ゲームレビュー 「Unravel」

[クリアまでにかかった時間]
約8時間。パズルアクションなので反射神経や頭のやわらかさ、発想力によって前後する。
[ゲーム難易度]
見た目のファンシーさとは裏腹にかなり歯応えがある。「誰でもクリアできる」とは言わない。
[実績&トロフィー難易度]
ノーミスクリア実績が厄介。収集要素が各ステージに5つずつあるので、できれば1周目ですべて回収したい。

[良いところ]
・ゲームシステムとストーリーに密接な関係がある、独創的なキャラクターデザイン。
・低価格帯にしては美しすぎるグラフィックと音楽。心理描写とリンクした風景。小動物のこまやかな動き。
・物理法則を利用した高度なパズルと、グラップルやスイングなど様々なワイヤーアクション。
・UIらしいUIもなく、文章もほとんどないため画面に集中しやすい。
[悪いところ]
・難易度のわりにヒントらしいヒントがなく、始めた途端に詰む可能性もあり。
・ノーミス実績があるのに、プレイヤーにはどうしようもない理不尽なミスが起きるステージがある。
・小動物や人工物のスケールに統一感がない。ステージ設計のために大きすぎたり小さすぎたり。
・虫がニガテな人にはかなりつらいステージがある(オブラートに包んで「虫」と表記している点に注意)。
[どちらとも言えない]
・日本語版のややクセのあるフォント。
・スタッフからのメッセージの表示時間が短くて読み切れない。再表示は可能。
・雰囲気重視のステージセレクト画面(というかステージ)。移動が面倒に感じるかもしれない。

[総括]
低価格帯のパズルアクションは、昨今さまざまなアイデアによってぶつかり合うジャンルになっている。
その玉石混交の時代に明確なコンセプトとデザインを有して登場したのがこの「Unravel」である。
単純にゲームという側面から見た場合、本作はワイヤーアクションに分類される。
毛糸でできた主人公・ヤーニーは自身の毛糸を道しるべのように垂らしながら進み、ときにはその身をほどいて
投げ縄を飛ばしたり命綱としたり、ぴんと張ってジャンプ台を作ったりする。
毛糸なので長さに限りがあり、使い過ぎれば前へ進めなくなる。毛糸なりの制約がある点もおもしろい。
毛糸でできているという特徴がゲームシステムに密接に関係しており、明確な独創性を生んでいる。
単にかわいらしいだけでなく、キャラクターデザインにパズルアクションとしての重要な意味があるのだ。
そして、このデザインはストーリーを描くうえでも大きな役割を果たしている。
そのストーリー性、メッセージ性を強力に裏打ちするのが低価格帯としては異様にリッチなグラフィックである。
圧倒的な自然の描写、気候や季節の表現、使い込まれた人工物、そしてたくさんの写真。
ほぼビジュアルのみで、ある家族に起きた出来事や心情の変化をできるだけ静かに、見事に紡いでいる。
ゲームとしてもデザイン面でも、加えてストーリー表現においても優れた作品である。
すべてが終わったあと、改めてスタート地点にあるアルバムを眺めてみてほしい。
本作をクリアした人だけに伝わる、心に響くなにかを見つけられるはずだ。
[オススメ度]
かなり高め。難易度もそこそこ高めだが、クリアして得られるものも相応に高い。虫がニガテな人は…。
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