ゲームレビュー 「Graveyard Keeper」
[プラットフォームと購入経緯]
Xbox One版のCollector's Edition(DLC2種同梱)をセール期間に1,155円で購入。
(現在Xbox One向けに配信されているDLCは「Breaking Dead」と「Stranger Sins」の2種類のみ)
[クリアまでにかかった時間]
セーブデータに表記されているゲーム内日数はクリア時点で397日。
一日が約9分なので単純計算だと約60時間になってしまうが、睡眠でスキップした時間分は差し引く必要がある。
実際のプレイ時間はおそらく40時間程度だろう。なお、これにはDLC分は含まれていない。
[ゲーム難易度]
操作や戦闘などで特別難しいところはないが、説明の足りなさや不親切さで難易度が高めに感じる場合がある。
クエストを先に進めるのに必要な『金額』の設定が高めで、そこが難しいといえば難しい。
[実績・トロフィー難易度]
Xbox One版はゲーム本編は日本語化されているが、実績が日本語化されていない。
Steam版は実績も日本語化されているので、解除条件を知りたい場合は参考にするとよいかもしれない。
本編実績のほとんどはクリアするまでの過程で解除されるが、釣りの回数(200回)だけは意識的な稼ぎが必要。
「Stranger Sins」では高品質な酒類や料理を大量に求められるので、農地の開発に力を入れておきたい。
本編実績にいくつかの不具合を確認。いづれも累積系の実績で、以下のカウントが途中で止まってしまった。
・墓場に死体を埋めた回数(10回、50回)
・死体から肉を切除した回数(30回)
・釣り上げた魚の種類(6種類、10種類、15種類)
・釣りの回数(200回)
・作った料理の種類(10種類、20種類、30種類)
・錬金術のレシピ発見数(5種類、10種類、20種類)
・治癒のポーションの使用回数(50回)
非常に再現性の高い不具合らしく、海外でも同様の報告が多数寄せられている。
セーブデータ(ローカルとXbox LIVE上の両方)やDLCを削除するだけでは改善されない。検証済みである。
海外のフォーラムで以下のような解決方法が紹介されていたので、併せて記載しておく。
①ゲームを起動してセーブデータをロード、あるいはニューゲームを開始する
②Xbox One本体の設定画面を開き、ネットワーク設定を[オフラインにする]
③実績解除に必要な作業を進める(釣りや料理など)
④自宅のベッドでセーブして、自宅の外に出る(なぜ外に出るのかは不明)
⑤メインメニュー画面に戻り、ゲームを終了してXbox Oneのホーム画面に戻る
⑥ふたたびゲームを起動してメインメニュー画面へ
⑦Xbox One本体の設定画面を開き、ネットワーク設定をオンラインに戻す
⑧セーブデータをロードする(解除通知は表示されない場合がある)
検証用に用意した新規セーブデータで上記の方法の途中、魚を6種類釣ったところ当該実績の解除に成功した。
また、同セーブデータの「死体から肉を切除した回数」が実績の進捗ゲージに反映されるのを確認できた。
以降も進捗ゲージを進めるためには毎回この手順を繰り返す必要があるようだ。
ちなみに「Stranger Sins」のイベント開催数(15回)の実績は不具合の影響なく解除することができた。
[良いところ]
・16bit風のレトロで穏やかなグラフィック。凄惨な表現もどこか牧歌的。
・できること、やるべきことの多さ。それでいて期限つきのクエストはないので、マイペースにプレイできる。
・寝食を忘れても死ぬことはなく(それが本当に良いことなのかどうか微妙だが…)死んでもペナルティなし。
・意外なところへ集約されていく人間関係。往年のRPGのような趣きがあるストーリー。
・本編クリアを補助する役割をもつDLC。ストーリーの補足も含まれている。
[悪いところ]
・全体的に不親切。誘導がないに等しく、特に序盤は「次に何をすべきか」がわかりづらい。
・画面の広さのわりに表示される情報が少ない。所持金やToDoリストを表示できればもっと捗ったはず。
