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2016年2月16日 (火)

ゲームレビュー 「Rise of the Tomb Raider」シーズンパス編

[シーズンパス構成]
・追加モード「Endurance Mode(エンジュランスモード)」
・追加エピソード「Baba Yaga: The Temple of the Witch(バーバ・ヤーガ: 魔女の住み処)」
・追加モード「Cold Darkness Awakened(冷酷な闇の目覚め)」
・「20 Year Celebration Pack(20周年記念パック)」
 →追加モード「Blood Ties(血の絆)」「Lara's Nightmare(ララの悪夢)」
 5種類の「Classic Lara」コスチューム
・コスチューム/武器スキン/カードパック「Siberian Ranger(シベリアのレンジャー)」
・コスチューム/武器スキン/カードパック「Prophet's Legacy(預言者の遺品)」
・コスチューム/武器スキン/カードパック「Ancient Vanguard(いにしえの先導者)」
・コスチューム/武器スキン/カードパック「Wilderness Survivor(荒野のサバイバー)」
・コスチューム/武器スキン/カードパック「Valiant Explorer(勇猛果敢な探検家)」
・コスチューム/武器スキン/カードパック「Remnant Resistance(残された者達の抵抗)」
・コスチューム/武器スキン/カードパック「Sparrowhawk(スパローホーク)」
・コスチューム/武器スキン/カードパック「Tactical Survivor(タクティカルサバイバー)」
・コスチューム/武器スキン/カードパック「Hope's Bastion(希望の守り人)」
・コスチューム/武器スキン/カードパック「Apex Predator(気鋭のプレデター)」

PS4版の発売にともないシーズンパス構成が変更され、配信中のすべてのDLCが含まれるようになった。



■DLC第1弾「Endurance Mode」

Rottr07

[クリアまでにかかった時間]
最短で10分、最長でも1時間半程度。ストーリー性はなく、スコアアタックの要素が強い。

[ゲーム難易度]
食料と体温の概念に行動を制約されるため、本編よりもシビアな調整に。

[実績難易度]
本編より若干難しめ。ただし解除条件に難易度の指定はないのでイージーでかまわない。


[GOOD]
・本編とは完全に別種の「不思議なダンジョン」的なゲームモード。
・マップは毎回ランダム生成。本編そっちのけで繰り返し遊べそうなリプレイ性の高さ。
・短時間でもスリリングな体験をサクッと味わえるバランス感覚の良さ。
・苦しいと思ったらさっさとクリアできてしまえる意外な気軽さ。脱出のハードルは低い。
・コスチュームや武器、カードデッキ構成の重要性の向上。難易度の決定に大きく関わっている。

[BAD]
・あらかじめチャレンジに指定しておかないと解除されない不親切な各実績。
・点火コストのわりに寿命が短すぎるキャンプに対し、永続的に利用可能なドラム缶の焚火。
・墓所の中でも食料と体温は減り続けるのに、墓所の中では回復の手段がない。
・墓所の最深部からの脱出が煩わしい。ランダム生成であるためそのあたりが最適化されていない。
・設定上仕方ないことではあるが、風景の変化に乏しい。雪の針葉樹林以外のマップがない。

[NEITHER]
・セーブや中断ができない完全な一発勝負仕様。
・オートマッピング機能がなく、自分がどこから来てどこへ行くのか非常に把握しづらい。



■DLC第2弾「Baba Yaga: The Temple of the Witch」

Rottr08

[クリアまでにかかった時間]
約3時間。当DLCによる追加の収集要素があるため、その進捗によって前後する可能性あり。

[ゲーム難易度]
本編よりだいぶ難しめ。派手な戦闘、タイミングがシビアなパズルなど要求が高めになっている。

[実績難易度]
多くはストーリー実績で、攻略の過程で解除される。
クリア後に報酬として手に入る追加コスチューム関連の実績がいくつかあるが難しくはない。
当DLCでの難関はスコアアタック関連。本編スコアアタックでゴールドを獲れるなら問題ないか?

[海外レビュー 一覧]
『Rise of the Tomb Raider - Baba Yaga: The Temple of the Witch』海外レビュー (Choke Point)


[GOOD]
・ストーリー的な関連性は薄いが、本編エリアを再び駆け回らせてくれるイベント。
・本編ではやや物足りなさを感じたボス戦の補完。アトラクションとしても楽しませてくれる。
・攻撃の性質まで変わる追加武器。

[BAD]
・ホラーテイストなのは冒頭の30分程度で、あとは本編と変わらない雰囲気に戻ってしまうところ。
・誰もが途中で真相に気付いてしまうストーリー。登場人物が少ないので意外性もない。
・収集などでファストトラベルするのに非常に不便なキャンプの配置。

[NEITHER]
・約3時間ほどでクリアできてしまうボリューム感。
・本編クリア後にプレイすると、せっかくの追加武器を使える場面がないことに気付かされる。



■DLC第3弾「Cold Darkness Awakened」

Rottr09

[クリアまでにかかった時間]
約1時間半。攻略に必要な武器やアイテムの回収具合が時間に影響する可能性あり。

[ゲーム難易度]
本編と同程度だが敵が無限湧きなので持久戦は不向き。アイテムの配置は毎回ランダム。

[実績難易度]
本編と同程度か、それ以下。解除条件に難易度の指定はないのでイージーでかまわない。


[GOOD]
・本編とは趣向の異なるパズル。
・「Endurance Mode」とは違う意味でのサバイバルの提供。
・回収できた武器によって難易度に変化が生じる。
・スコアアタックやタイムアタック要素があり、一定のリプレイ性を保っている。
・チェックポイントが記録されたところで中断・再開可能
・繰り返しプレイして条件を達成すると当DLC固有のコスチュームなどがアンロックされる。


