2022年7月19日 (火)

2022年 夏アニメ寸感

■お気に入り作品リスト(8/27 暫定)
「神クズ☆アイドル」
「ちみも」
「連盟空軍航空魔法音楽隊ルミナスウィッチーズ」
「RWBY 氷雪帝国」
「ブッチギレ!」
「量産型リコ」(実写ドラマ)

■続編&継続作品
「メイドインアビス 烈日の黄金郷」
「邪神ちゃんドロップキックX」
「オーバーロードⅣ」
「シャドーハウス 2nd Season」
「ラブオールプレー」
「サマータイムレンダ」
「カッコウの許嫁」
「オリエント」

■迷作ピックアップ
「東京ミュウミュウにゅ~」
「シュート! Goal to the Future」
「Extreme Hearts」

 ※あくまでリストアップであり、順番が順位付けになっているわけではありません。

今期はまだちょっとわからないですね…続きモノをしっかり追っていれば間違いないとは思うのですが。
新作のなかからこれといったものをピックアップするのにちょっと困る、これは確実におもしろくなると言える
作品を自信をもって挙げることができず、見てて楽しい作品をとりあえず挙げている状態です。

ヤバそうな作品は確実に挙がるんですけど(笑)その、ヤバいにもいろいろ種類がありまして。
「シュート!」の1・2話はアニメ史に残るレベルの恐怖を体験できるので、特殊な意味でオススメです。
まさかサッカーのアニメでこんなに怖い思いするなんて誰も思わないじゃないですか…。
でも、この強烈なフックがなかったらたぶん関心はもてなかったと思います。よく言えば上手い作りですね。

「Extreme Hearts」のほうは、現代人の生活を知らない仙人が想像したかのような近未来の描写がひどすぎて
社会に関心をもたない人たちが描くとこんなに不自然になるのか…と、不憫な気持ちで見つめています。
狙ってやってる可能性もあるのかな。90年代のSF観で描いた『ネオ昭和』的な近未来として。

「東京ミュウミュウにゅ~」が代表格ですが、今期は『時代の再現』を感じる作品が多い気がします。
どういう層に向けて作るか、どういった層がお金を落としてくれるか。そのへんが明確ってことでしょうね。


あとは…お笑いを題材にしたアニメってやっぱり難しいんだなと、あらためて実感。
おもしろくできたためしがない。何かが根本的にアニメという媒体に向いていないのかもしれません。
単純にネタがつまらないだけの可能性もありますが、ネタを書いている人たちが直接舞台上で演じるお笑いとは
全然違うものだし、笑いを取る気があるなら笑いの取り方を変える必要があると思います。

お芝居の流れでどうしてもステージに上がってる絵がほしいだけなら、べつに笑えなくてもよいのですが。
でも、笑えないお笑いのアニメってなんか致命的じゃないですか。かわいくない美少女アニメみたいな。

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2022年6月30日 (木)

2022年 春アニメ総括

■好評価作品リスト
「薔薇王の葬列」2クール目
「ビルディバイド -#FFFFFF-」
「パリピ孔明」
「SPY×FAMILY」
「BIRDIE WING -Golf Girl's Story-」
「乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です」
「古見さんは、コミュ症です。」2期
「社畜さんは幼女幽霊に癒されたい。」

■6月中に放送終了しなかった作品
「可愛いだけじゃない式守さん」※制作上の都合
「カッコウの許嫁」※放送スケジュールの都合
「ラブオールプレー」2クール作品
「サマータイムレンダ」2クール作品?


寸感に続いて総括のほうも形式を変更。従来より文量を減らすつもりで書い…ていたはずなのですが。
やっぱり思い返すうちに「あの作品のここは書いておきたい!」という欲求が次々出てきてしまうのです。


自分にとってアニメの『おもしろい』はストーリーによるところが大きく、ストーリーで満足感を得られないと
どんなに他の部分(たとえば絵や音楽など)がよくても『おもしろい』という感想にはいたりません。
この評価軸については以前から変わることなく、今期のアニメにも適用されています。

ただ、今期は5月の上旬から6月にかけて、5年に一度あるかないかという規模のストレスに晒されていた影響で
特にこの期間は『見ててストレスが溜まるタイプのアニメ』に対する評価が厳しめだったと自覚しています。

そもそも『見ててストレスが溜まるタイプのアニメ』は作品としてダメなんじゃないの?って気もしますが。

ストレスのかけ方がうまい作品と、ただただストレスが溜まるだけの作品はやっぱり全然違うと思うんですよ。
ある展開を見ているとき、視聴者がどれくらいストレスを感じるか、そのストレスをどこで処理するか。
視聴者の視点に立ってきちんとストレスをコントロールできているか。そういう意識の有無が見えてきます。


「薔薇王の葬列」は見ていて気持ちよくなるようなストーリーではありませんが、それでも最上位に挙がるのは
見ててしんどいけどおもしろい、史実がベースなのに悲劇への昇華が巧みだったおかげかもしれません。
さすがはシェイクスピア。それに本作独自の解釈、加えて近年の研究であきらかになった事実なども織り込まれ
史実や原案を知っていてさらに楽しめる、それに悲劇を彩る恋愛もある、今年を代表する1本になりました。

今期は「薔薇王の葬列」と大河ドラマ「鎌倉殿の13人」のせいで毎週日曜の夜はどんよりしていました。
それだけこの2作品を熱心に、能動的に見ていたと言えます。楽しむための調べものもいっぱいしましたから。


放送が始まったころは正直、アニプレックス枠の余りを埋める程度の作品と捉えていた「ビルディバイド」
この1クールで同期のアニプレックス系列作品を退け、あれほどおもしろくなるとは…よもやよもやの展開。
同期の他の作品が勝手に失速したという見方もできますが…それだけに留まらない出来でしたね。

TCGってスポーツものと同じくらい、ルールという制約があるなかでドラマを描く難しさがあると思うのですが
本作はじつに巧みに対戦が組み上げられていて、題材への理解度が色濃く伝わってきました。
カードのひとつひとつ、それらを駆使して戦う登場人物たちが端役にいたるまで記憶に残る活躍をしている。
始まったころと最終的な感想が真逆と言ってもいいほど、黒が白に変わるほど変化した2クール作品でした。

難点をひとつ挙げるとすれば、肝心のTCGの部分が視聴者に浸透しているとは言いがたいところですか。
初心者向けの解説がないまま最後まで走り抜けていった感じで、商品のプロモになったかどうかは疑問…。


同期の他の作品、「群青のファンファーレ」は二匹目のドジョウならぬ、二頭目のダービー馬にはなれず。
急に1年後に飛んだ第8話あたりから多少巻き返した感はあったのですが、前半戦で抱えた負債を返し切れなくて
結局これといって褒めるところがない、競馬学校を舞台にしたなりの熱量が伝わってこないまま終わりました。
もっと言えば、競馬への敬意を読み取れない。敬意があったら実在の馬名を使った下ネタとかやらんよな…。

放送枠が「SPY×FAMILY」の直後じゃなかったら途中で切っていたと思います。
楽しく見れていたのはJO1のファンくらいじゃないかな…いや、JO1のファンでも最後まで見れたかどうか。


「パリピ孔明」「SPY×FAMILY」については世間一般の評価と大差ないと思います。良き娯楽作品。

「SPY×FAMILY」の続きは10月から。「デート・ア・ライブⅣ」は順当に「Ⅴ」に続くそうで。
「かぐや様は告らせたい」はあそこまでやり切ってしまったら続きを描けないのでは?と思ってたら新作が発表。
「本好きの下克上」も待っていればそのうち続きを見られるでしょうか。完結までアニメ化…できます?

続きものからひとつ話題を。「盾の勇者の成り上がり」の2期はダウンロードコンテンツみたいな内容でした。
本筋である四聖勇者たちの世界の話を一旦保留し、並行する別の異世界の出来事を描いていた2期。
よく言えば世界観を広げることができた、悪く言えば本筋の進行を意図的に止めていたような印象があり…。
本来対処すべき『波』が端に置かれ、ひたすらキョウに振り回されていたのもそう感じた理由かもしれません。

2期全体がアニオリだったと言われても信じられそう。週刊連載のマンガのアニメ化によくあるような。
ひとつひとつの出来事の扱いが特に後半は非常にあっさりしていて、登場人物の死の描写も軽くて驚きました。


いまの時代にゴルフアニメなんてどういうつもりなんだ?と、界隈を騒がせていた「BIRDIE WING」
令和版「プロゴルファー猿」という見方もあながち間違いではなく、ゴルフには不釣り合いなデタラメな熱さが
ほとばしる痛快娯楽作品として、近所では「SPY×FAMILY」よりも盛り上がっていた感があります。

コアなアニメファンがどういうものを見て喜ぶかちゃんと計算されて描かれているアニメとでもいいますか。
商業的に成功するかはわかりませんが、見た人の心に深く刻まれたのは間違いありません。

いわゆる異世界転生ものである「乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です」を高評価作品のひとつに挙げた理由は
異世界転生ものというジャンルに留まらず、今期の作品全体で見ても好感触な内容だったから。
登場人物がどいつもこいつもクセが強いのに、心底イヤなヤツがいないおかげで気持ちよく見ていられる。
仲良くないなりに信頼し合って、協力して難局に立ち向かう彼らの物語をもう少し見ていたいと思えました。

「古見さん」の2期は終盤ちょっと作画に不安があったのが惜しい。それ以外は期待したとおり。


高評価作品に「阿波連さんははかれない」を入れなかったのは終盤の恋愛モードに多少の疑問があったので。
ライドウくんと阿波連さんは異常な距離感にありながら恋愛関係にはない、奇妙な関係によってコメディとして
機能していたところがあったので、キャンプ回から最終回Bパートまでは違和感を覚えつつ見ていました。
なんというか…男女バディものだったはずなのに熱いキスで終わるハリウッド映画みたいな違和感?

