2023年1月17日 (火)

2023年 冬アニメ寸感

■お気に入り作品リスト
「ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん」
「REVENGER」
 (以下は後日追加)
「HIGH CARD」
「転生王女と天才令嬢の魔法革命」

■続編&継続作品
「永久少年 Eternal Boys」2クール後半(全24話)
「陰の実力者になりたくて」2クール後半
「うる星やつら」2クール後半
「ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン」2クール後半
「魔入りました!入間くん」3期 2クール後半(全21話)
「僕のヒーローアカデミア」6期 2クール後半
「魔王学院の不適合者Ⅱ ~史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~」2期
「ブルーロック」2クール後半
「アイドリッシュセブン Third BEAT!」3期 2クール後半(全30話)
「魔道祖師 完結編」3期(全12話)
「神達に拾われた男2」2期
「虚構推理」2期(13話~)
「ヴィンランド・サガ」2期
「吸血鬼すぐ死ぬ2」2期
「クールドジ男子」2クール後半
「痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。2」2期
「D4DJ All Mix」2期
「真・進化の実 ~知らないうちに勝ち組人生~」2期

■居残り組
「メガトン級ムサシ」2期後半 24話~28話(2月放送予定)
「異世界おじさん」夏 → 秋 → 最終回延期(放送時期不明)
「艦これ いつかあの海で」6話~(1月19日より再開予定)
「ゴールデンカムイ」4期 秋 → 春アニメに、第37話(4期第1話)から仕切り直し

 ※あくまでリストアップであり、順番が順位付けになっているわけではありません。


今期の作品数は異常。上で挙げた以外に30本以上の新作があり、特に週末の夜間は過密状態になっています。
異世界ものだけで新作と続編あわせて15本くらいあったはず。さすがに偏りすぎではないかと…。

これを「ひとつのジャンルとして定着した」と見る人もいるようですが、それはとうの昔の話で。
ジャンルという話で言うなら、他のジャンルより『同ジャンル内での他との差異』を要求されることになるので
他のジャンル以上に工夫を求められるわけですが、実際それができてる作品は非常に少ないですよね。


そんななか、新しさを感じたのが「ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん」
本作は厳密に言えば異世界ものではなく、さらに言えば転生という方法で異世界に介入する作品でもありません。
ネオロマのようなファンタジー系の恋愛ゲームに『神の声』として間接的にプレイヤーが介入する。
ゲームのストーリー上ではどのルートを辿ってもラスボスとなり、悲劇的な死を迎えてしまう悪役令嬢の本心を
攻略対象のイケメンに伝えることで、誰も死なないグッドエンドを目指そうというのがおもしろいところ。

ゲーム内の恋愛とは別にプレイヤーである遠藤くんと小林さんの関係が進んでいくところもまた見どころで。
異世界転生やゲーム世界へのダイブ、悪役令嬢側を主人公に据える作品を経て、ゲーム実況という現代的要素を
作品に組み込んできたことが他にはない新しさを感じさせます。


お気に入り作品として挙げたもうひとつの作品、「REVENGER」はざっくりと言えば時代劇。
ニトロプラス原作で、架空の歴史を歩んだ設定の長崎を舞台に、『利便事』引き受け屋の面々が悪を裁くという
ぶっちゃけ必殺シリーズみたいなヤツなのですが(笑)だからこそわかりやすくてよいと言えるかも。
アニメならではの派手なアクション、しかし時代劇としてきちんと見せるストーリーもあり。

大河ドラマの時代考証ではおなじみの大石学が参加していることも本作を紹介するうえで欠かせないポイント。
個人的に時代劇好きでもあるので、週に見れる時代劇がひとつ増えたと喜んでいます。


今期ほかに上位に来そうなのは、アニプレックス枠の男性アイドルものである「UniteUP!」
弐瓶勉原作のフジテレビ+Ultra枠の新作「大雪海のカイナ」、テレビアニメとしては四半世紀ぶりの新作となる
内藤康弘の「トライガン」の再アニメ化作品「TRIGUN STAMPEDE」。現段階ではこんなとこですか。

題材として近年珍しいところで言えば、女子柔道を描く「もういっぽん!」の初回はなかなか良い出来でした。
あと妙に気になっているのが、いわゆる異能力バトルものである「HIGH CARD」。タイトルがシンプルすぎる。

続編ものではやっぱり「魔道祖師」が待ちに待った完結編なので、タイトルを挙げないわけにはいきません。
不幸にも主役のキャスト変更が起きてしまった「魔王学院の不適合者Ⅱ」は声の印象の違いがやっぱり気になり
正直に言って残念ではあるものの、それ以外の部分は1期から変わらず、奇妙なノリ(笑)が好きです。
そしてなぜ2期を作れたんだ「真・進化の実」。ホントにどうしようもないアニメなんだけどキライになれない。


本数の多さがホントに難題ですね…その影響で、予定していたゲームのレビューなどが全然進んでいません。
購入したものについてはきちんとプレイするとして、必須ではないものは休止する可能性もありそうです。



ここ数年、視聴中に浮かんだ感想や次回までに忘れてしまいそうな設定などをメモしながらアニメを見ています。
そのメモが結構な量になっていまして…調べたら秋アニメのぶんが最終的に約18万文字。長編小説なみに。
そこからブログの記事へと移す量はわずかなので、もうちょっと不真面目に見てもいいかな?と思っています。


アニメ視聴を『お休みできる』のが年末年始くらいしかないことにこの正月、気付きました。

冬アニメの放送開始までゆとりがあったこともあり、正月2日の夜から3日の朝にかけて東京MXでおこなわれた
「Bang Dream!」劇場作品一挙放送(劇場用に再編集された「アルゴナビス」を除いた5本、約7時間)を見て
かつてない疲労感を抱えたまま冬アニメ期間に突入したもんで、なおさら見疲れを感じているのです…。

べつに「バンドリ」が悪いわけではないんですよ。どんな作品だって長時間、座して見てたら疲れるもんです。
集中力をもって見れるのはせいぜい3時間。それも週に1~2度の話で、今期の本数は度が過ぎています。

「バンドリ」の劇場作品を一気に見て思ったのは、やはりテレビアニメと劇場作品は違うってこと。
不特定多数の視聴者が見る可能性のあるテレビアニメと違って、お金を払ってまで見に行く劇場作品はある程度
視聴層を絞り込んだ、もっと言えばファン向けに限定した作りが許される媒体なんですよね。
それをテレビで見ることの違和感というか。劇場で見れば感じないはずの不具合が浮上してくるわけです。
そして自分は「バンドリ」のファンではない、ファンになりきれていないのだろうなと感じました。

自分は『画面のなかで起きているストーリー』しか追えませんが、ファンは『自分のなかにあるストーリー』で
つねに補完しつつ見ているので、同じ映像を見ていても同じ評価にはなりえません。
なので、東京MXの放送で画面に表示されていた実況ツイートとの温度差を強く感じながらの視聴となりました。

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2022年12月30日 (金)

2022年 秋アニメ総括

■好評価作品
「Do It Yourself!! -どぅー・いっと・ゆあせるふ-」
「後宮の烏」
「ヤマノススメ Next Summit」
「モブサイコ100Ⅲ」

■ピックアップ作品
「万聖街」
「聖剣伝説 Legend of Mana」
「ブルーロック」

■12月中に放送終了しなかった作品
「ゴールデンカムイ」※関係スタッフ急逝のためスケジュール変更
「メガトン級ムサシ」※制作上の都合で3月まで放送が続く予定
「艦これ いつかあの海で」※制作上の都合
「アイドリッシュセブン Third BEAT!」※全30話(途中スピンオフ4話を挿んで2月いっぱいまで放送)
「異世界おじさん」※制作上の都合で最終回延期
…ほか、2クール作品を含めていつもより多くの作品が来期も継続放送


日本のアニメ制作とは切っても切り離せない中国で現在コロナの感染が拡大しており、特に外注の割合が多めな
ところで制作の遅延が生じ、放送延期を発表する作品がちらほら出てきています。
「異世界おじさん」夏期から秋期へ移籍したうえで最終回の放送延期。通算4回目の延期発表になるのだとか。
冬アニメにも影響ありそうですね…なんか、呑気に感想なんか書いてていいのか?って思ってしまいます。


秋アニメで個人的なベスト作品は「Do It Yourself!!」。僅差で「後宮の烏」

テレ東が『次の国民的人気アニメ』を生み出す勢いで、集英社原作の圧倒的なクオリティの作品を放送するなか
そういう空気とは真逆の、どちらかといえば東京MXやTBSの深夜帯に放送していそうな雰囲気をもつ「DIY」
同局・同期の作品として肩を並べている状況にちょっと異質さすら覚えていたんですよね。

人間の代わりにAIがなんでもやってくれるようになったら、人間の居場所はあるのか?
そんな不安に「何もしなくてよくなったら(空いた時間で)何をしようか?」と考えたのが主人公・結愛せるふ。
じつに自然に、そして前向きに。現実においても創作においても聞いたことのない明るい発想でした。
この一言を聞かされた瞬間、自分は「DIY」に心をつかまれたのだと思います。

居場所もDIY精神で作ればいい。シンプルなようで意外とたどり着けなかった発想とメッセージ。
日々進化するAIに驚嘆する2022年のいまだからこそ見る価値がある。それでいて説教くさくない(これ大事)。
見た目は穏やかですが、これもテレ東の明確な勝負の一手だったのかもしれません。

マンガや小説を原作にもたないオリジナルアニメならではの、すっきりと見終えられる潔さもありました。
ただ…どうしても気になるのが第9話のラストに待ち受ける本作唯一と言ってもいいアクシデント。
そもそも、本作にああいうネガティブな展開を求めてる視聴者なんていないのでは?という疑問もあるのですが
どう考えても事故が起きそうな場所に"大事なもの"を置いてたってのが非合理的で納得いかないんですよね。

総合的にすごく好きなんだけど、その不満があるせいでどうしても満点をつけられない。惜しい作品でした。


異質さという意味では「DIY」に勝る存在だった「後宮の烏」。なぜアニプレックス枠でこの作品をやったのか
最終回を見終えたあとでもいまだにわからず。でも個人的には大満足という不思議な作品でした。

閉鎖的な宮中の生活。そこで巻き起こる霊的な事件、独特の文化や習わし。それが回を追うたびに広がっていく。
たまに戦闘シーンが描かれることもありますが基本的に派手さはなく、そのぶんしっかりと話を見せていく。
人間の感情、願いや未練によって巻き起こる物語。そういうのが好きな年齢になったってことかな…?

