建造みたいな習慣化はちょっと難しいかもしれません。様子見。

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2018年11月26日 (月)

『十字架の道行き』から考察する「Shadow of the Tomb Raider」

 【注意】この記事には大量のネタバレが含まれています!

「Shadow of the Tomb Raider」で個人的に非常に気に入っているのが、ストーリーの後半で待ち受けている
サンフアン教会の地下に広がる『十字架の道行き』をモチーフにした大掛かりな仕掛けです。
ただ、キリスト教に馴染みのない多くの日本人プレイヤーがこの仕掛けを理解するのに苦しんでいた様子。

今回はこの『十字架の道行き』を解説してから、ストーリーとの関連についての考察を書いていこうと思います。
すでにクリアしてしまった人でもそれなりにおもしろく読めると思うので、ぜひお付き合いください。


Via Crucis

『十字架の道行き』とは、キリストの受難を順番に描いた一連の絵画やレリーフのことを言います。

かつては実際にその道行きを巡礼していたそうですが、絵画やレリーフが各地の教会内に展示されるようになり
それらの前で受難に思いを寄せ、黙想する、言わば簡易的な巡礼として利用されるようになったそうです。
サンフアン教会の地下ではこの『道行き』を行動で追体験していくことになります。

『十字架の道行き』のひとつひとつの行程を『留』と呼びます。
16世紀以前の『十字架の道行き』は7つの『留』で構成されていました(ララいわく「1600年以前は7つ」)。

T・セラーノの日誌によると、アンドレス・ロペスら宣教師の一行がパイティティにたどり着いたのは1603年11月。
翌年12月18日、パイティティの西に教会が完成。続いて図書館(書庫)の建設に着手します。
厳密に言えば17世紀に踏み込んでいますが、このころはまだ新たな様式へ移行していなかったのでしょう。

17世紀以降は『留』が14まで増え、これが一般的なものとして現在まで伝わっています。

余談ですが、アンドレス・ロペスはローマのイエズス会の資料にも名前が残っている実在した人物です。
パイティティに関する報告書を残しており、これをもとに調査がおこなわれたこともあったのだとか。
イエズス会には陰謀論などオカルトめいた噂がいくつもあるそうで、そのあたりの知識を踏まえてプレイすると
「Shadow of the Tomb Raider」をより楽しめそうな気がします。



 ※各『留』に併記しているのはスペイン語表記。ジョナがくれたパンフレットからの引用。

【第1留】 イエスは十字架を引き受けた(Jesus carge con la cruz)

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書庫の奥に描かれたキリストの壁画の裏に、17世紀ごろに作られたと見られる大きな十字架が隠されている。
十字架をかけることで地下への扉が開く。この動作を含めて第1留であると解釈できる。

この壁画はララの手で取り除かれてしまうため、興味がある人は作業をはじめる前にじっくり観察しておこう。
よく見ると壁画のキリストの頭上には『INRI』と書かれている。
『INRI』とは、「Iesus Nazarenus Rex Iudaeorum(ユダヤ人の王、ナザレのイエス)」の略である。



【第2留】 イエス、初めて倒れる(Jesus cae por primera ves)

Sottr21

地下に降りた際、思わずころんでしまうジョナ。通る者を跪かせることで第2留を成立させていると思われる。
降り注ぐ光には十字の影。ララが十字架を背負って倒れているように見える。

ここでジョナが読み上げる碑文、「Ambulate dum lucem habetis(光のあるうちに歩め)」はラテン語。
続けてララが「暗闇に追いつかれないよう、光のあるうちに歩め」と付け加える。
どちらもヨハネによる福音書12章35節からの引用。サンフアン教会のサンフアン(San Juan)とは聖ヨハネのこと。
ひょっとしてジョナという名前もヨハネが由来だったりするのだろうか?



【第3留】 イエス、母に会う(Jesus encuentra a su madre)

Sottr22

文字どおり、マリア像が建てられている部屋。
長年堆積したホコリによってマリア像の光背(鏡)が曇ってしまっている。
続く第4留の内容からすると、この光背を拭わせるところまで意図して設計された可能性がある。

第3留へ来る途中、ジョナが「十字架の向こうに頭を飛ばされたくない」という意味ありげな発言をするのだが
調査不足か、いまのところ真意はよくわかっていない。洗礼者ヨハネとサロメの逸話だろうか…?



【第4留】 ベロニカ、イエスの顔を拭う(Veronica enjuga el rosto de Jesus)

Sottr23

聖ヴェロニカ(ベロニカ)は聖顔布のエピソードで知られるカトリックの聖人。
キリストの顔を拭いた際、その顔が布に写し取られたという。驚異のクレンジング能力をもった布である(不敬)。

外典においてヴェロニカは、12年ものあいだ不治の病に苦しみ続ける女性として描かれている。
新生三部作のララは9歳で母を亡くし、初めての冒険(邪馬台国の一件)のときは21歳だった。
その間12年。癒えることのない心の闇に苛まれ続けたララの境遇はヴェロニカとやや重なるところがある。

4枚あるフレスコ画のうち、女性(ベロニカ)が描かれているものが正解。光を照らして先へ進む。
最初にララが触れた場所と遺体が刺さっている場所はあらかじめ除くことができるので、選択肢は実質2つ。
正解を選んだ時点でララが「こうね」とつぶやくので、ヒントがなくても突破できてしまう。



【第5留】 イエス、ふたたび倒れる(Jesus cae por segunda ves)

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第2留に続き、ふたたびころんでしまうジョナ。今回は2度目ということもあってかララも一緒にころぶ。
正面に見える光が十字をかたどっており、サンフアン教会のなかでも印象的な場面となっている。

ここでは特に書くことがないので少し脱線するが、書庫以降のチャプターのタイトルは「道と真理」となっており
英語版ではここだけ英語ではなく、「Via Veritas」とラテン語で表記されている。
これはヨハネによる福音書14章6節からの引用で、本来は「Via Veritas Vita」と3つの単語で構成される。
「道と真理と人生」を意味するこのフレーズは教育機関や政府のモットーとしてしばしば使われる。



【第6留】 イエス、十字架にかけられる(Jesus es clavado en la cruz)

Sottr25

広い礼拝堂にミイラを用いた模型が左右に3つずつ、合計6つ飾られている。
この部屋全体で第6留なので、十字架にかけられる様子を再現しているものを左右から1つずつ選ぼう。
(「6つの模型から第6留と第7留を選ぶ」と勘違いするプレイヤーが結構多い)

この部屋でジョナが「肉体は殺せても、魂を殺すことのできない者を恐れてはならない」とつぶやく。
(英語版では先に「that inscription」と言っており、これも碑文を読み上げていることがわかる)
マタイによる福音書10章28節からの引用で、「魂を殺すことのできない者」とは使徒を弾圧する人々のこと。
くじけない信念をもつふたりにふさわしい表現だと思う。本当に恐れるべきは魂をも滅ぼすことのできる存在だ。
(続けて「俺たちのことか?」と聞いているが、英語版の「is that meant for us?」の訳として適切か?)