違和感といえば「ヒロインたるもの!」の終盤の展開も見ててちょっとモヤモヤしましたね。
千鶴が起こした事件は友達うちや学校内という狭い範囲を超えて、多大な社会的影響をもたらしていたわけで。
さらには校内での暴力沙汰。これをただのケンカ、仲直りしてハイおしまい!とするのは無理があったのでは。
最低でも停学から自主退学になってもおかしくないレベルの事件ですよ。
平和な世界で起きたちょっとしたケンカのつもりで描くなら、規模をコントロールする必要があったと思います。

現代劇の場合、現行法に照らし合わせてこの描写はどうなんだい?という意見がしばしば出てきます。
今期だと「パリピ孔明」の終盤で描かれた渋谷109前でのゲリラライブがそれで、往来の激しい渋谷の一等地に
大型トレーラーで乗り付け、道をふさいでライブを始めたシーンを見て「冷めた」という声を見かけました。

「パリピ孔明」ではこのシーンの以前に、無許可の路上ライブへの注意と許可証の描写が出てきます。
なので、『さらに大きなライブをやるのに許可を得てないわけがない』と考えるのが自然なのではないかと。

この『前段を用意する』というのが地味に大事で、平和な世界に突然の暴力を用いた「ヒロインたるもの!」は
やっぱりちょっと頭のネジが飛んでいるというか(笑)すげえアニメだな…と思いました。
決して否定的な目で見ているわけではなく。むしろ今期のなかではかなり好意的に見ていた作品のひとつです。


冒頭でお伝えしたストレスの影響で「社畜さん」を泣きながら見ていた日もありました。
優しさだけでできている世界への憧れと、どうして現実はこうなれないのだろう?という悲しみが入り混じって
メチャクチャな感情になりつつも、どこか客観的かつ冷静に自分自身の状態を捉えていたような。
健常であればこの内容では泣かないだろうと。時間が経って、落ち着いたいまとなっては余計にそう感じます。

アニメは現実をより楽しむための現実世界の産物である。この持論が揺らぐことはありません。
現実の良いところを見つめて、悪いところには心を囚われないよう今後も楽しんでいければと思います。

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2022年4月18日 (月)

2022年 春アニメ寸感

■お気に入り作品リスト(暫定)
「パリピ孔明」
「SPY×FAMILY」
「阿波連さんははかれない」
「乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です」
「可愛いだけじゃない式守さん」
「BIRDIE WING -Golf Girl's Story-」
「社畜さんは幼女幽霊に癒されたい。」
「薔薇王の葬列」2クール目
「古見さんは、コミュ症です。」2期

■続編&継続作品
「CUE!」2クール目
「かぐや様は告らせたい -ウルトラロマンティック-」
「デート・ア・ライブ IV」
「舞妓さんちのまかないさん」第26話~
「ラブライブ! 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」2期
「ビルディバイド -#FFFFFF-」分割2クール目
「極主夫道」第6話~
「境界戦機」分割2クール目
「盾の勇者の成り上がり」2期
「本好きの下克上」3期
「まちカドまぞく2丁目」

 ※あくまでリストアップであり、順番が順位付けになっているわけではありません。

こうしてタイトルだけずらっと挙げると、以前のような寸感の書き方よりも作品数の多さを感じますね…。
これでも全体の半数を超えない程度なのだから、全部見ている人の負担たるや。

バドミントンを題材にしたアニメが続いているのは今年の8月に世界選手権大会がある影響なのかもしれません。
今期はスポーツものに関しては当たりのシーズンと言えそうです。ただし競馬学校を除く。
土曜深夜のアニプレックス固定枠で「ビルディバイド」がもっとも好感触になるとは思ってもいませんでした。
前期「鬼滅があるから」と書きましたが、作品選びの方針が上層レベルで変わった可能性はありそうですね。

「パリピ孔明」は期待どおり。一番熱心に見ているのは「薔薇王の葬列」になると思います。



世の中にはすべての放送作品の感想を毎話書いているライターもいるのだとか。自分にはマネできません。
仕事の量や時間の問題ではなく、『良い感想を書けない作品』も確実に出てくることがその理由。
「どんな作品でも良いところを見つけて、読みに来る人々を喜ばせるのがライターの仕事」と言われてしまえば
それまでなのですが、書くことでお金が発生するライターと趣味で書いてる自分とでは立場が異なります。

お金をもらえるなら嘘も書きますが(笑)…なんて言い方をするとライターの方々に失礼か。

参考になるレビューとは、『良いところも悪いところも平等に紹介してあるもの』と個人的には思っています。
良いところだけを紹介しているレビューはどのみちバレてしまう。わかっている欠陥を隠しているようなもので
それは参考になるレビューとは決して言えません。間違った善意ではないかと。

でも、これに関しては善悪の判断が分かれるところでしょうね。「悪く言うな」という善意もあるわけで。
善意というより閉鎖的なコミュニティにおける同調圧力。仲良しごっこを続けたいから荒立てたくないみたいな。

個人ブログという時代遅れな場で感想を発信し続ける理由は、誰かに配慮して書かなくていいからでもあります。
自分の居を構えて、立場を明確にして、自分だけが編集顕現をもっている場所で思ったとおりに感想を書く。
自分の感想を守るために必要な手段。…まあ、アニメの感想を侵害された経験なんてこれまで一度もないけど。

ゲームの感想のほうでは稀にあります。「俺はそう思わない、訂正しろ」というご意見をいただくことが。

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2022年4月 4日 (月)

2022年 冬アニメ総括

コロナだけでも世の中慌ただしいというのに、新たな騒乱が巻き起こり…平和のありがたみをあらためて実感。
同時に、我々にできることのあまりの少なさに無力さも感じます。せめて知る努力だけは怠らないようにせねば。

さて…冬アニメの時期も過ぎまして。すでに春の新作も一部放送がはじまっているのですが、まずは冬の感想を。

全体的な話をすると、放送開始前の期待や初回の印象から大きくブレることのないシーズンでした。
寸感で筆頭に挙げた「時光代理人」の衝撃的なおもしろさは他の追随を許さず。そして残酷なクリフハンガー。
最終回にあんなことされたらホント困る…いや、うれしい悲鳴ではあるのですが。
シリーズ構成の妙。最初から最後までムダなエピソードがひとつもなく、すべてがクライマックスにつながる。
「こんなおもしろい作品がまだまだ出てくるんだ」と、脅威と驚喜が入り混じった感情で最後まで楽しめました。

この感覚、アニメではありませんが「アンナチュラル」を見ていたときのそれに近いかもしれません。
できるだけ多くの人に見てもらいたい。もっと注目されるべき作品であると強く思いました。


次いで挙がるのが「王様ランキング」と「プラチナエンド」。どちらも2クール作品で優れた内容でした。

「王様ランキング」はなんかもう…ケチのつけようのない傑作。対象年齢を限定しない、万人に向けたアニメ。
登場人物それぞれに表の顔と裏の顔、そして秘めた思いがあり、誰かのために命を懸けて戦っている。
あれだけ多く出てくるのにムダな登場人物が一切ないというのもすごいですよね。
みんなきっちり話に絡んできて、積み重ねによって視聴者のなかで醸成され、一堂に会したときの熱さがある。
それを支えるWIT STUDIOの力があったことも忘れてはなりません。主題歌がもたらす相乗効果も、全部。

唯一気になるのはタイトルにもあるランキングの話で。最終回でもまったく触れられなかったランキング要素は
本当に必要だったのか、「王様ランキング」というタイトルでよかったのか?と考えてしまいます。
なんかもっと適切で印象のよいタイトルはなかったものかと。注意を惹くタイトルではあるのですが。

「プラチナエンド」はメトロポリマン脱落以降が特におもしろく、期待を超える内容になっていました。
メトロポリマンがいたころは掛橋側とポリマン側の二極化で進んでいて、ちょっと退屈な印象があったのですが
残った神候補たちの理想や信条、死生観がぶつかり合う2クール目は見ながら考える楽しさがありました。
意外なカタチで神が決まり、さらにもっと意外な結末へ向かっていくわけですが…あの結末は賛否両論ありそう。

個人的な感想を言えば「えぇぇ…」みたいな(笑)どう受け止めればいいか困るような結末。
決しておもしろくないわけではないんですけど、う~ん…最終回の手毬さんがかわいかったから、まあいっか。


トップ3作品は上記で揺らぐことなく、以下は世間で話題になっていた作品が順当にならびます。
「ストーンオーシャン」はもう「ジョジョ」でおもしろくならないわけがないので、確実に上のほうに来ます。
「明日ちゃんのセーラー服」「その着せ替え人形は恋をする」は映像作品としての完成度でいえば確実に先に
挙げなければいけないと理解はしているものの、トップ3を揺るがすまでの存在にはならず。

「鬼滅の刃 遊郭編」も冬アニメといえば冬アニメなんですよね…ずいぶん昔のことのように感じてしまいます。
もはや各期の新作という枠を超えた、国民的行事と化した(笑)別枠扱いの作品ですね。

「平家物語」は同時期に大河ドラマ「鎌倉殿の13人」が放送されていた効果がやはり大きかったと思います。
アニメで見たばかりのエピソードがすぐに実写でも出てくる。こういう体験はなかなかできないんじゃないかと。
ただ、やはり尺不足は否めず。ものすごい早さで名場面が消化されていくので忙しない印象がありました。


尺不足については今冬のアニメ全体に言えるかも。全12話の作品がこんなに多いとは。
全体的に話数が少ないのに、地震による休止などで4月にはみ出してしまった作品もいくつか確認されています。

放送休止といえば、不正アクセスの影響で東映アニメーション関連のアニメの放送延期が相次いでいます。
代表的なのが「デリシャスパーティー プリキュア」で、第5話以降が1か月ほど先送りになってしまいました。
これに関してはもう完全に人災(犯罪?)なので、視聴者を含めた関係各位がかわいそうでなりません。

外的要因ではなく制作上の都合で休止を挿んだのは「東京24区」だけだったはず。CloverWorksなら仕方ない?


