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2016年4月25日 (月)

「Tom Clancy's The Division」 1.1の現在

自分でも驚くほど「The Division」にハマっています。疲労を感じるレベルでプレイしてますから。

多くのゲームは疲労を感じるレベルまで遊ぶと満腹感を覚えるというか、「今日はもういいや」という
精神的な区切りが自然と出てくるものですが、「The Division」は現状それが薄いのです。
時間があるならいくらでもやりたい。ダークゾーンにこもってゴミ漁りしてるだけでも楽しいので。


Division08

オンラインゲームにここまでハマるのは「GTA Online」以来ではないかと。

「The Division」と「GTAO」はある部分では似ているかもしれません。
広大なオープンワールドで繰り返しプレイする協力タイプのミッション、それにローグ的な存在によって
一定の緊張感が保たれているという面も結構近い気がします。

加えて「The Division」にはドロップ品の良し悪しを楽しむ要素もありますし、DZにこもっているあいだは
『次に倒すべき敵』が次々と用意されるので指さびしさを感じる暇もありません。

短い時間しかプレイできないときは短いなりにできることがある、というのも魅力だと思います。
短い時間でも良いアイテムがドロップする可能性はあるし、より高い確率で良いアイテムがほしいなら
時間をかけて難しいミッションやデイリー報酬獲得に挑戦すればいい。

プレイヤー側が要求する楽しさと、ゲーム側が要求する時間が良いバランスで保たれている感じがして
現状でも「The Division」はそこそこ理想的な状態にあると自分は思っています。

"そこそこ"という低めの評価になってしまうのにはいろいろ事情があるんですよ…。


Division09

現状「The Division」には不具合がいくつもあり、しかも毎日のように新たに見つかっています。

マッチングしてもミッションが始まらない、マッチング後のプレイヤーキャラの出現位置がおかしいなんて
いうのは初歩の話で、突然地面が消えて奈落へ落ちたり壁に埋まったりすることもザラにあります。

それにバージョン1.1アップデートで実装された「ファルコンロスト」という準ハイエンドミッション。
マトモにクリアするのは困難で、グリッチを利用した攻略法が横行する事態となり問題となっています。

しかしそれ以前に、「ファルコンロスト」自体の出来に誰もが疑問を抱いていると思うのです。

本作はシステム上、同じミッションを繰り返しクリアしてドロップ品の良し悪しに一喜一憂する…というのが
楽しみであったはずなのに、クリアが困難という時点でまずおかしいんですよね。
いや…それは自分の主観的な思いが入り過ぎているので、あくまで個人の意見としておきましょう。

お世辞にも出来が良いとは言えないレベルデザイン。合計15waveもあるのに全滅したら最初からやり直し。
一度はじまってしまうと途中参加が不可能な仕様なため、回線やサーバ次第で不運な出来事もあり。
加えて敵側の上方修正に対し、アップデートのたびに繰り返される報酬の下方修正。
「ファルコンロスト」専用のウィークリー報酬がドロップしない不具合も確認されているとか(公式発表)。

マジメに取り組むメリットがほとんどないし、取り組みたいと思えるだけの楽しさも残されていません。
そのせいで、システムの穴を探るほうへとプレイヤーの研究は加速していったわけです。

次々発見される非合法な攻略法を連日の修正でひとつひとつ潰していくというみっともない状態が続き
「ファルコンロスト」に残ったのは、一部の非常に熱心な人と処罰なんてクソくらえというグリッチ使用者だけで
多くのプレイヤーはかろうじて楽しさが残っているコンテンツへと帰っていきました。


Division10

具体的に言えば、ドロップ品が上方修正気味なデイリーミッションやダークゾーン。

何度もしゃぶり尽くされた既存のコンテンツなのにデイリーミッションが一定の楽しさを維持できているのは
ほどほどの難易度とそれに見合う報酬、加えて繰り返しプレイされたことによりプレイヤーの判断や行動が
非常に洗練されているからではないかと思います。

報酬がそんなに良くなくても、多くのプレイヤーが参加していて協力して敵を倒す過程が楽しい。
究極の装備を手に入れたいなどと大それた願いをもたなければ、毎日一定の充実感が得られるわけです。

