ゲームレビュー 「CODE VEIN」
[クリアまでにかかった時間]
1周目のエンディングまで約60時間。フォトモードなどに費やした時間も含まれるので実質55時間くらいか?
拾えるアイテムをすべて拾い、深層(追加エリア)を9割クリアした状態での時間なので、短縮は可能。
ちなみにクリア時のレベルは120。意識的にあまり上げないよう調整しており、もっと上げることも可能だった。
レベル1縛りでクリアしている猛者もいるので、本作においてレベルの話はあまり参考にならないと思われる。
[ゲーム難易度]
Dark Soulsシリーズのフォロワーとしては簡単なほうと言われているが、それなりに歯応えのある調整。
『ダクソ系』や『狩りゲー』など、アクションRPGがニガテな人は苦労するかもしれない。
プレイヤーのレベルを上げるとバディ(味方)も比例して強くなるので、困ったらとりあえずレベル上げしよう。
ただし、レベルを上げると錬血の熟練度が上がりにくくなるという弊害があるので注意すること。
[実績・トロフィー難易度]
エンディング別の実績があり、すべて解除するには最低でも3周は必要。同じセーブデータを使うこと。
(厳密に言うとエンディングは4種類あり、セリフが微妙に異なるだけの2種類は1周でまとめて見られる)
1周目のデータを引き継いで2周目を開始でき、その際に難易度を上げるかどうか任意で選択可能。
事実上のオンライン実績がひとつだけあり、その解除作業が面倒なこと以外はそれほど困難なものはない。
[関連記事]
・「CODE VEIN」の体験版をプレイしてみて
・「CODE VEIN」の体験版を20時間プレイした結果
・「CODE VEIN」の体験版を50時間もプレイしたので
・「CODE VEIN」プレイ開始
[良いところ]
・ありそうでなかった「アニメライクなキャラクターでDark Souls」の実現。プレイヤー層の拡大。
・自由度が高いキャラクターメイキング。発売後もアップデートで進化を続けている。
・装備重量やスキルの組み合わせによる難しすぎないキャラクタービルド。
・生オーケストラによる重厚な音楽。落ち着いて聴ける機会があまりないのが残念ではある。
・プレイヤーが戦うことで救われる誰かがいる、成果を実感しやすいストーリー。長すぎないムービー。
・火災で燃え盛る市街地や雪山の軍事施設など、近代的で多彩なステージ設計。
[悪いところ]
・リーチが短くホーミング性能が弱い攻撃。密着してるのに空振りしたり、突進攻撃が素通りすることも。
・堅牢や血属性など、それがどういうもので何に効くのかよくわからないパラメータが多い。
・存在感がない、あるいは封印せざるをえない『死に技』『死に要素』がいくつかある。
・シーン切り替え時のBGMの処理が粗い(フェードアウトせず、画面の暗転とともにブツッと切れる)
・エリア間の異様に長い通路と処理落ち。ムービーシーンに堂々と映る粗いテクスチャ、貼り遅れ。
・マルチエンディング方式を取っているが、同じセーブデータですべて見ないと解除されない実績がある。
PS4版でアプリケーションエラーによるシャットダウンが多いと言われているが、筆者は100時間のプレイ中に
一度もエラーに遭遇しなかったので、今回のレビューには影響しなかった。
[どちらとも言えない]
・同じ武器種でもモーションの違いがあるのはおもしろいが、困惑の原因にもなりうる。
・飛び降りないと先へ進めない構造のマップがかなり多い。パズル的な楽しさと落下死の恐怖が隣り合わせ。
・序盤を過ぎるとヘイズ稼ぎには困らなくなるが、終盤は溜まりすぎて使い道に困る。銀行がほしい。
・『白い血の聖堂』全般。見応えはあるものの、構造に対する苦情も理解はできる。
・『敬愛の印』はオンラインのランクと思えば妥当な要素だが、現状ただの収集作業と化してしまっている。
・本当に必要だったかどうか、冷静に考えると答えに窮してしまう露天風呂(混浴)の存在。