原作が小説なせいか、アニメの映像とセリフではどうにも理解しにくい部分があったのは否めません。
これは中国、あるいは中国風の世界を舞台にした作品でありがちなのですが、登場人物に呼び名が複数あったり
彼らが住まう場所、階級や役職など耳慣れない単語がいくつもセリフに出てきたりするわけです。
文面でなら把握できてもアニメではそうはいかず、毎回膨大なメモを取りながら慎重に視聴していました。

「虫かぶり姫」にも同じことが言えますね。もう少しわかりやすく映像化されていれば…としばしば思ったり。

今期のアニメキャラで個人的に唯一『描いてみたい』と思ったのが本作の主人公・寿雪でした。
近年の日本のアニメ作品にはいなかった新しいタイプのヒロイン。新鮮な風を呼び込むデザインに見えました。


続いて上位に来るのは「ヤマノススメ Next Summit」「モブサイコ100Ⅲ」。続きモノとして双方期待以上。

今期の「ヤマノススメ」は背景美術がやや写実に寄りすぎていて、アニメとして見るには違和感もありましたが
登山を描く作品のリアリティで言えば、ある意味で頂点に達した表現と評することもできるでしょう。
特に終盤描かれた富士登山リベンジの風景はアニメ史に残るレベルの富士山だったと思います。
全部やり切ってしまったかのような雰囲気があって、ひょっとしてこれが最後なのかな?と寂しくも思ったり。

一時はキャスト変更も危ぶまれた「モブサイコ100」。勢いを落とすことなく最後まで駆け抜けてくれました。
完結までアニメで描けるというのは本当に幸せなことなんだと、本作の大団円を見て改めて思いました。
過去のシーズンにもさまざまなメッセージが盛り込まれていましたが今期もそのへんは変わりなく。


他に気になったところだと、まず挙がるのはテレビ版「羅小黒戦記」とセットで放送された「万聖街」
中国原作の人外系日常アニメとでも言えばいいか。おそらく主要ターゲットは女性と思われる設定の作品ですが
ポップな画面と優れたデザイン、そして緊張感のない騒動。終わりを迎えるのが惜しくなる居心地のよさ。
4分×6本立てというスピード感のある編成も本作においては功を奏していたと思います。

「聖剣伝説 Legend of Mana」は自分としてはかなり能動的に楽しんでいたアニメのひとつ。
終盤の衝撃的な展開が話題になっています。原作では選択制の主人公を両方登場させたことで、原作とは異なる
『先読みできない展開』を盛り込めたと思えば、良いほうに捉えることもできるのではないかと。
原作未プレイの自分は本作の影響で「原作に手を出してみようかな?」と興味を抱くまでにはなりました。
残念なのは最終回の仕上がり具合…後日ディレクターズカット版が配信されるそうなので楽しみにしています。

サッカーを題材にした作品には近年悪い記憶しかなく(笑)「ブルーロック」も警戒しながら見ていたのですが
思っていたほど悪くないどころか、ポジティブに録画を消化できるくらい楽しめています。
やはり基本的な話、スポーツものは題材となる競技と試合をおもしろく描けているかどうかが大事ですね。


世間的には「ぼっち・ざ・ろっく!」が圧倒的な人気を誇るシーズンという感じでしたが。
個人的にはそうでもなく、何がそんなにアニメオタクのハートをつかんだのか要因がいまだわからずにいます。

言い方はアレですけど、アニメオタクからすればたいして珍しい内容でもなかったと思うんですよね。
いや、見慣れた内容だったからこそウケたのかな。「求めていたものがやっと来た!」みたいな。
アニメオタク以外の層から注目が集まり、見る人が増えたことも話題作となった理由のひとつなのでは。
ふだんアニメの話題なんか取り扱わないニュースソースまで記事にしていたあたりにそんな推測が浮かびました。

話題作といえば「チェンソーマン」も、音楽的な部分でニュースになっていました。

…というより音楽的な部分しか話題になっていなかった感じがします。ほかに感想が全然流れてこないんですよ。
放送開始当初は盛り上がっていたTwitterのフォロワー界隈が週を追うごとに静かになり、1か月後には皆無に。
たまに見かける感想ツイートといえば毎回変わるエンディング曲の話のみ。何が起きているのか不思議でした。

調べてみるとどうも『解釈違いのアニメ化』みたいなことが起きていたようで。
原作未読の自分にはわからない、原作ファンと監督のあいだで生じた大きな隔たりが影響していたようです。

原作を知らない一視聴者としての感想を言えば、B級ハードコアバイオレンスアクション…みたいな印象かな?
ひとつの復讐劇の結末を描くまでの「まあ好きな人もいるんじゃないの?」程度に収まる作品。
少なくとも「鬼滅の刃」や「呪術廻戦」にならぶような、家族で話題にできるような大衆性はない(笑)
なので、アニメ化にいたるまでの人気を獲得した理由が「鬼滅」や「呪術」ほどには理解できませんでした。


「アキバ冥途戦争」もまあ…今期を代表する話題作のひとつだったかもしれません。
一発ネタみたいな設定をよくもここまで広げたなぁと。ただ、あの最終回はあまり美しくありませんでした。
あれなら最終回のひとつ前、11話の衝撃的なラストで締めたほうがよほどヤクザ映画的だったのではないかと。
変にオチでも意識したのか、日和った印象の蛇足にも感じられる終幕になってしまった。
血を血で洗う時代の空気感を最後まで徹底できなかったことが個人的にはマイナスポイントに見えました。

なぜ令和のいま?と不思議に思っていた「うる星やつら」は、フタを開けてみれば非常に見やすいアニメで。

高橋留美子作品っていつの時代でも何かしらアニメ化されて放送されていますが、個人的には高橋留美子作品を
新しいと感じたことが一度もなくて、いつの時代でもなんか古臭い(笑)印象を抱いていたんですよね。
毎回2本立ての各話完結なので見逃しても問題ないし、変に難しい感情が渦巻いたりしないので見疲れしない。
無駄な力や神経をつかわないから見続けられる。そこが逆に新しく感じるようになりました。

アニメって見続けてもらわないと正しく評価されないし、話題にもなりません。
胸焼けを起こすほどコンテンツが溢れる時代だから、こういうスタイルで生き残りを賭けるのもひとつの手かも。


異世界ものは全体的に低調なシーズンでした。そのなかでは「転生したら剣でした」が比較的好印象。

近年異世界ものを見ていて思うのは、主人公に協力的な人はみな女性、敵対的な人や愚かな人はみな男性という
劇中の役割における男性蔑視がナチュラルに描かれていること。でも、これは仕方のないことなのかも。
異世界もののターゲットが男性だとするとどうしてもそうなってしまうというか。
できる限り男性を画面に映したくなくて、不自然にならない程度に出そうとすると役割が限定されるみたいな。

ただしドワーフは別なんですよ。ドワーフはドワーフという『男性にカウントされない枠』として許されている。
武器屋のオヤジという定番の協力者であり、主人公一行のほかに知的であることが許可される珍しい存在。
同じドワーフ族が基本的に登場しないことも含めて、奇妙な生き物だなぁと思うようになりました。


長くなりましたが今期はこんなとこで…年内に放送が終わらなかった作品が多く、ややスッキリしない印象あり。
アニメとはあまり関係ありませんが、来年はもう少し良い年になってくれるでしょうか…。



振り返ってみると今期はいろいろありましたね。『今年』じゃないんですよ。この3か月がなんかすごくて。
主題歌の制作者から逮捕者がふたりも出たり、女性声優の休業や引退が相次いだりとか。櫻井孝宏とか!
アニメ業界に限って見ても大きな訃報がいくつかありましたし、良いニュースをあまり思い出せません。
「乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です」の2期が決定したことくらいかな。正当な評価を受けてよかったです。

続編といえば「ウマ娘」の3期の制作発表がありましたが、スタジオ櫂で続投なんですね…。
櫂が悪いとは言わないんですけど、たまに悪いクセを出すところがあるので諸手を挙げては喜べませんでした。
(このへんの話は2期の感想で書いているので、興味があれば掘り返して確認してみてください)


さて…『今年』という単位でアニメを振り返ったらどんな作品が思いつくか、改めて感想を読み直してみました。

「あえてうちで紹介しなくてもいいだろ」って次元の作品(「SPY×FAMILY」や「メイドインアビス」)は除き
2022年の個人的な10選を考えてみました。好みはあると思いますが、どれもオススメできる作品です。

・「時光代理人」
・「プラチナエンド」
・「薔薇王の葬列」
・「ビルディバイド -#FFFFFF-」※できれば前作「-#000000-」と合わせて
・「BIRDIE WING -Golf Girl's Story-」
・「神クズ☆アイドル」
・「連盟空軍航空魔法音楽隊 ルミナスウィッチーズ」
・「ユーレイデコ」
・「Do It Yourself!! -どぅー・いっと・ゆあせるふ-」
・「後宮の烏」

「時光代理人」は早く続編を日本に送ってくれ…あんなところで終わったままにしたら国際問題になるぞ。
「BIRDIE WING」はあえてこの時代にゴルフを題材に挑んできた異色さと、ゴルフアニメとは思えない熱さが
いまだに忘れられません。続きの放送が来春に予定されているのでもうずっと期待し続けています。
多少問題あれど「ルミナスウィッチーズ」は戦争が起きているいまだから見る価値のあるアニメとして選抜。

放送のタイミングって結構重要なんだなって思いますね。放送時期が違ったら評価も変わっていたかもしれない。
そのときの社会情勢だったり、直近に放送されていたアニメのラインナップだったり。
コロナ禍だったからヒットした、ポストコロナだから見え方が違ったアニメも確実にありましたからね。

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2022年10月20日 (木)

2022年 秋アニメ寸感

■お気に入り作品リスト(暫定)
「後宮の烏」
「Do It Yourself !! -どぅー・いっと・ゆあせるふ-」
「虫かぶり姫」

■続編&継続作品
「SPY×FAMILY」2期
「ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン」2クール目
「ポプテピピック」2期
「ゴールデンカムイ」4期
「ヤマノススメ Next Summit」4期
「魔入りました!入間くん」3期
「僕のヒーローアカデミア」6期
「モブサイコ100 Ⅲ」3期
「アイドリッシュセブン Third BEAT!」3期2クール目
「宇崎ちゃんは遊びたい ω」2期
「メガトン級ムサシ」2期

