2016年第2Q 新作アニメ所感
今期もとりあえず1週目が過ぎました。しかし今期は前期ほどハッキリした『当たり』が見つかりません。
「マクロスデルタ」は毎度おなじみサテライト贔屓枠なので置いとくとして…それ以外で手応えがあったのは
「僕のヒーローアカデミア」と「ジョーカー・ゲーム」、それと「坂本ですが?」ですかね。
「僕のヒーローアカデミア」は言わずと知れた週刊少年ジャンプ連載の人気マンガのアニメ化作品。
本来なら2話ラストまでの内容を1週目にまとめて見られるのが理想だったのではないかと思うのですが
2話分に分割されてしまったこと自体はそれほどのマイナスではないでしょう。
この先を見たい、見続けたいと思わせるのにじゅうぶんな熱量と魅力を感じ取ることができました。
「ジョーカー・ゲーム」は完全にオトナ向けなアニメですよ…いや、アダルトという意味ではなく。
NHKがお金をかけて長編ドラマで描きそうな内容というか、ちょっと狙ってる視聴層が異色な感じがします。
ここに「坂本ですが?」を並べたのは半分ギャグみたいなものです。ギャグだけど。
「銀魂」などでおなじみの高松監督による独特の空気感、そして本当にありえないくらい豪華な声優陣…。
いや、おもしろいところはだいたい声のせいだと思います。ズルいですよ。
ほかで気になったのは「双星の陰陽師」と「ふらいんぐうぃっち」、それと「田中くんはいつもけだるげ」。
「双星」は「バトスピ」のついでで見たんですけど、夕方には似つかわしいくらい重くて衝撃を受けました。
こういうのを深夜にまわしてくれると落ち着いて見れるのになぁ…と思ったり。
「ふらいんぐうぃっち」と「田中くん」は寝る前に見るのにちょうどよいテンションですね。
続きモノとしては「境界のRINNE」「ジョジョ」「うしおととら」を。「ジョジョ」はいよいよ待望の第4部。
いつもはこのへんでキツめの感想を抱いている作品が出てくるんですけど、今期はそういうのもなく。
強いて挙げるなら「はいふり」改め「ハイスクール・フリート」かな。
よくもこのタイミングでこれを出してこれたな…と。いや、このタイミングだからなんでしょうけど。
見てる側としては新鮮さもなにもないし、初回ラストの衝撃的な仕掛けというヤツも「がっこうぐらし!」で
似たような仕掛けを体験しているとそれほど驚くことでもない感じで。
そうなるとあとは中身の勝負なのですが、初回の範囲ではなんとも…艦船好きならいけるかな。
新鮮さという観点で言うと、「甲鉄城のカバネリ」も問題を抱えているかもしれません。
一見してものすごい仕事をしているというのはわかるのですが、どうしても既視感をぬぐえないというか
アレとアレを組み合わせたようなアニメって感じがしてしまいまして…。
TwitterのTL周辺であまり評判が芳しくない「RE: ゼロから始める異世界生活」は、自分的にはそんなに
悪くはないんじゃないかな?と思いながら見続けています。
いわゆるタイムリープものと異世界転生ものを組み合わせた作品なんですけど、異世界転生という状態に
いち早く気付けたオタク系の主人公なのに、同じ時間を繰り返していることになかなか気付かないという
矛盾した描き方に(TLの)視聴者の不満が集中しているようでした。
自分も正直そこは気になってます。不必要な鈍感さによって視聴者のストレスを生んでいるという。
普通の人なら『死に戻り』という現象を認識するのに時間がかかる、という考え方もあるでしょう。
しかし、認識するまでに経過した『劇中の時間』を考えるとちょっとかかり過ぎかなぁという気もします。
そしてその認識にたどり着くまでに視聴者が付き合わされた時間も考えねばなりません。
それと前期の「灰と幻想のグリムガル」でも触れた、起承転結の『起』の部分がない構成。
『起』がないことが物語を読み進めていくうえでどのように機能するかは現時点ではわかりませんが
なんとなく不完全な印象を与えますし、敵意をもたれてしまっても仕方ないかなぁと。
ただ、そういう不満がありつつも今期の新作のなかではかなり良い作品であるとも感じています。
今後の盛り上がり次第、視聴者をどれくらい納得させられるかで評価は変わってくるのではないかと。
さて…そろそろ「マクロスデルタ」の話もしておきますか。
第2話まで見て感じるのは、こんなに「0048以降のアニメ」っぽくていいのか?という変な不安(笑)
「0048」を通過した人にとって、見たことがある描写や聞いたことがある設定があまりにも多すぎるため
嬉しくはあるものの『マクロスの新作』に期待していたものとはちょっと違うかなぁと。
一般的には、視聴者がそれぞれ思う『マクロスらしさ』に対する期待とのズレが指摘されているようですが
自分はそこはそれほど重要ではない…というか指摘自体おかしいと思っています。
というのも『マクロスらしさ』という定義が不鮮明だし、おそらく河森総監督自身はそういうカテゴライズや
レッテルが好きではない気がしますし、過去の作品との類似性を望んではいけないと思うのです。
なので、過去の作品である「0048」と類似した部分が多くていいのか?という不安が生じるわけです。
ファンとしては嬉しいけど河森さん的にはそれでいいの?っていう。複雑な心境なんですよ。
ただ、おかげで「0048」の新規視聴者がじわじわと増え、再評価の機会を得られているのも事実。
「0048」の新規ファン獲得に期待しつつ、今後は「デルタ」ならではの新たな描写やストーリー展開が
たくさん見られればなぁと「0048」ファンとして思っています。
「0048」という予備知識がない場合、「デルタ」は新鮮なものとして見える可能性が50%ほど。
残りの50%は「シンフォギア」だの「プリキュア」だのという的外れな類似性の指摘へとつながるようです。
「0048」関係では岡田麿里脚本の2作品、「キズナイーバー」と「迷家」も気になるところではありますが
どちらも初回の段階では本当になんとも言えない感じなのでちょっと保留中。
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