ゲームレビュー 「Assassin's Creed Syndicate」
[クリアまでにかかった時間]
エリアの制圧を8割ほど終わらせて、プレイヤーキャラのレベルを最大まで上げてからのクリアで約45時間。
クリア後に出現するサイドミッションなどもあるため、本編だけでもまだまだ遊べそうな感じはある。
[ゲーム難易度]
シリーズに慣れている人なら並み程度。操作技術と同じくらい観察力が必要。
一対多数の戦闘がやや難しめ。カウンターの受付時間がみじかいので反射神経もそれなりに要求される。
[実績・トロフィー難易度]
今回も収集物は多いが、ゲーム内の売店で配置図を購入できるので早い段階で入手したい。
実績に関わる収集物のうち「ロンドンの秘密」の配置図だけはヘリックスクレジットという専用通貨が必要。
ヘリックスクレジットは有料だが、ほかの収集物をコンプリートすると報酬としてもらうことができる。
なお、「ロンドンの秘密」が配置されている場所はゲーム内の資料で画像つきのヒントを確認できるので
あえて配置図を購入せず、自力で謎解きに挑戦してみるのも一興だろう。
戦闘関係の実績は特定の条件下でないと挑戦・累積できないものがあるが、条件自体は難しくはない。
唯一、馬車で5000個(!)のオブジェクトを破壊するという常軌を逸した条件のものがある。
[良いところ]
・近代のロンドンを再現したオープンワールド。行き交う蒸気船や汽車は迫力があり、見ているだけでも楽しい。
・見覚えのあるランドマーク、耳馴染みのある意外な著名人たち。味方はどれもチャーミング。
・ロープランチャーによる移動は爽快。発射位置の制限はあるが、立体的な戦闘に大いに貢献してくれる。
・上質な日本語ローカライズ。今回も各種文献にいたるまで非常に丁寧な翻訳がなされている。
・記憶に残る美しいサウンドトラック。
[悪いところ]
・前作と比べてフリーランの動きがやや重く、次の行動へ移る際もたついたりつまづいたりする場面も多い。
・目的地に設定したマーカーがフリーラン操作(Aボタン)で解除されやすい。
・スクリプトだらけの追跡や輸送系ミッション。暴走した馬車が突っ込んでくるなど悪意に満ちた仕掛けが多い。
・高度警戒区域の外にいても銃撃してくる狙撃兵。周囲の歩道を歩いているだけで狙撃してくる衛兵。
・くどいラストバトルと、スタッフロールが流れず達成感に欠けるエンディング。
[どちらとも言えない]
・ふたりのアサシンの使い分けは最初は戸惑うが、役割を理解できれば使い分けを楽しめるようになる。
・4種類の素材が溜まりすぎ。足りなくて困ることはないが使い道が少なく、売ることもできない。
・時代背景的に馬車が出てくるのは仕方ないが、馬車の存在がプレイヤーに楽しく働く場面は少ない。
・ブライターズのテリトリーにいると因縁をつけられるのが少々鬱陶しいが、スキルで防ぐことができる。
・いくらギャングが台頭した時代とはいえ、日中の路上で殺人事件が頻発しすぎではないだろうか?
[総括]
Assassin's Creedシリーズのメインストリームでは9作目にあたる本作。時代は歴代でもっとも近代である。
高層建築、巨大な駅に発着する機関車、テムズ川を埋め尽くす蒸気船。ストーリーでは内燃機関まで出てきて
もう少ししたら現代とさほど変わらない街並みになってしまいそうな時期のロンドンを描いている。
システムこそAssassin's Creedではあるが、Assassin's Creedらしい時代ではなくなってしまった気がする。
産業の象徴とも言える高い煙突が立ち並ぶ街を駆け抜けるのは、観光としてはじつに楽しい。
しかし、平坦な屋根が本当に少なくなってしまったため、たとえば500m先にある目的地点まで移動したい場合
屋根伝いに移動するよりも地上を走るほうが早いという悲しい現実を突きつけられる。
馬車ならもっと早いが、ゆっくり走っている他の馬車が大きな障害となってくる。近代の仇とでも言うべきか。
GTAシリーズでイライラさせられたアレがとうとうAssassin's Creedにもやってきたわけだ。
アサシンにとってはつらい時代だな…と思い始めたころ、新たな移動方法としてロープランチャーが追加される。
近代ならではの新しい装備の追加はプレイヤーの発想力を試す優れた要素だ。
ここまで来ると今度は瞬時に地上へ降りられる道具がほしくなるが、そこは藁の山の出番というわけだ。
性格と性能の異なるふたりのアサシンの使い分け、ストーリーの描き方も新鮮味はある。
現状でもそれなりに得意分野の違いはあるが、もっと明確に向き不向きを分けてもよかったのではないか。
ふたりのアサシンを交互に使うラストバトルも同様。ふたりいることをもっと上手く使ってほしかったと思う。
プレイヤーの期待と想像を下回る戦闘を最後に用意してしまったことが本作の評価に大きく響きそうだ。
前作の「Unity」同様、ストレスを感じるところもあるがシリーズならではのおもしろさもたくさん残されている。
良いところも悪いところも含めてAssassin's Creedらしい。そんなふうに感じる一本だった。
[オススメ度]
まあまあ。新規のプレイヤーにはやや難しそう。シリーズファンならさまざまな小ネタを楽しむことができる。
アサクリで女性キャラを使いたいと思っている人にはキャラクター性も含めてオススメできる。
Games with Goldで提供された本作、ゴールドメンバーシップの期間内に終わらせなければならないという都合
だいぶ駆け足でのプレイとなりましたが、とりあえずクリアはできたのでよしとします。
シンクロ率の実績とか残ってるんですけどね…ちょっと期間内に終わる数ではないと思ったので諦めました。
道中あちこちでストレスは感じましたが、収集物をすべて集め終えたいまでもまだ続けていたいと思えるくらい
ハマれたし良いゲームでした。街並みと音楽が抜群に美しく、歩くのがホント楽しかったです。
アサクリシリーズの新作が出るたびに「次は日本では?」とか「日本だったらいいな」なんて話を見かけます。
日本を舞台にしたアサクリというとどうしても忍者が出てくる時代を連想しがちですが、現存している建物が少なく
これまでのシリーズで体験できた「実物がある」という感覚は得られないと思うのです。
いっそ現代の日本を舞台にして、繁華街や高層ビルを駆け回るぐらいのほうがおもしろいかもしれません。
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