ちなみにイージーだと、ローマ兵が釘を打ち付けている様子であるという説明をララから聞くことができる。



【第7留】 イエス、埋葬される(Jesus es dejado en un sepulcro)

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すべての仕掛けを突破した先にアンドレス・ロペスの遺体が埋葬されている。
ロペスは最後に自分自身を埋葬することで、残りの第7留を完成させたことになる。

ロペスの遺体の背後に書かれている「Tantum manus accipiat Fatum Iustum meus ab」はラテン語。
「正しき者の手のみが、我が手から定めを手にすることができる」とララが読み上げる。
(英語版は「Only the hands of the Righteous One may seize destiny from mine」)
これもなにかの引用かと思って調べたが、該当しそうな文章が見つからなかった。

みずからをアンヘル・デ・ラ・クルス(十字架の天使)と呼び始めたロペス。
アンヘル・デ・ラ・クルスという名前はスペインではさほど珍しくないようだが、この名前を自称するあたりに
ロペスの高揚や倒錯、独善的な側面がうかがえる…ような気がする。間違った解釈かもしれない。

第7留は英語では「Jesus is laid in the Tomb」と表記される。キリストはトゥームにレイドされたのだ。



で…ここからが本題なんですけど(前置きが長すぎる)、「Shadow of the Tomb Raider」のメインストーリーって
この『十字架の道行き』をなぞって書かれたものなのでは?と、調べていて思ったんですよね。


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ストーリーで起きた出来事を『留』として考えると、以下のように分けられます。

 ①鍵の短剣を手に入れ、浄罪がはじまる
 ②鍵の短剣をドミンゲス博士に奪われる
 ③過去の回想(亡き母・アメリアの思い出)
 ④アビーやウヌラトゥと出会い、助力を得る
 ⑤銀の箱をドミンゲス博士に奪われる
 ⑥ウヌラトゥの代役として、みずから生贄となる
 ⑦トゥームで最後(最期?)を迎える

ちょっと強引なところもありますが、それほど無理のある解釈でもないと思います。
罪をみずから背負い、女性の支援があり、2回のつまずきを経て、己を犠牲とする定めを受け入れる。
16世紀以前の7つの『留』にピッタリ当てはまるんですよね。

実際のところはスタッフにでも確認しないとわかりませんが、ひとつの考察としてはおもしろいのではないかと。
というか、そういうふうに捉えてプレイしたほうがストーリーに深みを感じられてよいと思います。



【オマケ】 サンフアン教会の書庫に隠されている壁画の解説

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「太陽は暗くなり、月は光を放たず」
マルコによる福音書13章24節からの引用。壁画では前後がやや切れている。ラテン語の全文は以下のとおり。
「sed in illis diebus post tribulationem illam sol contenebrabitur et luna non dabit splendorem suum」


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「その翼の下にかばってくださる」
詩篇91章4節からの引用。壁画には一部しか記されていない。ラテン語の全文は以下のとおり。
「Scapulis suis obumbrabit tibi, et sub pennis ejus sperabis. in decacordo psalterio cum cantico in cithara」

このふたつの引用をもって『サギと日食』を表している。
ちなみにサギには「雨を呼ぶ鳥」という言い伝えがあり、イシュ・チェルやチャク・チェルの特徴とも結びつく。



「Shadow of the Tomb Raider」には前作のようなチャプターリプレイモードがなく、サンフアン教会の部分だけを
ふたたびプレイするというようなことができないため、今回の記事のためにもう1周しました(笑)
都合4周くらいしてる計算になるんじゃないかな…確実に定価を取り戻せるくらいはプレイしていると思います。

しかし、何周してもメインストーリーはアレですね。問題点が随所にあって気になって仕方がない。
今回のララ・クロフトは水に落ちすぎ。この記事で紹介した『十字架の道行き』の最後でも水に落ちますしね。


移動経路として水場や水中が多いのは、マヤ文明とセノーテの密接な関係から来ていると考えられます。

セノーテとは、陥没した大穴に水が溜まり泉となったもの。隣接する鍾乳洞にも水が流れ込み、水没しています。
巡礼や崇拝の対象、供物を捧げる場所とされているものもあるのだとか。

今回の冒険でララとジョナが最初に訪れるメキシコのコスメル島は、セノーテの存在で知られる観光地でもあり
コスメルという地名もマヤ語が由来であるなど、本作の冒頭を飾るにふさわしい土地だったのです。
コスメル島はイシュ・チェルの聖地でもありまして、このへんも調べるとおもしろい情報がたくさん出てきます。

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2018年11月19日 (月)

ゲームレビュー 「Shadow of the Tomb Raider」 シーズンパス編

[シーズンパス構成] ※12月18日時点
・シーズンパス特典コスチューム「Tunic of the Exiled Fox(ローンフォックスのチュニック)」
・シーズンパス特典武器「Exiled Fox's Bow(ローンフォックスの弓)」
・DLC第1弾「The Forge(運命の鍛冶場)」
 →追加サイドミッション、追加スキル「グレネーダー」
・コスチューム/武器パック「Spectre Gear(亡霊の装備)」
 →「Brocken(ブロッケン)」「Umbrage 3-80」
・DLC第2弾「The Pillar(御柱)」
 →追加サイドミッション、追加スキル「サウザンドアイズ」
・コスチューム/武器パック「Golden Eagle Gear(黄金のワシの装備)」
 →「Sinchi Chiqa Battle Dress(シンチ・チカのバトルドレス)」「Oathtaker's Bow(宣誓者の弓)」

チャレンジトゥーム7種、コスチューム/武器/スキル各7種、複数サイドミッションの追加が予定されている。



■DLC第1弾「The Forge」

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[クリアまでにかかった時間]
新規追加のトゥームと墓所を含めたサイドミッション全体で約1時間。

[ゲーム難易度]
本編のトゥームと比べて若干難しい。大型で時間制限のある仕掛けがいくつも登場する。

[実績・トロフィー難易度]
スコアアタック、タイムアタックの実績もあるがブロンズ評価でも解除されるのでそれほど難しくはない。
多くのウィスプを集めようとしなくても、ノーデスで普通にルートをたどれば50万は固い。


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[良いところ]
・本編のトゥームにはないダイナミックな仕掛け。噴き出すガスを爆発させて頂上へと進め。
・最適解を発見するおもしろさ。思わぬところからガスに着火し、大幅なショートカットが可能かもしれない…?
・「もっと女の子らしくしなさい」と叱られる、女の子らしくない姿のララとアビー。

[悪いところ]
・全貌が画面に収まらないほど大掛かりな仕掛け。見て考えるのは不可能で、試行錯誤になってしまう。
・全体で95Gという半端な実績構成。おそらく今後すべてのDLCに共通する欠点となる。

[どちらとも言えない]
・取って付けたようなサイドミッションのストーリー。知らなくてもよかったアビーの血筋と祖先の秘密。
・協力プレイ要素。マッチングシステムも導入されているが、需要はあるのだろうか?



■DLC第2弾「The Pillar」

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[クリアまでにかかった時間]
新規追加のトゥームと戦闘エリアを含めたサイドミッション全体で約1時間。

[ゲーム難易度]
ロープスイングで移動する箇所が厄介。特にスコアアタックやタイムアタックで大きな障害となる。

[実績・トロフィー難易度]
やることは「The Forge」とほぼ同じ。「The Forge」でノウハウができているぶん今回のほうが簡単かも。


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[良いところ]
・クリア後に追加されるコスチュームが白を基調としており、他のコスチュームとの差別化が図られている。
・衝撃的なビジュアルをした新ヒロインの追加。

[悪いところ]
・風を題材としたトゥームは本編中にもあり、DLCならではの目新しさに欠ける。ルートもほぼ一本道。
・戦闘エリアのうち半分は本編の使い回し(進入方向が逆になっている)。

[どちらとも言えない]
・クリアしたあと、「The Pillar」という題名が意味するものはなんだったんだろう?と疑問に思ってしまう。
・わずかではあるが、新たな文献によってアマル(ドミンゲス博士)の心情を補完している。
・遺跡にノートパソコンが置かれている様子はじつにシュールである。



以降DLCが配信され次第、順次追記を予定。



[スコアアタックのヒント]
・緑のウィスプは青のウィスプと比べて、取ったあとのコンボ猶予が長い。
・赤のランタンは最後にまとめて取ると高得点に期待できる。
・すべてのウィスプを取ってから、残ったランタンを撃ち落とせば理論上の最高スコアとなる。

[タイムアタックのヒント]
・ダッシュするより、ジャンプ着地受け身や回避動作を連発したほうが速く移動できる。

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2018年11月 9日 (金)

ゲーマー視点で見る「トゥームレイダー ファースト・ミッション」

 【注意】この記事には大量のネタバレが含まれています!

