« 2016年第3Q 新作アニメ所感 | トップページ | ゲームレビュー 「Never Alone」 »

2016年7月21日 (木)

「The Division」 1.3という大きな分岐点

「Tom Crancy's The Division」初の有料追加コンテンツと合わせて配信されたアップデート、v1.3。

幸運にも(笑)シーズンパスを買わなかった人たちにとって、追加コンテンツなしのv1.3がどれほどの恩恵を
もたらすものになるのか、買った人との差はどうなのか、検証も含めてプレイし続けてきました。


Division22

有料追加コンテンツ「Underground」がないv1.3において、最大の変化は難易度ヒロイックの追加です。

これまでもっとも難しいとされていた難易度チャレンジよりもさらに難しいとされるのがこのヒロイック。
実際にプレイしてみたところ、たしかにつらいと感じる部分もあるにはあるのですが、チャレンジに慣れている
プレイヤーならそんなに大きな変化を感じないさじ加減だと思いました。
少なくともハードとチャレンジほどの大きな差はなく、本当にほんのり難しくなったという程度です。

発売から現在まで絶えず「The Division」をプレイし続け、侵略ミッションや重要ターゲットで最新装備を整え
各種スキルやセット装備のセットボーナスの使い方をきちんと把握している熱心なプレイヤーであれば…という
前提ありきの話ではありますが、現存するプレイヤーなら問題ないでしょうしね。


Division23

難易度ヒロイックでは、これまで入手が少々難しかったスコア204の黄色武器が確定でドロップします。
最低でも1個、多いときは3個まとめて出るときもあり選び放題です。
ウィークリーの重要ターゲットでセット装備が頻繁にドロップする状況に似てますが、こちらはミッションですから
これまでどおりマッチングもスムーズですし、攻略パターンも知れ渡っているのでサクサク回せます。

スコア229の武器が出るようになったのにいまさら204なんて…などと言うなかれ。
さらなる高スコアの武器はまだまだ入手機会が限られていますし、性能を選べるほど手に入りません。
なので、ほんのちょっと性能が低い程度の204の需要はまだあるわけです。

それとv1.3以降、ウィークリー重要ターゲットの報酬としてスコア229の武器もドロップするようになりました。
つまり比較的安全安定な方法で段階を踏みつつスコアの高い武器を揃えていけるわけです。
重要ターゲットそのものはあいかわらずマッチングが難しく扱いづらいコンテンツですが、週1のイベントとして
プレイングに組み込むだけの価値は残されています。報酬のセット装備もまあまあ期待できますしね。

これに「Underground」が加わると、スコアの高いセット装備も選び放題になります。
しかし、このかつてない厚遇が既存のコンテンツの需要を極限まで奪い取ってしまっているという側面もあり。


Division24

これまでフェニックスクレジットを稼ぐおもな方法として利用されてきたデイリーミッション。
デイリーに指定されたミッションを難易度チャレンジでクリアしたときにもらえるフェニックスクレジットの額と
難易度ヒロイックをクリアしたときに毎回もらえる額は同じです。
しかもデイリーミッションとは違って、ヒロイックなら1日に何度でも回せるわけで。

同じ労力や時間をかけて、もらえる額が少ないデイリーをあえてプレイする人などいるでしょうか。
達成条件のわりに報酬額が少ない各種デイリー任務やウィークリー任務も然り。

ダークゾーン内の各地の隠れ家で販売されているDZランク制限をかけられた武器や設計図を買うために
DZランクを熱心に上げていた人も多いと思いますが、スコア204以上の武器が普通にドロップするようになり
その存在意義は完全に消え去ってしまいました。
わざわざ上がりにくいDZランクを上げたり、稼ぎにくいDZクレジットを貯めたりする必要はもうないのです。

装備スコアの層ごとに異なるアイテムを販売するようにしておけばまったく問題なかったんですよ。
いかに先のことを考えずに、その場その場でコンテンツを作っているかがわかります。


Division25

ダークゾーンといえばv1.3で231+層という新たな区分が誕生し、過疎化に拍車をかけている印象。
定点で3時間レベリングしていて他のプレイヤーの気配をまったく感じない日もありました。

「Underground」や新たな侵略ミッションなどのコンテンツの増加により細分化されている残存プレイヤーを
ダークゾーンではさらに装備ランクで3つの層に分類してしまっているわけで。
飽きさせないように努力した結果、マルチプレイの魅力が徐々に失われつつある気がします。

