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2016年1月25日 (月)

2016年1月25日

ゲーム業界的に2016年は『VRの年』などと言われているそうです。
Oculus Riftを筆頭に、各社のVR機器が次々と発表されにわかに気風が高まってまいりました。
家庭用ゲーム機で言うとソニーのPS VRの注目度が高い傾向にあるようですね。

ただ、このVRという技術に懐疑的な見解を示す人も少なくありません。かく言う自分もそうです。


PS EyeやPS Move、マイクロソフトのKinect、ニンテンドー3DSの裸眼立体視やタッチパネルも含めて
言えることですが、近年登場した新技術の利用率は客観的に見てかなり低いです。

裸眼立体視を搭載した3DSが普及した最大の要因はその手軽さ、カジュアルさにあると思います。
しかし立体視やタッチパネルを有効に利用しているゲームは期待したほど増えませんでした。
実際、立体視をオフにしている人も多いのではないでしょうか。
こういった事態の根本的な問題は、それらの機能を活かしたアイデアを出せる人が出てこないこと。
サードに限らずファーストも含めて『アイデアが2Dの領域に収まっていること』が問題なのです。

過去のゲーム機のどの周辺機器についても同じことが言えます。
結局は2D表示とゲームパッドに戻ってくる。それがスマートフォンの登場で若干変わった程度で。


しかも今回のVR機器は3DSのような手軽な価格帯ではありません。

メインのHMD(ヘッドマウントディスプレイ)のほかに、補助となる外部機器も現状では必要です。
それらを合計すると最低でも20万円ぐらいかかってしまうわけです。簡単には手を出せませんよね。

PS4ですら買い渋る人が多いのに、プラス10数万も出す人がどれほどいるのか。
それほど敷居の高い機器に向けて専用ソフトを開発し、販売しようと考えるメーカーはどれほどいるか。
実際にどれくらい売れて、開発へと乗り出す後続のメーカーがあるか。
様々な要素から客観的に考えて、VR機器の未来がそれほど明るいとは正直思えないのです。


しかしこれを正直に話すと、「お前は外部から来た敵(ゲハ)だ」と認定されてしまうのです。

PS VRは爆発的に伸びるに違いない。PS VRの盛り上がりに水を差すな。
その場にいる全員が、すべてのゲームファンがPS VRを褒めて然るべきと考えているようなのです。
身内から反対意見が出るわけがない、反対すなわち敵である。そういう思い込みがまかり通っていて
身内から出ているかもしれない批判的意見すら弾圧される空気があります。

以前、PS Vitaの話をしていたときにも似たような経験をしました。
彼らの発言を要約すると「新型の3000番台が出る」というのが既定路線なのだそうです。
ソニーのVitaに対する意欲や姿勢を見て、どうしてそんな希望的観測を抱けるのでしょうか…。
あまり好きな言葉ではありませんが、夢でも見ているかのような発想だと思います。


どんなに好きなものであっても、どこかにつねに客観的評価をもっておくべきです。

自分は(分類上)Xbox側の人間として、HoroLensはそんなに売れないであろうと考えています。
技術的にすごいのは間違いありませんが、おそらくKinectと同じでゲーム以外の分野での活躍が
細々と続くガジェットになるのではないかと考えています。限られた専門分野で。

つまりカジュアルではないんですよ。オシャレじゃない。見た目がギークそのものであるということが
ライト層、もっと広く言えば一般の方々からすれば奇異に映るわけです。

家庭用ゲーム機がカジュアルではなくなった昨今、VRの壁はさらに高くなっていると思われます。



自分はPlaystationのことをつねに頭の片隅に置きつつ発言してるだけ多少マシかと思います。

世の中にはXboxの存在を無意識的に排除してしまっている人も結構いますからね。
悪気があってそうしているわけではなく、意識から完全に抜け落ちてしまっている。
匿名掲示板のユーザーレベルでなら諦めもつきますが、ゲーム誌の編集者でもそうですからね。

情報を正確に伝えるべきメディアが正確に伝えていないのだから、利用者たちができなくなるのも
仕方ないことだと言えますし、この傾向は今後もっと顕著になっていくと思われます。


Xboxの存在を個人の意識から消そうという環境が構築され、すでに一定の成果を収めています。

Xboxにソフトを供給しない、ローカライズしない、ゲーム誌に発売情報すら掲載しない。
存在しないものとして扱い続けることでXboxを消そうとしている。そのように受け取れます。