2クール作品で春以降も継続するのは「薔薇王の葬列」と「CUE!」。
「薔薇王の葬列」は率直に言って地味な、特に冬アニメのなかでは目立たない作品であったことは否めません。
しかし登場人物たちの相関関係、血脈、派閥をきちんと確認しながら見ると見応えがあります。
さすがはシェイクスピア、悲劇を描かせたらたいしたもんですよ。本作なりのアレンジもまたいいんですよね。
1クール目の終盤にかけてうなぎ登りにおもしろくなっていく、今期の特筆すべき収穫のひとつでした。

「CUE!」のほうはまあ…なんか本職の声優さんたちのあいだでにわかに話題になっている様子。
声優を題材にした作品というと、これまではどちらかというと現実的なシビアな描写に偏る作品が多かったので
見る前は身構えていたところがあったのですが、本作はとにかくポジティブに描いているのが大きな特徴。
声優という職業、彼らがもたらす効果に希望をもてるような、見ていて苦痛を感じないアニメになっています。

題材がなんであれ、ひたすら現実を反映するだけではアニメ作品としては伸びないでしょうしね。
アニメとして評価してもらうにはまず見始めてもらうこと、そして最後まで見続けてもらうことがホントに大事。


最後まで見続けて、なおダメだった作品もあるんですけどね…「フットサルボーイズ!!!!!」っていうんですけど。
東京五輪前後に作られたたくさんのスポーツものアニメのなかでも下から数えたほうが早いくらいで。
競技の魅力を描こうという気配が1ミリもない、スポーツものという枠を取り除いても飛び抜けて残念な出来。
サッカーとは明確に異なるポジションの呼び方の説明すら最後までなかったですからね…。

野球でいえば9回裏2死満塁みたいな、その競技のおもしろい状況ってありますよね?
それは競技を理解していればこそ設定できるものであり、ひいては競技の魅力を伝えることにもなるわけです。

走って、蹴って、棒立ちのキーパーの脇をボールが通り抜ける。毎試合そんな描写を繰り返すだけ。
点数が多いか少ないかだけで試合の緩急が描かれる。こんなに眠くなるスポーツものも珍しいですよ…。
ストーリーの主軸になっていた『榊が大和にパス出せない問題』も最終回まで引っ張るような話題ではないし。

同じスポーツものという枠でいえば「リーマンズクラブ」のほうが見応えはありました。特に第7話。

バドミントンという競技のなかで心理的にどんな読み合いがあるか。会場の影響に左右されるか。
詳しくない人が見ても「そういうことが起きうる競技なのか」と感心しつつ、興味をもって見ることができる。
競技のおもしろいところ、特殊性をきちんと理解していないと書けないエピソードであると思いました。
特筆すべきはこの回を担当した脚本家がこの第7話しか書いていないこと。

他の回は正直そこまででもなく…第7話を山頂として、ゆったり上がってから下っていってるような印象。
「リーマンズクラブ」は放送開始が他より遅かったため、4月中旬まで放送が続くようです。


エピソード単位の話として、「佐々木と宮野」の第11話にも触れておきましょうか。
本作はいわゆるBLもので。BLはあくまで夢の産物で、現実とは切り離して楽しむべきものと思っていたのですが
それが身近なところに、家族や友人に降りかかってきた場合どう受け止めるか、考えるきっかけを与えるような
特殊なエピソードであると個人的には感じました。それまでの空気感とくらべて異質でしたしね。

半澤先輩の兄のカミングアウトは衝撃的で、聞かされた家族の反応のほうがファンタジーに見えたほど。
この『日常にそういう人がいる』という価値観の転換を踏まえて、佐々木と宮野の関係を見守ることになるのが
最終回へ向かう前の準備としてなかなか興味深いものに映りました。

アニメ化されたBLもので「僕たち付き合ってます」と、きちんと交際を公言するのって珍しいと思いますし。
終盤までのライトな雰囲気からは想像できない、新しいものを見せてくれた作品として紹介しておきます。


さて…アニメの感想をこのような形式で長文で掲載するのは今回が最後となります。最後にする予定です。
書いても読まれない実情については以前からお伝えしていましたが、書くにあたっての下準備の大変さもあるし
その下準備によってアニメを楽しみにくくなっている感じもあり、損失を無視できなくなっていまして。

まったく書かなくなるわけではなく、もうちょっと『どうでもいい感じの』記事にしようかと(笑)
独断と偏見で決めたランキングだけ載せるとか。徹底的に文量を減らして記録化すると、そんなふうになりそう。

アニメの感想を書かなくなったらブログの更新頻度が落ちる…何か新しいことを考えないといけないかな。



ワースト作品については各人思うところあるでしょうけど、最終回まで見続けることができた作品から選ぶなら
個人的には「フットサルボーイズ!!!!!」か、最終回の内容次第では「東京24区」もありえるかも。
当記事掲載時点では第11話まで放送済みで、その11話が特にひどかったので…『特に』というのも問題で。
これまでも失笑してしまうような展開が続き、しかも先述の放送休止もあって。褒めるところがないんですよ。

「見てるとIQ下がる~!」くらいなら楽しくてよいのですが、11話は「見てると頭おかしくなる…!」と真剣に
苦痛を覚えるほどヤケクソ気味なシーン(と演技)が続き、ここに書かずにいられなくなりました。

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2022年1月19日 (水)

2022年 冬アニメ寸感

新年も忙しくさせていただいております。幸いなことに、ブログに書くネタが尽きる気配がありません。
いつかそんな日も来るのではないかと思いつつも、なんだかんだで15年以上毎月更新が続いてる長寿ブログです。
ただ、さすがにそれだけ続くとフォーマットの古さは気になってくるんですよね。
PCからの閲覧を前提とした作りをいつまで続けるのか。変更するなら過去の記事にも影響するし、難しいところ。


さて、冬アニメの新作の話を進めましょう。今期は新作の総数が少なめな印象があります。
再放送枠の比率が高めで、東京MXだけでなくテレビ東京のアニメ枠も大半を再放送の作品が占めている状態。
旧作の再評価の可能性が広がるし、新作を追いかける身としては負担が軽いしで理想的なバランスだと思います。

しかしパッとしないというか、今期はピックアップ作品として挙げられそうな新作が5つも見つかりません。

単純に絵がキレイなアニメなら挙げられるのですが、自分の好みに噛み合う内容とは限らないわけで。
たとえば「その着せ替え人形は恋をする」にしても「明日ちゃんのセーラー服」にしても、絵はキレイであると
認める作品ではありますが、かなり見る人を選ぶ、率直にいえば『性癖に訴えかけるアニメ』ですよね(笑)
そこが刺さる人もいれば嫌悪感を覚える人もいる、コアなジャンルのアニメだと思うんです。

先述の2作品、残念ながら個人的には『おもしろいアニメ』とは映りませんでした。
念のため言っておくと貶すつもりはありません。あくまで自分のツボには刺さらなかったというだけの話です。
『かわいいがあるアニメ』ともちょっと違うし、やっぱり『性癖に訴えかけるアニメ』が適当かなぁと。

タイトルを挙げたついでで言うと、この2作品は土曜日のアニプレックス固定枠で放送されています。
これまでアニプレックス系列のなかで看板タイトルと呼ぶべき、有名かつ人気のある作品が放送されてきた枠で
その傾向から考えると異色な、大衆性が高いとは言えない作品が配置されたことに違和感を覚えていました。
なぜだろう?と疑問に思ったもののすぐに納得のできる理由が見つかりました。「鬼滅」があるから

前期から引き続き、今期も「鬼滅の刃 遊郭編」が放送されているから、ほかで冒険ができる。
でなければこんなニッチな…は失礼か(笑)えーと、『性癖に訴えかけるアニメ』で固めてはこないだろうと。


では、今期自分がピックアップ作品として挙げるのはどれか?といいますと。まずは「時光代理人」です。

「時光代理人 -LINK CLICK-」は昨年初夏にbilibiliで配信されていた中国産アニメ。制作は瀾映画。
日本版製作はアニプレックスとなっているので、本作も実質アニプレックス系列の作品と言えるかもしれません。
ちなみに監督は「天官賜福」と同じ人だとか。と言われてもまだピンとこない感じはありますが…。

写真の世界に入る能力をもつトキと、その写真の撮影後12時間の出来事を把握できる能力をもつヒカルの物語で
第2話までの範囲でいえば産業スパイのような、企業秘密を盗み出す仕事をおもに請け負っている様子。
写真というとアナログなものをイメージしがちですが、スマホで撮影してSNSにアップロードした写真からでも
同じように調査可能で、初回のエピソードでは特にスマホが重要なアイテムとして機能していました。

中国産アニメの良いところは、日本人が描く『外から見た』異文化ではなく現地の異文化を感じられること。
どんなに日本人が綿密な取材をしても、描く異文化にはどこかしら日本がにじみ出てきてしまうものです。
何気ない生活の描写や物事の考え方に日本人には出せないものがある。そこが魅力であると思っています。

中国の食品衛生、家族の問題や働く女性の待遇など、一瞬に盛り込まれた情報の多さにも惹かれました。

同枠で放送される中国産アニメにしては珍しく、キャラクターの名前が日本向けにアレンジされてるのも特徴で
「魔道祖師」で感じた名前を把握する難しさ(笑)は本作ではクリアされています。


次に気になった作品は「TRIBE NINE」。ライデンフィルム制作の近未来エクストリーム野球アニメ(!)

「八月のシンデレラナイン」のアカツキ、「ダンガンロンパ」の中核スタッフで結成したトーキョーゲームスの
タッグが生み出した、両社のいかにもな個性が爆発したエキセントリックな野球アニメになっています。
街中に疑似的に配置された塁でグラウンドを形成。ホームランやフライはなく、守備側が攻撃側を止める場合は
タッチアウトが必要で、それは逆に言えば『殴られなければ絶対にアウトにならない』ルールでもあります。

ひょんなことからエクストリームベースボールの抗争に巻き込まれた、フィジカルは弱いけど目はいい主人公と
あらゆるポジションで超一流のリーダー(CV石田彰)らが中心となって物語は進んでいきます。

メチャクチャでおもしろい。メチャクチャだからおもしろい。インパクトだけで言えば今期随一ではないかと。
作画の面で若干の不安は感じていますが、それを押し切れるだけの勢いとパワーを感じます。
第2話のラストでもうラストバトルみたいなノリになってますしね…興味が湧いたなら一度ご覧ください。


ピックアップ作品は以上…かな。あとは継続枠の作品が豊富なので、個人的にはそれだけで満足できそう。
前期から引き続き放送の「王様ランキング」「プラチナエンド」「ルパン三世」に先述の「鬼滅の刃」。
加えて「プリンセスコネクト!Re:Dive Season2」「ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン」などなど
絶対の安心感がある続編が揃っており、あえて冒険する必要がない気がするんですよね。

さらに追加するなら、「平家物語」は大河ドラマ「鎌倉殿の13人」と合わせて見ていけそうと思っています。
多くの方が注目してる作品だろうし、あえて自分が取り上げるべきでもないか…という判断。それと嗜好。

ソシャゲ原作モノでは「ドールズフロントライン」がちょっと気になってます。
以前放送されていた「どるふろ」とはまったく味付けの異なる、ちゃんとソシャゲ原作をベースにしたアニメで
ゲームの流れや同型のキャラが大量にいる違和感をうまく映像に落とし込んでいるなぁ…という印象。
あとオープニングがカッコいいです。ただし本編への落差を感じるのも正直なところ。

異世界モノからは消去法で「リアデイルの大地にて」か、もしくは「異世界美少女受肉おじさんと」
あくまでコメディとして、変に鼻につくところもなく寒さも感じず娯楽として楽しめそうなチョイスとなります。
「リアデイル」は厳密に言うとVRMMO転生なのですが、まあざっくり同じジャンルにまとめてもよいかと。


ちょっと脱線しますけど、VRMMOを扱った作品として「SAO」くらい有名なアニメがあるのにいまだに認識が
古いというか、VRMMOの表現として「Ultima Online」のようなクォータービュー視点の絵で紹介しようとした
時代遅れも甚だしい冬アニメがありましてね…さすがに呆れましたよ。
ゲーム世界の表現として劇伴をチップチューンにしちゃうとか、そういう感性は平成で終わりにしてほしかった。

似たようなところで今期もうひとつ気になったのが「佐々木と宮野」の小道具に見る時代表現。
ガラケーやIPod shuffleを使っているのに駅にはホームドアが設置されてたりして、これはいつなんだろう?と
見ていて疑問に思ったのですが、古いものを好んで使っている可能性もあるのでなんとも言えません。

マンガの貸し借りって紙の本だから成立する文化で、電子書籍オンリーになったらどうなってしまうのでしょう?
カセットテープやMDによる音楽の貸し借りは既に絶滅しているし、同じように変わっていくのでしょうか。


今期はとりあえずこんなところですかね。新作の総数が記事の長さにも少なからず影響しています。

今月15日に発生したトンガ噴火の影響で、放送開始が月末までずれ込んでしまった新作を1本確認しています。
さすがにそこまで記事の掲載を遅らせることはできませんでした。印象次第では追記もあるかも?