ただし、現在デイリーミッションはデイリーなのに内容が毎日変わらない(笑)という不具合を抱えています。
まあそれ自体は報酬に影響を与えないからいいんですけどね…。

 ※現在は修正されてデイリーミッションが毎日更新されるようになっています

ダークゾーンは最近追加されたサプライドロップのおかげもあり、潜る価値が高まっています。
定期的にドロップされる箱からは「ファルコンロスト」の報酬にも匹敵するセット装備が出ることもありますし
箱を守っているネームドを倒したときに得られる報酬もおいしく、やりがいがあります。

当然これを狙ってプレイヤーが殺到しますが、その場でパーティーを結成すれば報酬は全員得られるので
PvPを活性化させたい開発側の思惑に反して非常に友好的に楽しむこともできてしまいます。
ちなみにサプライドロップはDZ01~02の低レベル地域の箱からでもセット装備が出ます。
なので、サプライ狙いならわざわざ高レベル地域で待機する必要もありません。

最近は自分の装備が充実し自信もついてきたので、ソロでもDZ06のネームドを狩れるようになりました。

しかし1.1以降、再出現のペースが早くなったザコ敵集団に不意を突かれる恐怖につねに備えねばならず
高レベル地域を巡回する2人組以上の潜在的ローグにも気を配らなければなりません。


Division11

現在ダークゾーンでは不正な行為を利用して強化されたローグ集団が問題視されています。

先述の「ファルコンロスト」の不正攻略やダークゾーン内で確認されている別のグリッチを利用するなどで
ゲームバランスを揺るがすほどの不当なローグが跳梁跋扈している現状。
普通にプレイしていたのでは拮抗できないほど、プレイヤー間の力のバランスが崩れてしまっているため
開発側が想定していたであろう『健全なPvPやドロップ品の奪い合い』の有り方からは完全に逸脱してしまい
ただの悪意、嫌がらせ、PKを楽しむだけの人間狩り集団と化してしまっているわけです。

なぜ嫌がらせと断じれるかというと、彼らにはもう他のプレイヤーを倒してもシステム的なメリットがないから。
お金もある、装備は最強。他のプレイヤーから奪えるドロップ品なんてゴミ同然のシロモノです。
あるのは嗜虐心の充足。対する被害者側にはお金と経験値の損失、そして山盛りのストレス…。

現在では「ローグの気配を感じたら近付かないほうがいい」というのが正解となっています。

実際に撃たれてみるまで誰がローグか判別できないので、他のプレイヤーと遭遇しないようにプレイするのが
現状のダークゾーンにおいては安全かつ健全に遊べる手段となりうるわけです。
言わばMMOステルスアクションエリアですね。
他のプレイヤーに見つからないように、というルールを課して歩き回ると一味違った楽しさがあります(笑)


Division12

まとめると、現状健全に楽しめるのはデイリーの各任務。それにローグを除いたダークゾーン。
セット装備はサプライドロップのほか、デイリーやネームドの討伐でフェニックススレジットを地道に稼いで
店売りの設計図を購入してクラフトするのが無難。ローグの気配を感じたらすぐに逃げるべし。

「ファルコンロスト」は参加する必要なし…まで言うとちょっと言いすぎなので前向きに補足しておきますが
現時点では最高スコアの装備を入手できる唯一の方法と言えます。
なので、最高の装備を手に入れたいなら苦痛とつまらなさを乗り越えてでも参加するしかありません。
でも望んだ報酬が得られるという保証はないし、そこに毎回数時間かけられるかどうか…といったところ。

それに、最高の装備を手に入れた先でなにをするのか?という問題点も認識しておくべきではないかと。
装備を揃えた先がダークゾーンでのPKぐらいしか残ってないなら、やる意味がない気もしますし。


なんというか…開発側の目論見が甘かったというか、期待どおりにできていない感じは伝わってきますね。
プレイヤーは楽しいものには素直に飛びつきますし、旨みがないものからはサッと手を引きます。
ルールがどうなっているかはともかく、マジメにやっている人がバカを見るような状態ではダメなんですよ。

飽きるタイミングはプレイヤーそれぞれにあると思いますが、自分にはしばらく訪れない気がします。
しかし、なにかに目をつぶらないと楽しめないような状況は早く過ぎ去ってほしいですね。

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