ゲームレビュー 「Murdered: 魂の呼ぶ声(Soul Suspect)」
※作品内容を考慮し、いつもより画像を少なめにしてお送りします。
[クリアまでにかかった時間]
10時間ちょうど。サイドクエストや文献をスキップせず、すべて視聴してもその程度の時間に収まる。
[ゲーム難易度]
本当に若干のアクション要素はあるが、基本は推理アドベンチャーなので誰でも難なく遊べるはず。
[実績難易度]
1周でコンプリート可能。ほぼすべての実績が収集関連で、取り返しのつかないものが一部含まれる。
『歴史博物館』の収集物だけは最初に訪れたときにすべて回収しておきたい。
[GOOD]
・幽体という特性を表現した独特のゲームシステム。
・膨大なセンテンスを丁寧に収録してある日本語吹き替え。出演は山寺宏一、伊瀬茉莉也など。
・軽微なホラーとオカルト要素。
[BAD]
・収集が本作のすべてと言ってもいいほどなのに、収集システムがあまりプレイヤー思いではない。
・移動や探索は肩越しのTPS視点固定で、主観視点モードでは移動できない。
・最初から最後まで一貫して音楽らしい音楽がなく、音楽で盛り上げようという気配が一切ない。
[NEITHER]
・PS1~PS2時代のゲームを彷彿とさせる素朴なタイトル画面とメインメニュー。
・推理さえ正しければすべての証拠品を見つけられなくても先へ進めてしまう捜査パート。
・Airtight Gamesは本作を最後にスタジオを閉鎖。
[総括]
本作は懐かしいタイプの推理アドベンチャーで、方向性としては「L.A.Noire」などに近い。
主人公の刑事が本編冒頭で犯人によって殺害され、自由に動き回れる幽霊と化したところから始まる。
幽霊だからこそ見えるもの、行ける場所、幽霊ならではのアクションで捜査が進められていく。
映画などではありがちの設定だが、ゲームに落とし込んだ例は少ないのでそこは特筆点ではある。
本作の舞台となる港町・セイラムは魔女狩りという暗い過去をもっている。
幽霊でも通り抜けることができない結界を張り巡らせた建物が街のいたるところに建てられているあたりに
その異常さを感じさせつつ、製作上の都合で必要となる移動範囲の制約にも役立てている。
推理アドベンチャーというジャンル自体が前時代的なものなので仕方ないが、推理と収集以外の要素が
あまりにも乏しくボリュームも薄いため、パッケージタイトルとしての満足感の低さは否めない。
ただ、途中にある悪霊との戦いを無暗に増やしてアクション性を高めていたらきっと失望していただろう。
ぶっちゃけあの悪霊は要らなかったと思うし、あの程度の暴挙に留まっていてよかったと思う。
冒頭で書いたとおり、本作の主人公は故人であり事件解決後もその事実がくつがえることはない。
その事実をきちんと受け止めたうえで、どのような結末を迎えるかに注目してほしい。
1周目で全実績の解除に成功したらやることはもう残っていない。本当にスッキリ終わるゲームだ。
[オススメ度]
古典的なアドベンチャーが好きな人なら。ホラー要素は本当に薄いのでそこに期待してはいけない。
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