ゲームレビュー 「The Witness(目となる者)」
※Xbox LIVE上での正式タイトルは「目となる者(The Witness)」となっているが、当記事では逆とする。
[クリアまでにかかった時間]
経過時間を表示する機能がなく、代わりに歩数を見ることができる。クリア時の歩数は9,013歩。
パズルゲームなのでパズルを解く速度によって個人差はあるが、攻略サイトを見ながらならおそらく7~8時間。
[ゲーム難易度]
操作自体は簡単だがパズルがかなり難しい。文章やセリフによるヒントは一切なし。
[実績&トロフィー難易度]
総数は少なく、クリアまでの過程で大半は解除される。各地に落ちているオーディオは実績には含まれない。
ランダムで出題されるパズルを解く「チャレンジ」のみが実力に左右される。
[良いところ]
・独特なグラフィックと空気感。BGMはなく、環境音と変化に富んだ足音だけが耳に響いてくる。
・シンプルな操作。歩くと走る、そして指でなぞるだけ。
・光と影、光の色やフィルターを通して見える色の変化まで利用した巧みなギミック。
・思い通りに機能してくれる、地味に優秀なオートセーブ。
[悪いところ]
・プレイヤーの誘導に難のあるレベルデザイン。それが意図的である可能性も。
・手持ちのマップが存在せず、島のどの位置にいて次にどこへ向かえばいいのかわかりづらい。
(各地の船着き場にある自動航行のボートにはマップがあるので、一応そこで全体図を確認できる)
・正解を見ても納得のいかないパズルもあり、解けてもあまり気持ちよくない場面もあり。
[どちらとも言えない]
・プレイヤーを悩ませる膨大な数のパズルが散りばめられた広大な島。価格なりのボリューム感。
・日本語ローカライズ済みだが、各地に落ちているオーディオぐらいしか文章らしいものは存在しない。
・おそらく終盤に挑戦することになるであろう、健常者の目にも厳しい極彩色のパズルルーム。
・すべてのパズルを解いてもこの島の世界観についての謎は解けない。
[総括]
「Braid」のJonathan Blowが生み出した新たなパズルゲームで、「MYST」や「Pneuma」などを経ていると
パズルや世界観の発想、操作に対するオマージュを感じ取ることができる。
なのでお世辞にも新鮮味があるとは言えないが、美しく独特な島の景観には目を奪われることだろう。
しかしゲーム全編においてやることといえば、各所に設置されているパネルに向かってパズルを解くだけだ。
景観に絡んだギミックはあるものの全体の半分程度と言っていい。
残りの半分はどこで解こうと同じ。つまり、せっかくの景観をじゅうぶんに利用できていないのが惜しまれる。
それぞれのエリアの特色をもっと感じられるパズルになっていれば、さらに評価は高いものになっていただろう。
あとはオープンワールドであることの仇というか、プレイヤーの誘導をうまくできてないことも気になった。
たとえ一本道になろうとも、覚えたことを応用できるように組み上げたほうがよかったのではないか。
いきなり難しいエリアに踏み込んで困惑してしまったプレイヤーも少なからずいそうだ。
本作に高得点をつける人はおそらく、誰の手も借りずにこの一本に集中できる大のパズル好きだろう。
ほかのジャンルのゲームを熱心にプレイする人まで引き込むとは言えない。少なくとも「Braid」と比べた場合。
否定的な意見が続いてしまったが、分厚いパズル雑誌のようなものだと思えばかなり贅沢な出来と言える。
[オススメ度]
微妙。一度はじめたらすべてやり尽くさないと気が済まない几帳面なタイプの人には本当にオススメしない。
また、本作をプレイしたあと現実世界でもパズルを幻視する恐れがあることをあらかじめ伝えておく。
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