被害妄想と思われそうですが、このような流れを嗅ぎ取り、日本のゲームメディアを利用しなくなる
Xbox側の人は増加傾向にあると思われます。読むべき記事が載ってないですしね。
より公正で平等、正確な情報をみずから手に入れようと動く人が増えました。
メーカーや製作者自身からダイレクトに情報が届くTwitterが重用される傾向にあります。


ニュースポータルやまとめブログが広く利用される時代において、それらのキュレーションの犠牲に
なったのがXboxというハードであり、他人にキュレーションを任せるとロクなことにならないという
実体験に基づいて行動しているのがXbox側の人々なのです。



公開するべきかどうか保留したまま1か月以上も経ってしまった記事ですが、公開してしまいました。
日頃ネットを利用していて感じることをだいたい詰め込んであります。

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コメント

VR、立体視、タッチパネルなどが普及しない一番の理由は、実際に体感しないと良さが分からないからではないでしょうか。VRが顕著ですが、HMDを装着した人がいくら「おお、すごい!」と言っても、傍から見ると滑稽でしかありません。

また、これらの体感型の機能が生かされていないのは開発側にアイディアが無いからではないと思います。むしろアイディアだけならいくらでもあるはずで、障害となるのは技術的な問題と商業的な問題ではないかと。アイディアがあってもそれを実現できる技術が無かったり(プログラムが組めない)、商業的には、最近のゲームは横マルチ縦マルチ携帯機への移植やその逆など非常に多くのプラットフォームでリリースされることが増えており、特に中小規模のメーカーほど移植を繰り返して利益を確保する傾向があるように思います。そのため特定のハードの機能に依存したゲームは作りづらいのではないでしょうか。

一般的なゲーマーの意識からXboxが消されているというのはその通りだと思います。PS4とマルチプラットフォームのゲームの話題でも「これやるにはPS4を買わないとな」といった書き込みを非常によく目にします。Xboxは検討の価値すらないようです。ただこれがいわゆる「ゲハ」という界隈では真逆で、PS4からすれば取るに足りない存在であるはずのXboxが非常によく取り上げられます。日本国内に限ればどうやってもPS4を脅かす存在にはなりっこないのに何故あれほど必死に叩くんでしょうね(笑)。勝者というのは普通は余裕があるものだと思いますが。

投稿: | 2016年1月26日 (火) 12:59

先ほどのコメントですが
改行が少なすぎたため文章の後半が切れているようです。

長文に過ぎますが
もしお読みいただけるなら
範囲選択してメモ帳などに貼り付けていただければ
読めると思います。

失礼しました。

投稿: | 2016年1月26日 (火) 13:05

すいません…最近ブログのCSSをイジっている影響でコメントが正しく表示できていませんでした。
ここまで長いコメントを投稿されることを想定していなかったためです。申し訳ありません。
長文でもきちんと表示できるようCSSを見直したので、現在はどの環境でも正常に表示されるはずです。


さて、いただいたコメントへの返信なのですが。

「実際に体感しないと良さがわからない」という表現、じつはもう常套句になってるんですよ。
「俺は体験したから知ってる、批判的なヤツは体験したことがないから理解できないんだ」という意味で。
この常套句を用いてる人たちが実際に体験したことがあるかどうかもわからないので
ネット上では完全に煽り文句としてしか機能しませんね…。

「アイデアを実現可能な技術がない」という点については自分はわかりかねます。
新技術というのはアイデアを実現するために生み出されるものですしね。
ファーストが思い描いた夢の実現に必要な技術を活かせるサードがいない、というのは仕方のないことですが
これまでの例を思い返すと、新技術を提供するファーストですら活かせていない場合が多い。
結局、旧来の技術で物事を考えてしまうのが簡単だしお金にもなるということなのでしょう。

したがって商業的な理由には同意。しかし新技術があるのに縦マルチのおこぼればかりなVitaは不憫です…。


ゲハの行動原理について話し始めると、それこそ一本の記事にしてもいいくらいの長文になります。
勝者の風格というのは競い合った敗者の健闘を称えてこそのものですし、そもそもユーザーは勝者ではありません。
言わば「寄らば大樹の陰」。日々の優越感を得るためにより優位と思えるほうへ寄り添ってるだけ。

潜在的にゲハな人にしてみれば「自分たちへの批判 = 相手側が優位性を得るための言動」に見えるわけです。
だから理路整然と話をしても「お前は外部から来た敵だ!」となってしまう。
こっちはマウントを取りたくて懐疑的・消極的なことを言ってるわけじゃないんですよ…。
そこを理解してもらえない限り、話はどこまでも平行線です。

投稿: うごー(ブログ著者) | 2016年1月26日 (火) 21:54

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