ゲームレビュー 「Assassin's Creed Unity」
[クリアまでにかかった時間]
PS4版のため確認できず。プレイ期間で言えば約1か月(DLC含む)。
[ゲーム難易度]
正常に動いていれば決して難しくはないが、意図しない動作などによって難しく感じてしまう場面が多々ある。
特に時間制限がある場面やNPCの追跡が目標になっているときは苦しめられる。
敵NPCがかなり強めで場面によっては数も多く、マトモにぶつかろうとすると難易度は飛躍的に高まる。
資金は最終的に常時100万以上の余裕ができるので手持ちのアイテムやスキルは惜しみなく使っていくべし。
[実績・トロフィー難易度]
収集関連はかなり時間がかかるが、それ以外はわりとすんなり。マルチプレイ関連も軽め。
ゲーム内通貨で収集アイテムの配置図をアンロックできるので、ストレス軽減のためにも買っておきたい。
[GOOD]
・現行ハード専用に作られた高精細なグラフィック。大量の動的オブジェクトと密度の高い都市設計。
・マルチプレイを前提とした、装備品や服装の組み合わせの多さ。
・変装など暗殺者にあるべきスキルの追加。
・GTA風に散りばめられたサイドミッション。
・「殺人ストーリー」という新要素。広大なマップを舞台に推理アドベンチャーを楽しむことができる。
・獲得済みの収集物が半透明で表示されるようになったので、まとめて収集する際などにちょっと便利。
・丁寧な日本語ローカライズ。
・DLC「Dead Kings」に登場する建設中の教会や、パズルが散りばめられた地下迷宮は一見の価値あり。
[BAD]
・ロード時間が長い。従来のようなロード画面のお遊び要素もなく、真っ暗な画面をただ見つめるしかない。
・薄いストーリー。しかも信じられないタイミングであっけなく終わる。
・フリーランのバリエーションが増えるとともに、意図しない動作や不可解な動作停止もかなり増えた。
・読もうとしている文章の上に新たな通知をかぶせてくるユーザーインターフェース。
・プレイヤーキャラが弱く、敵はザコでも強くて固い。3人集まると致命的な脅威に。
・敵の攻撃タイミングを示すメーターが敵とともに画面外にある場合が多く、あまり役に立たない。
・強すぎる敵に対処するには長柄武器や大型武器では不利なので、片手武器を選ぶしかない。
・敵の銃撃への対処方法がない。発射のタイミングで障害物の陰に隠れてもダメージが通る。
・敵の追跡速度が異様に速く、しかも走りながら正確に銃撃してくる。この時代の銃の精度を考えれば異常。
・暗殺と隠密を主体としたシリーズなのに敵を皆殺しにしないと先へ進めない場面がある。
・視野の広い敵が多数配置されていて、誰も殺さずにターゲットのみを狙うのは困難を極める。
・お金に困る場面がほとんどないのに、開けても少額のお金しか得られない大量の宝箱が収集要素。
・時間制限のあるミッションやマルチプレイ用ミッションにも専用の収集アイテムが配置されている。
・新要素「ノストラダムスの予言」の正解がヒントと合致しないものが多い(5叉路を十字路と言ってみたり)
・時間制限と目標得点のある新要素「ヘリックス断裂」にランダムに出現する収集要素を用意したこと。
・マルチプレイの同期が貧弱(PSNの問題?)で攻略に支障をきたす。
・「Dead Kings」のマップ外周の処理(攻略に関わる地形なのに、見た目とは裏腹に昇り降り不可)
《プレイ中に体験した不具合》
・ゲームそのものの強制終了。
・敵のモーションなし銃撃(音も喰らいモーションもなく、体力ゲージだけが減る)
・戦闘中に突然ボタン入力を受け付けなくなる(回復薬は使用可能だが、攻撃もガードもできず)
・落下モーションのまま空中で停止し、身動きがとれなくなる。
・マルチプレイ中に敵が透明化、透明な敵に殺される。
・マルチプレイ中に味方が蘇生を受け付けなくなる。
・マルチプレイ中に体力ゲージへのダメージ反映が遅れ、回復が間に合わなくて死亡する。
・マルチプレイのミッションが次のステップへと移行せず、詰みの状態に。
