2022年12月20日 (火)

メカニカルキーボードの話(キースイッチ交換編)

前回のキーキャップ交換に続いて、今回はK688 RGBのキースイッチの交換です。
興味があって選んだ青軸のキーボードでしたが、実際使ってみて「このクリック音は常用には向かない」という
悲しい判決が下り(笑)代わりのキースイッチを比較動画などを参考にしつつ、何週間か検討しました。
寝る時間も削って…と言ったら大袈裟ですが、ヒマさえあればスイッチの情報を仕入れていたと思います。


Mechkbd17

そして選考の結果、タイミングよくブラックフライデーで安くなっていたKailh Halo Trueに決定。

単にHalo TrueだけとかDrop Halo Trueとか、ショップや比較動画によってさまざまな呼び方で紹介されていて
正式な名称がわからないのですが、Input Clubのデザイナーが設計してKailhが製造、Dropが独占販売…という
複雑な経緯を経ているスイッチだとかで、この3社のうちどれかが商品名の頭につきます。
スイッチのアッパーハウジングにKailhの刻印があるので、自分はKailh Halo Trueという表記を選びました。

Halo Trueは分類上はタクタイルスイッチ。茶軸の仲間と言えばわかりやすいでしょうか。
茶軸は「赤軸と青軸の中間の性質をもつスイッチ」と紹介されている様子をよく見かけます。
赤軸ほどスムーズかつ素直ではなく、青軸のような大きなクリック音はしないけど押した感じはしっかりある。
押し始めから底に着くまでのあいだに独特の『山を越える』感触があるスイッチです。
タクタイル(Tactile)は直訳すると「感触」「触覚」という意味なので、まさにそんなイメージですね。


せっかくメカニカルキーボードにするのだからメカニカルならではの体験をしたい!と当初から思っていたので
性質が素直なリニアスイッチ(赤軸や銀軸)は最初から候補に入れていませんでした。
で、クリッキースイッチ(青軸)も実際使って難儀なことがわかり。それでタクタイルから選ぶことに。


Mechkbd18

Halo Trueの特徴としてまず挙げられるのは、58~100gfというスプリングの重さ。
平均が50~55g、60g台で重めと言われるなかで、最大100gに設定されているHalo Trueはかなり重めの部類。
ただし、この重さは『底打ち』するまで押し込んだときの話。『底打ち』しないよう使えば60~65g程度。
重さで『底打ち』を防ぐ。軸の保護を目的とした、あえての重めなスプリング設定なわけです。

タクタイル特有の『山を越える』感触が押し始めのほうに来るよう設計されているのも特徴のひとつ。
本家・Cherry MXよりも『山を越える』感触を大きめに、かつ滑らかになるよう作られている…のだとか。

なにせCherry MXのスイッチを触ったことがないですからね(笑)比較しようがない。全部他人の受け売りです。

聞きかじりついでに言うと、Halo Trueをそのまま使う人はあまり多くないそうで。
別のスイッチのパーツと組み合わせて作る『フランケンスイッチ』の材料としての人気が主と言われています。


Mechkbd19

 (写真左がKailh Halo True、右がRedragon 青軸)

ほかに仕様面でいうと、バックライトを拡散させる目的でアッパーハウジングの一部がレンズ状になっています。
ならべて比較すればわかる程度の違いではありますが、たしかにハウジング全体が明るく見えます
この独自形状のため互換性はやや低く、レンズ部分に塞がれているので4ピンLEDは取り付けられません。
K688なら問題ありませんが、他のキーボードでは交換に向かない場合があるのでご注意ください。


Redragonの青軸からHalo Trueに交換してみて、個人的にはかなり満足しています。好みに合いました。
比較動画では感触やスプリングの具合までは確認できないので。使い始めてようやく安堵。

重いと言われるスプリングもそれほどではなく。ふだんノートPCの薄いアイソレーションタイプのキーボードを
使っている自分がそう感じるのだから、おそらく多くの方がすんなり馴染める重さではないかと。
『山を越える』とき若干ざらっとした感触はあるものの、変に金属が擦れるようなシャキシャキいう感じもなし。

スプリングが重めなせいか、スイッチが戻るときのアッパーハウジングに当たる音がやや大きめに感じます。
全体的な動作音がかなり静かなので、戻るときの音が際立って聞こえるのかもしれません。
サイレントを謳っていないタクタイルスイッチのなかではかなり静かな部類であると比較動画でも感じましたが
余計な音が鳴らない、使う本人も周囲にいる人も気分を害さない穏やかなスイッチだと思いました。


Mechkbd20

余談ですが、自分がHalo Trueに注目したきっかけは比較動画で聞いたタイピング音にありました。

メカニカルキーボードのユーザーが何を理由にスイッチを選んでいるのか、それまでピンとこなかったのですが
比較動画のPBT製キーキャップと組み合わせたときのちょっと硬質な、コトコトと鳴る感じがとても耳障りよく
「これが自分にとっての好みなのかもしれない」と、わずかに可能性を感じたわけです。
実際はHalo Trueの動作音ではなくキーキャップの素材によるところが大きかったんですけど…(笑)

動作音が静かなおかげでキーキャップの音を楽しみやすくなるというのはあると思います。
同じキーキャップでも青軸につけると聞こえ方が全然違いますからね。やっぱり青軸のクリック音が勝っちゃう。


それと、比較動画で聞いたあの音に近付けるにはデスクマットの有無も大事なようです。
K688の構造が原因で、デスクに直置きしたときと下に何かを敷いたときで音に違いが出ることに気付きました。
ためしにK688の下にフリースのブランケットを敷いたところ、動画で聞いた理想の音に近付いたのです。

デスクマットを敷くと打鍵時の振動が下に伝わりにくくなり、ゴツゴツと響く低い音が解消され静かになります。
音にこだわる人とはもちろんのこと、騒音をできるだけ小さくしたい人にもオススメです。


Mechkbd21

Halo Trueとは別に、ピンポイントで使用するためにJWK(JWICK) Ice Whiteも入手しました。

Ice Whiteは赤軸の仲間、リニアスイッチに分類されます。スプリング設定が45gというかなり軽めのスイッチ。
候補からはずしたはずのリニアをなぜ買い足したかというと、スペースバーや左右Shiftに使いたかったから。

メカニカルキーボードの横長のキーには、どこを押しても垂直に下がるようスタビライザーなる機構がついてて
スイッチ以外にスタビライザーの音や重みが加わってしまうので、これを抑えたかったという理由もあり。
でも一番の理由は小指で同時押しする機会の多いShiftキーを軽くしたかったから。
意外と連打しがちなEnterキーやBackspaceキーに使うのもありです。文章打つのがかなりスムーズになります。

Ice Whiteの押し味はスコスコって感じ。たとえるならPS4のL2・R2ボタンみたいな。ほぼ無音です。
国内のネットショップでもかなり安く手に入るスイッチなので、軽くて静かなリニアがほしい人にはオススメ。