Mss_trfm

先日、Xbox Oneの映画配信サービスで「トゥームレイダー ファースト・ミッション」を見ました。

いつか見よう見ようとは思っていたものの、なかなか踏ん切りがつかず。
まず、どの映像配信サービスで見ようか?というところでだいぶ悩みましたからね…良し悪しがわからなくて。
結局一番信頼できるというか、お金を落としてあげたいところを選んだ感じになりました(笑)

有料の映像配信サービスというものを利用すること自体初めてで、実際に視聴するまで戸惑うことばかりでした。
一番不安だったのは、英語版で日本語字幕がきちんと表示されるかどうか。

Xbox Oneの映像配信サービスには無料で視聴できる、おためし映像的なものが用意されていません。
なので字幕がきちんと表示されるかどうかは支払いを済ませ、再生してみないことにはわからなかったのです。
半ば人柱的に確認してみたところ、特に本体の設定などをイジらなくても日本語字幕が表示されました。
最初は画質が低く見えて不安でしたが、バッファが済んでからはきちんとHD画質で再生してくれました。


肝心の「ファースト・ミッション」の感想、レビューなんですけども…なかなかおもしろかったですね。

2013年発売の新生トゥームレイダーシリーズの第1作目「TOMB RAIDER」を原作とした映画という話でしたが
2作目の「Rise of the Tomb Raider」や3作目の「Shadow of the Tomb Raider」の要素もいくつか採用されており
新生シリーズの映像化として、3つのゲームと並行して楽しむことができる内容になっていました。

大筋は「TOMB RAIDER」のままで、ドラゴントライアングルにあるという邪馬台国を探すアレです(笑)
原作では『間違った日本』表現の応酬で、日本人目線では笑わずにプレイできない感じの内容になってましたが
「ファースト・ミッション」では日本風な表現はかなりひかえめになっています。
原作のほうに慣れてしまうとちょっと寂しさを覚えるくらい、『間違った日本』は影を潜めています。

原作は航海の途中からスタートしましたが、映画ではその準備段階がかなりゆったりと描かれています。
ララ・クロフトがロンドンでどんな生活をしていたか、冒険で役に立った技術をどのようにして身に付けたのかなど
(本編約110分のうち)冒頭40分もの尺を割いて説明しているのは良い意味で意外でした。


人間関係はだいぶ整理されていて、名前がついてて話に絡む人物は片手で数えて足りる程度になっています。
エンジュランス号の乗員は割愛。代わりに映画オリジナルの味方として、ルー・レンが出てきます。

原作のエンジュランス号の船長で、ララに銃の扱い方を教えたコンラッド・ロスも存在しないことになってるので
「ファースト・ミッション」のララ・クロフトは銃を撃つことができません。
銃は撃てませんが、子供のころから弓の練習をしていたという設定が新たに付加されています。

冷静に考えると、原作のララがいきなり弓を扱えるのって謎なんですよね。なんの説明もなく使いこなせてしまう。
そのへんをきっちり理詰めにしているというか、ほかにもいろんな場面で現実的なアレンジが見られます。

たとえば物語のひとつのカギである卑弥呼の力。映画ではオカルト要素は完全に排除されています。

島からの脱出を阻む嵐は存在しないし、新たな肉体へ魂を移すという秘儀もありません。
卑弥呼が絶海の孤島に移り住んだのは自身の身体に宿った凶悪な疫病、病原体の拡散を防ぐためであって
トリニティはその疫病を兵器転用するため動いていた…という、無理のない話に変更されています。
しかし、オカルト要素がなさすぎて寂しい感じもしますね。オカルトは新生シリーズの大事な要素でしたし。


原作プレイヤーにとってもっとも大胆と思えるアレンジは、ララの父・リチャードが生きていることです。
7年ものあいだ絶海の孤島でひとり抵抗活動を続けていて、終盤ではララとともに遺跡の探索までします(!)

ぶっちゃけ、これはねえだろ…って思いながら見てました。そこは原作改変しちゃいかんだろう、と。

しかもララとの再会がメチャクチャ安っぽい。原作の展開に思い入れがあればあるほどガッカリするはずです。
ララとの別れも含めて、あえてリチャードという人物にやらせる必要はなかったのでは?
リチャードにああいう役割を与えて消費してほしくはなかったなぁ…なんとかならなかったんですかねホント。


逆に、個人的に非常に気に入っているのがアナのアレンジです。1作目なのにもうアナがいるんです。
原作プレイヤーにしてみればアナの正体はバレバレなわけですが、映画ではバレバレなのを承知のうえでの
原作とは異なる役割を与えられており、これは上手いなぁと思わされるところなんです。
事実上の後妻ではなく、クロフト家が経営する一大ホールディングスの幹部としてクロフト親子のそばにいて
リチャードの遺産管理や経営権にまで関われる立場にいるという。不自然さがないんですよね。

このへん続編への布石にもなってるんですけど、続編が作られなくても問題ないように作られているというか
一本の映画として余韻を残しつつうまいこと締めくくってあるなぁと感心させられました。
しかもアナを演じるクリスティン・スコット・トーマスの雰囲気がいかにもアナっぽくてホントに素晴らしい。

いやもう…ホント、原作プレイヤーにはアナだけでも見てほしい。アナだけでだいぶ満足できるはず(笑)


原作で敵の親玉として登場したマサイアスも、名前はそのまま悪役として映画に登場します。
しかし雰囲気はだいぶ変わっていて、狂気のレベルはだいぶ落ち着いてマイルドな味付けになっています。

マイルドなのに劇中では狂気の人物として扱われているのが個人的にはちょっと不満でした。
孤島で長年生活し続けていた影響で精神に異常を来しているという設定のわりに身なりも言動もキレイなので
『仕事の成果が出なくてちょっと焦っている上司』くらいにしか見えないんですよね。
あと、武装した兵士を従えているのにマサイアスの拳銃が一番命中率が高いというのもアレでした(笑)


主演の評価が一番最後になってしまいました…新生ララ・クロフトについても話しておかなければ。

アンジェリーナ・ジョリーに代わり、新たなララを務めることになったアリシア・ヴィキャンデル。
身長168cmのわりに画面のなかではとにかく小柄に見えるし、実年齢(30歳)よりだいぶ幼く感じられます。
だけど背中やおなかにはしっかり筋肉がついている。でもやっぱり小さく見える。不思議な体格です。

固定されたララ・クロフトのパブリックイメージからはかけ離れているけど、冒頭のロンドンでの生活を見ていると
訳あって貧乏暮らしをしている気の強い子ギツネというイメージにはしっくり来ます。

ただ、小柄に見えるせいで戦闘シーンなどではどうしても格好がつかないというか。アンバランスなのかな?
特に弓を入手して敵陣に潜入する場面では、弓という武器のせいもあって変な笑いがこみ上げてきます。
ゲームだとすんなり受け入れられた絵が実写化によって奇妙に見えてしまいました。
撮り方がよくなかった可能性もありますね。真っ昼間だし、敵の監視も全然なくて緊張感ゼロでしたし。

アクションに関しては申し分ありません。原作で見たことのあるアクションをしっかり再現してくれています。
原作の人間離れしたアクションを生身でかなり再現しているというだけでも評価できるのではないかと。