他にも、結局なんにも使われなかった拠点の地下室など気になる設備はいくつかあった。
個室もせっかくあるのだから、何かしらの機能をもたせるなどしてもっと利用すべきだったのでは。
[短評]
「CODE VEIN」はDark Soulsシリーズのフォロワー、いわゆる『ダクソ系』のアクションRPGである。
GOD EATERシリーズのスタッフが関わっており、雰囲気や世界観を色濃く共有しているのがひとつの特徴だ。
モンスターハンター全盛期に同作のフォロワーとして誕生したGOD EATERシリーズのアイデアやビジュアルを
いま全盛期にあるDark Soulsシリーズに組み込んで生まれた…と考えると、独創性があるとは少しも言えないが
プレイしていると、一周まわって新たなオリジナリティを獲得しているように思えてくる。
自分のように、GOD EATERシリーズが合わなかった人にはむしろ合うかもしれない。新たな可能性である。
吸血鬼である主人公たちは何度死んでも灰から蘇り、敵の血液をエネルギーに変えて戦い続ける。
『死にゲー』と言われがちなDark Soulsシリーズのシステムによく当てはまる、うまく考えられた設定である。
本筋の探索もおもしろいのだが、本作の魅力はそれだけに留まらない。音楽もストーリーも秀逸だ。
「CODE VEIN」は愛と献身の物語である。誰もが誰かのために、おのれを犠牲にして幸せを願おうとする。
吸血鬼となっても人間性は失われていない。むしろヒトだったころよりも人間らしく生きている者ばかりだ。
そこがプレイヤーにとっては希望に映るし、攻略へ向かわせる動機にもなってくれる。
「ストーリーなんて必要最低限のものがあれば」と思っていたが、本作におけるストーリーの役割は大きかった。
険しい道程をともに歩むバディたちの、道中のさまざまなリアクションを聞くのもまた楽しい。
難易度がもう少し低ければ、ストーリーやキャラを楽しむ"JRPG"として老若男女問わずオススメしたいほどだ。
どうしても先に進めなくなったらマルチプレイに助けを求めることもできる。
難しいゲームではあるがプレイヤーを突き放したりはしない。そのさじ加減が絶妙であると感じた。
2019年は国産タイトルが非常に元気な年だったため、「CODE VEIN」の印象はあまり強いとは言えなかったが
その元気ななかに本作も確実にいて、海外でもきちんと評価されていたことには触れておかねばなるまい。
改善を要求したくなる部分は多い。しかし、それは確実に良くなる可能性を秘めているからだと思いたい。
[オススメ度]
そこそこ高め。ただし難易度もまあまあ高めなので、覚悟をもって挑戦していただきたい。
また、PS4以外のプラットフォームにおいてボタン割り振りに難があるため(後述)PS4版をオススメする。
バンダイナムコは独自のアンケートサイトを設営しておりまして、「CODE VEIN」もアンケートがあることを
購入前から知っていたので、これはきちんとプレイして答えなければいけないなと思ってたんです。
しかしアンケートの締め切りが12月25日いっぱいまでで、クリアするまでプレイしてたら間に合いそうにない。
仕方なく締め切りの前日にアンケートを開いたのですが、ゲーム内容に対する項目がほとんどないという…。
「どこで買ったか?」とか「どのバディがお気に入り?」とか、そんなのばかりでした。
今後のためにいろんな不満点や要望を送り付けたかったのになぁ。もちろん良いと思った部分も。
というわけで、レビューの[悪いところ]に書くほどではないことをここにまとめておこうと思います。
・タイトル画面などのメニュー操作は左スティックでもできるようにしてほしい。
・位置的に見づらく、減れば減るほどさらに見づらくなっていくスタミナゲージのデザインは改善の余地あり。
・ダッシュ中のモーションが通常移動時と同じなので、モーションを差別化してほしい。