K688にもともとついてたRedragonの青軸78個のうち、テンキー周り以外はほぼ交換してしまいました。
青軸を完全になくすのもちょっとイヤだなって思ってるんですよ。たまに押すぶんにはおもしろいスイッチだし。
だけど文章を打つ際に多用するキーには使えない。なので、テンキーに残すくらいが落としどころかなぁと。

理想の状態に落ち着くまで紆余曲折ありましたが、これにて自分のメカニカルキーボードは一旦完成ってことで。



ゲーム用途で買ったはずがすっかり文章を打つようにカスタマイズしてしまいました。これが沼か…。
最近はブログの記事を書く以外でも、ふだんのPC使いで普通にこちらのキーボードを使用するようになりました。

しかし、ノートPCとキーボードをならべるとどうしても面積を取ってしまいます。重ねて使う手もありますが。
全高3cmほどあるキーボードをノートPCのキーボード面に重ねるとさすがに高さを感じます。
それと重ね方の工夫。ノートPC側のキーボードに接触しないよう、足なり板なり追加してやる必要があるので。

このへんの話はまたいつか結果を報告しましょうか。記事にできるネタが増えるのは自分としても助かります。

| | コメント (0)

2022年12月16日 (金)

メカニカルキーボードの話(キーキャップ交換編)

Mechkbd10

10月末に購入したK688 RGB、紆余曲折あって現在こんな姿になってます。こやつ文字の発光を捨ててる…!?

K688を注文した直後、K688のキーキャップと同様に文字の部分が透過してるキーキャップを色違いで2セット
別途注文し「キーキャップのカスタムもこれでOK!」と、そのときは思っていたのです。
しかし、その後もAliexpressでキーキャップを物色してたらとんでもない掘り出し物を発見してしまいまして。


Mechkbd11

見た目はEpomakerのSea Saltキーキャップの日本語プリント版…という言い方しかできません
Epomakerの公式ショップで現在も販売されているセットで、公式ショップでの販売価格は35.99ドル。
これがなんと1,437円で販売されていまして…送料を安く抑えるためか、ケースを移し替えてはあったのですが
(Aliexpressでは送料や配送中の破損を考慮して、Jarと呼ばれる円筒形の容器に移し替える場合がある)
それにしたって普通ならありえない、使えるものが届くのであれば見逃すには惜しい"発見"でした。

仮に粗悪な商品が届いたとしても諦めがつく値段だろうと思い、意を決して注文。
こちらの不安とは裏腹に約1週間後、Aliexpressにしてはかなりの早さで無事手元に届きました。
開封してキーをひとつひとつ検品してもなんら問題なし。真贋は別にして、使えるものなのは間違いありません。


その後、どうしても紫色を入れたくて別途キーキャップを買い足し、写真の状態に組み合わせています。
理想の色味とは微妙に違ったのですが、紫色は単体で販売してるところがあまりないし、まあよしとしました。


Mechkbd12

さて…このEpomakerのSea Salt"らしき"キーキャップ、XDAプロファイルのしっかりとしたPBT製です。

プロファイルというのはキーの形状のことで、K688の純正品はOEMプロファイルという形状でした。
OEMは列ごとに4種類の傾斜がつけられていて、人の手に合わせて緩やかなカーブを描くよう設計されています。

XDAはスペースバー以外のすべてのキーが同じ高さ、同じ形状で、取り付けると表面が真っ平になります。
(スペースバーはどのプロファイルでもだいたいキートップ部分がかまぼこのような凸状になっている)
ぱっと見の印象がいかにも自作キーボードっぽい、玄人っぽい雰囲気を醸し出してくれるプロファイルです。
ややクセのある形状とも言えますが、キーの位置を入れ替えても違和感が生じないというメリットがあります。
また、キートップが広めなので雑なタイピングでもミスしにくいと言われています。


PBT(ポリブチレンテレフタレート)は耐久性・耐油性に優れた、PET樹脂に近い性質をもつ素材なんだとか。
K688の純正品はABS製で、身近なところではガンプラやミニ四駆など玩具にも採用されている素材です。

PBT製のキーキャップは皮脂を吸収しにくく、長く使ってもテカりにくい特性があるそうな。
ABSとくらべて表面がさらさらしていて厚みや重みがあり、打鍵音が低めになる傾向があります。
あとは個人的な印象として、PBTは触れるとひんやりしてて気持ちいいです。ポリストーンみたいな冷たさ?


Mechkbd13

このキーキャップを選んだ最大の理由は日本語プリント。海外製なのに『かな印字』されてるんですね。
いまのところK688をメインのキーボードにするつもりはありませんが、将来的に文章を打つ可能性を考えたら
いつかは『かな印字』のキーキャップを手に入れたいと思っていました。
なので、渡りに船だったわけです。「次にいつ来るかわからない船ならいま乗っておくしかない!」と。

おもに海外向けに販売される英語配列用キーキャップに『かな印字』があるのはちょっと不思議な感じがします。

Instagramのキーボード界隈(!)を見てると、日本語が書かれているのがカッコいいと思ってる人が多いのか
あえて『かな印字』のキーキャップでカスタムしている非・日本語話者の投稿を頻繁に見かけます。
『かな印字』なのに26キーしか使ってなかったりして、実用的な目的でつけてるとは到底思えません。


英語配列のキーボードに『かな印字』のキーキャップを取り付けても日本語配列のキーボードにはなりません。
日本語配列とくらべて英語配列はキーの数が少なく、どうしても足りないキーが出てきてしまうのです。
使う頻度の少ない余分なキーを省略しているミニキーボードならなおさら深刻なわけで。
このへんの問題をどうクリアするかが、英語配列で『かな印字』を実用するうえでの大きな壁となります。


Mechkbd09

英語配列のキーボードでおもに問題になるのは「む」「ろ」の位置、それと「ー(長音符合)」

「む」はEnterキーの上。ホームポジションからやや右に逸れたところに横長のキーとして存在します。
OSのキーボード設定を『英語キーボード(101/102 キー)』に変更すれば「ろ」のキーは有効になるのですが
場所がTabキーの上、日本語配列で「全角/半角」があるべきところに置かれてしまいます。
ここはミニキーボードだとEscキーになっているものが多く、3つのキーがポジションを争う状態に。

「ー」にいたっては物理的に存在しません(※)ワンボタンで「ー」になるキーがないんですよ。
キーが存在する「む」はまあいいとして、「ろ」と「ー」はなんとかして独立したキーを確保したいところ。

 ※英語配列キーボードでは、Shiftキーを押しながら「ほ」を押すと「ー(長音符合)」になります。


Mechkbd16

自分の場合、『日本語キーボード(106/109 キー)』設定のまま「ChangeKey」でこの問題に対処しました。

きちんとやるなら『英語キーボード(101/102 キー)』に切り替えてやったほうがいいんですけどね。
日本語配列と英数配列では一部の記号(@や&など)の位置が違うため、『英語キーボード』設定にしたほうが
間違いはないのですが、そこまで真剣に移行する気がないので自分はこれでいいんです。
「その日の気分で」とか「文章打つときだけ」とかで切り替える場合、再起動を挿むのは正直ダルいので。