 ※あくまでリストアップであり、順番が順位付けになっているわけではありません。


今期まず言いたいのは、リストで既に伝わっているかもしれませんが、続きモノが非常に多いんですよ。
続編を追いかけるだけで既に10作品超えてる。新作はこの2倍以上あるし、ほかに魅力的な再放送もあります。
なので、人によっては現段階でかなりの削減をおこなっているのではないかと…無理があるので。

曜日で言うと水曜や土曜に本数が偏っていますが、時間帯ごとにターゲット層が分かれている印象があります。
「放送されているものは全部見る!」という剛の者でない限りはなんとかなるのではないでしょうか。


「後宮の烏」はアニプレックス枠としては非常に珍しいタイプのアニメで、「魔道祖師」や「天官賜福」などの
中国原作のファンタジー作品を思わせるような、言い方はアレですが『売れ線』をはずしてきた気がします。
どういうターゲット層を想定した原作選定なのかちょっとわかりませんが、個人的には好きなジャンルです。

「DIY」もテレ東のアニメとしては近年珍しいタイプではないかと。TBSやMXでやりそうじゃないですか。
これまで意外と選ばれてこなかった題材と、AIがヒトの仕事を奪う時代にあえて手を動かすことの意味を考える
メッセージ性が、いまこのタイミングでやることの意味を強く感じさせてくれます。
あとシンプルに画面がかわいいよね。なんか、あんまり深刻で殺伐な絵を見たくない時期なんですよ。

「虫かぶり姫」は異世界モノがやり尽くされてるいまだからこそスタンダードなネオロマっぽい作品できたのが
すごく好感度が高くて、安心して見れていいな…って年寄りじみたことを感じています。

佐々木望の声が近年ツボに刺さっているので、15分枠の「永久少年 Eternal Boys」も気になる存在です。


今期の話題作はまず間違いなく「機動戦士ガンダム 水星の魔女」。やっぱりガンダムという看板は強いですね。
新しもの好きの人は当然のこと、口うるさい(笑)ガンダムファンの人たちも盛り上がっているようで。
なんだかんだでガンダムが始まると見ちゃうんですよ。縁起物というか、ある種のお祭りみたいなものですから。
まあただ…放送終了後に飛び交う熱弁を毎週眺めるのは正直しんどいので、自分は一歩引いて見ていくつもり。

公式サイトなど、放送外でストーリーの補足がおこなわれることについては個人的には拒否感があります。
毎度言ってますけど、テレビアニメはテレビアニメの範囲で語るべきで、放送外で展開される補足情報を超えた
"読むのが普通"みたいな扱いが視聴者のあいだに生じることが腹立たしいんですよね。

同じ理由で、前日譚「PROLOGUE」も初回の前週にテレビ放送がなかったら個人的にはアウトだと思ってました。
しかし、あの前日譚の雰囲気から一転して学園決闘アニメが始まるとは思わなかったな…(笑)


ほかでは、「名探偵コナン」のスピンオフのアニメ化第2弾となる「犯人の犯沢さん」が何気におもしろいです。
10分枠という時間的な見やすさ、「コナン」への共通認識があるおかげで成立するイジりにも似たパロディ。
元ネタを知ってる前提で進むお笑いなので、不特定手数を相手にするテレビアニメとしては問題があるのですが
「コナン」くらい有名な作品であればまあ…深夜にこっそりやるぶんにはよいのではないかと。

話は少々違いますけど、特定のアニメを知ってる前提で進むお笑い芸人のネタって見ててキツいんですよね。
不特定多数のお客さんを相手に舞台で、ニッチな予備知識が必要なネタをやるのは冒険が過ぎる。
それが「ドラゴンボール」であれ「ガンダム」であれ、早口で語ってるオタクとさほど違わない感じがします。



ネット上でしばしば『ライブ感を楽しむアニメ』と評される作品があります。
よく言えば実況向きな、前後のつながりが希薄で場当たりな展開が多く、あとから冷静に全体を振り返ったとき
いくつも問題を抱えていることがわかるアニメを京都弁風に(笑)表現したスラングみたいなものです。
ようするに、文面どおりに受け取ってはいけない評価なわけですよ。

「ポプテピピック」くらいストーリー性が薄く、意図してライブ感を狙った作りであれば評価もできるのですが
そうでないなら『ライブ感を楽しむアニメ』などと評されるような作りではダメなんです。

なんでそんな話を?と思われるかもしれませんが。数日前に最終回を迎えたアニメに思うところありまして。

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2022年10月 5日 (水)

2022年 夏アニメ総括

■好評価作品
「メイドインアビス 烈日の黄金郷」
「シャドーハウス 2nd Season」
「神クズ☆アイドル」
「連盟空軍航空魔法音楽隊 ルミナスウィッチーズ」
「異世界薬局」
「ユーレイデコ」

■ピックアップ作品
「ブッチギレ!」
「カッコウの許嫁」
「オリエント 淡路島激闘編」

■9月中に放送終了しなかった作品
「異世界おじさん」※制作上の都合、夏から秋に異動
「シャインポスト」※制作上の都合
「風都探偵」※ネット配信先行で地上波放送開始がそもそも遅かった


以前よりはだいぶ穏やかにはなったものの、コロナの影響でアニメが止まる事態はまだまだあるのだなと。
かく言う自分もこの期間に感染したわけですからね。人がたくさん動く場所では当然リスクも増すでしょう。
ひとりの視聴者としては、放送休止期間に作品への熱が冷めてしまうことを一番危惧しています。
作品の内容が同じでも、休止を挿むことで作品の評価が変わる可能性は大いにありますから。

前置きはこんなとこにしておいて。夏アニメで気になった作品を足早に触れていこうと思います。
なにせ、これ書いてる時点でもう秋アニメ始まってますからね…なんで9月30日から新番組が始まるのよ?


「メイドインアビス」はもう別格というか、テレビアニメとして提供する物語の域を超えていた気がします。

どういう頭をしていたらこんな話が思いつくのか、原作者の頭の中を念入りに覗いてみたくなりました。
同期の他の作品とくらべてあまりにも濃密で重く、作品から伝わってくる精神年齢が高い。
オトナの目線で見てもはるか上のオトナに向けた内容に見えてしまう、そんな異次元の領域から来た物語。
でも、この物語に込められたメッセージははるか下の少年少女たちに向けられたものだろうとも感じました。
特にワズキャンの最後のセリフなんか聞いてるとそう思います。ある種の警告であり、新世代への期待でもあり。

このレベルの作品をホイと出されると他の作品を評価しにくくなるんですよね…どうしたってくらべてしまう。
なので「メイドインアビス」だけは大きく遠ざけたシード枠に置いて話を進めなければなりません。

主題歌も音楽もバツグンによかったしなぁ。欠点がひとつも見当たらないアニメってたまにはあるんですね。


完全新作のなかでは、今期最速で最終回を迎えた「神クズ☆アイドル」が好感触でした。
アイドルアニメはやはりアイドルたちだけでなく、より俯瞰してアイドル文化全体を描いていてほしい。
本作ではメインのアイドルたちと同等に、アイドル文化を支えるファンの苦しみや叫びが親近感ある描かれ方を
していたのが印象的で、相当なアイドル好きの方が原作を書かれたのでは?と思える解像度の高さでした。

やはり題材として選んだ以上、題材の魅力がきちんと伝わるよう描いてほしいという希望があります。
アイドルに限らずスポーツものやホビーについても言えますが、本作を優れていると感じた理由はそこにあり。
アイドルというお仕事、アイドルを応援することの楽しさや魅力が十二分に伝わってくる内容になっていました。

メインの男性デュオだけでなく、幽霊の状態で登場する女性アイドル・最上アサヒもきちんとかわいかったし。
アイドルアニメだけど視聴者の性別を選ばない、非常にバランスのよい作品だったことも好評の理由です。


次いで挙がるのは「ブッチギレ!」と「ユーレイデコ」になるでしょうか。どちらも当初の印象を上回る出来。

「ブッチギレ!」は新選組を題材にした作品としてはかなり大胆な設定でしたが、史実への折り込み方がうまく
見た目とは裏腹によく考えて辻褄を合わせているなぁと、ちょっと感心しつつ楽しませてもらいました。
キャラクター原案を「シャーマンキング」の武井宏之に任せたなりの理由がわかる設定や描写が終盤出てくるし
あらためてオープニングを見るとお手本のようなキャラデザだなと勉強にもなりました。
ただ、最終回の尺の使い方には少々疑問が…尺が余ってしまったかのように感じられるBパートでしたよね。


湯浅政明と佐藤大というダブルネームを見て、当初はぶっちゃけ警戒していた(笑)「ユーレイデコ」
何を伝えようとしているのか、おもしろさを理解できるまでちょっと…いやかなり時間がかかる作品であるのは
間違いなくて、本筋からちょっと離れた第5話のエピソードを見て本作の評価が大幅に変わりました。

当初感じた『年寄りががんばって新しいことをしようとしている感』はある意味正しかったのかも。
本作は非デジタルネイティブ世代からSNS世代に向けた、年長者なりのメッセージだったのかもしれません。
自分の在り方、自分自身の定義、自分の居場所、信条。上の世代から連綿と続く疑問や悩み。
若者の居場所は若者たち自身で創造し、管理していくべきであり、年長者の決め付けに囚われるべきではない。
…とか。自分の解釈が正しいかはわかりませんが、『いま』見るべき価値のある作品だと思います。

変に説教くさくもないですしね。ネット上で見かける出来事を寓話的に描いていたりもしてて興味深い作品です。


意外な掘り出し物だったのが「異世界薬局」。まず今期の異世界系のなかではトップと言ってよいはず。
医療ものはよほどの間違いがない限りおもしろいってのはあるのですが、チート能力で貴族が薬局を開業したら
起こりうるであろう出来事、身分や貧富、信仰との衝突が違和感なく描かれていました。
それでいて明確な悪が存在するわけではなく、誰もが自身の信条に基づいて行動してるところがまたよくて。

放送されたのがポストコロナというのもタイミング的によく、本作終盤の黒死病に対する取り組みを見ていると
以前よりもずっとリアリティを感じるというか、視聴者側が経験をもとに見れるようになったのが大きいなと。


