2015年9月15日
「ガッチャマンクラウズ インサイト」に登場した「くうさま」こと『空気』のお話。
ここで言う『空気』というのは、いわゆる「空気を読む」などに使う『空気』のことを指しています。
『空気』は暗黙の了解、同調圧力、世の流れ…など様々な言葉に言い換えることができます。
特定の集団がもつ教義や信仰、価値観。逆らえない雰囲気。
その集団への帰属意識や協調性を遵守するとき、『空気』はあらがえない鎖になります。
家族や友人間という最小社会から、ネットの意見や民意などの拡大社会まで、それぞれ独自の
『空気』をもっていますが、ひとたびその社会の外に出ると冷静に客観的に見えてきます。
なんてつまらないことにこだわっているのだろう。なぜ疑いもしないのだろう。
彼らは「自分の考え」というものをもっているのだろうか。…そう疑問に思うのが自然です。
「インサイト」は劇中の日本という架空社会を提示することで、視聴者という外の現実社会に対し
疑問と提唱を投げかけているアニメ作品だと思います。
意見を代表者にゆだねず、社会の『空気』に流されず、他人と違うことを恐れない。
自分の感性を信じ、自分と向き合って考え、本当に正しいと思ったことを信念として掲げる。
自身を『猿』ではなく『人間』だと思うのならそうしなければなりません。
自分はこの「インサイト」を見て、すべてのアニメファンに考えてもらいたいと思いました。
いま自分が属している社会の共通認識と思われるもの、価値観と言われるものは正しいのか。
なにも難しい話ではありません。まずは『アニメオタク』を疑えばいいんですよ。
あなたが属している『アニメオタク』の教義や信仰とされているものは本当に正しいのか。
本当にすべての『アニメオタク』がそういう価値観で物事を判断しているか。
『アニメオタク』という集団がもつ同調圧力、『空気』に流されて言ってはいないだろうか。
『アニメオタク』の『空気』に流されている可能性を一度でも疑ったことはあるか。
たとえば、元AKBのメンバーが転身して声優デビューしたら。
既に3人ほど職業:声優になっており、なかでも「シンデレラガールズ」での抜擢が話題になった
佐藤亜美菜に対する当時の不当なバッシングは目に余るものでした。
最近とうとうアニメのほうで出演を果たし、『アニメオタク』内での評価が一変したことを振り返ると
いかに『アニメオタク』の『空気』が信用ならないかわかります。
『空気』がもつ疑わしさはほかにも例が思いつきます。「ここさけ」の主題歌に対する批判とか。
SNSでみんながそう言ってるから。まとめブログに書いてあったから。
そうやって意見を他者にゆだね、自分で見聞きして考えようとしなかったのではないか。
協調性と同調圧力を混同してはいけません。
周囲が自分の意見を後押ししてくれている、正しいと思えるときほど『空気』を疑うべきです。
『空気』を疑うと同時に、それが自分の意見かどうかも考えてみてください。
「シンデレラガールズ」に続き「デレラジ」出演により、デレマスP内での佐藤亜美菜の株価は
短期間でおそるべき高騰を遂げました。世の中変わるもんですよねぇ…。
「二次元サイドのオタクは三次元のアイドルを嫌っている」というのは、まず間違いです。
その証拠というわけでもないのですが、主題歌で言えばなぜかももクロは特別に許されていて
ももクロが主題歌を歌うことにとやかく言うオタクは皆無という状態です。
おそらくこれは「主題歌として合っている」な成功例が過去にいくつかあるからでしょうね。
ようするに「成功の実績」があればよいわけですが、48Gはそれが無視されている状態にあり
二次元サイドにとって恐るべき脅威(笑)としてつねにマークされ続けています。
というよりは、48Gだけがつねに「失敗の前例」として数えられていると言ったほうがいいかも。
48G関係の仕事が二次元サイドから「成功の前例」とされることは一切ないと思っていました。
その大きな隔絶の突破口となる可能性を秘めているのが佐藤亜美菜ではないかと。
同じく48Gから声優に転身した仲谷明香や秦佐和子の出演作は、二次元サイドにしてみれば
まだまだ大きなインパクトにはなりえず、価値観を改めさせるには到りません。
そういう意味では「アイマス」に関わるということは非常に大きいんですよね。
自分のなかにある佐藤亜美菜への期待は、デレマスPのそれとは意味が異なるわけです。
[9月20日 追記]
「インサイト」の最新話を見て、この記事を一部訂正(修正?)するべきか…と少々思いました。
小さな社会集団でも上位の拡大社会の『空気』を変えることは可能なんですよね。
意見力・影響力のあるメディアや著名人を通じて、感情に訴えるやり方で情報を発信することで
危機感を煽り、義憤に燃え上がりやすい人から火をつけて『空気』に変えていく。
消極的な人たちも人数が増えれば参加しやすくなるし、意見を持たない人は流されやすくなる。
昨今話題の某・法案反対の運動などはまさにそれ。
やり方を間違わなければ、一部の人々の利益につながるような『空気』にもできてしまいます。
『空気』を作れないまでも『空気』の波に乗れるような商売を考えればよいわけで。
佐藤亜美菜の例で言えば、現状の『橘ありすバブル』に乗じて「よにこも」終了の危機を告知し
急激に増えたリスナーにオリジナルTシャツを売って番組制作費を稼ぐという流れ。
賛否双方の意味で、非常にうまいタイミングとやり方だなぁと思いました。
参加者全員が気持ちよくなれて被害者が出なければ、そういう『空気』も悪くないと思いますが
狙い通りにいかず、搾取される側を不快にさせる可能性も考慮せねばなりません。
人気絶頂のタイミングでアニメ化して、その内容に批判殺到みたいなケースもあるわけで…。
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