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2022年1月 3日 (月)

2021年 秋アニメ総括

年が明けてしまった…本当なら昨年末に書いて掲載まで済ませるつもりでいたのですが、「FF14」などで忙しく
どちらの感想を先に書くか、考えて決めたというより優先順位が自然と定まってしまったのです。
正直に言えばその温度差ですよ。秋アニメは全体的に低調だったと個人的には感じています。

新作寸感でピックアップ作品として挙げていたアニメの半数がビミョーな結果に終わったことが理由のひとつ。
なかでも「サクガン」の惨状はたとえサテライト枠という贔屓であってもフォローできないレベルのものでした。


「サクガン」はやっぱり、1・2話で提示された魅力的な部分がそれ以降まったく得られなかったことが大きくて
「この先もこういう話が続くのだろう」と勝手に期待してしまった自分が悪かったのかもしれません。
その後カイジュウは出てこないし、地下世界は思っていた以上に開拓されていて未知の領域がほとんどないし。
各コロニーで発生する人間同士の揉め事を渡り歩いていく話になるなんて思いもしませんでした。

それと結末ですよね。打ち切られたマンガのようなあの最終回を見せられ、呆然としないわけがない。
期待したものと方向性が違っていたとしても、描こうとするテーマが明確で完結していたならよかったのですが
提示したものを全部投げっぱなしで、分割2クールでもなく2期の告知もなく本当にあれで終わりなんて…。

原案を一般公募したこと自体を悪く言いたくはありませんが、どこまで完成していたのかは気になるところ。
いや、仮に未完だったとしてもキレイに終わるよう構成してアニメ化すべきだったはず。

ロボットアニメとしての魅力も1・2話がピークだったと思います。いや…ホントに褒められる部分が少ない。

それでも秋アニメのワーストではない。フォローではありませんが、そこは明言しておきます。
ワーストではないから最初の話題として触れられるわけで。ロボットアニメという範囲でもワーストはないです。


「サクガン」とならんで「こういう話になるとは思わなかった」な作品だったのが「海賊王女」
こちらは終盤までは満足のいく内容で、終盤で急に世界の存続とか、それまで匂わせもしなかった大規模の話が
持ち込まれたことで風呂敷を畳みにくくなってしまったのが原因であると考えています。
アベルとヘレナの結末はよかったし、もっと小さな規模で話をまとめてくれてよかったのではないかと。

「海賊王女」について、『GONZOが元気だった時代のアニメっぽい』なんてコメントも見かけました(笑)
自分は褒め言葉として受け取ってます。ある種のノスタルジックを本作に求めていたことは否定できません。


秋アニメの個人的ベストは、ハッキリした順番はつけられませんが以下の5タイトルとします。

 ・「さんかく窓の外側は夜」
 ・「やくならマグカップも 二番窯」
 ・「闘神機ジーズフレーム」
 ・「シキザクラ」
 ・「古見さんは、コミュ症です。」

意外なタイトルがならんでいると思われるかもしれません。地方や海外主動のアニメが結果として上位に。
寸感のピックアップからそのままベストにはいったのは「やくも」と「古見」さんの2作品。

「さんかく窓の外側は夜」は前評判の高さは聞き及んでいたものの、見事と言わざるをえないおもしろさ。
BLっぽさは序盤を過ぎると影を潜め、誰の身にも降りかかるおそれのある恐怖、予想外に熾烈な能力者バトルと
視聴者層の幅を絞ることなく、そして1クールというパッケージングの完成度まで高い傑作でした。
その魅力がキービジュアルから読み取りづらく、アニメのレビューシーンでは挙がりづらい作品なのかも。

最終的にちゃんとBLに戻ってくるし、しかも受け攻めが逆転するところも強いですよね(笑)


「やくならマグカップも」はまず、アニメーションとしての魅力にあふれていたことが選出の大きな理由に。
声優の演技にたよることなく、絵がきちんとお芝居をしている。特に引きの絵での芝居付けが本当にこまかくて
それが顕著に表れているのが毎回流れるオープニング。そしてオープニングだけに留まっていないのがすごい。

ご当地アニメを成功させることの難しさはいまさら説明するまでもありませんが、陶芸というテーマの難しさも
加わったうえで、この完成度と地元からの愛され具合ですから。大成功と言って差し支えないかと。
単純に日常アニメとして見ても穏やかでかわいいし、メッセージ性を読み取れるだけの奥行きもある。
普段アニメを見ない人に、当たり障りを考えつつ(大事)一本オススメするとしたら本作を推すまであります。


2021年はロボットアニメ豊作の年で、秋アニメに限っても結構な数のロボットアニメが揃っていました。
そのなかからあえて「闘神機ジーズフレーム」を挙げたことを、寸感のころの自分に教えたら驚くでしょうね。

平成ガンダムシリーズ、特に「SEED」と「ダブルオー」の影響を色濃く感じる本作。
設定の緻密さと、本編への反映には感嘆するほど。エネルギー問題を主軸に据えてあるのもおもしろいところ。
良いアニメを作ろうという気概がひしひしと伝わってきて、1クールのあいだずっと好感しかありませんでした。
戦闘シーンが棒立ち気味だったことを除けば、昨年放送のロボットアニメのなかでベストもある…かも。

さすがに褒めすぎかもしれませんが。でも、国産のロボットアニメはもっとがんばったほうがいいと思いますよ。

「シキザクラ」は自分のなかではロボットアニメというカテゴリーではなく、特撮ヒーローの『写し』です。
でも『写し』が本家を超えることもあり。本家ニチアサよりも熱いヒーローものに仕上がってました。
本家が奇をてらうことに執心して立ち返ることができなくなった王道の路線が本作では描かれていた気がします。

手描き回のギャグ路線で判断が分かれるかもしれません。単純に絵だけ見比べてもCG回との落差はありましたし
特撮ネタの盛り方がしつこいし(笑)で、もう少しバランスよくやってくれれば…と思わなくもなく。

「古見さんは、コミュ症です。」は挙げたことに異議を唱える人はまずいないでしょう。期待どおりの出来。


新作寸感で紹介していた残りの一本、異世界ものというカテゴリーから注目作品として挙げた「真の仲間」こと
「真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました」
タイトルの「スローライフ」から想像したものとはまったく違う内容でしたが、タイトル詐欺ってわけではなく
「することにしました」なので、決定には間違いないんですよね。実現が難しかっただけで。

生まれ持った加護に悩む人たち。それは勇者という特別な存在でも違わず。
周囲から望まれる生き方と自身が望む生き方のギャップ。意外とシリアスなテーマが描かれていました。
その過程で、薬物による血生臭い事件なんかも起きて…望んだ「スローライフ」とは程遠い現実。

そういう作品であると最初からわかっていればすんなり見られる。プロモーションの方向性が問題なのかも?
懸念していたリットの影響力は最後まで大きかったなぁ。ラブシーンの主張がデカいのよ最後の最後まで。


ほかに特に触れておくべき作品はあったかな…思い出されるのは「プラオレ!」くらいですかね。

「プラオレ!~PRIDE OF ORANGE~」はソシャゲ原作でマイナースポーツが題材、そしてご当地アニメという
三重苦と言っても過言ではない条件を背負っていましたが、終わってみれば上々の出来だったと思います。
見続けていればきちんと得るものがある、トップ5は無理でもトップ10には入るくらいのポジション。
ビクトリーダンスの必要性は最後までわからんかった(笑)最終回でもライブへのつなぎ方に苦心してた様子。

「王様ランキング」と「プラチナエンド」、そして「ルパン三世 PART6」は今期も継続して放送されます。
「ルパン」は安定の出来。ゲスト脚本の回もルパンへの理解度が高く、それでいて個性もあって楽しめてますし
ホームズが絡む本筋の部分だけでも2時間スペシャルのようなまとまりのよさがありました。

「王様ランキング」は現段階までは、噂で聞いていたよりも全然楽しめてますね。噂はしょせん噂か。


ネットでバズった系作品のアニメ化は今後も続いていくみたいで、「ちいかわ」や「川尻こだま」のアニメ化が
すでに発表されています。それ自体は悪いことだとは思っていませんが、危惧がないとは言えず…。

話題性があるうちに、稼げるうちに商品化してしまおう!という勢いが伝わってくる怖さといいますか。
日本人は熱しやすく冷めやすい性質があり、一過性のブームの末路を思うとやっぱり不安にもなるわけですよ。
それと、アニメ化に際してのキャスティングの安直さが鼻につくところもあり。

原作枯渇による『なんでもアニメ化』なんて話が少し前にささやかれていましたが、原作枯渇というより実際は
どういう層に向けてアニメを作るか、原作の選び方がまったく変わってしまったのかもしれません。
おかげで、アニメ化しなかったら絶対に触れることのなかった作品に触れる機会を得ることもあったりして。
自分自身の価値観をアップデートする意味では良い方向へ働いてるのかな。そう思えば楽しめそうな気がします。

歌い手のブームを過ぎて、VTuberが主題歌に食い込んでくる流れも同じように受け入れられるでしょうか…。

まあタイアップなんて、レコード会社がそのときプッシュしてるアーティストが来ているだけの話なんですけど
これまでアニメの主題歌を担当していたアーティストたちはどこで活動しているのやら。



Twitterのフォロワーさんのなかには年間ベスト10を発表する人もいて、自分も便乗して考えてはいたのですが
こっちを入れようと思うとあっちを削らねばならず…みたいな。なかなか難しいものです。
「ウマ娘」の2期や「Re:ゼロ」2期後半ははずせませんが、あえて自分が選ばなくてもいいかな?という扱い。
あえて自分が発表するなりのカラーが出るラインナップをと思い、選んだ10作品は以下のようになりました。

 ・「SK∞」
 ・「キングスレイド」
 ・「セブンナイツ レボリューション」
 ・「憂国のモリアーティ」
 ・「BLUE REFLECTION RAY/澪」
 ・「NIGHT HEAD 2041」
 ・「天官賜福」
 ・「小林さんちのメイドラゴンS」
 ・「カノジョも彼女」
 ・「やくならマグカップも」

この10作品ならどれも胸を張ってオススメできますね。ジャンルもバランスよく選べた感じ。
ここにあえて「カノジョも彼女」を入れたのは、笑いの方向で飛び抜けていた作品も入れたかったという理由と
コメディ全振りでありながら記憶に残る作品は自分としては珍しく、挙げずにいられなかったから。

このなかでもっとも忘れがたい作品は「ブルリフR」かもしれません。なのにソフト化中止なんて…。
しかし今年になって全編リテイク版の一挙放送が発表されまして。ソフト化の予定もないのにリテイクします?