今期の異世界系は全体的にマジメな印象がありましたね。エロ全振りの作品でも基本はマジメという(笑)

ただ、最近は異世界系の一部に「いわゆる創作とは違うものなのでは?」と感じるときが増えています。
自分が知っているなかでもっとも近いのが『テーブルトークRPGのリプレイ』で、RPGのルールの上で起こった
プレイヤーたちの選択や行動、会話を小説のようにまとめている小説とは非なるものみたいな。
今期それを一番強く感じたのが「異世界迷宮でハーレムを」で。あそこまでいくとほぼ『リプレイ』ですね。

良い悪いの話ではなく、一般的なマンガや小説とは異なるジャンルの何かになりつつあるという話で。
ゲームの実況をアニメ化して見てるみたいな違和感というか。視聴者として馴染んでいけるとよいのですが。


世間的には「リコリス・リコイル」一色な感じでしたね。自分もまあ、そこそこ高く評価しているつもり。
今年アニプレックス枠で放送された作品のなかでは確実に最上位に食い込む内容だったと思います。
こまかいところを突きまわすアニメではなく、ノリと会話(と百合?)を楽しむアニメであり、その割り切りが
きちんとできていれば心底楽しめるであろう娯楽アクション。加えて小学生レベルの下ネタ…。

昔は当たり前に見られた、治安が悪すぎる街で銃をバカスカ撃つハードボイルド風ドラマってよかったよなぁ…
という特定の世代の需要を制服美少女というフォーマットで埋めにきたみたいな。それが好評の理由かと。

終盤の延空木での決闘を見て「まるでMGSシリーズみたいだなぁ」と思ってたら、当の小島監督にウケたという。


「風都探偵」は人気実写作品のスピンオフとして、ファンが期待することに100%応えている感じがします。
次元を違えたメディア展開では「あれが足りない、やり直し」と口うるさく言われがちですからね。
逆のパターン、二次元の実写化作品も最近は原作ファンが何を要求するかをきちんと理解して作ってきてますし
三次元の二次元化においても、用意できるものはすべて用意して当然と言えるかもしれません。


続きモノとしては「シャドーハウス」が期待を超えてくるおもしろさ。ときにシリアス、ときにコメディ。
戦いあり謎解きありのバランスのよさ。そしてどんなときでも視聴者の心を和ませるエミリコのリアクション。
またいつか続きが見られるでしょうか…続きの見たさで言えば「メイドインアビス」とならぶ位置にはあります。

あとは、冒頭で挙げていませんが「オーバーロード」4期も。気が付けば長寿のシリーズとなりました。

「オリエント」は1期とくらべて『この話のどこを見てほしいか?』が明確で見やすくなっていたと思います。
話の中心に武蔵とみちるがいて、戦いのなかで武蔵が成長して主人公らしい立ち回りを見せていく。
みちるは非常にヒロインらしい立ち回りで、つぐみとは扱いが違う(笑)のがハッキリと伝わってきました。

それだけに、最終回におけるみちるの顛末が本当に解せない。ああするならなぜ八咫郎と対話させたのか。
2期を通じて育て上げてきたみちるというキャラを手放してしまうのが惜しいというか、ちょっと信じられない。
全体的に女性キャラに対する当たりが強く、積極的に活躍させようという気がない感じがします。
これはつぐみの扱いを見てもあきらかな話で。原作者のなかに何か特別な思いでもあるのでしょうか…?
(キービジュアルに描かれているのにマトモな活躍がない女性キャラなんて、普通はありえないと思います)


自分でも意外なくらい、思いのほか楽しめていた「カッコウの許嫁」。ひとえに天野エリカの魅力に尽きます。
「ちょっとニガテだな…」とか「退屈そうだな…」と感じるタイプの作品でもお気に入りのキャラが見つかると
そこを突破口にしてお話全体が見えるようになり、作品そのものを好きになれる可能性がある。
天野エリカはヒロインのひとりとしてだけでなく、視聴を進めるうえでの貢献度がとても大きかったです。

逆に、瀬川ひろの魅力が自分には正直わかりません。最終回に向けてさらにわからなくなっていった感じで。
主人公・海野凪が彼女に感じている魅力が視聴者に伝わってくるような客観的描写が足りない気がするんですよ。
終盤の別荘のエピソード以降、不可解に場を荒らすようになってむしろ印象は悪くなりました。

2クールという長尺で、最終回に1時間枠取ったのにアニメ独自の完結を見せるでもなかったのはちょっと意外。
しかも謎を増やして終わる(笑)誰なのよ写真の子は…宗助の問題も解決してないってのに。
あとはエリカの父親の思惑も。ひとつぐらい何かスッキリしてから終わってほしかったなと思います。
原作既読の方のツイートによると結構アニオリも多かったみたいだし、アニオリで終わらせてもよかったのに。

まあ原作未完の作品の難しいところですね。特に恋愛モノでは誰が選ばれるか?って重大だし。
恋の行方についてはベストエンドではないものの、グッドエンドのひとつにはたどり着いた感じはありましたが。


余談ですが、好きになれそうなキャラがひとりも見当たらないアニメはキツいですね…視聴打ち切りまである。
キャラって表現するとキャラ萌えで見てるみたいに思われそうですが、そういう観点の話ではありません。
どんなに絵がキレイでも、どんなに世間的評価が高くても、共感しがたい言動にあふれたアニメは見てられない
ひとりの人間として「彼らを理解できない…」と感じた瞬間、作品との断絶が起きるのです。


夏アニメの感想はこんなもんで。既に秋アニメが大量に始まっているので多少の焦りを感じています。
もし個別に感想を尋ねたい作品があれば当記事のコメント欄、Twitterの匿名コメントなどをご利用ください。

そういえば「サマータイムレンダ」の感想はどこにも落としていなかったので最後に少し触れておきます。
本作はタイムリープものとして見始めるとちょっと肩透かしを喰らう、強めの言い方をするとガッカリな内容で
どちらかといえば未知の生命体との命懸けの戦い、それも異能力バトルに重きを置いた作品と言えます。
しょうゆ系だと思って入ったらとんこつ系だったみたいな(笑)期待と違うものが出てきた感があったわけです。

おなかは満たされたものの「やっぱりしょうゆ系が食べたかったな…」という不満が残る。
入口を誤ってしまった。これは自分の責任でもありますが、本作のプロモーションの責任でもあると思ってます。
最初から未知の生命体との戦いと思って見れば間違いなく満足できる、リッチな2クール作品でした。



後日「シャインポスト」の感想は落とすかもしれませんが、現状あまり期待できないと思います(オブラート)。

「からかい上手の高木さん」あたりから始まった感のある、男子をもてあそぶ系ラブコメのブーム。
ひとつの作品に留まらずブームと呼べる状況になっているのは『時代の需要』があるからと見てよいでしょうか。
個人的な傾向を言うと、どう楽しめばいいのかわからずリタイアしてしまうことも珍しくありません。

男性が受けにまわる構図がまったくダメなわけではなく。実際このジャンルで完走できてる作品もありますしね。

女性上位の描写がいきすぎて男性蔑視になってしまっていると、さすがに不快感を無視できなくなります。
単にマウントを取るだけならそこまで言わなくていい。言い方に愛を感じないというか、ドM向けになっている。
さじ加減の問題もあるのかも。強めの表現って第三者の耳にも不快に聞こえるものですから。
でもまあ…そもそもがマニアックなジャンルだから、ツボに刺さらなかったとしても仕方ないのかな?

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2022年7月19日 (火)

2022年 夏アニメ寸感

■お気に入り作品リスト(8/27 暫定)
「神クズ☆アイドル」
「ちみも」
「連盟空軍航空魔法音楽隊ルミナスウィッチーズ」
「RWBY 氷雪帝国」
「ブッチギレ!」
「量産型リコ」(実写ドラマ)

■続編&継続作品
「メイドインアビス 烈日の黄金郷」
「邪神ちゃんドロップキックX」
「オーバーロードⅣ」
「シャドーハウス 2nd Season」
「ラブオールプレー」
「サマータイムレンダ」
「カッコウの許嫁」
「オリエント」

■迷作ピックアップ
「東京ミュウミュウにゅ~」
「シュート! Goal to the Future」
「Extreme Hearts」

 ※あくまでリストアップであり、順番が順位付けになっているわけではありません。

今期はまだちょっとわからないですね…続きモノをしっかり追っていれば間違いないとは思うのですが。
新作のなかからこれといったものをピックアップするのにちょっと困る、これは確実におもしろくなると言える
作品を自信をもって挙げることができず、見てて楽しい作品をとりあえず挙げている状態です。

ヤバそうな作品は確実に挙がるんですけど(笑)その、ヤバいにもいろいろ種類がありまして。
「シュート!」の1・2話はアニメ史に残るレベルの恐怖を体験できるので、特殊な意味でオススメです。
まさかサッカーのアニメでこんなに怖い思いするなんて誰も思わないじゃないですか…。
でも、この強烈なフックがなかったらたぶん関心はもてなかったと思います。よく言えば上手い作りですね。

「Extreme Hearts」のほうは、現代人の生活を知らない仙人が想像したかのような近未来の描写がひどすぎて
社会に関心をもたない人たちが描くとこんなに不自然になるのか…と、不憫な気持ちで見つめています。
狙ってやってる可能性もあるのかな。90年代のSF観で描いた『ネオ昭和』的な近未来として。

「東京ミュウミュウにゅ~」が代表格ですが、今期は『時代の再現』を感じる作品が多い気がします。
どういう層に向けて作るか、どういった層がお金を落としてくれるか。そのへんが明確ってことでしょうね。


あとは…お笑いを題材にしたアニメってやっぱり難しいんだなと、あらためて実感。
おもしろくできたためしがない。何かが根本的にアニメという媒体に向いていないのかもしれません。
単純にネタがつまらないだけの可能性もありますが、ネタを書いている人たちが直接舞台上で演じるお笑いとは
全然違うものだし、笑いを取る気があるなら笑いの取り方を変える必要があると思います。

お芝居の流れでどうしてもステージに上がってる絵がほしいだけなら、べつに笑えなくてもよいのですが。
でも、笑えないお笑いのアニメってなんか致命的じゃないですか。かわいくない美少女アニメみたいな。

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2022年6月30日 (木)

2022年 春アニメ総括

■好評価作品リスト
「薔薇王の葬列」2クール目
「ビルディバイド -#FFFFFF-」
「パリピ孔明」
「SPY×FAMILY」
「BIRDIE WING -Golf Girl's Story-」
「乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です」
「古見さんは、コミュ症です。」2期
「社畜さんは幼女幽霊に癒されたい。」

■6月中に放送終了しなかった作品
「可愛いだけじゃない式守さん」※制作上の都合
「カッコウの許嫁」※放送スケジュールの都合
「ラブオールプレー」2クール作品
「サマータイムレンダ」2クール作品?