・ボタン入力の指示(木を切る際のYボタンなど)や作業の進捗ゲージがたまに表示されなくなる不具合がある。
・『木の棒』を作成できないのが地味に不便。木材から作れるのが自然ではないか。
・死体投入口から投げ入れられた死体を自動で冷蔵パレットに置いてくれる仕掛けがほしかった。
[どちらとも言えない]
・本作の紹介で大きく取り上げられることの多い死体処理の要素が、実際はそれほどメインではない。
・移動速度を上げる方法がどれもアイテム依存で、ダッシュはできない。
・曜日ごとに役割があるのは雰囲気づくりとしてはよいのだが、どちらかといえば不便なことのほうが多い。
・全15階の地下ダンジョンはランダム生成方式で、すべての敵を倒さないと次の階へ進めない。
・あっさりしたエンディング。そしてスタッフロールが一画面に収まるほど短い。
[Tips]
・序盤はなにかと出費がかさむ。お金が出ていく一方になるが、これは仕方ない。
・作物の種は畑1マスあたり4個必要になるので、4個単位で買うように。
・埋葬証明による収入は忘れがち。週1体くらいのペースですべてのパーツを摘出した死体を火葬しておこう。
・死体安置所の設備で『Ⅱ』がつくものは死体の腐敗を止める効果がある。
・教会の設備が整うころには(説教による)収入が安定する。
・各種ポイントは錬金の研究テーブルでアイテムを『研究』すると大量に得られる。
・青のポイントは墓石関連の作成で稼げる。そして分解で素材に戻すことができる。
・彫像や大理石の墓標をアンロックしたら、すぐに『研究』して青のポイントを回収しておこう。
・緑のポイントは粘土関係(粘土→陶器のボウル→研磨ペースト→磨かれた石塊)や砂の採掘で稼げる。
・ゾンビ労働力は体力こそ消費しないが、貴重なポイントを稼ぐ機会の損失にもつながる諸刃の剣。
・運搬はゾンビの性能に左右されないので、運搬だけ任せるのもひとつの手。
・クエストに必要なアイテムにはいくつかの入手方法が用意されており、お金で解決できるものも多い。
・いらなくなった下位の道具や武具は鍛冶屋が買い取ってくれる(意外と高額)
・『交易資格』取得後はクギを大量生産して出荷するのがオススメ。週に金貨1枚の収入を得られるようになる。
[総括]
「Graveyard Keeper」の内容を端的に言えば、異世界転生墓守ライフシミュレーターである。
異世界転生などと言うと、まるで昨今流行りの『なろう系』のようだが、まさに『なろう系』の導入のとおりに
現世で主人公が交通事故に遭い、謎の存在に導かれて中世風のファンタジー世界へと降り立つのである。
日本の『なろう系』ブームを知ってか知らずか、そのフォーマットを踏襲していることにまず驚いてしまった。
本作の最終目的は家族のもと、つまり現世へ還ること。そのために越えなければならない試練は多い。
異世界でさまざまな知識(レシピ)を得て、墓地や教会の修繕、依頼されたアイテムの製造に努めることになる。
本作の最大の特徴は、木材や石材と同じように人間の死体を素材として扱うところにある。
教会に寄せられる死体をキレイに繕って埋葬するのが本業なのだが、それだけでは収入が限られてしまう。
状態の悪い死体から皮を剥ぎ取って紙の材料に、脂肪は油に、肉は食肉に偽装して(!)店に卸すことができる。
不要な部位はまとめて燃やすもよし、夜中にこっそり川に投げ捨ててしまってもよい。
この不道徳っぷりに最初のうちは戸惑うが、そのうち何も感じなくなって木や石と同様に扱うようになる。
一方では墓守として、教会の評価を高めるために死体をより良い状態にして埋葬することが求められる。
状態の良い臓器を寄せ集めてひとつの身体に戻し、キミだけの最強の死体を作り上げよう。
教会の整備や死体の管理が本業ではあるが、それはプレイヤーに課せられるたくさんの仕事のうちのひとつだ。
農業や林業、採掘、釣りに料理、果ては錬金術まで、とにかくできることが山ほど用意されている。
『なろう系』で言われるようなスローライフでは決してない。過酷なワンオペ墓守業だ。
あれをやってこれをやって…と目まぐるしく動いてるうちに2~3時間経っているなんてことも珍しくない。