原作では大卒でしたが映画では大学に行かなかったことになっており、考古学の要素もほぼ出てきません。
したがって遺跡の内部で知識を披露することもなく、パズルは純粋にパズルとして解いていきます。
このへん賛否が分かれるところだと思うんですけど、変にセリフを増やしてツッコみどころを作ってしまうよりは
がっつり削ってアクションやパズルに集中してもらったほうが(映画として)良いという判断なのかも。

それより個人的に気になったのは髪型の解釈ですね。
原作の新生ララは原則として前髪があるのですが、映画のララはいわゆる旧来のララの髪型なのです。
幼年期の子役も、孤島から帰還して銃を購入するときも前髪なしの編み上げになっています。

質屋で購入した銃がH&Kの二挺拳銃なあたりからも察することができますが、この「ファースト・ミッション」は
アンジェリーナ・ジョリー版につながる過去を描いた映画という位置付けなのかもしれません。


映画全体をまとめると、やはり理詰めで現実的という表現がピッタリだと思います。
インディ・ジョーンズやハムナプトラシリーズのようなオカルトやファンタジーはなく、2018年の現代という視点で
失踪した父の痕跡をたどり、遺跡の探索をする。極端な非現実的描写がないアクション映画。
一本のアクション映画として見れば退屈することのない、じゅうぶんに及第点を与えられる作品だと思います。

問題はララ・クロフトのパブリックイメージと、原作ファンの視点。比較がともなうとどう変わるのか。
なので比較ばっかりの感想になってしまいましたが、新生シリーズの実写版としてはなかなかという感じ。
続編が作られるなら見たいですね。シベリアの描写とか見たくないわけがないじゃないですか。



原作との比較をたっぷり話したあとですが、紹介できなかった原作との共通点や相違点を列挙しておきます。
レンタル当日にぶっ続けで2周、2回目は随所で一旦停止してメモを取りつつ見ました。


[原作との共通点]
・ララはロンドンのアパートで独り暮らしをしている
・ララは自転車を愛用している(「Rise of~」で所有している描写がある)
・翡翠のアミュレットが登場する(映画ではお守りというバックボーンが付加されている)
・ララの私服はパーカーの上にレザージャケット(「Rise of~」のロンドンでの描写に似ている)
・リチャードは音声の記録にテープレコーダーを使っている
・船の名前がエンジュランス号(忍耐力)
・ララがロープを引くシーンがある(ただし探索とは関係ない)
・ララが懸垂で移動するシーンがある
・ロープアセンダーが登場する
・ジャングルをTPS視点で走るシーンがある(短いが原作の視点をかなり意識していると思われる)
・水中に落ちるシーンが繰り返し出てくる(ゲームの悪癖か?)
・墜落した日本軍の飛行機が登場する(九六式陸攻?)
・崩壊する飛行機からの脱出にパラシュートを利用する(カタカナでパラシュートって書いてある)
・腹部に突起物が刺さる(ただし原作とケガの原因が異なり、パラシュートで着地した際に木片?が刺さる)
・ララが初めて人を殺すシーンが描かれている(ただし銃殺ではなく扼殺)
・ララが首を絞められて、鈍器で反撃するシーンがある(「Rise of~」のクロフト邸内での描写に似ている)
・薄暗い森の中でリチャードの影を追うシーンがある(「Rise of~」のDLCより)
・岸壁を登るシーンがある(クライミングアックスを使わず素手で登る!)
・理由はよくわからないけどロープがグルグル巻きになってるオブジェクトが登場する(笑)
・ララは自己治癒能力がない(自己治癒できるようになるのは「Rise of~」以降)
・オレンジ色のケミカルライトが出てくる(「Rise of~」に登場)
・灯りとして発煙筒が出てくる(「Rise of~」に登場)
・円盤状の回転する扉が登場する(「Shadow of~」に登場)
・疫病に感染すると周囲の人を襲う(「Rise of~」以降の毒矢の効果に似ている)
・クライミングアックスが2本登場する(使うのは原作どおり1本だけで、原作とは入手法が異なる)
・最後は遺跡が崩壊する(でもララが壊したわけじゃないよ?)

[相違点]
・ララか総合格闘技のトレーニングを受けている
・ララは大学に通っておらず、自転車でバイク便のバイトをしている(原作ではUCL卒)
・リチャードの研究室はクロフト邸内ではなく離れの墓所の地下
・マサイアスには2人の娘がいる
・マサイアスは遭難者たちを遺跡発掘に従事させている
・ジェリカンが赤くない(なぜ黄色なのか…)
・マサイアスがトリニティの指示で動いている(原作では関係は示唆されていない)
・弓は即席ではなく、リチャードの所有物
・パトナ社(トリニティ)はクロフトホールディングス傘下の企業である

[補足事項]
・現在は2018年(7年前の2011年にリチャードが失踪しているので、現在は2018年で間違いない)
・ララは21歳(原作と同じ設定だが、劇中で年齢を確認できるようなセリフはない)
・アメリアは名前しか出てこない(墓標をよく見ないとわからない程度)
・リチャードは1963年生まれ、アメリアは1964年生まれで1996年死去
(ララが生まれて間もなく亡くなっていればギリギリ辻褄が合う? ちなみに96年は初代の発売年である)
・質屋のカウンターの後方にゲームソフトらしきものが並べてある
・孤島はルソン島の東あたりにあるらしい(出航前のシーンの地図で確認できる)
・ララが「マジで?」という妙に若者めいた言葉遣いをする(字幕版)
・盗んだ衛星電話って結局使わなかったね…
・卑弥呼の遺体が身体を起こした仕掛けって結局なんだったの?
・金的攻撃はやめてほしかった(原作には性差を意識させるようなシーンはない)
・サウンドトラックが微妙に原作のテーマをなぞっている感じがする(おそらく意識的に近付けてある)

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2018年10月28日 (日)

ゲームレビュー 「Assassin's Creed Syndicate」

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[クリアまでにかかった時間]
エリアの制圧を8割ほど終わらせて、プレイヤーキャラのレベルを最大まで上げてからのクリアで約45時間。
クリア後に出現するサイドミッションなどもあるため、本編だけでもまだまだ遊べそうな感じはある。

[ゲーム難易度]
シリーズに慣れている人なら並み程度。操作技術と同じくらい観察力が必要。
一対多数の戦闘がやや難しめ。カウンターの受付時間がみじかいので反射神経もそれなりに要求される。

[実績・トロフィー難易度]
今回も収集物は多いが、ゲーム内の売店で配置図を購入できるので早い段階で入手したい。
実績に関わる収集物のうち「ロンドンの秘密」の配置図だけはヘリックスクレジットという専用通貨が必要。
ヘリックスクレジットは有料だが、ほかの収集物をコンプリートすると報酬としてもらうことができる。
なお、「ロンドンの秘密」が配置されている場所はゲーム内の資料で画像つきのヒントを確認できるので
あえて配置図を購入せず、自力で謎解きに挑戦してみるのも一興だろう。

戦闘関係の実績は特定の条件下でないと挑戦・累積できないものがあるが、条件自体は難しくはない。
唯一、馬車で5000個(!)のオブジェクトを破壊するという常軌を逸した条件のものがある。


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[良いところ]
・近代のロンドンを再現したオープンワールド。行き交う蒸気船や汽車は迫力があり、見ているだけでも楽しい。
・見覚えのあるランドマーク、耳馴染みのある意外な著名人たち。味方はどれもチャーミング。
・ロープランチャーによる移動は爽快。発射位置の制限はあるが、立体的な戦闘に大いに貢献してくれる。
・上質な日本語ローカライズ。今回も各種文献にいたるまで非常に丁寧な翻訳がなされている。
・記憶に残る美しいサウンドトラック。