寸感に続いて総括のほうも形式を変更。従来より文量を減らすつもりで書い…ていたはずなのですが。
やっぱり思い返すうちに「あの作品のここは書いておきたい!」という欲求が次々出てきてしまうのです。


自分にとってアニメの『おもしろい』はストーリーによるところが大きく、ストーリーで満足感を得られないと
どんなに他の部分(たとえば絵や音楽など)がよくても『おもしろい』という感想にはいたりません。
この評価軸については以前から変わることなく、今期のアニメにも適用されています。

ただ、今期は5月の上旬から6月にかけて、5年に一度あるかないかという規模のストレスに晒されていた影響で
特にこの期間は『見ててストレスが溜まるタイプのアニメ』に対する評価が厳しめだったと自覚しています。

そもそも『見ててストレスが溜まるタイプのアニメ』は作品としてダメなんじゃないの?って気もしますが。

ストレスのかけ方がうまい作品と、ただただストレスが溜まるだけの作品はやっぱり全然違うと思うんですよ。
ある展開を見ているとき、視聴者がどれくらいストレスを感じるか、そのストレスをどこで処理するか。
視聴者の視点に立ってきちんとストレスをコントロールできているか。そういう意識の有無が見えてきます。


「薔薇王の葬列」は見ていて気持ちよくなるようなストーリーではありませんが、それでも最上位に挙がるのは
見ててしんどいけどおもしろい、史実がベースなのに悲劇への昇華が巧みだったおかげかもしれません。
さすがはシェイクスピア。それに本作独自の解釈、加えて近年の研究であきらかになった事実なども織り込まれ
史実や原案を知っていてさらに楽しめる、それに悲劇を彩る恋愛もある、今年を代表する1本になりました。

今期は「薔薇王の葬列」と大河ドラマ「鎌倉殿の13人」のせいで毎週日曜の夜はどんよりしていました。
それだけこの2作品を熱心に、能動的に見ていたと言えます。楽しむための調べものもいっぱいしましたから。


放送が始まったころは正直、アニプレックス枠の余りを埋める程度の作品と捉えていた「ビルディバイド」
この1クールで同期のアニプレックス系列作品を退け、あれほどおもしろくなるとは…よもやよもやの展開。
同期の他の作品が勝手に失速したという見方もできますが…それだけに留まらない出来でしたね。

TCGってスポーツものと同じくらい、ルールという制約があるなかでドラマを描く難しさがあると思うのですが
本作はじつに巧みに対戦が組み上げられていて、題材への理解度が色濃く伝わってきました。
カードのひとつひとつ、それらを駆使して戦う登場人物たちが端役にいたるまで記憶に残る活躍をしている。
始まったころと最終的な感想が真逆と言ってもいいほど、黒が白に変わるほど変化した2クール作品でした。

難点をひとつ挙げるとすれば、肝心のTCGの部分が視聴者に浸透しているとは言いがたいところですか。
初心者向けの解説がないまま最後まで走り抜けていった感じで、商品のプロモになったかどうかは疑問…。


同期の他の作品、「群青のファンファーレ」は二匹目のドジョウならぬ、二頭目のダービー馬にはなれず。
急に1年後に飛んだ第8話あたりから多少巻き返した感はあったのですが、前半戦で抱えた負債を返し切れなくて
結局これといって褒めるところがない、競馬学校を舞台にしたなりの熱量が伝わってこないまま終わりました。
もっと言えば、競馬への敬意を読み取れない。敬意があったら実在の馬名を使った下ネタとかやらんよな…。

放送枠が「SPY×FAMILY」の直後じゃなかったら途中で切っていたと思います。
楽しく見れていたのはJO1のファンくらいじゃないかな…いや、JO1のファンでも最後まで見れたかどうか。


「パリピ孔明」「SPY×FAMILY」については世間一般の評価と大差ないと思います。良き娯楽作品。

「SPY×FAMILY」の続きは10月から。「デート・ア・ライブⅣ」は順当に「Ⅴ」に続くそうで。
「かぐや様は告らせたい」はあそこまでやり切ってしまったら続きを描けないのでは?と思ってたら新作が発表。
「本好きの下克上」も待っていればそのうち続きを見られるでしょうか。完結までアニメ化…できます?

続きものからひとつ話題を。「盾の勇者の成り上がり」の2期はダウンロードコンテンツみたいな内容でした。
本筋である四聖勇者たちの世界の話を一旦保留し、並行する別の異世界の出来事を描いていた2期。
よく言えば世界観を広げることができた、悪く言えば本筋の進行を意図的に止めていたような印象があり…。
本来対処すべき『波』が端に置かれ、ひたすらキョウに振り回されていたのもそう感じた理由かもしれません。

2期全体がアニオリだったと言われても信じられそう。週刊連載のマンガのアニメ化によくあるような。
ひとつひとつの出来事の扱いが特に後半は非常にあっさりしていて、登場人物の死の描写も軽くて驚きました。


いまの時代にゴルフアニメなんてどういうつもりなんだ?と、界隈を騒がせていた「BIRDIE WING」
令和版「プロゴルファー猿」という見方もあながち間違いではなく、ゴルフには不釣り合いなデタラメな熱さが
ほとばしる痛快娯楽作品として、近所では「SPY×FAMILY」よりも盛り上がっていた感があります。

コアなアニメファンがどういうものを見て喜ぶかちゃんと計算されて描かれているアニメとでもいいますか。
商業的に成功するかはわかりませんが、見た人の心に深く刻まれたのは間違いありません。

いわゆる異世界転生ものである「乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です」を高評価作品のひとつに挙げた理由は
異世界転生ものというジャンルに留まらず、今期の作品全体で見ても好感触な内容だったから。
登場人物がどいつもこいつもクセが強いのに、心底イヤなヤツがいないおかげで気持ちよく見ていられる。
仲良くないなりに信頼し合って、協力して難局に立ち向かう彼らの物語をもう少し見ていたいと思えました。

「古見さん」の2期は終盤ちょっと作画に不安があったのが惜しい。それ以外は期待したとおり。


高評価作品に「阿波連さんははかれない」を入れなかったのは終盤の恋愛モードに多少の疑問があったので。
ライドウくんと阿波連さんは異常な距離感にありながら恋愛関係にはない、奇妙な関係によってコメディとして
機能していたところがあったので、キャンプ回から最終回Bパートまでは違和感を覚えつつ見ていました。
なんというか…男女バディものだったはずなのに熱いキスで終わるハリウッド映画みたいな違和感?

違和感といえば「ヒロインたるもの!」の終盤の展開も見ててちょっとモヤモヤしましたね。
千鶴が起こした事件は友達うちや学校内という狭い範囲を超えて、多大な社会的影響をもたらしていたわけで。
さらには校内での暴力沙汰。これをただのケンカ、仲直りしてハイおしまい!とするのは無理があったのでは。
最低でも停学から自主退学になってもおかしくないレベルの事件ですよ。
平和な世界で起きたちょっとしたケンカのつもりで描くなら、規模をコントロールする必要があったと思います。

現代劇の場合、現行法に照らし合わせてこの描写はどうなんだい?という意見がしばしば出てきます。
今期だと「パリピ孔明」の終盤で描かれた渋谷109前でのゲリラライブがそれで、往来の激しい渋谷の一等地に
大型トレーラーで乗り付け、道をふさいでライブを始めたシーンを見て「冷めた」という声を見かけました。

「パリピ孔明」ではこのシーンの以前に、無許可の路上ライブへの注意と許可証の描写が出てきます。
なので、『さらに大きなライブをやるのに許可を得てないわけがない』と考えるのが自然なのではないかと。

この『前段を用意する』というのが地味に大事で、平和な世界に突然の暴力を用いた「ヒロインたるもの!」は
やっぱりちょっと頭のネジが飛んでいるというか(笑)すげえアニメだな…と思いました。
決して否定的な目で見ているわけではなく。むしろ今期のなかではかなり好意的に見ていた作品のひとつです。


冒頭でお伝えしたストレスの影響で「社畜さん」を泣きながら見ていた日もありました。
優しさだけでできている世界への憧れと、どうして現実はこうなれないのだろう?という悲しみが入り混じって
メチャクチャな感情になりつつも、どこか客観的かつ冷静に自分自身の状態を捉えていたような。
健常であればこの内容では泣かないだろうと。時間が経って、落ち着いたいまとなっては余計にそう感じます。

アニメは現実をより楽しむための現実世界の産物である。この持論が揺らぐことはありません。
現実の良いところを見つめて、悪いところには心を囚われないよう今後も楽しんでいければと思います。

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2022年4月18日 (月)

2022年 春アニメ寸感

■お気に入り作品リスト(暫定)
「パリピ孔明」
「SPY×FAMILY」
「阿波連さんははかれない」
「乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です」
「可愛いだけじゃない式守さん」
「BIRDIE WING -Golf Girl's Story-」
「社畜さんは幼女幽霊に癒されたい。」
「薔薇王の葬列」2クール目
「古見さんは、コミュ症です。」2期

■続編&継続作品
「CUE!」2クール目
「かぐや様は告らせたい -ウルトラロマンティック-」
「デート・ア・ライブ IV」
「舞妓さんちのまかないさん」第26話~
「ラブライブ! 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」2期
「ビルディバイド -#FFFFFF-」分割2クール目
「極主夫道」第6話~
「境界戦機」分割2クール目
「盾の勇者の成り上がり」2期
「本好きの下克上」3期
「まちカドまぞく2丁目」

 ※あくまでリストアップであり、順番が順位付けになっているわけではありません。

こうしてタイトルだけずらっと挙げると、以前のような寸感の書き方よりも作品数の多さを感じますね…。
これでも全体の半数を超えない程度なのだから、全部見ている人の負担たるや。