・マルチプレイで大砲破壊時に敵から攻撃を喰らって中止→自動で再開→喰らって中止…の繰り返し。
[NEITHER]
・もはや宗教観には期待していないが、個人の復讐だけのストーリーになってしまっていること。
・秩序が失われた時代の再現。街中では殺戮や強盗が横行し、画面から匂いが感じられそうなほど。
・先頭から順に選び直さなければならないアイテム選択。一番使うのは煙玉なので便利といえば便利。
・ザコ敵の殺害数がシリーズ最大級になり、殺しに対する感覚がだんだん麻痺してくる。
・屋根の上の狙撃手は「Black Flag」と比べてごっそり減ったが、それでも理不尽に苦しめてくる。
・カフェの収入が上限に達するのが早くてお金には困らないが、頻繁に回収に行かなければならない。
・本作を通じてフランスという国を好きになることはおそらくないだろう。
[総括]
現行ハードの性能を活かして作られた、アサクリファンの夢想を実現したひとつの在り方なのは間違いない。
圧倒的な物量と密度、時代の再現については驚くほかない。文句なしに素晴らしいと言える。
しかし、その感動が続くのは最初の1~2時間程度である。そこから先はひたすらストレスとの戦いが続く。
宗教観の欠如やアサシンであることの必要性についてはもはや問うべき段階ではない。
フリーランの強化によるストレスの増加は「Black Flag」の時点でも感じられたことだが、新しいことに挑戦した
結果として新たに生まれた問題点なので前向きに受け止めることができる。
しかし本作にはそれだけでは済まされない、不愉快に感じられる欠点がいくつも存在するのが問題だ。
プレイの過程で、それこそ秒間隔でストレスを感じられてしまう。なにをしていてもストレスが溜まる。
初歩的な話で言えば、ぶらぶらと街中を歩いているだけでも苛立ちを覚えるだろう。
ひとつの目的を達成する過程で間髪入れず襲ってくる細かなストレス。思わず呪いの言葉が出るほどだった。
本作を語るうえで必ずと言っていいほど挙げられるのが、発売当初に問題視された不具合の異様な多さだが
修正された現在でも不具合は多数あるし、それがプレイヤーを苦しめ続けているのは事実である。
だが、本作の問題点は不具合から来るものだけではない。
仮にすべての不具合が解消されたとしても、本作から受ける印象はそれほど変化しないであろう。
楽しい場面や気持ちいい瞬間がないわけではない。その証拠に、最後までプレイし続けることができた。
だが、薄いストーリーにぴったりな殺風景なスタッフロールを見させられてさらに不満は増す。
長くジワジワと続くストレスから解放される喜びを味わいたいのであれば、本作はオススメである。
[オススメ度]
低い。たとえ100円で買えたとしても「100円でストレスを買っただけ」と感じてしまう可能性あり。
シリーズ最弱のアサシンによる私怨の冒険譚を仕方なく楽しみたい、コアなシリーズファンなら避けられない。
初代の旗集めのような、終わりの見えない徒労をコツコツ楽しめる人(筆者含む)には良い作品。
この追記を書いている現時点では、ミッションチャレンジ以外のほぼすべてのトロフィーを獲得済みです。
全体獲得率は93%で本編分の獲得率は94%(48/51)、「Dead Kings」分の獲得率は92%(6/7)。
ミッションチャレンジ関連は追々やれるとして、すべてのスキルをアンロックするのはなかなか大変そうです。
ただ、やってやれなくはない程度の難易度だと思うので挑戦のしがいはありそう。
でも正直もういいかな…プレイすべき部分はすべてプレイしたし、そんなに思い入れがあるわけでもなし。
ちなみに協力ミッション内のシンクロポイント収集アイテムは回収が済んだ時点でミッションを離脱しちゃっても
回収個数は記録されるので、ミッションをガン無視して回収に奔走するプレイもありです。
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