じつは正月2日にこの記事を書きながら、溜め込んでた「鬼滅の刃」のテレビ版「無限列車編」~「遊郭編」を
自主的に一挙視聴しておりました。合計6時間半。まるで熱心な「鬼滅」ファンみたいな年始。
一挙なんてほかのアニメでもそう滅多にやることじゃないので…いや、そうでもしないと消化できなかったので。
これでようやく最新分に追い付けます。それが終わったら今期の新番組のチェックだ。遅めに始まってくれ…。

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2021年10月26日 (火)

2021年 秋アニメこぼれ話

前回の記事(秋アニメ寸感)で予告したので、「無限列車編」の感想をいまさらですがお伝えしようと思います。

あれから時間を作り、劇場版「鬼滅の刃 無限列車編」テレビ版「無限列車編」第1話を消化しました。
劇場公開からこれまで散々話題にし尽くされ、加えて予告や宣伝など、つまりはネタバレを聞かされてきたので
新鮮な体験とは言いづらい状態でしたが、飽きることなく2時間楽しむことができました。

本気で楽しむにはテレビアニメの第1期にあたる「炭治郎立志編」を見ておく必要はあると思います。
しかし、それは予備知識としてあるだけでいい。独立した映画として、まず冒頭の15分間が秀逸な出来でした。
緊張あり笑いあり、そして煉󠄁獄杏寿郎というキャラクターの魅力が詰まった15分間。
その15分間で視聴者の意識がしっかりと作品に惹き込まれ、残りの1時間以上を見続ける準備が整います。

「鬼滅」のファン層は幅広く、下は小学校低学年くらいのお子さんも見る作品です。
そういう低年齢層をどうやって画面に集中させるかも「鬼滅」の映画となれば考える必要はあったと思われます。
まさか序盤からあんなにかわいらしくコミカルな絵が出てくるとは…そのへんも抜かりはないなぁと。

(…と書いてから「無限列車編」の年齢制限をあらためて確認したのですが、PG12でしたね)

長く続く物語の一部ではありますが、「無限列車編」にはどんな時代の人々にも通じる不変のメッセージがあり
それは煉獄さんだけでなく鬼殺隊の面々、魘夢が見せる夢などからも感じ取ることができます。
何が幸せで、どんな悩みがあり、壁にぶつかったときどうするか。あらゆる年齢層、人種に訴えるものがある。
個人的には煉󠄁獄さんよりも伊之助が発するセリフに震えることが多かったかな。特に終盤は。

ただし客観的には「社会現象になるほど大ヒットする映画か?」という疑問はあります。
社会情勢や劇場公開までの話題性の増進など、映画単体ではなくさまざまな要因があったのは間違いないかと。


そして、秋アニメとして放送がはじまったテレビ版「無限列車編」の第1話へと話は移ります。

「炭治郎立志編」と劇場版のあいだには若干の空白期間があり、そのあいだを埋めるのが今回の第1話でした。
劇場版と同日に見ても比肩するクオリティ。異常なこだわりを感じられる蕎麦屋の描写(笑)
いまや不動の人気キャラとなった煉󠄁獄さんの活躍を新たに描ける、時系列的に過去にあたるエピソード。
無限列車に乗り込むまでの過程、あの弁当の由来、魘夢の手先となる乗客たちの横顔など見どころはたくさん。

列車に乗り込む直前の「また会いましょう!」というセリフの重さが劇場版を見たあとだと段違いですよね…。
劇場版で盛り上がったファンに対する特大のエモいプレゼント。うまい第1話だと思いました。



関係ない話…とも言えないけど、無限列車って鉄ヲタ的にはどう見えたのかちょっとだけ気になりました。

以下は今期の新作を見て思ったこと、寸感では省いた作品の感想をいくつか。
Twitterでの実況を極力減らしてる反動で「これどこかで書いておきたいなぁ」という話がわりとあるんです。


「舞妓さんちのまかないさん」が自分のなかでちょっと盛り上がってます。Eテレで放送中の10分アニメ。
盛り上がってるというのはおもに技術的な話で、10分アニメとは思えない高水準な背景美術も気になるのですが
一番注目してほしいのは本作がきわめて自然なタッチの3DCGアニメであること。

不覚にも初回でそのことに気付けなかったんですよね…なんの違和感も覚えず、普通に見終えてしまって。
翌週、オープニングのすみれが正面を向いて歩くカットの手の動きを見て「おや?」っと初めて気付きました。

なぜここまで自然に見えるのか。3DCGだとわかった途端、お話そっちのけで気になってしまいまして。
おそらくモーションキャプチャーではない、使っていたとしてもそのままでは使わず動画を描くように修正して
中割りのコマを作っているのではないかと。それと、手描きがニガテとするアングルを避ける。
3DCGってどんな角度でも破綻しないせいで、手描きだと絶対にやらないアングルを採用しがちなんですよね。
手描きのアニメを作るのと同じように3DCGを使っているのかな?と、素人目に推測しています。

お話としてはまあグルメものというか、タイトルが示すとおり『まかない』を紹介する作品です。
時間的負担が小さく、気が付くと技術的にも興味深い作品としてオススメ。ちなみに制作はJ.C.STAFFです。



いわゆる日常系のアニメって、どこか現実と切り離されたファンタジー感があるほうが素直に楽しめるんだなと
「先輩がうざい後輩の話」を見ていて感じます。舞台設定が現実味を帯びると素直にかわいいできない
…などというのは杞憂で、2話以降は急激に日常系アニメ的なテイストにシフトしたので安心して見れています。
良い意味でありふれた話になったというか。クリスマスのエピソードなんかは特にそんな感じ。

現実味や生々しさを帯びるラインはどこからなのか?と考えると、やはり大学生から上になるでしょうか。
逆に、なぜ高校生以下だと現実味を帯びずに安心して見れるのか。
学生時代に学校が舞台のアニメを見て、その現実味に苦しんだ経験なんてないなぁ…マジメに考えると不思議。

動画工房は本作とは別に今期もう1本、「SELECTION PROJECT」というアイドルものを手掛けています。
リアリティーショー形式と銘打ってはいますが、あれはまあ…量産型アイドルアニメの域を超えるものではなく。


日常系といえば「ジャヒー様はくじけない!」の最近のエピソードを見ていると、もはや「ジャヒー様」という
箱を借りているだけの「サザエさん」や「ドラえもん」みたいな長寿アニメを見てる気分になります。
いや、決して褒めているわけではなく。エピソードの捻出の仕方がそういう領域にはいってきてる感じで。



どういう奇跡が連鎖すると「進化の実 ~知らないうちに勝ち組人生~」みたいな作品がアニメ化にまでなるのか
甚だ疑問なのですが、何もかも投げうって悪ふざけしてる感じが逆におもしろく感じつつあります。

ってかね、令和の時代に井上麻里奈がヒロインを演じるアニメが見れるなんて思ってなかったからうれしくて…。
いやヒロインなのかな?、正ヒロインはピンクのゴリラのほうだもんな。
ピンクのゴリラに半ば愛着が湧きかけたころに美少女化してしまって、わりとガッカリしてる自分に気付きます。
見た目がゴリラのまま声だけ花澤香菜になるとかのほうがネタとしても話題性という意味でも強かったかも。

テンプレートに沿った異世界転生モノが山ほどある時代だし、ギャグに全振りしたこんなメチャクチャな作品が
ひとつぐらいあっても許されるのではないかと。月曜深夜の最終枠ともなれば特に。
でも、こんなアニメの主題歌を歌わされるPoppin'Partyがかわいそうにはなりますね…どうしてこうなった。



テレビ放送の副音声でオーディオコメンタリーを流す試みに若干の弊害を最近感じています。
毎回オーコメがついていた前期の「乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…」2期同様
今期も「終末のワルキューレ」で出演者を毎回入れ替えてのオーコメ放送を実施しています。
しかし録画して2回見るほど好きなアニメじゃないと、どちらを聞きつつ見るかで結構悩むんですよね。

「はめふら」は字幕ありだったので字幕を表示しつつ副音声で視聴していましたが、「終末のワルキューレ」は
字幕がついていないので、本編でどんな会話が交わされているのがほとんどわからないまま見ています。
結果として話の理解度がメチャクチャ低い。いや、主音声で見ればいいんですけど。

なんかこう…主音声もしっかり聞き取りつつ副音声も一度で楽しめる方法ってないものでしょうか?
主音声と副音声の音量のバランスを変えたり、右側と左側で別の音声を出したりとか…それはそれで混乱するか。



寸感のなかで『積み映画』の話をしましたが、かろうじて消化できた作品もいくつかありまして。
そのなかの一本、「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」を見たあとに、本作の批評を調べたところ
『ノスタルジック・フェスティバル』というフレーズが目に留まり、なるほど言い得て妙だなと思いました。

古参のファンにとってそれは心震わす感動の連続であり、決して悪いばかりではないんです。
しかし、新作と聞いて「新しいものが見れる」と思って集まった視聴者にしてみれば焼き直しにほかならず。

「新しいものが見れる」という期待は新作アニメを見る際つねに自分のなかに生じています。
なので新作の体験が『ノスタルジック・フェスティバル』だと良い評価を与えるのが難しくなってしまいます。
『新しいもの』は新しくあってほしい。『新しいもの』は新しいだけで価値がある。
この『新しいもの』にもいろいろあって、何をもって新しいとするかはなかなか難しい話となります。

たとえば時代劇って、舞台設定や史実には『新しいもの』がなくても新しいと感じるときがありますよね。
使い古されたテーマであっても『新しいもの』が出てくる。むしろ、枠組みを変えられないから工夫が生まれる。
枠組みの自由度が高いアニメで、なぜ『ノスタルジック・フェスティバル』が生まれがちなのか。

…いや、答えはわかりませんけど(笑)強いて言えば、作りたい人がいて見たい人がいるからかな?