バドミントンを題材にしたアニメが続いているのは今年の8月に世界選手権大会がある影響なのかもしれません。
今期はスポーツものに関しては当たりのシーズンと言えそうです。ただし競馬学校を除く。
土曜深夜のアニプレックス固定枠で「ビルディバイド」がもっとも好感触になるとは思ってもいませんでした。
前期「鬼滅があるから」と書きましたが、作品選びの方針が上層レベルで変わった可能性はありそうですね。

「パリピ孔明」は期待どおり。一番熱心に見ているのは「薔薇王の葬列」になると思います。



世の中にはすべての放送作品の感想を毎話書いているライターもいるのだとか。自分にはマネできません。
仕事の量や時間の問題ではなく、『良い感想を書けない作品』も確実に出てくることがその理由。
「どんな作品でも良いところを見つけて、読みに来る人々を喜ばせるのがライターの仕事」と言われてしまえば
それまでなのですが、書くことでお金が発生するライターと趣味で書いてる自分とでは立場が異なります。

お金をもらえるなら嘘も書きますが(笑)…なんて言い方をするとライターの方々に失礼か。

参考になるレビューとは、『良いところも悪いところも平等に紹介してあるもの』と個人的には思っています。
良いところだけを紹介しているレビューはどのみちバレてしまう。わかっている欠陥を隠しているようなもので
それは参考になるレビューとは決して言えません。間違った善意ではないかと。

でも、これに関しては善悪の判断が分かれるところでしょうね。「悪く言うな」という善意もあるわけで。
善意というより閉鎖的なコミュニティにおける同調圧力。仲良しごっこを続けたいから荒立てたくないみたいな。

個人ブログという時代遅れな場で感想を発信し続ける理由は、誰かに配慮して書かなくていいからでもあります。
自分の居を構えて、立場を明確にして、自分だけが編集顕現をもっている場所で思ったとおりに感想を書く。
自分の感想を守るために必要な手段。…まあ、アニメの感想を侵害された経験なんてこれまで一度もないけど。

ゲームの感想のほうでは稀にあります。「俺はそう思わない、訂正しろ」というご意見をいただくことが。

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2022年4月 4日 (月)

2022年 冬アニメ総括

コロナだけでも世の中慌ただしいというのに、新たな騒乱が巻き起こり…平和のありがたみをあらためて実感。
同時に、我々にできることのあまりの少なさに無力さも感じます。せめて知る努力だけは怠らないようにせねば。

さて…冬アニメの時期も過ぎまして。すでに春の新作も一部放送がはじまっているのですが、まずは冬の感想を。

全体的な話をすると、放送開始前の期待や初回の印象から大きくブレることのないシーズンでした。
寸感で筆頭に挙げた「時光代理人」の衝撃的なおもしろさは他の追随を許さず。そして残酷なクリフハンガー。
最終回にあんなことされたらホント困る…いや、うれしい悲鳴ではあるのですが。
シリーズ構成の妙。最初から最後までムダなエピソードがひとつもなく、すべてがクライマックスにつながる。
「こんなおもしろい作品がまだまだ出てくるんだ」と、脅威と驚喜が入り混じった感情で最後まで楽しめました。

この感覚、アニメではありませんが「アンナチュラル」を見ていたときのそれに近いかもしれません。
できるだけ多くの人に見てもらいたい。もっと注目されるべき作品であると強く思いました。


次いで挙がるのが「王様ランキング」と「プラチナエンド」。どちらも2クール作品で優れた内容でした。

「王様ランキング」はなんかもう…ケチのつけようのない傑作。対象年齢を限定しない、万人に向けたアニメ。
登場人物それぞれに表の顔と裏の顔、そして秘めた思いがあり、誰かのために命を懸けて戦っている。
あれだけ多く出てくるのにムダな登場人物が一切ないというのもすごいですよね。
みんなきっちり話に絡んできて、積み重ねによって視聴者のなかで醸成され、一堂に会したときの熱さがある。
それを支えるWIT STUDIOの力があったことも忘れてはなりません。主題歌がもたらす相乗効果も、全部。

唯一気になるのはタイトルにもあるランキングの話で。最終回でもまったく触れられなかったランキング要素は
本当に必要だったのか、「王様ランキング」というタイトルでよかったのか?と考えてしまいます。
なんかもっと適切で印象のよいタイトルはなかったものかと。注意を惹くタイトルではあるのですが。

「プラチナエンド」はメトロポリマン脱落以降が特におもしろく、期待を超える内容になっていました。
メトロポリマンがいたころは掛橋側とポリマン側の二極化で進んでいて、ちょっと退屈な印象があったのですが
残った神候補たちの理想や信条、死生観がぶつかり合う2クール目は見ながら考える楽しさがありました。
意外なカタチで神が決まり、さらにもっと意外な結末へ向かっていくわけですが…あの結末は賛否両論ありそう。

個人的な感想を言えば「えぇぇ…」みたいな(笑)どう受け止めればいいか困るような結末。
決しておもしろくないわけではないんですけど、う~ん…最終回の手毬さんがかわいかったから、まあいっか。


トップ3作品は上記で揺らぐことなく、以下は世間で話題になっていた作品が順当にならびます。
「ストーンオーシャン」はもう「ジョジョ」でおもしろくならないわけがないので、確実に上のほうに来ます。
「明日ちゃんのセーラー服」「その着せ替え人形は恋をする」は映像作品としての完成度でいえば確実に先に
挙げなければいけないと理解はしているものの、トップ3を揺るがすまでの存在にはならず。

「鬼滅の刃 遊郭編」も冬アニメといえば冬アニメなんですよね…ずいぶん昔のことのように感じてしまいます。
もはや各期の新作という枠を超えた、国民的行事と化した(笑)別枠扱いの作品ですね。

「平家物語」は同時期に大河ドラマ「鎌倉殿の13人」が放送されていた効果がやはり大きかったと思います。
アニメで見たばかりのエピソードがすぐに実写でも出てくる。こういう体験はなかなかできないんじゃないかと。
ただ、やはり尺不足は否めず。ものすごい早さで名場面が消化されていくので忙しない印象がありました。


尺不足については今冬のアニメ全体に言えるかも。全12話の作品がこんなに多いとは。
全体的に話数が少ないのに、地震による休止などで4月にはみ出してしまった作品もいくつか確認されています。

放送休止といえば、不正アクセスの影響で東映アニメーション関連のアニメの放送延期が相次いでいます。
代表的なのが「デリシャスパーティー プリキュア」で、第5話以降が1か月ほど先送りになってしまいました。
これに関してはもう完全に人災(犯罪?)なので、視聴者を含めた関係各位がかわいそうでなりません。

外的要因ではなく制作上の都合で休止を挿んだのは「東京24区」だけだったはず。CloverWorksなら仕方ない?


2クール作品で春以降も継続するのは「薔薇王の葬列」と「CUE!」。
「薔薇王の葬列」は率直に言って地味な、特に冬アニメのなかでは目立たない作品であったことは否めません。
しかし登場人物たちの相関関係、血脈、派閥をきちんと確認しながら見ると見応えがあります。
さすがはシェイクスピア、悲劇を描かせたらたいしたもんですよ。本作なりのアレンジもまたいいんですよね。
1クール目の終盤にかけてうなぎ登りにおもしろくなっていく、今期の特筆すべき収穫のひとつでした。

「CUE!」のほうはまあ…なんか本職の声優さんたちのあいだでにわかに話題になっている様子。
声優を題材にした作品というと、これまではどちらかというと現実的なシビアな描写に偏る作品が多かったので
見る前は身構えていたところがあったのですが、本作はとにかくポジティブに描いているのが大きな特徴。
声優という職業、彼らがもたらす効果に希望をもてるような、見ていて苦痛を感じないアニメになっています。

題材がなんであれ、ひたすら現実を反映するだけではアニメ作品としては伸びないでしょうしね。
アニメとして評価してもらうにはまず見始めてもらうこと、そして最後まで見続けてもらうことがホントに大事。


最後まで見続けて、なおダメだった作品もあるんですけどね…「フットサルボーイズ!!!!!」っていうんですけど。
東京五輪前後に作られたたくさんのスポーツものアニメのなかでも下から数えたほうが早いくらいで。
競技の魅力を描こうという気配が1ミリもない、スポーツものという枠を取り除いても飛び抜けて残念な出来。
サッカーとは明確に異なるポジションの呼び方の説明すら最後までなかったですからね…。

野球でいえば9回裏2死満塁みたいな、その競技のおもしろい状況ってありますよね?
それは競技を理解していればこそ設定できるものであり、ひいては競技の魅力を伝えることにもなるわけです。

走って、蹴って、棒立ちのキーパーの脇をボールが通り抜ける。毎試合そんな描写を繰り返すだけ。
点数が多いか少ないかだけで試合の緩急が描かれる。こんなに眠くなるスポーツものも珍しいですよ…。
ストーリーの主軸になっていた『榊が大和にパス出せない問題』も最終回まで引っ張るような話題ではないし。

同じスポーツものという枠でいえば「リーマンズクラブ」のほうが見応えはありました。特に第7話。

バドミントンという競技のなかで心理的にどんな読み合いがあるか。会場の影響に左右されるか。
詳しくない人が見ても「そういうことが起きうる競技なのか」と感心しつつ、興味をもって見ることができる。
競技のおもしろいところ、特殊性をきちんと理解していないと書けないエピソードであると思いました。
特筆すべきはこの回を担当した脚本家がこの第7話しか書いていないこと。

他の回は正直そこまででもなく…第7話を山頂として、ゆったり上がってから下っていってるような印象。
「リーマンズクラブ」は放送開始が他より遅かったため、4月中旬まで放送が続くようです。


エピソード単位の話として、「佐々木と宮野」の第11話にも触れておきましょうか。
本作はいわゆるBLもので。BLはあくまで夢の産物で、現実とは切り離して楽しむべきものと思っていたのですが
それが身近なところに、家族や友人に降りかかってきた場合どう受け止めるか、考えるきっかけを与えるような
特殊なエピソードであると個人的には感じました。それまでの空気感とくらべて異質でしたしね。

半澤先輩の兄のカミングアウトは衝撃的で、聞かされた家族の反応のほうがファンタジーに見えたほど。
この『日常にそういう人がいる』という価値観の転換を踏まえて、佐々木と宮野の関係を見守ることになるのが
最終回へ向かう前の準備としてなかなか興味深いものに映りました。