・武器の差別化。それぞれの個性をもう少し特化させて、使い分けや選択を意識させてほしい。
・バックスタブは可能な状況になったら画面にボタンを表示するなど、見た目にわかりやすくしてほしい。
・転成や共錬血のデメリットを抵抗を感じない程度に抑えてほしい。
・レベルに反比例して上がりにくくなる錬血の熟練度の緩和。あるいはアウェイクの店売り化。
・メインストーリー以外の会話シーンで省略されてしまっている口パクや目線をきちんと動かしてほしい。
・マップ上に出現する依頼人(NPC)が出現しているかどうか、移動先一覧で確認できるようにしてほしい。
アナログスティックでメニュー操作できないのはバンナムのルールなのかもしれません(「鉄拳7」も同様)。
リードプラットフォームであるPS4でプレイしているぶんには気にならないのですが、Xbox One版やSteam版を
触るとその厄介さが痛烈に伝わってくるんですよ。ひどく遊びづらい。
PS4以外のハードで遊ぶ人も世の中にはたくさんいることを、特に操作の面では考慮してほしいですね。
ネット上で見かける本作の評価について、読むうえでいくつか気を付けなければならない部分があります。
一番多く、そして目立つのは「Dark Soulsシリーズをどれだけ再現できているか?」という論調のもの。
すべてを本家とまったく同じにする必要はないのに、完全なクローンを求めてしまう人が多いようで…。
発売延期してなお調整が甘い、作り込みが弱いと感じる部分があるのは否めません。
ボス戦だけを見ても、「あの予備動作のあとに攻撃が来る」「あの大振りの攻撃のあとに隙ができる」みたいな
アクションゲームに必要な『気持ちよい気付き』が欠けていて理不尽に思う場面も少なくありません。
後発のフォロワーなのに惜しいところが多い。絶賛に近い評価をしている自分もそこは認めざるをえません。

新年1発目の記事です。現在2周目の中盤を折り返したところで、予定では3周…いや、たぶん4周目もやるかも。
唯一無二の能力をもつ主人公、吸血鬼の美男美女というだけでも特定の層(?)にかなり刺さる作品なんですが
荒廃した都市をガスマスクつけて歩いたりとか、網羅している性癖が豊富なんですよね。
おねショタまでいかないけど姉弟愛で泣かせてくるし、愛する女のために巨大な聖堂を建てる女も出てくるし…。
女性キャラは爆乳かツルペタの両極端で、布面積が小さい衣服をまとっていることも本作の大きな特徴です。
登場するボスクラスのデザインも趣味を前面に押し出したものばかりで、軽く呆れてしまうほどでした。
ネット上で『ポールダンサー』と呼ばれるボスを初めて見たときは「このゲーム作った人たちバカなのでは?」
と、呆れを通り越して感動に至ったほど。そういうものが高水準で結集してるゲームなんです。
ストーリーのムービーを見ていて、そのうち「CODE VEIN」もアニメ化なんて話もあったりするかな?などと
思ったりしたのですが、「GOD EATER」はアニメ化まで5年かかってるんですよね。
まずはしっかりと人気を獲得し、続編が発売され、アニメ化はその先の話と思っておくべきでしょうか。
仮にアニメ化するとして、途中のストーリー分岐をどう選んでいくか?という構成の問題もありますよね。
グッドエンドではないほうの選択肢もドラマとしては良く、起伏としては大事だと思うので。
このへんネタバレを挿まずに話すの難しいな…「プレイして確かめてくれ!」としか言えないのがもどかしい。
Twitterで感想やスクリーンショットを検索していると、なにやら「鬼滅の刃」のファンにも刺さっているようで
キャラクターメイキングで「鬼滅」のキャラを再現している人もいました。そういう楽しみ方もあるか…!
あれも吸血鬼とか似たような要素ありますし、いいタイミングで発売されたのかもしれません。
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