Mechkbd14

フリーソフト「ChangeKey」を使えば、専門的な知識がなくても気軽にキー配置の入れ替えができます。

Escキーを「全角/半角」に、右Ctrlを「ろ」に、右Altを「ー」にすることで日本語配列に近付けました。
代わりのEscキーをどこに設定するか迷っているのですが、これまでの人生で一度も押した覚えがないF6キー
Escキーを置いて使用感を確認しています。このへんは好みに合わせて選べばよいかと。
(「ー」と「ろ」のあいだにある紫色のキーはFNキーなので、ソフトウェア的なキーの入れ替えができない)

ノートPCに接続して使う場合、ノートPC側のキーボードの使い勝手も考慮して配置しましょう。
何かアクシデントが起きてから「そういえばあのキーないじゃん!?」ってなことにならないよう注意が必要。


現状このキー配置でまずまず不満なく打てています。ちょっと不便なのが右Shiftキーと「む」の同時押し
ふだん日本語配列でカギ括弧を打つときは右Shiftキーを小指で、「む」を薬指で、つまり右手だけで押していて
英語配列で同じことをしようとすると手の構造的にかなり無理が生じてしまいます。

左Shiftキーを使えばよいのでしょうけど、『かな入力』中は左Shiftキーって基本的に使わないんですよね。
あらためて確認してみたところ「っ」や「ょ」などの小文字もすべて右Shiftキーと同時押しで入力していました。
自分が左Shiftキーを使うのは半角英数で頭文字を入力するときだけのようです。
自分自身のタイピングのクセを調べる機会を得られたこともキーボード購入後のひとつの収穫かもしれません。


Mechkbd15

…そういえば肝心の使い心地に関してまだ書いていませんでした。正直言って速度はあまり出ません。
そこはやはり日本語配列かつキーが浅いノートPCのアイソレーションタイプのキーボードのほうが優勢ですね。

でも、タイピングという行為自体が格段に楽しくなる。新しい靴を買ったときみたいな感覚というか。
同じ目的地に向かうにしても履いてる靴によって退屈にも楽しくもなる。目的もないのに歩きたくなってしまう。
手段と目的が逆転して、とにかく文章を打ちたくなってしまうんですよ。そりゃ記事も長くなります

英語配列で無理矢理『かな入力』している都合、誤打や打ち損ね、もたつきはどうしても生じてしまいます。
つまづきながらでも楽しく打てる、肌触りを確認するだけでも満足感のある、良きキーボードになりました。


ゲーム用に買ったつもりが結構真剣に環境を整え始めてしまって…まあそれはそれでいっか。



冒頭で触れた色違いのキーキャップ2セットの行方が気になっている方もいらっしゃるかもしれません。

今回写真で紹介したPBT製キーキャップに交換するまでの数週間のあいだだけ、部分的に使用していました。
いまとなってはムダな買い物だったとしか言えず…まあ、1セットあたり250円くらいの激安キーキャップなので
損失と考えても微々たるものですし、そのうち日の目を見る日が来るかも…?

キーキャップをPBT製に変えて「青軸もなかなか悪くないかも?」と思えることがひとつありました。
それはスペースバーの感触で、青軸にPBT製のスペースバーを乗せると昔のワープロ専用機のスペースバーの
音や感触に非常に近くなって、押しててなんだか懐かしさを感じるんですよね。
「あのころこんな音だったなぁ…」って、当時の記憶がふつふつと蘇ってきてちょっとうれしくなりました。


英語配列のキーボードのメリット、いろいろ言われていますが一番実感するのはやっぱり選択肢の豊富さ。
そのまま使うにしてもカスタマイズするにしても、選択肢が多いので選ぶ楽しさがあります。

機能面でのメリットは自分の使い方ではなんとも言えません。Backspaceが大きくて押しやすいくらいかな?
プログラマーがコードを打つのに向いてるとか、ショートカットを押しやすいなんて話はよく聞きます。
あとはスペースバーが長いのでゲーム用途に向いてる(FPSでジャンプしやすい)なんて意見も見かけました。

ハッキリ言って『かな入力』には向いてません(笑)明確なデメリットがあることは理解して使ってます。ハイ。

| | コメント (0)

2022年11月28日 (月)

ノートPCの冷却ファンを上下逆に取り付けてみた話

自宅用のノートPCで二代にわたって発生した悩ましい不具合。それは冷却ファンのノイズです。

これまでは単純にグリスの枯渇による軸のブレや摩耗が原因ではと思っていたのですが、もっと根本的な原因が
あるのではないかと思い、ノートPCを分解して角度や向きなどいろいろ変えつつ試していました。
そのなかで、『重力が影響している』というひとつの仮説が浮上したのです。


Lptp_coolingfan1

ノートPCの冷却ファンは本体内で逆さの状態で取り付けられ、動作しています。
内部で回転しているファン(羽根)は磁力で回転軸に保持されていて、わずかに上下する程度の余裕があります。
重力というと極端ですが、タイピングの振動などが影響して微妙に下方にズレる可能性があるわけです。
この仮説が正しければ、定期的に掃除したりグリスを注したりしても効果は薄いと言えます。


Lptp_coolingfan2

仮説を検証するためふたつの実験を試みました。まずはシンプルに、動作中に下から指で押し上げてみる(笑)

冷却ファンのノイズが大きいとき、回転が止まるくらい強く下から押し上げたあと指で回して回転させてやると
グリスを注した直後くらいの静けさを取り戻すことがわかりました。
しかしこの方法では定期的に押し上げてやらねばならず、安定動作と言えるものではありません。


Lptp_coolingfan3

ふたつめの方法は、冷却ファンを上下逆に取り付ける。重力による下降を物理的になくす方法です。

冷却ファンのネジ穴の位置によっては上下逆に取り付けることができない場合があります。
実際うちのノートPCの冷却ファンは左右非対称の設計だったので、逆に取り付けるには改造が必要でした。

上下逆に取り付けるうえでもうひとつ注意しなければならないのが、正しく吸気がおこなえるか?という点。
おそらく多くの冷却ファンは上面と下面にほぼ同じ径の吸気口が開けられていると思います。
この場合は上下逆にしても吸気に影響はないはず。片面しか吸気口がないモデルは対策が必要かもしれません。


Lptp_coolingfan4

冷却ファンを上下逆に取り付けてから1週間試用してみて、音も温度も問題なく動作しています。

まず、起動時にノイズが発生しないことに大きな変化を感じますね。一日の最初が一番ノイズが大きかったので。
動作音が静かになったことに加えて、キーボード側にまで伝わってくる振動も解消されました。
もっとも懸念していた温度も平均で50℃前後、高負荷時も55℃程度なので安心して見ていられます。
(高負荷といってもせいぜいYouTubeでライブ配信を見るくらいなので、それ以上の負荷に耐えるかは不明)