[悪いところ]
・前作と比べてフリーランの動きがやや重く、次の行動へ移る際もたついたりつまづいたりする場面も多い。
・目的地に設定したマーカーがフリーラン操作(Aボタン)で解除されやすい。
・スクリプトだらけの追跡や輸送系ミッション。暴走した馬車が突っ込んでくるなど悪意に満ちた仕掛けが多い。
・高度警戒区域の外にいても銃撃してくる狙撃兵。周囲の歩道を歩いているだけで狙撃してくる衛兵。
・くどいラストバトルと、スタッフロールが流れず達成感に欠けるエンディング。

[どちらとも言えない]
・ふたりのアサシンの使い分けは最初は戸惑うが、役割を理解できれば使い分けを楽しめるようになる。
・4種類の素材が溜まりすぎ。足りなくて困ることはないが使い道が少なく、売ることもできない。
・時代背景的に馬車が出てくるのは仕方ないが、馬車の存在がプレイヤーに楽しく働く場面は少ない。
・ブライターズのテリトリーにいると因縁をつけられるのが少々鬱陶しいが、スキルで防ぐことができる。
・いくらギャングが台頭した時代とはいえ、日中の路上で殺人事件が頻発しすぎではないだろうか?


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[総括]
Assassin's Creedシリーズのメインストリームでは9作目にあたる本作。時代は歴代でもっとも近代である。
高層建築、巨大な駅に発着する機関車、テムズ川を埋め尽くす蒸気船。ストーリーでは内燃機関まで出てきて
もう少ししたら現代とさほど変わらない街並みになってしまいそうな時期のロンドンを描いている。
システムこそAssassin's Creedではあるが、Assassin's Creedらしい時代ではなくなってしまった気がする。

産業の象徴とも言える高い煙突が立ち並ぶ街を駆け抜けるのは、観光としてはじつに楽しい。
しかし、平坦な屋根が本当に少なくなってしまったため、たとえば500m先にある目的地点まで移動したい場合
屋根伝いに移動するよりも地上を走るほうが早いという悲しい現実を突きつけられる。

馬車ならもっと早いが、ゆっくり走っている他の馬車が大きな障害となってくる。近代の仇とでも言うべきか。
GTAシリーズでイライラさせられたアレがとうとうAssassin's Creedにもやってきたわけだ。

アサシンにとってはつらい時代だな…と思い始めたころ、新たな移動方法としてロープランチャーが追加される。
近代ならではの新しい装備の追加はプレイヤーの発想力を試す優れた要素だ。
ここまで来ると今度は瞬時に地上へ降りられる道具がほしくなるが、そこは藁の山の出番というわけだ。


Acsyn04

性格と性能の異なるふたりのアサシンの使い分け、ストーリーの描き方も新鮮味はある。
現状でもそれなりに得意分野の違いはあるが、もっと明確に向き不向きを分けてもよかったのではないか。
ふたりのアサシンを交互に使うラストバトルも同様。ふたりいることをもっと上手く使ってほしかったと思う。
プレイヤーの期待と想像を下回る戦闘を最後に用意してしまったことが本作の評価に大きく響きそうだ。

前作の「Unity」同様、ストレスを感じるところもあるがシリーズならではのおもしろさもたくさん残されている。
良いところも悪いところも含めてAssassin's Creedらしい。そんなふうに感じる一本だった。


[オススメ度]
まあまあ。新規のプレイヤーにはやや難しそう。シリーズファンならさまざまな小ネタを楽しむことができる。
アサクリで女性キャラを使いたいと思っている人にはキャラクター性も含めてオススメできる。



Games with Goldで提供された本作、ゴールドメンバーシップの期間内に終わらせなければならないという都合
だいぶ駆け足でのプレイとなりましたが、とりあえずクリアはできたのでよしとします。
シンクロ率の実績とか残ってるんですけどね…ちょっと期間内に終わる数ではないと思ったので諦めました。

道中あちこちでストレスは感じましたが、収集物をすべて集め終えたいまでもまだ続けていたいと思えるくらい
ハマれたし良いゲームでした。街並みと音楽が抜群に美しく、歩くのがホント楽しかったです。


アサクリシリーズの新作が出るたびに「次は日本では?」とか「日本だったらいいな」なんて話を見かけます。
日本を舞台にしたアサクリというとどうしても忍者が出てくる時代を連想しがちですが、現存している建物が少なく
これまでのシリーズで体験できた「実物がある」という感覚は得られないと思うのです。
いっそ現代の日本を舞台にして、繁華街や高層ビルを駆け回るぐらいのほうがおもしろいかもしれません。

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2018年10月11日 (木)

「Shadow of the Tomb Raider」 ネタバレありのストーリー感想

新生トゥームレイダー三部作のラストを飾る「Shadow of the Tomb Raider」のストーリーをきちんと評価するうえで
ネタバレは避けて通れないだろうなぁと思い、ネタバレを前提とした独立記事にすることにしました。
そこまでしてでも書きたい、共有したい問題点があったわけです。


Sottr08

前作に続き、アクションアドベンチャーゲームとしては非常に遊びがいのある本作。

発売日に始めて達成度100%にしてから1周目クリア、即座に2周目を難易度ベリーハードで始めてクリアした
という事実からしても、かなりハマっていたことは自他ともに認めるところです。
しかし問題点がないわけではありません。新生三部作を遊び尽くしたからこそ言いたくなることもあるというか
三部作の最後だからこそ指摘したくなる問題点がメインストーリー上にいくつかあったのでした。


まず冒頭の場面。ようやく見つけた目的地の目前で自然災害に巻き込まれ、事の発端である数日前に話が戻り
それが終わると現在の危機的状態に…っていう流れ。前作の冒頭をほぼ踏襲してるんですよね。


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構成が前作に似てるというのはファンにとってはニヤリとさせられる部分でもあるんです。
クワク・ヤクへ通じる崖を慎重に移動しているときのララとジョナのやりとりは前作のオマージュとして良かったし
直前までギクシャクしていたふたりの息の合った冒険がまた始まるんだなぁといううれしさもありました。

ですが、オマージュにしてはあまりにも踏襲しすぎていたと思います。
墜落後のジャングルでのサバイバルも、行く手を阻むジャガーとの戦いもちょっと状況が似すぎている。
そういう見方をすると、終盤までのいろんな展開がどれも前作の模倣に見えてしまいまして…。
お約束と言ってしまえばそれまでなんですが、前作との類似性をもう少し避けるべきだったのではないかと。

完成されたアクションシステムを継承しているだけでも類似性の指摘は避けられないわけですからね。
意識的な差別化を図ってほしかった。その結果、ステージ構成がギクシャクするとかなら受け入れられましたし。


ストーリーの構造やプロットの問題ではほかにも気になるところがあると思います。

メインストーリー中の場面転換が雑である、という話はレビューのほうでもやんわりと触れました。
水に落ちる、もがく、浮上して次の場面へ。目が覚めて気が付くと次の場面に。そして武器をすべて失う。
これらがひとつのゲームのなかで複数回つかわれるっていうのはさすがにまずいでしょう…。
次の場面との関連性や、そこへ移動することの必然性が薄い。ごまかすように次のステージへ向かう感じ。

しかも、これらも前作までにやり尽くした要素なんですよね。強制的に流されたり、水中に沈んだりっていうのは。
「困ったら水に落とせばいい」というワンパターンな思考が透けて見えるようでした。

