2015年3月12日
先月のPS+フリープレイ対象ソフト「テラウェイ(Tearaway)」を最後までプレイしました。
「テラウェイ」はすべてが紙で作られた世界を、これまた紙でできたプレイヤーキャラが冒険して
カミさまのもとへ辿り着くまでを描いた非常に個性的なアクションゲームです。
紙ならではの特性。折ったり切ったり、風になびいたり重さでたわんだりという変化をごく自然に
ゲームに取り込んでいて、プレイヤーは現実の経験から攻略法を考えることができます。
そして、シンプルなのに独特な世界観を構築できているのが非常に素晴らしい。
しかし本作をゲームというカテゴリーに入れて語るべきかどうか、まずそこでちょっと悩みます。
PS Vita本体購入前に「Vitaならではのゲームはどれか?」と購入者たちにネットで尋ねたところ
本作と「グラビティデイズ」、そして「フォトカノ」を勧められたことを以前お話ししました。
「グラビティデイズ」はVita本体の機能を紹介するためのプレゼンテーション的な内容を含んでは
いたものの、内容はまだゲームの領域に留まっているものだと感じました。
それに「グラビティデイズ」でも本体の機能のすべてを使い切っていたとは言えません。
「テラウェイ」は文字通り、本体の機能を余すところなく使っています。
ジャイロ機能、前後タッチパネル、前後カメラ、ネットワーク連携…あらゆる機能を使うのを前提に
デザインされたゲームであり、それはプロローグからエピローグまで一貫していました。
Vitaでなければ実現しえないゲームデザイン、ゲーム体験が込められています。
ただ、「テラウェイ」のプレイ感覚はゲームと呼ぶにはあまりにもゲーム外のものです。
新しいカタチの知育教材、電子書籍時代の絵本。そういう位置付けが適切だと思いました。
ゲームの世界を覗き込む、叩く、揺らす、指を差し込んで掻き回す。
画面内の仕掛けを操作して新たな道を作ったり、色紙をハサミで切って新たなパーツを作ったり
ときにはVita本体を逆さまにしないと先に進めなかったりと、本当に異次元です。
他のゲームでは体験したことのない未知の感覚、しかし誰もが幼少期に現実で経験したことの
ある遊びや想像をゲームとして落とし込んでいるんですよね。
跳んだり走ったり、物をぶつけて敵を倒したりというアクションゲームにありがちな操作も当然
「テラウェイ」にはあるのですが、それは単に前へ進むための手段でしかありません。
プレイヤーにやらせようとしていることが他のゲームとは根本的に違う。
誰よりも強く、速く、得点を高く、効率的に…ではない。純粋に操作することを楽しんでもらう。
けど、オトナが遊んでもおもしろい。ゲームとしてはあまりにも新体験すぎるから。
Vitaの機能でオトナを子供に戻して楽しませる知育玩具。それが「テラウェイ」ではないかと。
本作には一応ストーリーもあるのですが、味付けが薄く抽象的な印象を与えるものです。
結末を見て、個人的には少し物悲しくなりました。この世界との別れが惜しい。
この世界を一緒に冒険した紙の主人公、愛らしい歩くテガミとの別れがつらかったのです。
ゲームとして考えると本作の体験はそんなに濃いものとは言えないでしょう。
でも、絵本としては本棚にいつも置いておきたい。ときどき思い出したようにページをめくって
あの世界での体験を振り返り、歩くテガミの楽しそうな様子をふたたび見たくなります。
「テラウェイ」オススメの一本です。Vitaを買ったらまず「テラウェイ」。
PS4向けに新作が作られているという話を聞きましたが、PS4のコントローラーではおそらく
Vita版のような、画面がひっくり返るほどの体験は味わえないと思います。
余談として、「テラウェイ」をゲームとして攻略する場合の話にも少し触れておきます。
本作の攻略と言える部分は基本的にアイテム収集で、各ステージの収集率はメニュー画面で
いつでも確認できるし、ステージはほぼ一本道なのでそんなに難しくはありません。
いかにも枝分かれっぽい道がある場合、その先にはだいたいプレゼントボックスがあります。
紙のかけらは1周目に回収済みのものは2周目では光の粒のように表示されます。
ただ、本作にはどうも未回収の紙のかけらが一時的に表示されなくなる不具合があるみたいで
あるべき場所に出現しない、回収できないことがあります。
その場合、穴に落ちるなどして一度チェックポイントに戻ると解決できる可能性があります。
収集で一番の難関はペーパークラフトかな…意外と見落としやすいので。
そこにあることを先に知ってないと素通りしてしまう可能性が高いものが結構ありました。
トロフィーは終盤のステージのノーデスクリアが地味に厳しいと思われます。
ジャンプと同時にカメラが動いたり、高低差がわかりにくい狭い足場に飛び移ったりが多いので
ちゃんと操作しているのに思い通りにならないという場面が非常に多くありました。
ノーデスを貫こうとすると途端にシビアなアクションゲームになります。
やはりゲームだった…いや、トロフィーを気にする人がゲーマーだということでしょう。
言い忘れてしまいましたが「テラウェイ」は音楽も素晴らしいです。およそ悪いところがない。
「フォトカノ KISS」3周目を始める前に「GTAオンライン」のアップデートが来てしまいました。
3周目はもうしばらく先送りにして、まずは「テラウェイ」の100%達成を目指しつつ「GTAO」の
強盗ミッションをプレイしたいと思っています。
来月は「ガールズモード」の新作が来ますし、今春はそこそこゲームが忙しいですね…。
買い替えたペンタブをまるで使っていない(笑)ムダではなかったけど。
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