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2015年12月 1日 (火)

2015年12月1日

日本と海外のゲームの違いについて、ちょっと思ったことがあります。

日本の話題作の多くでは、キャラクターデザインのかわいさがひとつの売りになっているのに対し
海外のビッグタイトルでキャラクターがかわいいものは皆無に等しい状態です。
かわいいゲームがまったく存在しないとは言いませんが、少なくともビッグタイトルにはありません。

なぜ日本ではこれほどかわいいものが重視され、それ以外のものが駆逐されてしまうのか。
逆に、なぜ海外ではかわいいものが重視されないのか。

単に国民性や土壌の問題だろうと言ってしまうこともできますが、とても不思議なことだと思うのです。

評価の基準がここまで違うと、海外のビッグタイトルが日本で売れなくても仕方ないことだと思えるし
日本での売上をいちいち気にする必要もないのではないかと。
結果として日本市場へ向けたローカライズや広報もどんどん消極的になるのも無理もないことで。
なるべくしてなった現状というか、いま以上のものを日本に望むべきではないのかもしれません。

海外でどんなに支持されていようと、日本では価値のないものと見做されてしまう。
どんなに言い繕っても数字として結果が出てしまうので、これは否定のしようがありません。


価値が定着していないものを受け入れてもらうためには、敷居を大きく下げる必要があります。

自分はこれを「関心の低い人に合わせたプロモーション」と呼んでるのですが、価値観が定着してない
マイナーなものをメジャーに昇格させるためにはそういう起爆剤が必要なのです。

たとえば今年話題になったラグビーの日本代表と五郎丸選手。
日本代表というナショナリズムに訴えかけやすいものと、五郎丸選手のマネしやすい例のポーズ。
加えてマスコミの後押しによりブームに仕立て上げることができたわけです。
一過性であってもブームになれば、競技自体のおもしろさに気付いた人が少しは残ってくれるので
たとえ『にわか』であってもラグビーという競技にとってはプラスになります。

洋ゲーにも似たような現象がなかったわけではありません。GTAシリーズなどが好例です。
GTAシリーズはストーリー性や完成度ではなく、無秩序に暴れられる部分がウケたことによって
本来の購買層ではない中高生にまで注目されるようになりました。
不自然な挙動を誘発させて楽しむ「skate3」の動画がウケたのもそれと同じことです。

ようするに、本筋とは異なるところで関心の低い人たちに興味をもってもらうということ。
そういう意味では、本筋とは異なる遊び方を見出し、広く発信していける動画配信サイトというのは
興味の入り口として良い機能を果たしていると思います。


かわいいキャラというのは、一種の「関心の低い人に合わせたプロモーション」なのかもしれません。

言い方はアレですが、キャラがかわいいだけで釣られる人も結構いるんですよ。
ゲームの本筋とはまったく関係のないかわいいキャラを用意する。
たとえそれが世界観から浮いたデザインだとしても、そうすることに一定の意味があるわけです。

「艦これ」然り「刀剣乱舞」然り、元の戦艦や刀剣に興味がない人でもキャラクターデザインによって
釣れるということは殊にソーシャルゲームやスマホゲームで実証されています。

日本の音楽業界をアイドルが席巻するようになったのも同様の現象と言えるかもしれません。
ゆるキャラブーム萌えキャラを配した特産品など最たるものでしょう。
昨今失敗例も多いご当地アニメも、ひらたく言えば地域に関心をもってもらうためのエサなんですが
かわいければなんでも成功するわけではないという事実も証明していることになります。
でも、興味の入り口としてはじゅうぶんな結果を残せているのかもしれません。

しかし…となると、海外ではどのような部分で関心を惹いているのか気になりますね。

なぜかわいくなくても成立するのか。ゲームのどの部分を見て投資の基準としているのか。
どうすればヒゲモジャのおっさんや全身パワードスーツのキャラでも消費者の興味が成り立つのか。
やはり国民性や土壌による影響が大きいのでしょうか。

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