アニメ化されたBLもので「僕たち付き合ってます」と、きちんと交際を公言するのって珍しいと思いますし。
終盤までのライトな雰囲気からは想像できない、新しいものを見せてくれた作品として紹介しておきます。


さて…アニメの感想をこのような形式で長文で掲載するのは今回が最後となります。最後にする予定です。
書いても読まれない実情については以前からお伝えしていましたが、書くにあたっての下準備の大変さもあるし
その下準備によってアニメを楽しみにくくなっている感じもあり、損失を無視できなくなっていまして。

まったく書かなくなるわけではなく、もうちょっと『どうでもいい感じの』記事にしようかと(笑)
独断と偏見で決めたランキングだけ載せるとか。徹底的に文量を減らして記録化すると、そんなふうになりそう。

アニメの感想を書かなくなったらブログの更新頻度が落ちる…何か新しいことを考えないといけないかな。



ワースト作品については各人思うところあるでしょうけど、最終回まで見続けることができた作品から選ぶなら
個人的には「フットサルボーイズ!!!!!」か、最終回の内容次第では「東京24区」もありえるかも。
当記事掲載時点では第11話まで放送済みで、その11話が特にひどかったので…『特に』というのも問題で。
これまでも失笑してしまうような展開が続き、しかも先述の放送休止もあって。褒めるところがないんですよ。

「見てるとIQ下がる~!」くらいなら楽しくてよいのですが、11話は「見てると頭おかしくなる…!」と真剣に
苦痛を覚えるほどヤケクソ気味なシーン(と演技)が続き、ここに書かずにいられなくなりました。

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2022年1月19日 (水)

2022年 冬アニメ寸感

新年も忙しくさせていただいております。幸いなことに、ブログに書くネタが尽きる気配がありません。
いつかそんな日も来るのではないかと思いつつも、なんだかんだで15年以上毎月更新が続いてる長寿ブログです。
ただ、さすがにそれだけ続くとフォーマットの古さは気になってくるんですよね。
PCからの閲覧を前提とした作りをいつまで続けるのか。変更するなら過去の記事にも影響するし、難しいところ。


さて、冬アニメの新作の話を進めましょう。今期は新作の総数が少なめな印象があります。
再放送枠の比率が高めで、東京MXだけでなくテレビ東京のアニメ枠も大半を再放送の作品が占めている状態。
旧作の再評価の可能性が広がるし、新作を追いかける身としては負担が軽いしで理想的なバランスだと思います。

しかしパッとしないというか、今期はピックアップ作品として挙げられそうな新作が5つも見つかりません。

単純に絵がキレイなアニメなら挙げられるのですが、自分の好みに噛み合う内容とは限らないわけで。
たとえば「その着せ替え人形は恋をする」にしても「明日ちゃんのセーラー服」にしても、絵はキレイであると
認める作品ではありますが、かなり見る人を選ぶ、率直にいえば『性癖に訴えかけるアニメ』ですよね(笑)
そこが刺さる人もいれば嫌悪感を覚える人もいる、コアなジャンルのアニメだと思うんです。

先述の2作品、残念ながら個人的には『おもしろいアニメ』とは映りませんでした。
念のため言っておくと貶すつもりはありません。あくまで自分のツボには刺さらなかったというだけの話です。
『かわいいがあるアニメ』ともちょっと違うし、やっぱり『性癖に訴えかけるアニメ』が適当かなぁと。

タイトルを挙げたついでで言うと、この2作品は土曜日のアニプレックス固定枠で放送されています。
これまでアニプレックス系列のなかで看板タイトルと呼ぶべき、有名かつ人気のある作品が放送されてきた枠で
その傾向から考えると異色な、大衆性が高いとは言えない作品が配置されたことに違和感を覚えていました。
なぜだろう?と疑問に思ったもののすぐに納得のできる理由が見つかりました。「鬼滅」があるから

前期から引き続き、今期も「鬼滅の刃 遊郭編」が放送されているから、ほかで冒険ができる。
でなければこんなニッチな…は失礼か(笑)えーと、『性癖に訴えかけるアニメ』で固めてはこないだろうと。


では、今期自分がピックアップ作品として挙げるのはどれか?といいますと。まずは「時光代理人」です。

「時光代理人 -LINK CLICK-」は昨年初夏にbilibiliで配信されていた中国産アニメ。制作は瀾映画。
日本版製作はアニプレックスとなっているので、本作も実質アニプレックス系列の作品と言えるかもしれません。
ちなみに監督は「天官賜福」と同じ人だとか。と言われてもまだピンとこない感じはありますが…。

写真の世界に入る能力をもつトキと、その写真の撮影後12時間の出来事を把握できる能力をもつヒカルの物語で
第2話までの範囲でいえば産業スパイのような、企業秘密を盗み出す仕事をおもに請け負っている様子。
写真というとアナログなものをイメージしがちですが、スマホで撮影してSNSにアップロードした写真からでも
同じように調査可能で、初回のエピソードでは特にスマホが重要なアイテムとして機能していました。

中国産アニメの良いところは、日本人が描く『外から見た』異文化ではなく現地の異文化を感じられること。
どんなに日本人が綿密な取材をしても、描く異文化にはどこかしら日本がにじみ出てきてしまうものです。
何気ない生活の描写や物事の考え方に日本人には出せないものがある。そこが魅力であると思っています。

中国の食品衛生、家族の問題や働く女性の待遇など、一瞬に盛り込まれた情報の多さにも惹かれました。

同枠で放送される中国産アニメにしては珍しく、キャラクターの名前が日本向けにアレンジされてるのも特徴で
「魔道祖師」で感じた名前を把握する難しさ(笑)は本作ではクリアされています。


次に気になった作品は「TRIBE NINE」。ライデンフィルム制作の近未来エクストリーム野球アニメ(!)

「八月のシンデレラナイン」のアカツキ、「ダンガンロンパ」の中核スタッフで結成したトーキョーゲームスの
タッグが生み出した、両社のいかにもな個性が爆発したエキセントリックな野球アニメになっています。
街中に疑似的に配置された塁でグラウンドを形成。ホームランやフライはなく、守備側が攻撃側を止める場合は
タッチアウトが必要で、それは逆に言えば『殴られなければ絶対にアウトにならない』ルールでもあります。

ひょんなことからエクストリームベースボールの抗争に巻き込まれた、フィジカルは弱いけど目はいい主人公と
あらゆるポジションで超一流のリーダー(CV石田彰)らが中心となって物語は進んでいきます。

メチャクチャでおもしろい。メチャクチャだからおもしろい。インパクトだけで言えば今期随一ではないかと。
作画の面で若干の不安は感じていますが、それを押し切れるだけの勢いとパワーを感じます。
第2話のラストでもうラストバトルみたいなノリになってますしね…興味が湧いたなら一度ご覧ください。


ピックアップ作品は以上…かな。あとは継続枠の作品が豊富なので、個人的にはそれだけで満足できそう。
前期から引き続き放送の「王様ランキング」「プラチナエンド」「ルパン三世」に先述の「鬼滅の刃」。
加えて「プリンセスコネクト!Re:Dive Season2」「ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン」などなど
絶対の安心感がある続編が揃っており、あえて冒険する必要がない気がするんですよね。

さらに追加するなら、「平家物語」は大河ドラマ「鎌倉殿の13人」と合わせて見ていけそうと思っています。
多くの方が注目してる作品だろうし、あえて自分が取り上げるべきでもないか…という判断。それと嗜好。

ソシャゲ原作モノでは「ドールズフロントライン」がちょっと気になってます。
以前放送されていた「どるふろ」とはまったく味付けの異なる、ちゃんとソシャゲ原作をベースにしたアニメで
ゲームの流れや同型のキャラが大量にいる違和感をうまく映像に落とし込んでいるなぁ…という印象。
あとオープニングがカッコいいです。ただし本編への落差を感じるのも正直なところ。

異世界モノからは消去法で「リアデイルの大地にて」か、もしくは「異世界美少女受肉おじさんと」
あくまでコメディとして、変に鼻につくところもなく寒さも感じず娯楽として楽しめそうなチョイスとなります。
「リアデイル」は厳密に言うとVRMMO転生なのですが、まあざっくり同じジャンルにまとめてもよいかと。


ちょっと脱線しますけど、VRMMOを扱った作品として「SAO」くらい有名なアニメがあるのにいまだに認識が
古いというか、VRMMOの表現として「Ultima Online」のようなクォータービュー視点の絵で紹介しようとした
時代遅れも甚だしい冬アニメがありましてね…さすがに呆れましたよ。
ゲーム世界の表現として劇伴をチップチューンにしちゃうとか、そういう感性は平成で終わりにしてほしかった。

似たようなところで今期もうひとつ気になったのが「佐々木と宮野」の小道具に見る時代表現。
ガラケーやIPod shuffleを使っているのに駅にはホームドアが設置されてたりして、これはいつなんだろう?と
見ていて疑問に思ったのですが、古いものを好んで使っている可能性もあるのでなんとも言えません。

マンガの貸し借りって紙の本だから成立する文化で、電子書籍オンリーになったらどうなってしまうのでしょう?
カセットテープやMDによる音楽の貸し借りは既に絶滅しているし、同じように変わっていくのでしょうか。


今期はとりあえずこんなところですかね。新作の総数が記事の長さにも少なからず影響しています。

今月15日に発生したトンガ噴火の影響で、放送開始が月末までずれ込んでしまった新作を1本確認しています。
さすがにそこまで記事の掲載を遅らせることはできませんでした。印象次第では追記もあるかも?