なかでもウヌラトゥ死亡後、ポルベニール油田へ場面転換する際は本当にひどかったです。
ジョナと一緒にカヌーで移動中、なぜかトリニティの戦闘ヘリに見つかって機関銃の掃射を受けてしまいます。
カヌーはキレイに真っ二つ。すぐ近くに沈んだはずのジョナは行方不明。そして武器はナイフ1本のみ。

ここはララの奇妙な動きと音声のズレもあってとにかく印象が悪かったですね。本編中最悪のシーンです。


Sottr18

目的達成のために視野が狭くなっているララは、道中でいろんな失敗をして周囲の人々を犠牲にしていきます。
また、冒険のカギとなるアイテムは手に入れたそばからあっさり奪われてしまいます。
振り返ってみると、ララの行動が功を奏した場面がほとんどないんですよね。なにもかもが悪いほうへと向かう。
しまいにはよくわからないタイミングでキレる。まああれだけ鬱屈が続けばキレても仕方ありませんが…。

ララをひとりの生身の人間として描くために、ララのことをキライになってしまうような場面を意図的に入れたという
話をスタッフが語っており、そのへんは狙いどおりになっていると思います。
その狙いが誤ったほうへ働き、プレイヤー自身もストレスを抱える事態につながってしまっていたような。

ララの成功がプレイヤーにとって気持ちいい瞬間でもあり、ゲームとしては非常に大切な要素となります。

ストーリー上で得られなければプレイヤーの要求はパズルや戦闘へと向かうことになります。
そこでもうひとつ浮上するのが、探索やパズルを重視するために戦闘の機会が少なくなってしまったこと。

本作の感想に戦闘の少なさを挙げる人が多いのは、ストーリーがもたらす不満が影響していると思われます。
ゲームというのはストーリーに多少問題があっても、戦闘さえおもしろければ最後まで楽しめてしまうものですが
本作は戦闘が少なく、せっかく習得したスキルも強化した武器も使う機会に恵まれません。

ストーリーから来る鬱屈を発散できるだけの要素をバランスよく配置できなかったことが、本作のゲーム体験を
気持ちよくないものにしてしまったのではないかと。探索やパズルを楽しめない人にとっては特に。


ララやウヌラトゥたちにもう少し有利な材料、交渉のカードがあれば印象は違ってたと思うんですよね。

なにかしら重要なアイテムがないと敵側も目的を達成できないとか、そういう弱点があればよかったのですが
関係者全員に降りかかる浄罪(災害)という危機があったせいで交渉の余地を作れませんでした。

もはや敵の良心に期待してすべてを渡すしかない。当然、敵はそんなもの持ってるわけがありません。
となれば殴ってでも止めるしかない。最後にものを言うのはララの腕力です(笑)
最終的に戦うのは避けられないとしても、そこまでの運びをもう少し賢くしてくれればよかったのですが…。

それまで敵対していたヤークシルたちが配下となり、トリニティに逆襲をはじめるシーンは気持ちよかったですが
まあ長続きしないし、おいしいところをムービーに持っていかれるのも残念でした(後述)。


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本作の悪役であるククルカンことアマルことドミンゲス博士と、その部下であるローク最高司令官。

これまで追い続けてきたトリニティに高等評議会という幹部組織があることが本作で急に判明します。
パイティティを支配するククルカン教団の大神官とトリニティ高等評議会リーダー、そしてララの父親を殺したのが
すべてドミンゲス博士、つまり同一人物であるというあまりにも都合の良すぎる設定(笑)

パイティティを外界の危機から守るために行動していたという肉付けはあるものの、取ってつけた感が否めなくて
同情を誘うにしては描き足りないというか、いまさらそんなこと言われてどうしろと…という感じもしました。


ローク司令官は名前がついてるわりには特に肉付けもされない、存在感の薄い悪役でした。
プレイヤーのヘイトを稼ぐのにじゅうぶんなウヌラトゥ殺害のシーンでも特に主張もなくあっさり立ち去ってしまうし
ララとの絡みも無線越しに煽ってくる程度。ぶっちゃけいてもいなくても変わらないレベル
ローク司令官の顔をハッキリ覚えている人ってほとんどいないのではないでしょうか。思い出せますか?

カギとなるアイテムはふたつあったわけですし、銀の箱のほうをローク司令官が奪い去りドミンゲス博士に渡す
というふうにすれば、クライマックスの展開にも関われる可能性はあったと思います。

ただ、もっと絡ませる予定はあったっぽいんですよね。トリニティの隊員が残した文献を見るとそう思えてきます。
前作のラストで狙撃されたアナは、ローク司令官の指示で始末されたことが明かされています。
これってメインストーリーで触れてもいいくらい大きな事実だと思うのですが…?

 ※一応終盤で「シベリアで殺しておくべきだった」というようなセリフは出てきます。唐突に。


本作最後のベースキャンプ以降に無線から流れてくるトリニティの会話には唖然とさせられました。
なぜか現地に集合していた高等評議会のメンバーたちはヤークシルの襲撃によって壊滅。
ローク司令官はムービーで処理。ララとの直接対決はありそうでないまま退場します。
完全に在庫整理状態。打ち切りが決まったマンガみたいな早さで次々と敵の幹部が消えていったわけです。

あれをトリニティの事実上の終焉だとすると、あまりにもあっさりしすぎているんじゃないかと…。
今後発売される作品にトリニティの影響を残したくなかったのかもしれませんが、にしてもやり方がひどい。


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今ある世界を選び、太陽をふたたび取り戻したララ。しかし、あれからどのようにして救助されたかは不明です。
生贄になるという前振りがうやむやにされてしまったというか、あのへんは解釈次第なのでしょうか。
ほかに説明すべきことがありそうなのに、ぽっと出の新ヒロインであるアビーの話には触れるという…。

新たなプレイアブルキャラとして迎えるわりにはアビーの扱いも軽いですよね。
脈絡もなく登場してジョナといい仲になった以外では、クルマの運転くらいしかロクに活躍の場面もなかったのに
いきなりプレイアブルキャラになると言われても誰も喜ばないし納得もしないでしょう。
ララに匹敵する活躍を見せたウヌラトゥは還らぬ人となったので、繰り上がり当選みたいな感じなのかな…?

ララがふたり同時に登場する前作の協力プレイは異様な光景ではありましたが、そもそもマルチプレイ要素を
トゥームレイダーというタイトルに求めてる人がどれほどいるのか、前々作から疑問でいます。


ララの母・アメリアの形見のブレスレットをウヌラトゥに捧げた真意もあんまりよくわかっていません。
思いが見えないというか、そうさせるほどの関係を描いてこれたとは思えないんですよね。
母親という共通点だけで大切な形見を置き去りにできるものなのか。キーアイテムとしては弱かったかなぁと。

ストーリーに関係する点でもうひとつ言いたくなるのがサウンドトラックの弱さ。
新生三部作では共通のテーマが使われているのですが、本作ではその主張もかなりひかえめな感じでした。
音楽が印象に残る場面も少なかったかな…サンフアン教会の書庫ぐらいしか覚えていません。
前作は音楽の相乗効果もよかったので、そういう観点からも「オススメするなら前作」となってしまうわけです。


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このままだと悪いところばかり挙げて終わりになってしまうので、良いと思ったところも紹介しておきます。

今回ストーリー上でもっとも気に入ってるのが2頭のジャガーを倒したあとキャンプで語られるジョナのセリフです。
世界を作り変える力を手に入れたらどうするか?と、ララに問われてジョナが答えたあの言葉。