映画の話に戻しますと、「007 プレデター」も似たような意味で少々ノスタルジックな印象が。
最近見れた映画のなかで特に良かったのは「ワンダーウーマン」かな。期待を大きく上回るおもしろさでした。

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2021年10月18日 (月)

2021年 秋アニメ寸感

アニメで忙しい…前期の作品が終わらないまま新番組がはじまるとホント余裕がないんですよ。
テレビ放送される映画を「これは見ておきたい!」と思って録画しておいても、消化するタイミングが全然ない。
そんな『積み映画』がいくつかありまして。先日放送された「鬼滅の刃 無限列車編」も見事に積みの山へ。
劇場版を消化しないことにはテレビ版「無限列車編」も見れず、どうしたものやら…。

さて秋アニメですが、今期はロボットアニメが集中していますね。片手の指では数えきれないほどに。
あとは広義の吸血鬼モノが3本。毎シーズン1本はかならずあると言ってた吸血鬼モノがさらに増えた背景には
やはり女性向けとして鉄板のジャンルであることと「鬼滅」の影響も少なからずあるのでしょうか。

もうひとつ傾向というか、テレビ東京が夕方のアニメ枠を実質廃止して(継続枠の「SHAMAN KING」は維持)
月~水曜日の24時台にアニメの帯枠を新設したことが今期の特徴として挙げられます。


今期、放送前の段階からもっとも期待していたのは「ガルパ☆ピコ ふぃーばー!」です!(笑)
おなじみの3分アニメも無印、「大盛り」ときて今回で3期目。「大盛り」ではゲスト参加程度の出演に留まった
RAISE A SUILENやMorfonicaが本格参戦してくれそうなので、非常に楽しみにしております。

…これはBDまで集めてる特待生みたいな枠なので。あらためて今期のピックアップ作品の話題へと移しましょう。


今期のピックアップ作品としてまず挙げたいのはProduction I.Gの新作「海賊王女」
海外では夏から放送されていた作品で、厳密に言えば国内初放送という分類。原作・監督・キャラクター原案が
中澤一登というだけでも個人的にはハイスコアがついてしまうのですが、挙げた理由は贔屓だけではなく。
画面のどこを見ても隙がなく、オープニング映像だけでも今回真っ先に挙げた気持ちを理解していただけるはず。

シリアスありコメディありのバランスの良さ、目新しい舞台設定など他にも評価したい部分は豊富にあります。
海賊と題しておきながら旅の足として登場したのが潜水艦だったことも大きなインパクトとなりました。
ちょっとやりすぎに感じるほどの日本要素は海外向けの味付けとして必要だったのでしょうか?

次点は「古見さんは、コミュ症です。」で。言わずと知れた有名作品で、実写ドラマ版も放送されています。
原作の独特のタッチを見事にアニメに落とし込んだキャラクターデザイン。担当はあの中嶋敦子。
黒板を通じた会話、消される言葉、舞い散るチョークの粉…初回の演出としてはもっとも記憶に残るものでした。
原作未読なのでアレですが、おそらく最大限に恵まれたアニメ化のひとつになるのでは?という期待があり。

唯一気になるのはナレーションの主張の強さで、マンガであれば無音の文字として読者がそれぞれ好きなように
読める存在だったものが、必要以上に存在感をもってしまったみたいな余計さを感じます。
2話ではそのナレーションが激減し、代わりにマンガのようなト書きが増えました。これも良し悪しかな?


数あるロボットアニメからは、サテライト枠ということで自分は「サクガン」を推したいと思います。
広大な地下世界、採掘施設で働く人々、鬱屈した日々と地上への憧れなど、見たことのある要素がならぶものの
初回冒頭から次回への引きまで続く怒涛の勢いと独特なキャラクター名で一気に惹き込まれました。
2話までの印象込みで順位をつけていたら「海賊王女」や「古見さん」の上をいっていたかもしれません。
デザイン周りには河森さんやブリュネさんなど、サテライトおなじみの顔ぶれが。

他にも触れておきたいロボットアニメがいくつかあるので後述。印象の良いものも悪いものもあります。

継続枠から一本、「やくならマグカップも 二番窯」もここで紹介しておきます。
岐阜県多治見市を舞台にしたご当地アニメで、多数の歯科の後援によって作られている特殊な作品であることは
1期の時点で既に知れ渡っていると思いますが、その出来の良さは今回の2期でも維持されている様子。

なんかもうオープニングから見てて泣きそうになるんですけど…本編も引きの絵でのこまかい芝居の付け方など
アニメーションとしての見どころが多く、見る人がもっと増えたらいいなと思える作品です。


今期のタイトル長い枠、改行しないよう伝えたいので変則的な書き方になりますが、『なろう系』異世界モノの
「真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました」という
作品が意外と好印象だったのでピックアップ作品として挙げておきます。45文字!
あまりにもタイトルが長すぎて電子番組表のタイトル欄に収まらない(笑)こんなの初めて見た。

アニメ化作品としては初になるのか、いわゆる『パーティー追い出され系』の異世界モノです。
若き勇者一行を引率する立場だった主人公が、勇者たちの成長に追い付けず戦力外になってしまったところから
本作の物語は始まります。決して陰険な理由で追い出されたわけではなく、納得できる理由が説明されてます。

なぜ本作をピックアップに入れたかというと、主人公・レッドのセリフや言葉選びが気に入ったから。
それと、エンディングをJYOCHOが担当してたのも好印象の理由としては大きかったですね。

ただ、2話以降に登場するヒロイン格の女の子が作品全体の雰囲気や評価にだいぶ影響しそうで…判断が難しい。
主人公の人格や実力を知る過去の仲間たちが同じように押しかけてくる展開は今後もたぶんあるのでしょう。
はたしてスローライフを守ることはできるのか。しばらく見守りたいと思います。


今期は中堅クラスぐらいの層が厚く、お気に入りの作品や推したい作品が結構割れそうな印象があります。

ソシャゲ原作の作品がいくつかあるなか、やはり目に留まるのは「takt op.Destiny」
テレ東24時帯枠のひとつで、原作はDeNAと広井王子。制作はMAPPA×マッドハウスという強力タッグ。
音楽とのリンクを意識させる作品であり、精細な画面と相まって非常にリッチな、ウケそうなアニメに見えます。
近代の(設定では2047年)北米が舞台というのも昨今のテレビアニメでは目新しく映ります。

お話的にはそんなに珍しくもないかな…主要キャラの外見や役割分担も『よくあるもの』な感じがしますし。
高水準で実現されているから目に留まる、他よりも記憶に残った可能性はあると思います。

「takt op.Destiny」も含め、抑圧や病魔といったポストコロナっぽいテーマの作品が増えた気がしますね。


「サクガン」以外のロボットアニメでは、バンダイが熱心にキット化を進めている「境界戦機」が話題に。
制作はサンライズで監督はあの羽原信義。分割統治下の日本が舞台という、どこか「コードギアス」を思わせる
設定が気になるところですが、より若い層へのロボットアニメの浸透を期待しているように感じます。
マスコット的なAIキャラクターの存在などは一定より上の層には子供っぽく見えているのでは。

こまかい話をすると、一話のなかで技術設定的に矛盾しそうなセリフがあったりして気になってはいるのですが
(人感センサーを軍用車に搭載できる時代なのに、隠れた操縦者をあぶり出そうと倉庫の銃撃を命じたことなど)
そういう些細なツッコみどころはさておき、プラモデルを売る気が感じられるアニメです。

国内放送が1週間前に急遽決まった「闘神機ジーズフレーム」は中国発のロボットアニメ。
制作のセブンストーンとは、日本のアニメの制作状況がピンチになると颯爽と現れるあの七霊石のこと。
ぱっと見の絵は日本のアニメと寸分違わぬものですが、街並みや看板などに独特の中国っぽさが漂っています。
国産ではきょうび見かけなくなった口のあるロボット、ヒジャブをかぶったイスラム系のキャラが登場するなど
新しいものが見られる感じがして個人的にはわりと注目しています。

厳密に言えばロボットアニメというより仮面ライダー的な、名古屋発のオリジナルアニメ「シキザクラ」も注目。
スタッフやキャストなど全体的に見慣れない名前がならんでいるのは名古屋出身者が多いからだとか。
3Dモデルの完成度が高く、デザインも普通にカッコいいんですよね。個人的にはかなり好み。


吸血鬼モノ3本の中からは「ヴィジュアルプリズン」を紹介しておこうかな。なんか…やべーアニメなんですよ。
上松範康原作の男性ヴィジュアル系バンドが題材の作品で、センスやノリが普通ではないというか。
ボーカルがスカイダイビングで降りてくる初回の一部分だけ切り取っても普通じゃなさはじゅうぶん伝わるはず。
各バンドの紹介でボーカル曲を使い切ってしまうあたりなど「ダイナミックコード」を彷彿とさせる匂いあり。

こちらは「takt op.Destiny」と違い、おそらく目標の水準で実現できていないのでは。
また、本作の上松氏によるボーカル曲はホンモノのV系とはやはりどこか違うな?と思わされます。
ブシロが噛んでる案件っぽいですが「アルゴナビス」からFantome Irisがゲスト参加したりしないのでしょうか。


継続枠としては「異世界食堂2」と、次元役の小林清志の交代が発表された「ルパン三世 PART6」が。
前期から引き続き「SCARLET NEXUS」「ジャヒー様はくじけない!」「白い砂のアクアトープ」があります。

再放送を除いても全体で40本以上。その質から言っても結構充実したシーズンと言えるのではないでしょうか。


まあ…そんななかにも初回から悪い意味で話題になってる作品もあるのですが。
あの「TIGER & BUNNY」の西田征史が手掛ける!という宣伝文句で今期に乗り込んできた「テスラノート」
放送前に検索しようとして、サジェストに「EX-ARM」と表示されたときからイヤな予感がしていました。
今期ワーストでは?ともっぱらの評判。画面の異質さが目につきますが、一番の問題は本にあると思ってます。

TOKYO MXも本作がどんな評価を受けるかわかっていて番組編成してると思うんですよね。
大半の視聴者が裏で放送しているフジテレビの「鬼滅の刃」を見るだろうと、確信あっての配置ではないかと。
…とか言うと、同枠の「MUTEKING THE Dancing HERO」にも失礼か。こちらも疑問はなくはないのですが。