Rottr10

[BAD]
・パズルのルールが最初はわかりづらい。音声による指示にはかなり困惑させられる。
・あらかじめチャレンジに指定しておかないと解除されない不親切な各実績。
・瞬間的に処理落ちすることがある。
・敵は無限に湧き、強制的に発見状態(いわゆるラッシュ)にさせられることもある。
・本編同様、手榴弾を際限なく投げてくる敵。
・最後の戦闘エリアを突破するためのヒントが非常にわかりづらく、最初は苦労する。

[NEITHER]
・バ○オハ○ードのような内容と思って差し支えない。敵はソ連兵の成れの果てである。
・恐怖を感じるのは最初の1周目だけで、2周目以降は慣れる。難易度も2周目以降は大幅に低下する。



■DLC第4弾「Blood Ties」

Rottr17

[クリアまでにかかった時間]
約2時間。文献とレリックの収集がどれだけ早く片付くかで増減する。

[ゲーム難易度]
戦闘は一切なし。文献とレリックをヒントにしてパスワードを導き出すのが若干難しい程度。

[実績難易度]
文献とレリックの収集実績とクリア実績のみなので、かなり低め。


[GOOD]
・クロフト家の物語、おもにララの母親に焦点を当ててララというキャラクターをさらに掘り下げている。
・邸宅内を巡ることでララの父親・リチャードの優しさと苦悩を深く知ることになる。
・本編とも他の追加DLCとも異なる頭脳タイプのパズル。
・ゲーム的にうまい構造になっている邸宅。「ここに出るのか!」という妙な感心がある。

[BAD]
・視点がララの背後に近いところで固定されており、視界が悪く目が疲れる。
・プレイ時間の大半は音声ログの聴取に充てられる。物語に興味がない人には苦痛が続くだろう。
・クリアしてしまうともうやることがなく、リプレイ性は皆無。VR目的で作られたせい?
・「Lara's Nightmare」


[予備情報]
リチャード・クロフト…ララの父親。
アメリア・クロフト…ララの母親。旧姓デ・モーネイ。
アトラス・デ・モーネイ…アメリアの兄でララの伯父。
ウィンストン・スミス…クロフト家の執事。
コンラッド・ロス…リチャードの盟友にしてララに銃の扱いを教えた父親代わりのような人。前作に登場。
アナ…リチャードの事実上の後妻にあたる女性。本編に登場。
ジョナ…前作から冒険に同行しているララの友人。本編に登場。もともと料理人なので戦闘力は皆無。



[総括]
「Rise of the Tomb Raider」のシーズンパスは"買い"か?と聞かれると、答えにちょっと窮してしまう。
なぜなら、金額的にはあまりお得感のないシーズンパスだからだ。

3つの追加コンテンツと5つの追加コスチュームを含む当シーズンパスの値段は3,240円となっているが
購入者のお目当ては間違いなく、3つの追加コンテンツだと思われる。
追加コンテンツは単体では各1,080円で、3つバラバラに買ってもシーズンパスの値段と一致する。
つまり5つの追加コスチューム分の値段を考慮しないとまったく割安感がないのだ。

 ※シーズンパスの内容が更新されたため、現在はかなりのお得感あり

なので、「Rise of the Tomb Raider」というゲームに惚れ込んでDLC分を先行投資するつもりの人か
「どのみち全部買うから」という理由で前払いしておく程度のものと思ったほうがよい。

しかし3つの追加コンテンツは非常に考えられた構成だと思う。

発売前の宣伝やトレイラームービーで見た"あの場面"は、本編では意外と短かったりする。
「あのシーンに期待してたのに」「あの部分をもっと長く遊んでいたかった」…そんなふうに思うはずだ。
「Rise of the Tomb Raider」で言えば、雪山で遭難して寒さに震えながらサバイバルに挑むシーンが
間違いなくそれに当たるが、やはり本編でのそのパートは短く、かつ簡単だ。

「Endurance Mode」はそういった不満を間違いなく解消してくれるサバイバル専用のモードだ。
プレイヤーの好きなだけ、心ゆくまで雪山での過酷なサバイバルを楽しむことができる。

「Baba Yaga」も同様で、本編で物足りなかったラスボスとの戦いや高難度のパズルをしっかり補完した
こちらもプレイヤーの不満を解消してくれる優秀な追加エピソードである。
『オカルトと現代科学の融合』という前作に似た雰囲気をもち、前作が好きだった人なら確実に楽しめる
内容になっているが、残念ながらオカルトの部分は本当に短い。しかしちょっと待ってほしい。
「Cold Darkness Awakened」ではゾンビの群れとの戦いが待っている。

こうして二重三重にプレイヤーの要求に応えてくれる構成になっているのだ。
もう少しだけこのゲームを楽しんでいたいと思うファンの心を確実に満たしてくれるだろう。


[オススメ度]
本編の魅力に憑りつかれた人は確実に買い。本編に足りないと感じた要素をきちんと補完できている。
特に「Endurance Mode」はシーズンパスを買っていない人にも単品でオススメしたい。



完全に余談なのですが…ゾンビというありふれたモンスターをなぜ本作に登場させたのかという疑問が
「Blood Ties」の音声ログでなんとなく解けた気がするんですよね。
ハッキリと示唆されているわけではないのものの、まったく脈絡がないわけでもないというか。

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