「この世界が好きだ。完ぺきじゃないけど、俺が好きなものは全部ここにある」

このセリフを引き出してきただけでも「Shadow of the Tomb Raider」は評価に値すると思いました。
ものすごく深いし、プレイヤー自身に「自分はどうだろう?」と考えさせる良いセリフですよね。
本編のラストでも引用されていますし、それだけ本作における重要なメッセージという位置付けだったのでしょう。
新生三部作はジョナの物語でもあり、このセリフにたどり着くまでの冒険をともにしてきた我々プレイヤーとしては
この一言からスタッフロールに突入してくれてもいいと思えるくらい、大きな価値があると感じました。


あと、ところどころに散りばめられている小粋なジョークも個人的には非常に気に入ってます。
クワク・ヤクで遺跡を調べる前にアビーから「壊すなよ」と釘を刺されたり、のちに引用される魚のなる木の話など
前作や前々作では雰囲気的にちょっと出せなかった笑えるセリフがあるのが本作のひとつの特徴です。
三部作の最後、つまり経験を重ねたからこそ出る余裕みたいなものを表現する目的があったのかも。

そのなかでも印象に残っているのが、サンフアン教会の書庫の地下でジョナがころんでしまうシーンなんですが
『十字架の道行き』という日本人にはあまり馴染みのないネタだったせいか、日本人プレイヤーであのシーンを
おもしろいと感じた人は(実況動画をいくつか見た限りでは)そんなにいないのかもしれません。

ただ笑わせるのではなく、笑うのに知識が要るジョークを入れるというのがトゥームレイダーという作品ならではな
感じがしてよかったと思うんですよね。こういうお遊びは大歓迎です。


今後への期待なんですけど、秘宝探索というトゥームレイダーらしい目的に回帰してほしいですね。
敵対組織の妨害とか諸悪の根源の退治とかではなく、純粋に宝探しを楽しむララ・クロフトの姿が見たいです。
悪の魔王を倒して囚われの姫を救う物語はトゥームレイダーじゃなくてもできるし、期待してないので。

次回はエジプトかなぁ。ティラノサウルスは出てこないと思いますが(笑)そんな布石は打たれた気がします。
ハワイに行ったらそれはそれでおもしろいかも。ジョナとの関連性もありそうですしね。



メインストーリー中のセリフでひとつ気になったことを思い出したので欄外に記載しておきます。

クワク・ヤクの遺跡を抜けた先、船着き場のような場所でトリニティの兵士たちが会話してる場面がありますが
あのときボートで運び込まれていた水中ドローン、その後まったく出てきませんでしたよね…?
いかにもな場所でああいうふうに紹介されたので、てっきり水中で邪魔してくる新要素だと思ってたんですが。

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2018年10月 3日 (水)

ゲームレビュー 「Shadow of the Tomb Raider」

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[クリアまでにかかった時間]
達成度100%にしてからストーリークリアで約40時間。前作と同程度と言える。
メインストーリーだけなら7~8時間程度か。難易度ベリーハードクリア時は約9時間(死に戻りの時間含む)。


[ゲーム難易度]
前々作より若干難しくなっていた前作から、さらに少し難しくなっている。特に戦闘面がなかなか過酷。
今回から戦闘・探索・パズルという3分野の難易度をそれぞれ個別に設定できるようになった。
得意不得意に合わせて視覚や聴覚の情報までカスタマイズして楽しむことができる(画像つきで後述あり)

難易度をイージーに設定するとインスティンクト中にララが語るヒントの量が格段に増える。
前作と同じくらいヒントがほしい人、ララのセリフをたくさん聞きたい人はパズルだけイージーを選ぶとよいだろう。


[実績・トロフィー難易度]
4段階の難易度別実績あり。上位をクリアすることで下位の難易度実績もまとめて解除される。
それ以外の大半の実績は達成度100%を目指す過程で解除されるが、収集系など時間がかかるものはある。

敵との戦闘があまり多くなく、前作では本編クリア後に敵の再配置があったが今回は再配置がない。
メインストーリー中のわずかなチャンスを逃してしまうと戦闘関係の実績を取り返すのに若干の手間がかかる。
また、特定の戦闘系スキルの習得が必須の実績あり(『チェーンギャング』『一瞬の出来事』『忍耐』)。
ある程度は意識的なスキル構築が必要なので、スキルの一覧を確認しておこう。


[関連記事]
「Shadow of the Tomb Raider」 ネタバレありのストーリー感想
ゲームレビュー 「Shadow of the Tomb Raider」 シーズンパス編
『十字架の道行き』から考察する「Shadow of the Tomb Raider」

ゲームレビュー 「Rise of the Tomb Raider」(前作)


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[良いところ]
・日本語を含む14ヶ国語字幕と12ヶ国語音声は今回も健在。登場する人種ごとに言語を変えることも可能に。
 (海外版には日本語字幕と吹き替えが収録されていないという情報あり)
・完成された前作をほぼ継承しており、その時点で一定のおもしろさが保証されていると言える。
・新たに追加されたアクション。ラペリング、ロープスイング、オーバーハングを駆使した移動。
・美麗なグラフィック。密度の高いジャングルと植物の表現には目を見張るものがある。
・文明と生活感を感じられるハブエリアの街並み。ちょっとした海外旅行気分を味わえる。
・音による恐怖の演出。見えざるなにかの気配によって、ホラー要素をうまく強調している。
・フォトグラファーモードの追加。被写界深度やフィルターを設定して撮影ができる。ムービー中でも起動可能。
・文献取得時の音声ログの再生が任意になり、ゲームの進行を止めることがなくなった。
・クリア後に『強くてニューゲーム』モード追加。ここでしか入手できない専用の武器や装備まである。

 ※掲載されている画像はすべてゲーム内のフォトグラファーモードを利用したもの。


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[悪いところ]
・微妙に噛み合わない日本語版の会話。
・ストーリーがやや薄味。ワンパターンな展開、こじんまりとした敵組織、雑な場面移動。
・登場人物の解説などが少なく、新規プレイヤーに優しくない作り。
・敵が基本的に近接攻撃主体で、飛び道具を恐れることなく駆け足で近付いてくる。ラスボスも同様。
・新たに入手した文献を一覧から探し出すのが困難。音声ログを再生したかどうか確認する手段がない。
・重要な解説やヒントを文献に丸投げしているため、取ったその場で音声ログを再生しないと理解度が低下する。
・収集物に隠された謎が本当にどうでもいい感想ばかりで、前作のような奥深さがない。
・前作にあったチャプターリプレイやスコアアタックモードが廃止されており、リプレイ性は低め。
 (トゥームのリプレイは追加の予定があるが発売時点では実装されていない)

 ※発売当時はいくつかの重大な不具合が確認されていたが、現在では解消されている模様。

[11/13追記]
・本編のトゥームのリプレイ機能は実装されたが、プレイ可能なトゥームはひとつだけ。徐々に増えるらしい。
・スコアアタックモードは理論上の最高スコアが決まっており、それ以上の伸びがない。


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[どちらとも言えない]
・贅沢な話ではあるが、完成された前作から変わり映えがしないという意見もある。
・探索重視になった反面、戦闘が少なめになった。戦闘を重視している人にとっては物足りないかも。
・戦闘エリアとそれ以外のエリアの線引きがハッキリしており、よく言えば頭を切り替えやすい。
・大型敵性動物がリスポンするようになったが1種類のみ。
・音声ログすべてをララ自身が読み上げており、それぞれの著者や記録者は読み手として登場しなくなった。
・お金の使い道が増えたが、コスチュームはレシピを買ったあと素材を消費して自作しなければならない。
・クラフト用の素材が増えたが足りなくて困ることはあまりなく、狩りの必要性は薄い。
・前作と同じく、最終的にだいたいみんな一緒になってしまうスキル構築システム。使わないスキルも多い。