うちのノートPCはもともと必要以上に回転数を高くするクセがあって、回転数を制御するフリーソフトを入れて
静かに冷やすようにしてあるのですが、それでも上記の温度なのできっと大丈夫でしょう。

今後も監視を続けていきますが、ひとまずノイズ解消の効果があったと言えるのではないかと。


それにしても、世の中のノートPCはどうして冷却ファンを逆さに取り付けているのか。甚だ疑問です。
最初から上下逆であれば購入から数年後にユーザーが悩むこともないのに…いや、そこがもう認識のズレなのか。
メーカー側は同じノートPCを何年も、物理的不具合が生じるまで使い続けることを想定していないのかも。



PCの静音化は結構な深さの沼であり、どこかで引き際を見極めないと逆にストレスになってしまいます。

今回の検証でノイズの解消にはつながりましたが、頭のどこかで原因を意識し続けることにはなるはずです。
「いまは静かだけどまたうるさくなったらどうしよう?」とか「改造した部分が壊れないか?」とか。
つまり、実際に音を発しているかどうかではなく『発生源が存在するだけでノイズになる』が正解なんですよね。
機嫌よく回っているのにムダに顔色を意識してしまったり。人間関係に近いかもしれません。

人間関係の場合、どこかで他人を他人として切り分ける必要があると思います。
自分とは違う人生、人格である。自分がケアする義務のないものであると(良い意味で)諦めるのが大事です。

| | コメント (0)

2022年11月 3日 (木)

光るキーボードを買った話(Redragon K688 RGB)

人生で初めてのメカニカルキーボードを買った話をします。しかし、まずどこから話せばよいやら…。

キーボードって普通に使ってるとまず壊れないし、買い替える機会が少ない周辺機器だと思うんですよね。
自分のPC歴は四半世紀ほどで、それ以前のワープロ専用機の時代も含めると、人生の大半をキーボードとともに
過ごしていることになるのですが、キーボード遍歴で考えると片手の指で足りるほどの台数しかありません。
ノートPCのキーボードを含めてもPC用は今回でやっと5台目。


最初のキーボードは富士通製のいわゆる付属品。特に自分で選んだものではありませんでした。
次に買ったのがたしかXbox360を購入したすぐあとで、ゲーム機に接続できるキーボードがほしくなったものの
前述の富士通製がPS/2接続の古いモデルで、USB接続できるものを求めて新たに買い足したわけです。
このとき買ったエレコム製の黒いメンブレンはいまでも「FF14」をプレイする際に使っています。
目立った特徴がなく、使ううえでは特に不満を覚えない、丈夫で長持ちする優れたキーボードだと思ってます。

その後デスクトップタイプをやめて、ノートPCに切り替えてからは外付けキーボードを使わなくなりました。
ノートPC特有の薄いキーボードが自分には合ってたんですよね。疲れないし場所を取らないしで。


Mechkbd01

で…特に壊れてもいないのに今回なぜキーボードを買う気になったか?といえば、ゲーム用途で使い続けてきた
黒いヤツの見た目に飽きが来ていたから。加えて、メチャクチャ光るキーボードがほしくなってしまって(笑)
光るのってやっぱ強いんですよ、玩具として。『光る・動く・音が鳴る』は売れる玩具の三大要素ですし。
極端な話、光ってくれさえすれば実用に堪えないものでもいいとすら思っていました。

いや、この場合の実用というのは「日常使いに堪えるかどうか?」という意味ですね。
現在使っているノートPCのキーボードに特に不満はないし、あえて外付けして使うつもりもありませんでした。
とりあえずゲーム用途で、Xbox OneやPS4で使うキーボードという建前で候補の選定を開始。

その場合キーボードに求められる要件はなんだろう?と、まずはリストアップしてみることに。


 ・単色LEDではなくRGBでメチャクチャ光る(必須)
 ・矢印キーとテンキー付き
 ・ゲームで使う機会のない余分なキーが省かれている
 ・ケーブルの挿込口が本体の左側面にある
 ・メカニカルキーボード(できれば青軸)
 ・本体カラーが黒以外の、できれば見た目がかわいいもの
 ・実用を考えれば日本語配列のほうがよいが、英語配列でも問題なし
 ・以上の条件を満たしたうえで、国内で入手しやすい安価なもの


いわゆるバックライト付きのキーボードには大きく分けて、単色LEDRGBの2種類があります。
単色LEDは文字通りの単色バックライトで色の切り替えができません。光りはするけど見た目につまらない。
RGBに似たところで、多色LEDだけど色の変更ができないマルチカラーのモデルも存在します。当然これもNG。
公称1680万色のRGBこそ正義。クリスマス時期のイキった一軒家みたいに光るキーボードがほしかったので。


矢印キーとテンキーは無意識に指が求めてしまう場面が多いので、優先的な要件としました。

「事務作業に使わないならテンキーなくてもよくない?」と思われる人のほうが多いのではないかと思いますが
ワープロ時代からテンキーがあるのが当たり前で、テンキーがある前提のタイピングになっておりまして…。
そのせいで、ノートPCを選ぶときはちょっと苦労しました。市場はテンキーレスの機種が主流ですし。

ゲーム用途で考えた場合も、マウスの移動範囲を広く確保できるのでテンキーレスを選ぶ人が多いみたいです。
でも「FF14」などのMMORPGをプレイするつもりならキーは多いに越したことはありません。

省スペースモデルのなかにはFNキー(ファンクションキー)と同時押しで、記号キーが矢印キーとして機能する
タイプの製品もあるのですが、いちいちFNキーを押さなきゃいけないのは絶対ストレスになると思いまして。
FNキー同時押しで許せるのはHomeやEndまでだろうと、使用感を想像して判断しました。


ケーブルを左側面に挿すモデルは一般的には不評のようです。PCを左側に置く人は少ないでしょうしね。
ノートPCと前後にならべて使う場合、ケーブルが中央から伸びるモデルだと邪魔になります。
エレコム製のキーボードを使っていて唯一不満を覚えていたのがそこで、次にゲーム用途で選ぶとしたら絶対に
左側面からケーブルが伸びるモデルを選ぼうと考えていました。


Mechkbd02

メカニカルキーボードにこだわった理由は、メカニカルキーボードというものを使ってみたかったからですね。

なんかメカニカルの世界がおもしろいらしい。特に青軸ってヤツがヤバいらしいと噂に聞いていたので。
ただ、これに関しては試してみないと向き不向きがわからないだろうと思ってました。
自分はマウスのクリック音がダメで、マウスをあれこれ改造した末にタッチパッドに落ち着いたほどだったので
青軸を自宅に向かえるのは自殺行為というか、好奇心を抑えられなくて賭けに出た感じでした。

