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2016年7月16日 (土)

ゲームレビュー 「The Crew」

Thecrew02

[クリアまでにかかった時間]
約22時間。メインのストーリーミッションのみならおそらく20時間もかからずに終わるだろう。

[ゲーム難易度]
レーシングゲームとしては普通。CPUの挙動は比較的優しく、強引にぶつけてくることもほとんどない。
むしろ接触を避けるように不自然に車間を開ける傾向があるのが気になった。
その挙動のせいか、目標への体当たりを要求されるミッションが難しいというよりストレスが溜まる。

[実績難易度]
かなり高め。オンライン関連の実績が多く、継続して遊んでくれるフレンドがいないとかなり厳しい。
また、累計5000人(!)というすれ違い系の実績があるので過疎化すると絶望的。


Thecrew03

[GOOD]
・アメリカ全土を簡略化して押し込んだ広大なマップ。点在するアメリカの代表的なランドマーク。
・広大なオープンワールド内にラグナ・セカなど実在するクローズドサーキットも収録している。
・他のプレイヤーの存在を感じられるMMO的マッチング。
・時刻や天候のなめらかな変化と、各地の風土を匂わせる小動物たちの存在。
・膨大な量の"走行に影響しない"カスタムパーツを収録。
・丁寧かつ豪華な日本語吹き替え。
・四輪車と二輪車混在で走行可能(要DLC)
・TVRのクルマが収録されていること。


Thecrew04

[BAD]
・ストーリー終盤まではお金が貯まりにくく、違う車種に乗り換える機会が少ない。
・現実に即していないクルマの価格設定。Forzaシリーズと比較すると唖然とするはず。
・車種はそれなりに用意されているが、参加できるレギュレーションが限られているものが多数。
・不便なチューニングシステム。同車種でも仕様が異なるとチューニングパーツの使い回しができない。
・頭上に浮かぶ走行ラインの見づらさ。
・DLCを導入していなくてもマップ上に表示されるDLCミッションやカーディーラー。
・三人称視点時のカメラワーク。特に丘を越える際、前方がまったく見えなくなってしまう。
・CPUの不公平な加速力やリカバリー性能。
・体当たりを要求されるミッション全般。
・TVRのクルマが1車種しか収録されていないこと。


[NEITHER]
・ラジオの収録曲は好みが分かれるところ。
・不快に感じるほどではないが、ことあるごとに挿まれるロード時間。
・詳細かつ軽快で、便利すぎて自分で走る意味が失われかねないファストトラベル機能。


Thecrew05

[総括]
本作は「Test Drive Unlimited」的なオープンワールドドライブと「ワイルドスピード」的なストーリーベースの
ミッションを組み込んだ、良いとこ取りな感じのレーシングゲームとなっている。

点在するランドマークにはそれぞれ紹介文が用意されていて、その総数は200を超えている。
これらを見つけては読み、次の目的地へ走るだけでも観光の欲求を満たせるはずだ。
風景の描写にもそれなりに気を配ってあるし、車体にぶつかる雨の水滴の表現もかなりがんばっている。

本作の収録車種は決して少なくはないが、お金が貯まるのに時間がかかるせいで気安く乗り換えできず
結果として体感的に収録車種を少なく感じてしまうという欠点がある。
10万程度のクルマであればストーリーの攻略中に乗り換えられるが、それ以上の価格帯は手が届かない。
このことがレーシングゲームとしてどうなのか?ゲーム内の設定的にどうなのか?という疑問が残る。

PvPをエンドコンテンツとしている都合、このようなバランスになっているのかもしれない。
その結果、「いろんなクルマで遊んでみたい」という欲求を押し潰してしまっていると言える。

また、特定のレギュレーションしか参加できない車種が多いのも問題だ。
すべての車種ですべてのレースに参加できてほしかったと思うし、普通はそうあるべきではないだろうか。
どうしてこんな不便で不愉快な仕様のままリリースすることを許せたのか甚だ疑問である。


Thecrew06

本作をはじめるうえで若干気を付けなければならないのがPerkの存在である。

Perkに割り振るポイントはレベルが上がるごとに1ずつ与えられるが、レベルには50という上限があるので
50以上のポイントがほしい場合、『レベルアップ時にもらえるポイントがランダムで増える』というPerkに
序盤から積極的にポイントを割り振っておかねばならない。
途中でこのことに気付くと取り返しがつかず、ゲーム終盤で明確なハンディキャップとなってしまうのだ。

Perkのポイントやクルマの購入は課金で解消できるのだが、課金したいとは少しも思えない。
プレイヤーを正しく課金に向かわせるようなデザインになっていないし、それほどの魅力も備わっていない。
課金という解決法が用意されていることへの不快感だけが残るようになってしまっている。

本作がほかのレースゲームフランチャイズに食い込めるかどうかといえば、決してそんなことはない。
なにかの代用品になることはあっても、これがスタンダードになるとは考えにくい。


Thecrew07

[オススメ度]
ほかにレースゲームがないならプレイしてみてもいい。アメリカ観光が目的ならほかに選択肢はない。
ボンネビル・ソルトフラッツやパイクスピークを楽しめるレースゲームはおそらく本作だけ。

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