その間、ひっきりなしに操作が続く。並みのアクションゲームよりもはるかに忙しい。
作れるものをひとつずつ増やし、素材を掻き集め…ひとりの墓守の手には余る仕事の量と敷地面積である。
手伝ってくれるヒロインでもいればよかったのだが、仲間といえばしゃべるドクロと文句の多いロバだけである。
忙しさが楽しい。しかし、その楽しさにたどり着くまでの誘導には多少の問題を抱えている。
特に序盤、提示されるクエストのほとんどはその時点ではクリアできないものばかりで困惑させられる。
それらを"遠い目標"として、提示される情報のなかから"近い目標"を自発的に設定して進めなければならない。
この仕組みがプレイヤーにきちんと明示されていないせいで、不親切な印象を抱いてしまうのだ。
提示されるクエストはとりあえず一旦忘れ、手の届く範囲にあるものを片っ端から試してみよう。
できることが増え、手に入るアイテムが増え、収入が増える。地道という言葉が本当に似合うゲームである。
[オススメ度]
あらゆる層にオススメ。特に「Minecraft」あたりが好きな人にはなんの不安もなくオススメできる。
ファミコンからスーパーファミコンの頃にRPGを嗜んだ世代ならストーリーも含めて懐かしくプレイできるかも。
いま自分が感じているものが「おもしろい」というものなのか自分では判断できない。そんなときがあります。
でも、客観的に見ればこの40時間は「ハマっていた」と表現して差し支えない状態にあったと思います。
気が付くと時間が溶けている。感情がはたらく「おもしろい」ではなく、無心になれる「おもしろい」なのかも。
あまりにも無心になりすぎて、10秒くらい前の「あれを持ってこなきゃ」って指令を忘れることもしばしば。
材料の数とかホントに覚えられなくて、建設予定地と自宅を無駄に往復する場面がよくありました。
YouTubeのゲーム実況動画を見る、というよりラジオ感覚で聴くようになった話をしたのが昨年の9月初旬。
その後も習慣は続いていて、「Graveyard Keeper」のプレイ中も実況動画をたくさん聴いていました。
最近のブームは「Among Us」の対戦実況。「Dead by Daylight」のブームはだいぶ過ぎ去った感がありまして
現在一大ブームが訪れている「Among Us」の日々投稿される動画をBGM代わりにしています。
ご存じない方のために一応説明しておくと、「Among Us」はいわゆる人狼ゲームの一種。
閉鎖された宇宙船の搭乗クルーのなかに『インポスター』と呼ばれる裏切り者、人狼が何人か潜んでいます。
クルー側は敗北条件を回避しつつ『インポスター』を探し、『インポスター』側はバレないように全員殺害する。
おもにボイスチャットによる会議と推理で進んでいく、会話の比率が非常に高い対戦ゲームです。
スマホ版なら無料、CS版やPC版でもワンコイン程度で購入できる手軽さがプレイ人口が多い理由のひとつ。
最初のうちは画面を見つつ楽しんでいたのですが、最近はもう会話しか聴いていない状態です。
「全然知らない人たちの会話を聴いてる」っていう変な話ではあるんですけど、それでも結構楽しいんですよね。
人狼ゲームは閉鎖的環境で起きる殺人事件であり、犯人と被害者、演者が毎回変わる推理ドラマと言えます。
上質なサスペンスやホラー、ときには爆笑必至のコメディが量産され続けている、おもしろい環境なわけですよ。
対戦のアーカイブは3~4時間におよぶことも珍しくなく、BGMとしても都合がよいのです。
プレイヤーとして参加する気はないのですが、見ているとタスクだけはやってみたくなります。
タスクというのはクルー側の勝利条件につながる軽作業のことで、多数のミニゲームが収録されているのですが
どのタスクにも変な魅力があるというか…「スイッチがあると押してみたくなる」みたいな感覚なのかも。
「Among Us」にはタスクだけを無限に練習できるフリープレイモードがあります。
無料のスマホ版をダウンロードして、気が済むまでタスクだけやりました(笑)でも緊急タスクはできんのよな。
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