 ※青軸とはキーボードのスイッチの呼び方で、感触や音の違いを赤や茶色などの色で区別しています。


キー配列については、自分はワープロ専用機でタイピングを覚えた絶滅危惧種の(笑)『かな入力』使用者なので
キーに日本語の『かな印字』がなくても日本語配列のほうがスムーズに打てるのは間違いありません。
英語配列でも『かな入力』自体は可能ですが、「ろ」が打てないなどの問題が生じがちです。

メカニカルキーボードの世界は基本的に英語配列で、日本語配列のキーボードは選択肢が少なく、かつ高価です。
日本語配列の省スペースモデルはテンキーレスしか見つからず、今回は候補に入りませんでした。

見た目に関しては、あとからキーキャップを差し替えるなどの手段はあります。メカニカルの利点ですね。
それにしたってやっぱり英語配列のほうが選択肢が豊富で、安価で入手できるものが多め。
そもそも実用にあまりこだわっていなかったし、『ローマ字入力』もできる人なのでどちらでもよかったのです。


値段については、「後悔しても痛手にならない範囲で」という実験的な意味も込められています。

Aliexpressなど海外のショップもチェックはしましたが、キーボードはなぜか原産国よりも国内のほうが安くて。
特にAmazonでは低価格帯の定番のメカニカルキーボードが安価で販売されています。
しかしここでひとつ気を付けなければならない問題が…最近流行っている不当に高い配送料を請求する出品者
キーボードひとつで配送料8,000円とか15,000円とか。どこから輸入したらそうなるの?

「これいいな」と思ったモデルがどれもこれも配送料詐欺状態。なんとかならないんですかね?、これ。
そんなこんなで調べ始めてから1か月ぐらい長考した末に、初期に「いいな」と思ったモデルに落ち着きました。


Mechkbd03

RedragonのK688 RGB。Amazonで3,499円で販売されていた75%メカニカルキーボードです。

キーボード界隈ではフルキーボードに対し「キーを何%残して小型化しているか?」でパーセント表記します。
75%キーボードはEnterキーの右に1列追加したものを指すのが一般的ですが、K688はF1~12の上1列を削って
テンキーぶん右に3列追加しているので、割合としては75%表記でまあ間違いないのかな?と思います。
60%キーボードに矢印キーとテンキーをぎゅっと押し付けたような、横に長いデザインです。

カラーリングは海外の販売状況を見ると5種類くらいあるようですが、国内では4種類のみ確認しています。
ブルー&ホワイトもしくはブラック&イエロー。それぞれ赤軸と青軸があり、軸によって配色が異なります。
自分が注文した時点ではブルー&ホワイトの軸違い2種類のみになっていました。

文字キーが白いほうが各種ショートカットキーの刻印が見やすいだろうと判断してこちらの配色を選びましたが
たまたまこちらが青軸だったからよかったものの、軸が逆だったらもっと悩んでいたでしょうね。


Mechkbd04

大きな特徴としてはF1~F12キーの省略、左側面にあるケーブル挿込口、そしてRGBバックライト。
PC側に専用のアプリをインストールしなくても、接続するだけで約20種類のイルミネーションを楽しめます。
つまりXbox OneやPS4など家庭用ゲーム機に接続した場合も同様のバックライトが可能ということ。


見た目もそこそこかわいいですよね。全体が一色に統一されてるモデルが多い価格帯では目立つキーキャップ。
しかもオマケで違う色のEscキーとスペースキーが付属してて、買ったその場でプチアレンジもできてしまう。

Redragonというブランド名とロゴは好みが分かれるところですが、海外ではかなりのシェアを誇ってるそうで
同価格帯で有名な『e元素』の大元となるメーカーがこのRedragonなんだとか。
『e元素』は最初の候補だったのですが、ホットスワップ(スイッチ交換)の面でちょっと問題があるのを知り
先々のことを考えたらあんまりよろしくないか…と、比較的早めの段階で候補からはずしました。
あと、『e元素』のユーザーは非常に多いみたいで。違うものを選びたかったという心理もあり。


Mechkbd07

メチャクチャ光るという点では大満足しています。マジでメチャクチャ光る。しかも思っていたより明るく。
部屋の明かりがついてたら見えないのでは?と思っていたのですが、想像していたよりも全然目に刺さる明るさ。
光るだけでめっちゃテンション上がる。光らせた状態で飾っておくだけでも生活品質が向上します

これはうちの環境の問題かもしれませんが、発光時にUSB DACがノイズを拾うのを確認しています。
USB DACとキーボードを隣接したUSBポートに接続すると発生、遠い位置のUSBポートに接続すれば発生しない
というところまでは確認できているので、そんなに重く見るべき問題ではないと思っています。
ゆっくり明滅するパターンだと音も合わせて増減するのがちょっとおもしろくて。一聞の価値ありです(笑)


キーのバックライト以外に、Caps lockとNum lockの状態を示す赤色LEDが「2」キーの上にあります。
同社の無線モデルだと無線の接続先やバッテリー残量を示す点灯などもあるみたいですが、このモデルにはなし。


Mechkbd08

商品のレビューという観点で言うと、9割は満足。思ってたよりもしっかりした作りで重量感もあります。
この重量感の原因はおそらくキースイッチをはめ込むベースプレートで、金属製のように見えます。
ベースプレートとPCB(基板)、PCBとケースのあいだにEVA素材らしい吸音フォームが標準で内蔵済み。

つまり既に反響防止はできているのですが、ガスケットマウントのような防震構造にはなっていません。
打鍵の振動がケースを伝ってデスクに響くので、気になる人は下に何か敷いてあげるとよさそうです。


外箱は化粧箱つきの二重構成でキレイだし、付属の説明書も読めなくはない程度の中国語。

1割の減点は一部のキーキャップに成型時のバリが残っているところ。紙ヤスリでもあれば消せるレベルですが。
それと、Shiftキーなど横長のキーを支えるスタビライザーからはみ出るほどグリスが塗られていました。
メカニカルキーボード界隈ではこのようなグリスアップのことを『ルブ』って言うらしいですね。
神経質な人は使い始める前にグリスを処理しておいたほうがいいかもしれません。


Mechkbd05

さて…問題の青軸ですが。結論から申し上げますと、やっぱり青軸の常用は難しいですね。

青軸特有の音が気に障るというより、音がデカい。音の大きさが気になってしまって使い続けられません。
マウスのクリック音の3倍くらい。ゲーマー的に言えば、アケコンの三和製スティックに近い音だと思いました。
なので、音が理由でアケコンを使えない人はおそらく青軸キーボードも使えないはず。

話はちょっと脱線しますが、キーボード用のスイッチでアケコン作ったら省スペース&静音化できそうな気が。
10年前にメカニカルキーボードのことを知っていたら作ってたかも。三和のボタンより安いし。


音量はスイッチだけの問題ではなく、キーキャップや本体の構造も大きく影響していると思われます。
本体に付属している交換用のスイッチを単体で押してもそこまで大きな音には聞こえませんしね。
違う素材のキーキャップに交換したり、ケースをはずしたりすれば聞こえ方が変わる可能性はありそうです。