なぜいま「ムテキング」を再始動させようと思ったのか、意図がまずわからなくて。
少なくとも「ガッチャマン クラウズ」のような異なる切り口の新作というわけではなさそうですし。

などと言いつつ、冒頭の理由もあって「鬼滅」を見ずに「テスラノート」と「MUTEKING」を優先してますが。

出来が芳しくなくても内容が不快でなければ見続けられるし、見続ければ評価が上向きになる可能性はあります。
今期は内容の不快さで視聴を断念するような作品がいまのところなく、視聴本数の削減に悩まされています。


強いて不快といえば「見える子ちゃん」かな。画面に大写しになる幽霊の顔が単純に不快で。
タイトルが示すとおり、他の人には見えないものが見えてしまう女の子が主人公のホラーギャグ作品なのですが
見える幽霊がなぜかどれも悪霊のようなおぞましい外見をしていて、その偏りがまず気になってしまいました。
彼女の恐怖心がそのように見せている可能性もありますが。見た目の件はとりあえず置いといて。

本作がどうにも半端な印象なのは、ホラーにもギャグにも、エロにも振り切れていないせいではないかと。
幽霊は出てきそうなタイミングでかならず出てくるからジャンプスケアにもなってないし、見えていないフリを
するだけではギャグとしても弱く、エロはわずかで表現も甘め。突出した魅力がないんですよね。
結果として、得るものがないまま幽霊の気持ち悪い顔だけ我慢させられる状態になってるわけですよ。
同じ曜日に放送されている「さんかく窓の外側は夜」のほうがホラーでもエロでも飛び抜けていると感じます。

ホラーとして描くつもりなら前提として、見えることがバレると何がまずいのか明示しておくべきだと思います。
他の作品でいうところの「目が合うと襲われる」や「音を鳴らすと襲われる」みたいな条件の明示。
しかし本作の場合、見えていなくても幽霊に悪さされる可能性は全然あるみたいだし…見えるとなんなの?

原作読者の話を聞く限り、今後の展開も楽しく見ていけそうにない気がします。
捨て猫のエピソードは一見良い話っぽく見えますが、良い猫の霊だけキレイに見えることに違和感がありました。

「テスラノート」や「見える子ちゃん」よりも深刻と感じる作品は他にあります。タイトルは挙げませんが。


寸感としてはこんなところで。後日「無限列車編」の感想も含め、新たな記事を書くつもりです。
余裕があれば15周年の「コードギアス」再放送も見たいと思ってたのですが、ちょっと厳しそうかなぁ…?



自分が「鬼滅の刃」にそれほど熱心でないのは、自分にとっては『多くのアニメのひとつ』だからだと思います。
テレビアニメの本放送のころにはそこまで大きな盛り上がりではなく、優れたアニメのひとつという程度で。
そしてテレビ放送が終わった時点で自分のなかでは『見終えた作品』という位置付けになっていました。
その後の展開にあんまり興味が湧かないというか。次が来るころには別の作品を見ていますし。

「世間の盛り上がりが大きすぎると引いてしまう」というのも当然あり。
いわゆる一般層にまで広まり、大衆のなかで共有される文化になってしまうと『自分たちのもの』ではなくなる。
少なくとも自分のなかでは『当ブログで話題にする必要のないアニメ』として除外するようになります。

まったく同じことが「新世紀エヴァンゲリオン」にも言えます。新劇以降は興味が湧かずチェックしていません。

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2021年10月 4日 (月)

2021年 夏アニメ総括

東京五輪が遠い過去のように感じます。時が過ぎるのは早いもので、肌寒さすら感じる日も増えてきました。
3か月に一度訪れる番組改編の時期。しかし今夏もいくつか最終回が10月にはみ出す作品がありまして…。
そうなると感想をまとめるのも難しいわけですよ。ってのは言い訳で、だいぶ遅れ気味に本稿を書き始めました。
どれくらい遅れていたかと言うと、9月30日の時点ではまだ白紙の状態だったので。

さて夏アニメのまとめですが、放送開始時と終盤とで評価が大きく変わる作品がいくつかありました。
それは良い意味でも悪い意味でもあって、特に良かった「BLUE REFLECTION RAY/澪」は2クール作品なので
後述にまわすとして、まずは今期の1クール作品の結果から話していくことにします。


今期の新作のなかでもっとも満足度が高かったのは「NIGHT HEAD 2041」でした。

過去のドラマ版を見ていない人でもじゅうぶん楽しめる、独立した1クールのSF作品としての完成度の高さ。
むしろドラマ版の知識がないほうが後半の展開を素直に受け止められてよかったかもしれません。
ただ、時系列の整理や内容の理解といった面でかなり高いハードルがあったことは否めず。
週1回放送のテレビアニメという形式より、全話一斉配信でまとめて見るほうが向いている作品かもしれません。

あんまり言うと未視聴の人に対してネタバレになってしまう可能性はありますが、伏線の張り方には感心します。
「あのときのアレがここに?」みたいなシーンが結構あるので、録画を残しておいて正解でしたね。
自分の周囲ではまったく話題にならない作品でしたが、総合的な評価で本作をトップに挙げたいと思います。


次点「天官賜福」、続いて「小林さんちのメイドラゴンS」あたりまでは選出に迷いなく。

「天官賜福」も自分の周囲では見てる人がほとんどいなかったものの、大河ドラマを見てから本作に流れるのが
日曜日の定番と思えるほど、「魔道祖師」から引き続き安定した枠となりました。
「魔道祖師」はまだ大河な香りがありましたが本作ではBLみが増し、女性向けな雰囲気が強まってましたね。

「魔道祖師」同様、本作も人名や地名が視聴の難易度を高めていたのは間違いありません。
番組情報欄と作品情報wikiを毎回かたわらに置き、特に人名はきちんと理解できるよう努めて見ていました。

「メイドラゴンS」はもう圧巻というか、京アニの強みはなお健在であることを実感。横綱相撲。
ジャンルとしては日常系なのに他のアニメの一段も二段も上の水準にいる。「やっぱすげえな」って思っちゃう。
そして「やっぱ京アニってすげえな」とふたたび言えることに静かな喜びを覚える作品でした。
性癖の面でも突出してたと思うし(笑)それと、カンナの活躍が加算されてたのが「S」のひとつの特徴でした。

ベスト5として挙げるならここまで…って、4つしか挙げてない。ここからが結構悩んだんですよね。


ベスト5に挙げるには悩むけど、手応えや満足度という意味では欠かせないのが「カノジョも彼女」です。
ラブコメと呼ぶにはコメディが勝りすぎてて、あらゆる出来事が異常でぶっ飛んでてツッコみどころ満載なのに
ラブの部分も決して忘れない。最終回で明かされる新たなラブの矢印でさらにおもしろくなりました。
どちらかに偏ることなく、ラブでもコメでも傑作と呼べる部類なのでは?と思っています。

「ヴァニタスの手記」もラブコメと言えばラブコメですが、こちらはラブの要素、とりわけ『性』を感じられる
描写が意外と多くて、見ててドギマギさせられる作品でした。いつか続きを見られるとよいのですが。
最終回はあくまで次への布石。何かが終わるのではなく始まるための、そう気付くためのステップだったような。


2クール作品も含めていいなら「BLUE REFLECTION RAY/澪」は何よりも先に挙げたかった作品です。

その魅力や感想は既にTwitterのほうで散々話してしまったんですけど、2クールという潤沢な尺があったことが
本作にとっては非常に効果的で、そして別れがたい作品になった要因であると言えるでしょう。
積み重ねによる成長、人間関係の変化。登場人物それぞれが視聴者のなかで愛すべき存在になったこと。
あとは音楽による相乗効果も特筆すべきポイントで。劇伴、前期後期の主題歌すべてが本作を形成していました。

最後まで見続けた人たちの評価が高い反面、未見の人にオススメするには難しい作品ではあります。
不安を覚える作画、わかりづらい専門用語など、アピールするにあたっての壁があることは認めざるをえず。
なので、少しでも興味があるなら自発的に見始めてほしい。きっと後悔はしないと思います。

自分としては珍しく、原作にも手を伸ばそうかな?と久し振りに思えた作品でしたしね。
しかしそこでもひとつ問題があって。ゲームは原作ではなく時系列的に過去になるとか…受け皿にはならない?


「マギアレコード」2期「覚醒前夜」は製作上すこし残念なところはあったものの、おもしろいことが起きてる
という意味(笑)で個人的にはかなり楽しめました。やちよさんがトラックに乗ってきたところがピーク。
原作ファンも知らない予想不可能な出来事が起きる、「ゲッターロボアーク」とならぶ話題性のある作品でした。

「アーク」は正直わからんよ…なんかわからんまま終わってしまった。考察する楽しさはまああるのかな?

考えながら見る楽しさがある作品といえば「Sonny Boy」も挙げておきたい。
劇中で描かれていること、語られていることが何を意味しているのか。視聴者に何を伝えようとしているのか。
視聴者それぞれがまったく違うものを受け取り、答えを出す。正しい意味でアートのようなアニメで。
なんかすごいものを見た気がするけど、結局このアニメってなんだったんだろう?と悩んだ人も多かったのでは。

人類の歴史をたどるような1クールの流れ、現代の若者が抱える不安、与えられた道と自分の意思で選ぶこと。
薄暗い天気に似つかわしいくらい不思議な希望に満ちたラストカットの表情も印象的でした。

「ひぐらしのなく頃に 卒」は話題性という点では突出した作品だったと言えるでしょう。
内容的には賛否両論あって然るもので、終盤のドラゴンボールさながらの格闘戦は評価を揺るがすものでしたが
鉄平が幸せならもういいかな?と思ってます(笑)卒業できたかどうかではなく、もう卒業でいいや!って。
実況向きのアニメであったことは間違いありません。グロも百合も含めての娯楽みたいな。


「SCARLET NEXUS」「白い砂のアクアトープ」は意外にも2クール作品で秋以降も継続。
あと、放送開始が遅れた「ジャヒー様はくじけない!」も2クールあるそうで。あの内容で2クール引っ張るの?
寸感の時点でピックアップ作品に入れていた「アクアトープ」は折り返し時点では正直ビミョーかな…。

同様にピックアップ作品として挙げていた「魔法科高校の優等生」は、序盤に見られた本作独自の解釈が九校戦
開始以降ほとんど見られなくなり、本家「劣等生」の視点を変えただけになってしまっていたのが残念。
七草会長やクリムゾンプリンスの二次創作的(笑)言動がほかのキャラクターでも見られれば違っていたかも。
せっかくのスピンオフなのだからもっとはっちゃけてもよかったのではないかと。

男性視聴者を意識したかのようなサービス描写が多いと視聴中は感じたのですが、後日「星を呼ぶ少女」を見て
こんなに脱ぎっぷりのいいアニメだったんだな…と考えを改めました。
特に「星を呼ぶ少女」の柴田美月はすごい。入浴シーンのためだけに参加させられたのでは?と思えるほど。


最後に今夏の作品で言及しておきたいものをいくつか挙げて終わりたいと思います。

「RE-MAIN」は五輪特需のアニメとして、水球のアニメとして見ると期待ハズレに感じてしまったのでは。
しかしちょっと角度を変えて、パラスポーツのアスリートの物語として見たらどうか?
時期的にちょうどパラリンピック直後で、そのことに気付いて本作の捉え方が自分のなかで少し変わりました。
本作は水球の魅力を伝えるためのアニメではない。少なくともそこだけは間違いないと思います。

周囲から期待される自分と本当の自分のギャップ、コミュニケーションを欠いてこじれてしまった関係。
誰もが抱えている問題を堅苦しくないタッチで描こうとした作品だったのかもしれません。買いかぶりかな?