[補足]
・前作、前々作のセーブデータがあると?対応したコスチュームが追加される。
・デフォルトの明るさ、ガンマ値だとありえないくらい真っ暗な場面があるので若干あかるめ推奨。
・カメラの揺れを軽減する設定項目が今回から追加されたので、画面酔いしやすい人はチェックしておこう。
・不具合の一種だと思われるが、クリア後に進入すると出られなくなるエリアがある(後述)
・登場人物やストーリーの解説を聞きたい場合は、収集物一覧にある『ララのノート』をチェックしよう。
・スキルは1周100%分の経験値で9割くらい習得できる。全スキル習得には足りない。
・無敵のララ・クロフトでもピラニアには勝てない。


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[総括]
「Shadow of the Tomb Raider」は新生三部作の最後を飾る作品である。
本作を語るうえで、良くも悪くも説明を果たす一文となる。頭の片隅につねに置いておかねばならない。

Game of the Yearに匹敵するとも言われた前作を超えるのは容易ではない。発売前は不安に思っていたが
根幹は大きく変えず、各要素に少しずつ新たなものを足すことで完成されたバランスを保っている。
特に前作に慣れ親しんだ人はその経験をそっくりそのまま本作でも活かすことができるだろう。


本作においてララ・クロフトの目的、行動原理はトリニティの野望を阻止することにある。
前作で見られたプライベートな事情や考古学的興味、秘宝探索といった動機は本作では二の次である。
これが微妙な違和感となっていたことにストーリーをクリアしてから気付いた。
トゥームレイダーという題名でありながら、悪の魔王を倒す正義のヒロインの物語になってしまっているのだ。

三部作の最後である以上、残された問題には決着をつけねばならない、そういう事情があるのはわかる。
ただ、数百年という長きにわたって暗躍し続けた秘密結社との戦いの終焉がこれででいいのだろうか。
すべての原因をひとりの悪役に押し付けるのはあまりにも都合が良すぎやしないか。

一挙両得の末、晴れやかな笑顔をたたえるララの姿に安堵しつつも、若干の疑問が残るところだった。


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アクションアドベンチャーゲームにおいて、必要以上の説明はプレイヤーの操作の邪魔になってしまうものだが
本作は必要な説明が省かれていると感じた。もう少し饒舌に語ってくれてもよかった。
30時間以上たのしめるゲームなのに、メインストーリーだけを見ると45分のドラマくらいの情報量しかない。
アクションの部分はほぼ完成されているので、誰にでも理解できるくらいの説明を用意してほしかった。

現段階で判断するなら、やはり前作のほうが完成度の高い作品であったと言える。
とはいえ前作もDLCによる補強で完成されたところもあるので、本作が今後どのようなDLCを提供してくるのか
2周目をプレイしながら待ちたい。2周目を始めさせるだけの力はじゅうぶんにある。

高難易度に挑戦させるために『強くてニューゲーム』を導入したのは素晴らしい判断だ。
ただしベリーハードは生易しくない。次のベースキャンプが恋しくなり、操作する手が震えてしまった。


[オススメ度]
前作に引き続いて高いが、興味をもってプレイするなら最低でも前作からプレイしておいたほうがよい。

前作や前々作の登場人物の名前がしばしば会話に出てくるが、本作のどこを見ても紹介は載っていないので
疎外感を味わいたくないのであれば予習しておいたほうがよいだろう。





[難易度設定補足]

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難易度の変更でどれくらいヒントが変わるのか、比較画像を用意したのでご覧いただきたい。
上の画像はノーマルでインスティンクトを発動している状態。操作可能なオブジェクトが黄色で表示されている。

壁や足場の白いペイントは前作よりも控えめになり、正しい進路を見つけるのが難しくなっている。


Sottr15easy

探索とパズルの難易度をイージーにすると、このような変化が出る(画像の円の部分に注目)。
壁や足場の白いペイントはよりハッキリと表示され、トゥームの攻略に必要なオブジェクトは青色で表示される。
青色で表示されるオブジェクトはトゥームの攻略が進むたびに変化していくので非常にわかりやすい。
ララが述べるヒントもかなり具体的になり、プレイヤーがほぼ頭を使わなくていいくらいの指示を出すようになる。

なお、前作ではインスティンクト中に黄色で表示されていたクライミング可能な壁は今回は黄色で表示されない。
難易度を下げても、それらしい性能をもつスキルを習得しても強調表示されないのでやや見つけづらい。



[確認した不具合]

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サンフアン教会のサイドミッション「悲運」でイサベラを救助した遺跡は、クリア後にふたたび内部に進入すると
脱出できなくなってしまうので注意すること(入口のハシゴがなぜか登れなくなってしまう)。

遺跡の内部でチェックポイントが記録されると、そのセーブデータでは脱出不可能になってしまう。
この場合、一旦ゲームを終了してメインメニューから「ゲームのロード」を選び、LT+RTでバックアップセーブを
ロードして遺跡進入前まで戻れば解決できる。特に用がないなら遺跡には近付かないこと!

 ※DLC第1弾「The Forge」が配信された11月13日時点でもこの不具合は解決されていない。



[難易度ベリーハード補足]
セノーテは最大の難所。オーバーハング用の登山用具を入手して地上へ出るまで次のベースキャンプがない。
地下室での戦闘、パズルと戦闘の複合エリアでは各種ハーブを惜しみなく使って自身を強化していこう。
各エリア内に配置されている緑色に光るツボは爆発物なので、敵の出現に合わせて使うこと。
ハンドガンのフレア弾が何気に強力でオススメ。踏み込む前に5発分作っておきたい。

装備はフォーカスタイム延長がつくウルクのカウル、下半身はお好みで合わせるといいかも。
ちなみにシックス・スカイの自然回復はベリーハードの戦闘中は一切効果がないので装備してもムダ。

エリア間を結ぶ通路で飛び移るのに失敗したり、事故死したりでも当然だがベースキャンプまで戻される。
複合エリアを抜けた先の強制移動シーンもワンミス即ベースキャンプ送りである。
強制移動エリアの一番最初にあるジャンプ→グラップルの部分は本当に怖いので見落とさないように。

やや反則気味の技だが、画面の明るさとガンマ値を最大にしておくと見やすくてミスを減らせるかもしれない。

セノーテを突破できる腕があれば、以降はつまづくことはないと思われる。
とにかく落下死にくじけない強さをもとう。ベリーハードでもっとも恐ろしいのは落下死である。



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ものすごく当たり前なことを書きますけど、達成度100%にしちゃうと本編でやることがなくなるんですよね…。
なので、特に理由がない限りは急いで100%を目指すのはやめておいたほうがいいと思います。
攻略情報はできるだけ見ず、隠されているものはすべて自力で探す。
それぐらいゆっくりプレイしたほうが満足度は高くなり、本作の印象も大きく変わるのではないかと。

達成度100%には武器の収集や強化、音声ログの再生は含まれていません。
高難易度のクリア実績に向けて武器の全強化、音声ログの順番どおりの再生などをしておくのがオススメです。
単に実績目的というだけでなく、ストーリーの復習という意味でも2周目はありだと思います。


いまのところDLCの内容が不明で、今後どれくらい遊ばせてくれるのかちょっとわかりません。
前作より値段が上がっているシーズンパスが気掛かりです。なんとなくイヤな予感がしなくもありません。

前作のDLCに導入されていたCo-opモードが今回も実装されるという噂は聞いてるんですよね。
(先日公開された動画を見た感じでは、専用のチャレンジトゥームを2人プレイするっぽい?)
でも、トゥームレイダーというゲームにCo-opや対戦といったマルチプレイ要素を期待する人がどれだけいるのか
甚だ疑問であります。実装してもいいけど専用の実績は作らないでほしいです(笑)

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