「常用は無理」といっても、それはPCの作業すべてをこの青軸でやる場合の話で。ゲーム用途はまた別の話。
ただ、ゲーム用途で使うとなるとやっぱり音の大きさが気になるんじゃないかと。

対戦型のFPSやTPS、特にボイスチャットが必要になるチーム戦においてはかなりのノイズになりそうな気が。
ゲーム実況界隈でも青軸を使ってる人は音がマイクに乗ってますしね。それをよしとするかどうか。
それと、実際にゲームで使ってみてわかったことですが、押し始めてから反応するまでに若干のラグがあります。
WASDで移動するタイプのゲームの場合、動くたびにいちいちモタついてストレスになると思われます。


幸いK688はホットスワップに対応しているので、あとから銀軸などの好みのスイッチに交換可能です。
K688に使われているのと同価格帯のスイッチならAliexpressで10個セットが150円くらいで購入できます。

補足情報として書いておくと、K688のPCBには5ピンのスイッチに対応する穴が開いています。
市販のスイッチにはK688の標準のスイッチである3ピン(2本の端子と中央の太い支柱の合計で3ピン)のほかに
ピンが2本多い5ピン(PCB上での安定性を高めるために左右に支柱を追加)のものが存在します。
無加工で5ピンのスイッチも使用できるという点で、K688はなかなかカスタマイズ性に優れていると言えます。

個人的にはまずキーキャップを交換したいですね。ブルーも悪くないのですが、もう少し好みに寄せたいので。


Mechkbd06

念願のメチャクチャ光るキーボードを手に入れて、キーボード買いたい欲はひとまず治まりました。
あとは買ったキーボードを使う機会があるかどうか。「FF14」は休止中なので、「PC Building Simulator」を
マウス&キーボード操作するのに使っていますが、本領発揮とは言いがたいところ。

最悪の場合、静かな軸に交換して普段使いにしてしまう手もあるので、悪い買い物だったとは思っていません。

でもね、届いたその日に20%オフ(2,799円)になってたのを見たときはうめき声が出ましたよ…。
青軸のほうだけが安くなっていたので、おそらく自分が注文したのが影響して値下げになったんだと思います。
そう思わないとやってられない金額差です…いやぁ、この価格帯で700円差はデカいよ。


ちなみに海外だと45ドル前後、現在の日本円で6,600円くらいが相場なので3,499円でも全然安いほうです。
ってか、円安の時期に海外製キーボードなんて買うもんじゃないな…買ってから気付いたわ。



K688にはBluetooth接続機能はありませんが、有線でスマホに接続することはできます。
スマホ側の『OTG接続』をオンにして、K688とスマホをケーブルでつなげばキーボードとして認識されます。
(K688に付属しているUSBケーブルはtype-A ←→ type-Cなので、別途ケーブルが必要になりますが)
実際にスマホで使う機会はまずないと思いますが、ソフトウェアキーボードに画面を占有されないのは魅力的。

ひとつ注意すべきなのがキーボードの設定で、英語配列のキーボードですが『日本語106』を選択しましょう。
『英語(アメリカ)』を選択すると半角英数の小文字が入力できないなどの不具合が生じるおそれがあります。

| | コメント (0)

2021年12月20日 (月)

OPPO A73(楽天モバイル版)レビュー

Oppo_a73_03

前回の記事を受けて、今回はOPPO A73のレビューをお届けします。世間的には今更感ある内容ではありますが。

楽天モバイルの実店舗にA73の実機を見に行ったときの第一印象は「大きい」でした。
横幅はP10 liteとほぼ同じですが、縦の長さがやっぱり目立っていて。もはや持ち歩く大きさではないな…と。
たとえるなら『デスクノート』と呼ばれる、15インチを超えるノートPCみたいな。

おもな付属品は充電器とUSBケーブル(type-Aオス-type-Cオス)、イヤホン、それにSIMスロットピン。
画面の保護フィルムは貼付済みで、透明な専用ケースまでついてくるのはありがたいところ。


Oppo_a73_07

A73の画面サイズは1080×2400で、フルHDの端末とくらべて1.25倍も画面が広いことになります。
また、画面占有率は90.7%(公称値)とのこと。一応ベゼルはあるものの、持つのに困るくらい余白がない。

そのわりに薄くて軽い。厚さは約7.45mm、重量は162gで、持った感覚は2000番台のPS Vitaに近いかも。

有機ELを採用した画面は明るい部分はとてつもなく明るく、暗い部分は引き締まった印象。
画面の輝度はマニュアルで最低にしてもかなり明るく、寝る前にちょっと見ようとすると目をやられます(笑)
有機EL特有の画面焼き付きは若干不安ですが、常識的な範囲の使い方をしていれば問題ないのだとか。


Oppo_a73_08

A73の外観上、性能上の特徴のひとつである四眼カメラ。カメラの右隣にあるのはLEDライトです。

カメラユニットの部分がやや出っ張っているので、テーブルに置いたとき密着しないのは一長一短。
ソシャゲをプレイする人だと端末の発熱も結構気になると思うんですよね。
背面ガラスで完全フラットだったP10 liteはテーブルに置いたとき密着して、熱をよく逃がしてくれたのですが
A73はカメラの出っ張りと背面の凸凹加工により密着させるのは不可能と言ってよいでしょう。

背面ガラスの欠点は布の上で滑りやすいことで、枕元に置いたはずが枕の下に…なんてこともしばしばあり。
A73は背面が革製品のようなテクスチャなので布の上で滑りません。地味に安心感があります。

あとはボリュームボタンとイヤホンジャックの位置。ボリュームは電源ボタンと対になる左側面にあります。
スマホスタンドなどに置こうとすると、どちらかのボタンが押された状態になりそうなんですよね。
イヤホンジャックはマイクやスピーカー、USB端子などとまとめて下側に配置されています。

横画面のゲームをプレイする場合どちらを上にして持つべきか…ボリュームがある左側かな?


