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2014年12月22日 (月)

2014年12月22日

今期のアニメ総評を書く前に「PSYCHO-PASS 2」だけ独立して触れておきます。

「PSYCHO-PASS 2」の評価は見た人によって大きく分かれるのではないかと思いました。
前作までの概念では判定が不可能だった『集合的サイコパス』の登場と、シヴュラそのものを
『集合的サイコパス』として判定できるかどうか?というのが物語の焦点。

結局は最終回の最後に語られた『集合的サイコパス内における魔女狩り』という選択肢を取り
集団が健全なものとして生き残るために、集団内で悪の芽を摘むことをシヴュラ自身が率先して
おこなってみせることで鹿矛囲桐斗という『集合的サイコパス』を裁く道を選びました。
しかしこのことが将来的に社会にもたらす影響は大きく、社会が健全な色相を保とうとするあまり
文字通り『魔女狩り』のような混乱が起こる可能性も孕んでいます。

ただ、これはあくまで『集合的サイコパス』という例外への対策。
それを実際に用いるかどうかはシヴュラに委ねられているし、必要でなければ封じることができる
奥の手のようなものですから、「2」自体を外伝的なものと考えてしまってもよいのではないかと。

『魔女狩り』は言い換えれば『集団における自浄作用』です。
『集合的サイコパス』として裁かれぬよう、日頃から集団で健全であろうとすればよいだけの話。
ある意味では非常に日本的な『村社会』の感覚に戻っていくような気がします。

終幕後に個人的に気になったのは、今回の事件で加害者側にいながら唯一生き残ってしまった
酒々井さんの今後のこと。肉体的な話ではなく精神面での話。
この短い期間で価値観が大きく逆転させられ、しかもその要因となったものを失ってしまったので
どこに心の拠り所を見出して生きるのか…失くしたものは常森より多いと思いますし。

槙島聖護に代わる主犯格、鹿矛囲桐斗は槙島に比べるとインパクトは弱かったですね。
序盤はそうでもなかったのですが、鹿矛囲がいかにして作られたかがわかってからというもの
犯行の動機まで含めてちょっと弱かったかなぁという気がします。

前期では本作における特異点である『免罪体質』のふたりが織り成す話がおもしろかったわけで
東金朔夜を含めても前期のそれに追いつくことはできないと感じました。

霜月は完全にオチ担当です(笑)ここまで魅力が発生しないキャラ作りはむしろ賞賛すべき。

総じて…前期から変わらぬグロ描写を恐れず製作したこと、放送してくれた局側に感謝。
これを変に隠したりぼやかしたりすると本作独特の緊張感って表現できないと思うんですよね。



引き合いに出すとすれば「テラフォーマーズ」でしょうか…あの修正はどう見てもひどい。

俗に言われる放送コード、どの程度まで表現してもOKか?という境界線が放送局ごとにあって
仮に「PSYCHO-PASS 2」が東京MXで放送されていたら同様の惨状になっていたはずです。
ただ、修正を回避できる絵作りも意識するべきとも思いました。
放送される局がわかっているのだから、派手な修正がかからないようにはできたはずなので。

あとは放送コードそのものの見直しを図るべき。アニメは子供向け、というひと括りにしない。
放送される時間帯に合わせて規制のラインを変動させることは可能なはずです。

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