それでもローグは減らないから不思議ですよね…ローグを見ない日はほとんどありません。
「The Division」唯一のPvPコンテンツだからでしょうか。わざわざ本作に残ってやらなくてもいいのに…。

231+層だけの仕様かはわかりませんが、回収エリアの敵の湧き方が異様にしつこくなっています。
1回の回収要請で平均4人×3セット出現し、再要請のたびに途切れることなく3セットずつ追加されるので
ソロだとあまりにも苦行すぎてダークゾーンへの侵入自体オススメできなくなりました。

未発見状態(回収要請後に出現した敵)の視線がそれているあいだにスモーク追尾マインを投げ込んで
敵が錯乱している隙にロープに結び付けてダッシュで逃げ去るという方法も使えなくはありません。
しかし成功率が微妙で、未発見状態じゃないと通用しないという難点も含まれています。
そこまで手間暇をかけてソロで挑むくらいなら難易度ヒロイックへ行きましょう。DZは趣味の領域です。

現在ダークゾーンでかろうじて需要を保っているのはネームドとサプライドロップ。
あとは安定してスコア204以上の武器を排出するようになったカギありカギなし両方のアイテムボックス。
3人以上のパーティーであれば時間あたりの還元率をかろうじて維持できると思います。

しかし231+層の敵の強さはヒロイック以上ですからね…エージェントが文字どおり一瞬で溶けるので。


Division26

武器の入手経路の話ばかりしてしまいましたが、性能の調整についても触れておかなければなりません。

いわゆる不人気武器を強化して全体のバランスを図ろうというのは誰もが納得できるはず。
実際、これまで不人気だったLMGやショットガンはv1.3でわずかながら強化されました。
それでも残念ながらARやMRの牙城を崩すにはいたらず、武器選択の傾向にあまり変化は見られません。
(ただしPvPにおいてはショットガンが急激にシェアを拡大している模様…)

「人気のARやSMGの性能を下方修正してもなお変化が見られない」というのが重大なポイントなのです。

これまでプレイヤーの火力をなんとか支えてきたAUGやヴェクターを弱体化させ、v1.3で追加された新たなAR
G36シリーズも「調整ミスで強すぎでした」とすぐに弱体化…なのに敵は強化されたまま。

プレイヤーにストレスを与えるほうへばかり修正が続いていて全然たのしくないんですよ。
たまにはプレイヤー側に有利に働くように修正してくれればいいのに、パワーインフレを避けようとしてるのか
下方修正によってバランスを取り続けるのでプレイヤー感情はどんどん悪くなってるんですよね。
スコアの高い武器がドロップしやすくなってもこの苦境は変わりません。


v1.3が残存プレイヤーにとって、ゲーム的にも心情的にも大きな分岐点となったのは間違いありません。

もし「The Division」に心底惚れ込み、健全に続けたいのであれば「Underground」を導入するのがオススメ。
いまでも続けているプレイヤーで「Underground」を悪く言う人は見たことがありません。
目下一番たのしめるコンテンツなんだと思います。「Underground」なしで続けるには覚悟が必要。
ただたのしめるかどうかだけでなく、ほかのプレイヤーと装備の差が生じるのを覚悟のうえで…という話。

『続けられる』と『たのしめる』は実際にプレイする立場からすると全然違いますからね。ここ大事。



単に習慣化しているとか、これまでに費やした時間や労力を易々とは放棄できないという心情が働いて
やめられないだけかもしれませんが、我ながらよく今日まで続けてこれたと思いますよ。

上ではバッサリ切り捨ててはいますが、デイリー任務がなかったらとっくにやめてたでしょうね。
特にダークゾーン任務の経験値7500というのが自分にとっては魅力的で、ローグ的な行動を一切やらない
プレイスタイルを貫くうえでDZランクを上げるための大きな足掛かりとなっていました。

しかし、ある日ハッと気付いたんですよ。もうDZランクを上げても意味がないんだな…って。
むしろ変にDZランクが高いとDZ内では警戒されてしまうので、プレイスタイル的には逆効果なのです。

当ブログの「The Division」のレビューは今回でおしまいです。続きはほかのエージェントにお任せします。

|

« 2016年第3Q 新作アニメ所感 | トップページ | ゲームレビュー 「Never Alone」 »

ゲーム レビュー&コラム」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 2016年第3Q 新作アニメ所感 | トップページ | ゲームレビュー 「Never Alone」 »