同様にとまでは言いませんが、「探偵はもう、死んでいる。」も見方を変える必要はあると思いました。
本作はまず探偵モノではないし、シエスタの死後いろんな女の子が出てくるけど結局ヒロインはシエスタであり
君塚とシエスタのつながりをひたすら綴るだけの、ぶっちゃけふたりだけいればいい世界の物語なんですよ。

心臓を引き継いだせいで最終的には人格まで、声まで乗っ取られてしまう夏凪があまりにもかわいそうで(笑)
事実上のラストバトルの相手であるカメレオンも舞台装置のひとつでしかなく、扱いがひどいし。
小説の地の文をそのまま読み上げているかのような、セリフと呼ぶにはあまりにも自然さがないセリフなどなど
見ていてつらくなる、肌に合わないと感じるところが非常に多いアニメでした。

目立たないけど地味におもしろかった「現実主義勇者の王国再建記」は2期決定の報に歓喜。



そういえば最近「キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦」の続編製作が決定したと聞きまして。
自分は特別「キミ戦」好きなわけではないのですが、雨宮天が演じるおもしれー女と石原夏織の歌が好きなので
そこだけは変わることのないよう祈りつつ放送を待ちたいと思います。

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2021年7月29日 (木)

2021年 夏アニメこぼれ話

春アニメ総括に続き、夏アニメ寸感からも少々トゲのあるメモをこぼれ話として記事にしてみました。
ひょっとするとこの形式が定着するかもしれません。どこかで言いたいけど言いにくい感想、山ほどありますし。



夏真っ盛りです。エアコンのお世話になっている方がほとんどではないでしょうか。

エアコンの室外機には『右目』と『左目』というのがあって、正面から見たときにファンがどちら寄りかで左右
区別して呼ぶ(室外機マニアの世界では)のですが、割合からいえば『左目』が圧倒的多数。
『右目』の室外機はレアな存在で、発見できたらその日は一日幸せになれると言われているほどなんです。

その『右目』の室外機がアニメの背景美術では頻繁に描かれていまして…今期の「カノジョも彼女」は特に多く
主人公の自宅は一階・二階ともに『右目』、向かいにあるお宅の室外機も『右目』というフィーバー状態。
特に二階ベランダの室外機は3~4話の会話の場面で頻繁に映り込んでいたため、その筋のマニアが見ていたなら
気が散って会話が頭に入ってこなかったでしょうね…そんな視聴者まずいないとは思いますが。

おそらく背景美術を担当されている方は『右目』がレアってことを知らないのではないかと。
写真資料を反転したとか無意識に描いてしまったとか、そんな事情で量産されている可能性がありそう。

                    ◇     ◇     ◇

「Sonny Boy」は現代風の「漂流教室」では?と、放送直前特番~初回までは思い込んでいました。

第2話まで見て、それとは別に「Minecraft」のマルチサーバの様子を見ているみたいなサンドボックスっぽさ
本作にはあるなぁと新たに思えてきまして。試行錯誤で世界のルールを発見するあたりは特に。
ある者は法律を作り、またある者は通貨と決済サービスを生み出し…現代知識で新たな共同体を生み出している。
スタイルこそ全然違うものの、異世界転生して街づくりを始める感覚にも近いところがあるような。
本作の場合、全員が転生者で現地人がいないので、舵取りで大きく揉めるというのも特色ではあります。

ただ、現状の本作の感想を率直に言えば「まだなんとも言えない」「わからない」という感じ。
そこもサンドボックスっぽさというか、お話のおもしろさが見えてくる段階までいっていないのかもしれません。

                    ◇     ◇     ◇

異世界転生して現代知識とチート能力で無双、ハーレム作ってウハウハみたいな話はファンタジーであればまだ
受け入れられるのですが、同じことを現代で生々しくやられると結構キツいもんですね。
今期の「ぼくたちのリメイク」はまさにそんな感じの内容で、さすがにちょっと限界を感じてしまいました。

現代知識を持ったまま10年前の進路選択に戻り、芸大で創作活動する…というのが本作のあらすじ。
10年後に神絵師や人気歌い手になる美少女たちと仲良くなってイチャイチャするくだりがホントに気持ち悪くて
動画サイト世代の願望をよくもそのまま物語にできたな…と、悪い意味で非常に感心しています。
そこ以外にも気になるところはたくさんあるのですが、気になるところが見つかる原因は間違いなくそこです。

一度気持ち悪いと思ってしまうともう良いとこ探しができなくなってしまうもので。
状況に対してセリフが破綻していたり、劇中の出来事がそっくりそのまま本作に跳ね返っていたり…。

                    ◇     ◇     ◇

「D_CIDE TRAUMEREI」の第2話で描かれた伊吹咲さんの服装の変化、やっぱり違和感ありましたよね。
前提として、古風で門限に厳しく妻に暴力をふるう父親と、その父親への抵抗と脱却という展開があったものの
娘があんなファッションで帰ってきたら古風なDV父親じゃなくても怒るわ(笑)

本作はソシャゲ原作で、原作イラストの服装に着替える前提で第2話のエピソードは書かれたのだと思いますが
そもそも原作からしてあのキャラ付けにあの服装はないし、そう感じてたのは自分だけではなかったようで。
後日「わしゃがなTV」で原作が取り上げられた際、マフィア梶田氏も服装を指摘していました。
たとえソシャゲというメディアであってもキャラ設定に説得力をもたらすデザインにすべきではないかと。

それと個人的な好みも混ざりますが、メガネをはずす=変化の象徴みたいなのはもう古いと思いますよ。

                    ◇     ◇     ◇

「月が導く異世界道中」のさまざまな要素がほかの大人気異世界転生モノに酷似している印象を受けるのですが
原作のWeb版が発表されたのはむしろ本作のほうが先で、むしろ元ネタと言うべき存在なのかも?

ただ、本作のアニメ化がここまで遅れたことにはそれなりの理由もあると感じています。
ほかの作品にはない独自要素や先見性は見て取れるのですが、おもしろいか?と言われると答えに窮する出来で
このタイミングでアニメ化されたことがかえって不運というか…厳しい戦いになると思います。

話は変わりますが、異世界転生モノのアニメを見ていて日本的な表現が気になることがしばしばあります。
たとえば教室のドアが引き戸だったり、黒板に書かれた筆算が日本独特のやり方だったり、こまかいところでは
背嚢をリュックと呼んでいたり…日本人であるがゆえに違和感を感じない日本式の描写があるわけです。
日本人が違和感なく見れてしまう異世界って異世界感がないんですよ。異世界ならではの違和感があるべきで。

…ここまで言うと、どのアニメの話をしてるかわかってしまうな(笑)
違和感しかない異世界でふと見つけた日本に「この人も転生者なのでは?」となるほうが衝撃は大きいですよね。

                    ◇     ◇     ◇

テレビ朝日のヌマニメーション枠ではじまった「RE-MAIN」は水球を題材にした五輪特需アニメのひとつ。
MAPPA制作で、西田征史が総監督として随所に関わっていることにちょっと期待していました。
しかし当のオリンピックははじまっているし、なんなら水球の試合もやってる。なのに本作は水球をはじめない。
第3話まで進んでいるのにいまだに水球がはじまらない。全英ゴルフの影響で1週お休みだったのも痛手でした。

今後の展開に期待…としか言えない。とりあえず水球がはじまるところまでは見続けるつもりでいます。



政治的主張は一切ないという前提で、東京2020オリンピックに対する自分の考えを書いておこうと思います。
なぜ急にこんなことを書くのかといえば、どこかであきらかにしておくべきと感じたからですね。

既に始まってる大会について、いまさら開催すべきか中止すべきかを話すのもバカバカしい感じがするのですが
開催前にオフラインで話していた自分の考えは「どちらの意見もわかるからどちらとも言えない」です。
コロナで経済的に困窮する人がたくさんいて、中止になったら『経済死』する人がさらに増えるおそれがある。
運営側の負担は置いといて、民間のお金の問題がどうにも気になってしまい、どちらにも寄れず。

あとは今大会で初めて競技として採用されたスケートボードに対する思いがありまして。

ゲームを起点にして早12年、採用が決定してからは5年?になるでしょうか。とにかく待っていたわけです。
国内では反社会的と見られることの多いスポーツに、その印象を更新できるかもしれないチャンスが訪れるのを。
加えて『ゲームの題材としてのスケートボード』の再燃にも期待がかかっていました。


開会式の入場行進にゲームミュージックが採用されたことについては、正直に言えばただ恥ずかしかったです。
この恥ずかしさってどう説明していいかわからないんですが、あまり表立って言えないような自分の趣味嗜好が
突如大舞台で衆目に晒されたことに対する勝手な精神的負荷というか。
クラスのイジり好きな同級生に自由帳を取り上げられて教室に壁に貼り出されたみたいな、そんな恥ずかしさ。

一般視聴者には出自のわからない曲ならまだよかったんですけど、チャンネルを変えて最初に聞こえてきたのが
「モンスターハンター」の例の曲で、なんのアレンジもされずそのままだったのが余計にダメで。
不愉快とか腹が立ったとかいう感覚はなく、うれしくもなく、ホントにただ恥ずかしいと感じただけでした。

ちなみに開会式の入場行進以外の部分は見ていません。裏でアニメを見て「Fortnite」をプレイしていたので。

「本来であればもっと違うやり方の開会式になっていた」みたいな裏話は個人的にはどうでもいいことです。
むしろ、そういう裏話を知るために写真週刊誌の記事を読むような人たちを自分は軽蔑します。
(オリンピックやスポーツに敵意をもってる人がいるように、写真週刊誌に敵意をもってる人もいるんです)

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