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2022年1月 3日 (月)

2021年 秋アニメ総括

年が明けてしまった…本当なら昨年末に書いて掲載まで済ませるつもりでいたのですが、「FF14」などで忙しく
どちらの感想を先に書くか、考えて決めたというより優先順位が自然と定まってしまったのです。
正直に言えばその温度差ですよ。秋アニメは全体的に低調だったと個人的には感じています。

新作寸感でピックアップ作品として挙げていたアニメの半数がビミョーな結果に終わったことが理由のひとつ。
なかでも「サクガン」の惨状はたとえサテライト枠という贔屓であってもフォローできないレベルのものでした。


「サクガン」はやっぱり、1・2話で提示された魅力的な部分がそれ以降まったく得られなかったことが大きくて
「この先もこういう話が続くのだろう」と勝手に期待してしまった自分が悪かったのかもしれません。
その後カイジュウは出てこないし、地下世界は思っていた以上に開拓されていて未知の領域がほとんどないし。
各コロニーで発生する人間同士の揉め事を渡り歩いていく話になるなんて思いもしませんでした。

それと結末ですよね。打ち切られたマンガのようなあの最終回を見せられ、呆然としないわけがない。
期待したものと方向性が違っていたとしても、描こうとするテーマが明確で完結していたならよかったのですが
提示したものを全部投げっぱなしで、分割2クールでもなく2期の告知もなく本当にあれで終わりなんて…。

原案を一般公募したこと自体を悪く言いたくはありませんが、どこまで完成していたのかは気になるところ。
いや、仮に未完だったとしてもキレイに終わるよう構成してアニメ化すべきだったはず。

ロボットアニメとしての魅力も1・2話がピークだったと思います。いや…ホントに褒められる部分が少ない。

それでも秋アニメのワーストではない。フォローではありませんが、そこは明言しておきます。
ワーストではないから最初の話題として触れられるわけで。ロボットアニメという範囲でもワーストはないです。


「サクガン」とならんで「こういう話になるとは思わなかった」な作品だったのが「海賊王女」
こちらは終盤までは満足のいく内容で、終盤で急に世界の存続とか、それまで匂わせもしなかった大規模の話が
持ち込まれたことで風呂敷を畳みにくくなってしまったのが原因であると考えています。
アベルとヘレナの結末はよかったし、もっと小さな規模で話をまとめてくれてよかったのではないかと。

「海賊王女」について、『GONZOが元気だった時代のアニメっぽい』なんてコメントも見かけました(笑)
自分は褒め言葉として受け取ってます。ある種のノスタルジックを本作に求めていたことは否定できません。


秋アニメの個人的ベストは、ハッキリした順番はつけられませんが以下の5タイトルとします。

 ・「さんかく窓の外側は夜」
 ・「やくならマグカップも 二番窯」
 ・「闘神機ジーズフレーム」
 ・「シキザクラ」
 ・「古見さんは、コミュ症です。」

意外なタイトルがならんでいると思われるかもしれません。地方や海外主動のアニメが結果として上位に。
寸感のピックアップからそのままベストにはいったのは「やくも」と「古見」さんの2作品。

「さんかく窓の外側は夜」は前評判の高さは聞き及んでいたものの、見事と言わざるをえないおもしろさ。
BLっぽさは序盤を過ぎると影を潜め、誰の身にも降りかかるおそれのある恐怖、予想外に熾烈な能力者バトルと
視聴者層の幅を絞ることなく、そして1クールというパッケージングの完成度まで高い傑作でした。
その魅力がキービジュアルから読み取りづらく、アニメのレビューシーンでは挙がりづらい作品なのかも。

最終的にちゃんとBLに戻ってくるし、しかも受け攻めが逆転するところも強いですよね(笑)


「やくならマグカップも」はまず、アニメーションとしての魅力にあふれていたことが選出の大きな理由に。
声優の演技にたよることなく、絵がきちんとお芝居をしている。特に引きの絵での芝居付けが本当にこまかくて
それが顕著に表れているのが毎回流れるオープニング。そしてオープニングだけに留まっていないのがすごい。

ご当地アニメを成功させることの難しさはいまさら説明するまでもありませんが、陶芸というテーマの難しさも
加わったうえで、この完成度と地元からの愛され具合ですから。大成功と言って差し支えないかと。
単純に日常アニメとして見ても穏やかでかわいいし、メッセージ性を読み取れるだけの奥行きもある。
普段アニメを見ない人に、当たり障りを考えつつ(大事)一本オススメするとしたら本作を推すまであります。


2021年はロボットアニメ豊作の年で、秋アニメに限っても結構な数のロボットアニメが揃っていました。
そのなかからあえて「闘神機ジーズフレーム」を挙げたことを、寸感のころの自分に教えたら驚くでしょうね。

平成ガンダムシリーズ、特に「SEED」と「ダブルオー」の影響を色濃く感じる本作。
設定の緻密さと、本編への反映には感嘆するほど。エネルギー問題を主軸に据えてあるのもおもしろいところ。
良いアニメを作ろうという気概がひしひしと伝わってきて、1クールのあいだずっと好感しかありませんでした。
戦闘シーンが棒立ち気味だったことを除けば、昨年放送のロボットアニメのなかでベストもある…かも。

さすがに褒めすぎかもしれませんが。でも、国産のロボットアニメはもっとがんばったほうがいいと思いますよ。

「シキザクラ」は自分のなかではロボットアニメというカテゴリーではなく、特撮ヒーローの『写し』です。
でも『写し』が本家を超えることもあり。本家ニチアサよりも熱いヒーローものに仕上がってました。
本家が奇をてらうことに執心して立ち返ることができなくなった王道の路線が本作では描かれていた気がします。

手描き回のギャグ路線で判断が分かれるかもしれません。単純に絵だけ見比べてもCG回との落差はありましたし
特撮ネタの盛り方がしつこいし(笑)で、もう少しバランスよくやってくれれば…と思わなくもなく。

「古見さんは、コミュ症です。」は挙げたことに異議を唱える人はまずいないでしょう。期待どおりの出来。


新作寸感で紹介していた残りの一本、異世界ものというカテゴリーから注目作品として挙げた「真の仲間」こと
「真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました」
タイトルの「スローライフ」から想像したものとはまったく違う内容でしたが、タイトル詐欺ってわけではなく
「することにしました」なので、決定には間違いないんですよね。実現が難しかっただけで。

生まれ持った加護に悩む人たち。それは勇者という特別な存在でも違わず。
周囲から望まれる生き方と自身が望む生き方のギャップ。意外とシリアスなテーマが描かれていました。
その過程で、薬物による血生臭い事件なんかも起きて…望んだ「スローライフ」とは程遠い現実。

そういう作品であると最初からわかっていればすんなり見られる。プロモーションの方向性が問題なのかも?
懸念していたリットの影響力は最後まで大きかったなぁ。ラブシーンの主張がデカいのよ最後の最後まで。


ほかに特に触れておくべき作品はあったかな…思い出されるのは「プラオレ!」くらいですかね。

「プラオレ!~PRIDE OF ORANGE~」はソシャゲ原作でマイナースポーツが題材、そしてご当地アニメという
三重苦と言っても過言ではない条件を背負っていましたが、終わってみれば上々の出来だったと思います。
見続けていればきちんと得るものがある、トップ5は無理でもトップ10には入るくらいのポジション。
ビクトリーダンスの必要性は最後までわからんかった(笑)最終回でもライブへのつなぎ方に苦心してた様子。

「王様ランキング」と「プラチナエンド」、そして「ルパン三世 PART6」は今期も継続して放送されます。
「ルパン」は安定の出来。ゲスト脚本の回もルパンへの理解度が高く、それでいて個性もあって楽しめてますし
ホームズが絡む本筋の部分だけでも2時間スペシャルのようなまとまりのよさがありました。

「王様ランキング」は現段階までは、噂で聞いていたよりも全然楽しめてますね。噂はしょせん噂か。


ネットでバズった系作品のアニメ化は今後も続いていくみたいで、「ちいかわ」や「川尻こだま」のアニメ化が
すでに発表されています。それ自体は悪いことだとは思っていませんが、危惧がないとは言えず…。

話題性があるうちに、稼げるうちに商品化してしまおう!という勢いが伝わってくる怖さといいますか。
日本人は熱しやすく冷めやすい性質があり、一過性のブームの末路を思うとやっぱり不安にもなるわけですよ。
それと、アニメ化に際してのキャスティングの安直さが鼻につくところもあり。

原作枯渇による『なんでもアニメ化』なんて話が少し前にささやかれていましたが、原作枯渇というより実際は
どういう層に向けてアニメを作るか、原作の選び方がまったく変わってしまったのかもしれません。
おかげで、アニメ化しなかったら絶対に触れることのなかった作品に触れる機会を得ることもあったりして。
自分自身の価値観をアップデートする意味では良い方向へ働いてるのかな。そう思えば楽しめそうな気がします。

歌い手のブームを過ぎて、VTuberが主題歌に食い込んでくる流れも同じように受け入れられるでしょうか…。

まあタイアップなんて、レコード会社がそのときプッシュしてるアーティストが来ているだけの話なんですけど
これまでアニメの主題歌を担当していたアーティストたちはどこで活動しているのやら。



Twitterのフォロワーさんのなかには年間ベスト10を発表する人もいて、自分も便乗して考えてはいたのですが
こっちを入れようと思うとあっちを削らねばならず…みたいな。なかなか難しいものです。
「ウマ娘」の2期や「Re:ゼロ」2期後半ははずせませんが、あえて自分が選ばなくてもいいかな?という扱い。
あえて自分が発表するなりのカラーが出るラインナップをと思い、選んだ10作品は以下のようになりました。

 ・「SK∞」
 ・「キングスレイド」
 ・「セブンナイツ レボリューション」
 ・「憂国のモリアーティ」
 ・「BLUE REFLECTION RAY/澪」
 ・「NIGHT HEAD 2041」
 ・「天官賜福」
 ・「小林さんちのメイドラゴンS」
 ・「カノジョも彼女」
 ・「やくならマグカップも」

この10作品ならどれも胸を張ってオススメできますね。ジャンルもバランスよく選べた感じ。
ここにあえて「カノジョも彼女」を入れたのは、笑いの方向で飛び抜けていた作品も入れたかったという理由と
コメディ全振りでありながら記憶に残る作品は自分としては珍しく、挙げずにいられなかったから。

このなかでもっとも忘れがたい作品は「ブルリフR」かもしれません。なのにソフト化中止なんて…。
しかし今年になって全編リテイク版の一挙放送が発表されまして。ソフト化の予定もないのにリテイクします?



じつは正月2日にこの記事を書きながら、溜め込んでた「鬼滅の刃」のテレビ版「無限列車編」~「遊郭編」を
自主的に一挙視聴しておりました。合計6時間半。まるで熱心な「鬼滅」ファンみたいな年始。
一挙なんてほかのアニメでもそう滅多にやることじゃないので…いや、そうでもしないと消化できなかったので。
これでようやく最新分に追い付けます。それが終わったら今期の新番組のチェックだ。遅めに始まってくれ…。

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