ゲームレビュー 「The Outer Worlds」
[プラットフォームと購入方法]
4Gamer.netの懸賞企画「冬の特大プレゼント」でXbox One版が当選。なので無料。
[クリアまでにかかった時間]
約29時間。これは道中で発生したサイドクエストをすべて完了してからクリアした時間である。
それでもかなりのやり残しがあるため、より完全な状態でクリアしようと思ったら40時間程度はかかりそう。
[ゲーム難易度]
難易度は4段階。戦闘がFPS形式なので、FPS慣れしているかどうかで個人差あり。
エイムを補助するスローモーション機能はあるが、標準の難易度でも油断していると撃ち負けるくらい敵は強い。
装備の更新など、RPGとしての基本事項は怠らないようにしておきたい。
そのうえで、有利に立ち回れるポジション取りや障害物の利用などFPSとしての戦い方を突き詰めていこう。
サイドクエスト「蘇る武器」で入手できる5つの特殊兵器は地味に便利なので確保をオススメしたい。
会話や説得の能力を上げておくと回避できる戦闘はかなり多いらしい。最高難易度では利用していきたいところ。
[実績・トロフィー難易度]
選択したルートによってどちらか一方のみが解除される、二者択一の実績がいくつかある点に注意したい。
セーブデータを複数残せるので、攻略情報を確認しつつ分岐点で保存しておけば解除作業は捗るはず。
クエストに関する実績はそれで解決できるが、戦闘関連の大量の累積系実績が残る。
戦闘関連でもっとも要求数が多いプラズマ属性武器はいつでも使えるよう用意しておきたい。
建物内の敵は基本的にリスポンしないので、ロボットに関連した実績は後回しにすると厳しい。
ショック属性のトスボール・スティックを用意しておくとトスボール武器の回数も同時に稼げるのでオススメ。
仲間の特殊攻撃は意外とダメージが低い。倒した回数を稼ぐには敵の体力を調整する必要がある。
あとから解除しようとすると地味に不便なのが『欠点』を3つ受け入れる実績。
他の実績のような明確なトリガーがなく、『欠点』につながる行為をひたすら繰り返すしかない。
かといって道中で発生した『欠点』を次々受け入れていては進行に影響が出るおそれがあり、悩ましい。
ちなみに当方がクリア後に受け入れた『欠点』は薬物依存症、食物依存症、永久的不自由の3つ。
当初は高所恐怖症の予定だったが、発症するより先に永久的不自由のほうが発生してしまったのがその理由。
医療スキルを一定まで上げ、吸入器のスロットにアルコール類やタバコ、食品をセット。
アンリライアブル艦内の階段の一番上から飛び降り、吸入器で回復を繰り返せば複数の『欠点』を狙える。
[良いところ]
・懐古趣味なデザイン。『あの頃好きだったゲーム』が再現されているかのような世界観やシステム。
・移動可能な母艦があるおかげで、装備品や味方NPCの管理がしやすい。母艦の中で発生するクエストもあり。
・ファストトラベルの目標地点の設定が親切。一度たどり着いてしまえばあとはサクサク。
・プレイヤーが左右するコロニーの未来。影響する範囲はかなり広い。
[悪いところ]
・漢字の読み仮名が文末にカタカナで付け加えられてしまう、日本語字幕の奇妙な不具合。ヒョウ
・何が言いたいのかよくわからない複雑な言い回しのセリフ。
・ルート分岐のあるクエストが多く、何も考えずスムーズに進行するとは言い難い。
・賢いとは言えない味方戦力。やや特攻気味で、敵をまったく排除できないまま倒れることもしばしば。
[どちらとも言えない]
・発売時期を考えるとお世辞にも精細とは言えないグラフィック。懐かしさを醸し出すためわざとやっていそう。
・重要な役職についている聡明な人物がなぜか女性ばかりで、奇妙な偏りを感じる。
・それぞれにきちんと効果はあるのだが、まず使うことはないであろう膨大な食用アイテム。
・プレイヤーキャラクターの顔を見る機会はキャラクタークリエイション時のみと思ったほうがよい。
(装備画面で全身は表示されているが、頭部装備がフルフェイスのヘルメットばかりなので顔はまず見えない)
[総括]
「The Outer Worlds」は「Fallout: New Vegas」のObsidian Entertainmentが開発したFPSRPGである。
謎の科学者フィニアス・ウェルズの手によって冷凍睡眠から目覚めた主人公は、植民地星系ハルシオンの動乱に
立ち向かいつつ、同じく冷凍保存されている人々を救うべく奔走する…というのがおおまかな流れだ。
本作をプレイし始めて真っ先に感じるのはそのSF観に対しての懐かしさだ。真新しさではない。
未来なはずなのにどこか錆びついている。ゲーマーの過去の体験を掘り起こすような空気がある。
プラットフォームで言えばふたつ前の世代、Xbox360やPS3のころにプレイしたThe Elder Scrollsシリーズや
Falloutシリーズの感触をそのまま現世代に持ち込んだかのような、レトロな作りになっている。
8bit風や16bit風という懐古表現があるのと同じように、10年前を振り返る時期が来ているのかもしれない。
慣れ親しんだシステムで楽しむ新たなストーリーは新鮮さこそ薄いが、決して悪いものではなかった。
特定のダメージを受け続けると、弱点として受け入れる代わりにスキルのアンロックに使うポイントを得られる
『欠点』システムをはじめとして、プレイヤーに多くの選択肢を突き付けてくるのが本作の特徴だ。
目的を達成する手段、たどり着くためのルート、敵対するか支援するか。そのたびに考えさせられる。
ボリューム感で言えば超大作には劣るが、もう一方の選択肢を確認するにはちょうどよい長さではないか。
[オススメ度]
ある意味『わかってる人』向けの内容なので、特定の世代を通過した洋ゲー好きであれば文句なしでオススメ。
自由度の高いRPGを求めているならプレイしておくべき内容。
味方NPCの女性メカニック、パールヴァティーの固有クエストの内容はメインクエスト以上に衝撃的でした。
ざっくり言えば恋愛相談なんですけど、相手は同じ女性で、彼女たちの仲を取り持つために星系内を走り回って
デートを盛り上げるための料理や彼女にぴったりの一張羅を入手すべく、大金を投じることに。
これを先進的と言うと自分が遅れてるように感じてしまってアレなんですが、新しいゲーム体験でしたね。
多様性を盛り込むとパフォーマンスと揶揄されがちで、『普通のこと』にするにはまだまだ難しい時代。
70年後の未来の世界でも『普通のこと』ではない彼女たちの悩みに、ひとりの友人としてどう向き合うべきか。
「FF14」の無料ログインキャンペーンの期限が差し迫っており、そちらも消化しつつ当記事を書いております。
さらにこのタイミングでPS StoreのPlay at Homeキャンペーンの無料配布もはじまってさあ大変。
「ABZU」と「Subnautica」はいつかプレイしようと思っていたタイトルなので、そのうちレビューする予定…。
番組改変期でアニメのレビューも書かなきゃいけないし、なんか妙に慌ただしく過ごしております。
ただ、アニメのレビューはもう引退しようかな?とも思ってるんですよね。いろんな意味で負担が大きいので。