A73の代表的な特徴であるeSIM対応は、SIMカードの有無がそのままメリットでありデメリットであり。
物理的なカードがないので接触不良などを心配する必要がない反面、手持ちの他の端末にカードを移せないので
自由度の低下という意味で困る人もなかにはいるのかもしれません。
普段使っててeSIMであることを意識する場面はまずないです。そこはカードがあったころと違いません。


Oppo_a73_09

他所のレビューでは「エントリー機でありゲーム向きではない」という評価をよく見かけます。
これ、「ハイエンド機とくらべて」の話ですからね。前提をきちんと理解したうえで読むべきだと思います。

たしかに「Fortnite」や「PUBG」のような、家庭用ゲーム機やPC前提のタイトルをスマホでプレイしたい場合
A73に期待すべきではないし、どう考えたってハイエンド機を選ぶのが正しいと思います。
しかし、ゲームにもいろいろありますから。P10 liteのスペックでもリズムゲーは遊べたわけですし。
そのP10 liteを大きく上回るスペックのA73が「ゲーム向きではない」とは、少なくとも自分は言えません。

A73には『ゲームスペース』というゲーム専用のモードがあり、ゲームプレイを想定した設計になっています。
発熱は常識的な範囲で、「白夜極光」を30分以上プレイしても人肌程度のぬくもりでした。


ただし縦長画面であることと、画面端の処理が独特であることは考慮に入れておくべきでしょう。


Oppo_a73_04

Oppo_a73_06

A73の画面は四隅が丸く処理されていて、画面端に表示されているものがきちんと見えない場合があります。
スクリーンショットを撮るとわかりますが、システム上は四隅までしっかり画像が出力されています。
まあ、ここが見えなくて困るゲームってまずないとは思いますが…。

ゲーム関連でもうひとつ気になっていたのはストレージ容量で。A73の本体ストレージは64GBあります。
スマホのストレージってシステム容量で結構取られてしまって、実際使えるのは3/4くらいだったりしますよね。
A73を使い始めて、必須なアプリやお気に入りのゲームを入れてもまだ40GBくらい残っています。
これだけ余裕があればもう2~3本ゲームを入れても…って思えてきますが、時間的な余裕が追いつきません。

楽天モバイル版にプリインストールされている楽天関連のアプリは、大半はアンインストール可能です。
「使いもしないアプリに容量を喰われてて困る!」ってこともなく、ありがたい仕様ですね。


余談ですが、A73はスクリーンショットの撮り方が4通り用意されています。
一般的な『電源ボタン+ボリューム下ボタン』のほかに『スマートサイドバー』や『プルダウンメニュー』から
加えて『指3本で画面を下にスワイプ』があり、状況に応じて確実な方法を選ぶことができます。


Oppo_a73_05

他所のレビューでもうひとつ、よく指摘されているのが「撮影した写真が青みがかってる」というもの。
これ読んたときからツッコみたくて仕方がなかったのですが、ホワイトバランスの問題だと思うんですよね。
A73のAWB(オートホワイトバランス)のクセというか、特定の状況下で色温度が低くなってしまうみたいで
PROモード(エキスパート)で1000くらい足してあげると肉眼で見た色合いに近付くと思います。


Oppo_a73_11

ホワイトバランスの最適な数値を割り出したいときは、コピー用紙や部屋の壁紙など真っ白なところにカメラを
向けた状態でAWBをオンにする
と、その環境において最適な数値がわかります。
その数値をPROモードで入力、つまり色温度の値を手動で固定してあげれば「青みがかる」は防げるわけです。

このAWBのクセ、P10 liteにもあったんです。なんでしょう…中国系スマホ共通のクセとか?


個人的にA73のカメラで気になったのはハードウェア面ではなく、カメラアプリのシステム面の問題。
標準の「写真」モードと「夜景」モード以外では画角の変更ができず、比率が3:4固定になってしまいます。
それに画素数の指定もできず、どの画角でも最大画素数での撮影しかできません。
あとから写真アプリでトリミングすれば済む話なんですけど、手間が増えるのであんまり好きではありません。

近年のカメラの利用といえばSNSの投稿がメインだろうし、SNSに投稿するならそんな大きな画素数での撮影って
必要ないと思うのですが。画素数を意識しない層に向けたアプリ設計なのかもしれません。

ちなみに四眼カメラの内訳は、「メイン」「超広角」「モノクロ」「ポートレート」だそうな
「ポートレート」はボケ多めの調整になってるみたいですが、「モノクロ」って使う場面そんなにあります…?
HDRを有効化したときメインカメラと複合的に使われていたりするのかも。


Oppo_a73_10

A73の…というよりOPPOの端末共通の特徴として書いておかねばならないのが、通知ランプがないこと。
着信の有無を確認する方法がないんですよ。画面を点灯させてみるまでわからない。
また、充電がどれくらい進んでいるかも画面を見ないとわかりません。これが不便といえば不便なポイント。

着信をすぐに確認したいアプリは『サイレント通知』をオフに切り替えましょう。
着信音も個別に音を割り当てておけば、とりあえず端末付近にいるときはすぐに気付くことができるはずです。
『スリープ時のジェスチャー』にある『ダブルタップで画面を起動』をオンにしておくのもオススメ。
ボタンを押したり端末を持ち上げたりすることなく手軽に通知の有無を確認できるようになります。


ついでにソフトウェア面にも少し触れておくと、A73は現在Android 11までアップデート可能です。

厳密に言えば最新ではありませんが、まあ最新と言っていいバージョンでしょう。楽天モバイル版でありながら
メジャーアップデートが来ているという事実はポジティブに捉えることができます。
購入直後は起動してすぐに山ほどアップデートが降りてくるので、なによりも先に済ませておきたいところ。

Android 11の機能で個人的に、というかゲーマー的に注目しているのは画面録画
ゲームに限らず、スマホの画面上で起きていることを音声も含めて動画で保存できる機能が実装されています。
ためしに「白夜極光」を録画しながらプレイしてみたところ、変に負荷もかからず録画できました。
さすがに2400×1080のフルサイズでの録画というわけにはいきませんが、見られる品質にはなっていました。


普段使用する範囲で感じたことはこんなとこかな。付け加えるとすればバッテリーの容量でしょうか。

A73のバッテリー容量は約4,000mAhで、P10 liteの3,000mAhとくらべてだいぶ余裕があります。
同じゲームをプレイしても残量に余裕がある感じはします。新品と中古品の違いも当然あるとは思いますが。
ケーブルがUSB-Cになったことの恩恵はまだそんなに感じていません。挿しやすいだけ。

身の回りの電子機器にも徐々にUSB-Cが増えてきまして、規格の過渡期でちょっと困ってたりします。
Micro-Bの充電設備を撤去するわけにもいかず、USB-Cの設備も用意したいし…配線をどうすべきか迷ってます。



指紋認証の件については前の記事で触れていましたが、そういえば顔認証について書くのを忘れていました。
A73の顔認証、寝起きの真っ暗な部屋でもロック解除できるくらい反応が鋭いです。
解除しようと思ってないときに不意に解除されてしまうこともあるほどで、過敏すぎる気さえします。

指紋認証のほうは速度はさておき、センサー周辺を拭きやすいのはやっぱり絶大な利点だと思いました。

| | コメント (0)

2021年12月 2日 (木)

特集:フレアガンを作る(1)

普段アニメやゲームの話題しかない当ブログでいきなりこんな記事を載せるのはどうなんだろう?と思いつつも
今年の下半期のおもな活動として公表しておきたいと思い、記事を書くことにしました。
まあ一応はゲーム関係の内容と言えるかな。きっかけとなったのは確実にゲームの影響ですからね。


