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2011年10月13日 (木)

2011年10月13日

Instantbrain1

本日は一昨日配信開始となった「インスタントブレイン」の体験版の感想をお送りいたします。

「インスタントブレイン」はSTGで有名なケイブが製作したアドベンチャーゲーム。
プレイヤーは過去を撮影する能力をもつカメラ『エクスポージャー』を操る主人公・原滝ゼンヤの
視点で展開を追い、カメラの能力を駆使して難事件に挑む…というのがおおまかな内容。

被写体が頭に思い浮かべているものや、その場所やモノに宿る記憶をカメラで撮影することで
集めた写真をもとに事件を推理していくことになります。
シャッターチャンスは被写体と会話している特定のタイミングのみなので、会話を読み進めつつ
ここぞ!というときにシャッターを切らないと貴重なフィルムがムダになってしまいます。

ただ、「はなす」「しらべる」といったコマンドで指示するいわゆる総当たり式の推理ADVではなく
基本は昨今ありがちな分岐点で選択肢を選ぶだけのADVです。
プレイヤーが能動的に介入できるのはシャッターを切るときと、そろえた写真をもとに謎を解く
推理パートのみなので、読むのが中心のADVがニガテな人にはオススメできません。

登場するキャラクターのデザインでも好みが分かれるところでしょう。
全編フルボイスで、能登麻美子・釘宮理恵・井上麻里奈・沢城みゆき・たかはし智秋といった
人気声優が出演している点は大きなセールスポイントになると思われます。

約4時間ほどあるらしい体験版の雑感ですが…とにかくフラグ立てが鬱陶し過ぎました。

まさに目の前に証拠となるものがあり、プレイヤーも主人公もそれに気付いてる状態なのに
シャッターを切ることもできず「何も見つからなかった」と素通りされてイライラ。
また、時間経過のフラグ立てのために同じ会話しかない場所に2度3度行かされたりするため
先に進めるためにムダな行動をさせられてることを実感してしまうんですよね…。

肝心な推理パートも質問が回りくどいしムダに段階を踏ませ過ぎだと思いました。
同じものが映ってる写真なのにAは正解、Bは不正解という理不尽な状況になります。
2回目の推理パートの4番目の質問もアレで正解というのは違和感がありますし。

あとは非常にこまかい指摘になりますが、推理パートの設問と回答となる写真のタイトルで
「ひとつ」「一つ」「1つ」や「2階」「2F」のように書き方が統一されてないのが気になりました。

結論を言えば、自分はこの「インスタントブレイン」を楽しめない人種です。
序盤のみでしたがフルボイスの会話も堪能できましたし、話はまあまあおもしろかったですが
肝心の「ゲームとしての魅力」を感じるには色々と障害がありました。

本作は作曲家・梅本竜の遺作となってしまいました。香典を収める目的であれば…うーむ。



オマケとして「インスタントブレイン」体験版に登場する推理パートの攻略チャートでもどうぞ。
完全にネタバレとなってしまうため反転伏字状態としておきます。

■1回目の推理パート(ヒューゴの部屋にて)

①6階から撮った写真を選択してください。
 →ヒューゴの部屋のバルコニーから撮影した写真
②10階へ上がる為の道具を選択してください。
 (2階のバルコニーにあるロープをカーソルで選択)
③道具を拡大した写真を選んでください。
 →2Fのバルコニーを拡大した写真
④もう一つの道具を指定してください。
 →ファルコン像の写真
⑤10階へ上がる為のもう1つの道具を指定してください。
 (像の台座の脇にあるペットボトルをカーソルで選択)
⑥もうひとつのピースを選択してください。
 →傷の付いたファルコン像の写真
⑦トリックの根拠となった写真を選択してください。
 →謎の人魂の写真(嵐板ウオタの記憶)
⑧上昇ポイントを示す写真を選択してください。
 →メゾン・ファルコンの構造図
⑨事件の真犯人は誰ですか?
 →○○○○○の写真
⑩犯人を示す証拠写真を選択してください。
 →スーツケースに詰められた江瀞キズナの写真(○○○の記憶)

「上昇ポイントを示す写真」と言いながら構造図が正解であることに違和感を感じるところだが
上昇ポイントが写っている2階バルコニーの写真を選択すると不正解である。

■2回目の推理パート(10階バルコニーにて)

①会いたかった人物の写真を選択してください。
 →江瀞キズナの写真
②行動を証明する写真を選択してください。
 →マンション前の江瀞キズナと嵐板ウオタの写真(アップ)
③犯人の犯行経路を説明できる写真を選択してください。
 →メゾン・ファルコンの構造図
④犯人がどこから侵入したのか指定してください。
 (構造図内のファルコン像をカーソルで選択)
⑤トリックを説明できる写真を選択してください。
 →ヒューゴの部屋のバルコニーから撮影した写真
⑥道具を示す写真を選択してください。
 →2Fのバルコニーを拡大した写真
⑦オモリを示す写真を選択してください。
 →ファルコン像の写真
⑧ロープを引っ掛けた場所を示す写真を選択してください。
 →傷の付いたファルコン像の写真
⑨ロープがつけた傷だと証明できる写真を選択してください。
 →ファルコン像の写真
⑩本数を教えてくれた人物の写真を選択してください。
 →愚湾ヒューゴの写真
⑪明確な証拠を示してください。
 →○○○○○○○○
⑫事件の真犯人は誰?
 →○○○○○の写真

『エクスポ』の特殊な能力がバレる可能性がある状況ではそれらの写真は指定できないので
ゴミ置き場の写真は「オモリを示す写真」として提出できない。

直前の推理で侵入経路が2階バルコニーであることを何度もプレイヤーに摺り込んでおきながら
「犯人がどこから侵入したか」の設問でファルコン像が正解というのは違和感がある。
このエピソードにおいて、犯人はどのようにしてファルコン像の頭部にロープを引っ掛けたのか?
像を登るとしたら犯人は像を登るだけの体力があったのか?といった疑問が解決されておらず
これらの疑問を考慮してもファルコン像を正解とするのはおかしいと思われる。
製作スタッフはこのことになんの疑問も感じなかったのだろうか。

ただし、これらがあきらかになっていないことが⑪の回答につながっているとも言えるだろう。



アニメ版「境界線上のホライゾン」初回は原作読者ですら扱いに困る内容だったらしく、なんか
1話丸々使ってあらすじの1行目ぐらいしか消化できてないレベルだったとかなんとか。
何も知らない視聴者はその初回を見せられて判断を迫られる状況にあったというわけです。

で…続く第2話を見せられてその問題や不満が解消されたかといえば、否。
なんかもうおもしろいかどうかという以前に、それを判断する範囲に入り込む余地がないです。
真っ向からつまらないとも言えないし…なんなんです?このアニメ。

とりあえず第3話までは見ようかと思っていますが、それでも判断できるかどうか…。

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