Orion_alerter

洋ゲーなどでたびたび登場するフレアガンが好きで、手頃なおもちゃはないかと以前から探し求めていました。

しかし検索してみても実物の話ばかりで、たまに見つかるおもちゃと言えば中国製のチープなもの。
そもそも実物がほとんどプラスチック製のパーツで構成されていて、値段も大抵のトイガンより安いせいもあり
わざわざおもちゃ化する必要がなく、特に海外では普通に実物を手に入れている様子。
輸入することも不可能ではないと思いますが、専用の実弾もセットなのでいろいろ問題がありそうですよね…。

で、圧倒的に手頃なのは中国製のおもちゃのほうで。値段はだいたい400円前後。
「PUBG」の影響でおもちゃ化されているらしくて、ケアパッケージを模したパラシュートを発射できるものや
中身が水鉄砲になってるもの、サウンドが鳴るもの、小型のキーホルダーなどそこそこ充実した商品展開。

ただ、フレアガンといえばブレイクアクション(中折れ)だと個人的には思ってるんですよね。
先述の中国製のおもちゃはどれもブレイクアクションができず、要求を満たすものではありませんでした。

「これはもう自分で改造するしかないか…」と、とりあえず改造のベースになるものを取り寄せることに。


日本国内のネットショップでは扱ってる様子がなかったので、中国の一大ショッピングサイト『Aliexpress』
念入りに検索して値段を比較し、意を決して注文したのが7月中旬。手元に届いたのは8月初旬ごろ。
改造に失敗してもいいよう予備も含めて2つ注文。送料は若干高くなりましたがおかげで到着は早くなりました。


Flaregun_toy1

届いたのはフレアガン本体が2個とケアパッケージが4個。状態はまあ…中国製のおもちゃならこんなものかと。

このフレアガンのおもちゃには構造の違うものがいくつかあるようで、今回注文したのは大雑把な作りというか
筒状のバレルに入れたケアパッケージをスプリングの力でただ押し出すだけの本当にシンプルなものでした。


Flaregun_toy2

さっそく分解してみると、モナカ構造の本体のなかにパーツ3つとスプリング2つのみ。
(撮影の際に用意するのを忘れたため写っていませんが、長さ1cmくらいのスプリングもついています)
ハンマーは見た目だけの飾りで(笑)これを引いて切り欠きに引っ掛け、トリガーでリリースする感じです。
トリガーも実物とはまったく異なる形状をしており、再現度については期待してはいけません。
改造を目的とする場合も、流用してどうにかできそうなパーツはスプリングくらいしかないと思います。


注文前に構想していた改造のプランはふたつ。実物再現か、弾を発射できるようにするか。

実物再現は文字どおり、実物のフレアガンの構造や仕組みをこのおもちゃに組み込むもの。
幸いネットで実物の分解写真を入手可能で、実物を模したパーツを揃えるのはそれほど難しくありません。

弾を発射するほうのプランは、Nerf(ナーフ)の発射機構を組み込むつもりで考えていました。
Nerfのラインナップのうちメガダーツと呼ばれる弾の直径が20mmで、ほぼ実物の弾と同じサイズです。
問題は発射機構を組み込めるだけの容積があるかどうか。それと、ブレイクアクションの問題もありました。

ここからがホントに長考で…あれこれ考えるうちに、何も進まないまま3か月が経過していました


結局、全体のコストとブレイクアクションの実現を重視して実物再現のプランでいくことにしました。
実物の写真を参考にサイズや形状を割り出し、プラスチック素材に転写して削り出し。じつにアナログな方法。
3Dプリンタがあればあっという間に精確なものを作れるんでしょうね…我が家にそんなものはない。


Flaregun_toy3

工程が飛んでしまいますが、自作したパーツを組み込んだ状態がこちらの写真。

赤い本体部分以外はすべて自作のパーツです。手作業でプラ材から削り出し。バレルだけ塩ビ管。
本体は厚さ1mmほどしかなく剛性に不安があったため、内側にプラ棒でフレームを組んであります。
短いほうのスプリングは改造のベースとなったおもちゃから流用、長いほうはノック式ボールペンから拝借。

おもちゃのガワに合わせて作る都合で完全再現とまではいきませんでしたが、仕組みはほぼ実物どおり。
バレルを発射位置で固定するためのスプリングがトリガーを押し戻すためにも使われています。
また、ハンマースプリングロッドとトリガーで二重のセーフティになってるのもおもしろい構造だと思います。
実物のハンマーには激発するための金属製のピンがついていますが、諸事情によりそこは割愛。


Flaregun_toy4

Flaregun_toy6

(3つの切り欠きがそれぞれ押されることでハンマーが前に倒れないようになっている)


Flaregun_internals

実物の写真で一箇所、どうしてもわからない部分がありました。それはハンマースプリングロッドの向き

先端が二又に分かれたこのハンマースプリングロッド、ロッドの位置が中心からズレてるんですよね。
ロッドが上寄りになるよう取り付けるのか、それとも下寄りか。上下で動きが全然違ってくるわけです。
しかしネット上で見つかる分解写真は上寄りに置いてあったり下寄りに置いてあったりで参考になりません。

こうなると、両方ためしてちゃんと動くほうを採用するしかない(笑)
パーツの角度やロッドの長さを変更しつつ、接着して動作確認しては剥がして貼り直して…の繰り返し。
結果としては上寄りのほうが期待どおりの動作をしてくれました。あとは実物のフレームの形状から推測。
おそらく下寄りだとフレーム内に取り付けられない、あるいは正常に動作しないのではないかと。

ちなみに実物のハンマースプリングロッドはクルマのサスペンションのような構造になっています。
これを再現するにはもっと太いスプリングが必要で、すぐに用意できそうになかったのでアレンジしました。


あらためて実物と見比べてみるとトリガーの形状がだいぶ違ってることに気付きます。
調整のため、あっちを削ったりこっちを削ったり…と繰り返してるうちに変化してしまった部分も多々ありで。
作り直すこともできますが、カンペキを求めるのはやめておこうかと。気にし始めると完成しないし。


Flaregun_toy5

グリップはおもちゃのパーツをそのまま使うつもりでいますが、削ってたらなんか出てくるんですよ…金属片?

当記事掲載の時点でパーツの用意はほぼ済んでおり、残るパーツはバレルなどを固定するピン3本のみ。
写真では製作中の仮止めとしてM4のネジを通していますが、手頃な丸棒を探して置き換える予定でいます。
あとは塗装かなぁ。自分のイメージするフレアガンらしいオレンジレッドの塗料が見つかるかどうか。


[2022年11月 追記]
正直に申し上げますと、当記事掲載以降まったく作業を進めていません。ここで満足してしまったのかも。
構造と可動の再現が目的で、色まで塗って完成させるところは欲求に含まれていなかったといいますか。

進捗報告を期待されていた方がもしいたならお詫びいたします。どうぞお叱りください。



直近でフレアガンを使ったゲームといえば「Fortnite」ですが、あれは常時実装されてないんですよね。残念。
前シーズンからシステムが激変したシーズン8もそろそろ終わるようで。目当てのスキンの再販は終ぞ来ず。

| | コメント (0)