2021年 春アニメ新作寸感
今年もロクに桜を見ぬまま花見の時期を過ぎてしまいました。しかもまだ寒く、春という実感がありません。
寒暖差による体調の変化、くしゃみや腹痛がやたら出るほうなので早く暖かくなってほしいですね。
さっそくですが、今期の新作アニメから当方なりのピックアップをご紹介します。タイトルは以下のとおり。
「セブンナイツ レボリューション」
「バクテン!!」
「ましろのおと」
「スーパーカブ」
「MARS RED」
順番はおおむね高評価・好感の順となっております。ものによっては現時点で第3話まで視聴済み。
なので初回に限定した評価とは言い切れないところもありますが、初回以降もおおむね変わってはいません。
今期の筆頭に「セブンナイツ レボリューション」を挙げたのは初回の印象が非常によかったから。
制作はライデンフィルム×ドメリカ。事前登録受付中のソシャゲが原作で、魔法と英霊のファンタジーに加えて
学園ものっぽい要素がある感じ。主題歌がflumpoolというだけでも本気度が伝わってきます。
とにかく音楽がバツグンに良く、その音楽にきちんと絵を合わせようという意識、演出の意図が伝わってきます。
おかげで戦闘シーンはとても見応えがあり、自分としては珍しく初回から二度視聴したほど。
己を犠牲にして敵を倒すことへの違和感、正義への疑問。主人公なりの物事の考え方が見えるのもいいですね。
目立ちにくい作品だと思いますが、前期の「キングスレイド」のようなポジションに納まってくれそうな予感。
「バクテン!!」はある意味では五輪特需の一本か。加えて震災から10年目の節目の作品でもあります。
男子新体操というあまり馴染みのない、キツい言い方をすればマイナースポーツを題材としている本作。
競技をいかに魅力的に紹介できるか?という観点で言えば、初回のAパートの時点で既に達成できていました。
初めて男子新体操に触れた主人公の感動を視聴者も共有できる。そういう意味でお手本のような滑り出しでした。
続いてルール、採点の方法を説明していたのも好感。なぜ得点が低かったか、解説が非常に論理的。
加えて、人数が少なくても部活動として成立していることも同時に説明完了してるんですよね。
他にもさりげない一瞬の描写で設定を伝える場面があり、その巧みさに感心しながら初回を見終えました。
なにより爽やかなところがいいですね。前期同枠の「2.43」はスポーツものとしては少々暗すぎました。
もはやベテランと言ってもいい年齢層の『数字をもってる』人気男性声優を揃えているところも強み。
しかし、人数の少ない部で体育館の半分を占有できてるのはすごいな…普通は揉めるところでしょ。
マイナースポーツといえば今期は「灼熱カバディ」もあります。かつてあっただろうか、カバディのアニメが。
こちらも競技の魅力の伝え方がうまいなぁと思っています。筋力がモノを言うスポーツだったとは…。
「ましろのおと」は和楽器ものとして、なんとなく既視感を覚えるのは「この音とまれ!」があったからか。
和楽器に限らず、楽器が出てくる作品はどうしたって演奏の描写を避けられません。
本作でひとつ最大限に評価したいのが、毎回の演奏シーンを逃げずにしっかり動かして描いてるところ。
実際の演奏に触れたときの緊張感や心の震えなど、体験がきちんと映像に反映できているところがよかったです。
表現者として誰しも衝突する悩みや疑問の描写は「ばらかもん」にも共通しそうな印象があります。
あちらもかなり深い枠での放送でしたが、本作ももう少し浅い枠でやってくれると助かるのに…と思ったり。
もはやタイトルで説明完了してる感のある「スーパーカブ」。スーパーカブが出てくる作品です。
お世辞にも前向きとは言えない、薄暗い日々にスーパーカブがやってきて彩りが変化していく。
その様子が静かに淡々と描かれていく。それもものすごい解像度で。背景美術の緻密さに少々怖くなりました。
制作は前期「ウマ娘」が大好評だったSTUDIO 櫂。カブの描写はホンダがきっちり監修しているようです。
逆に言えば、中古のカブにしてはちょっとキレイ過ぎるんですよね…1万円で買える個体ではない。
安さの理由である「3人殺してる」とは事故や他殺ではないみたいで。いづれそのへんの説明もあるでしょうか。
バイクやクルマが登場する作品で、説明書を確認しながら操作する描写が続くことを非常に珍しく感じます。
珍しいといえば、劇伴がオリジナルではなくクラシック曲を多用してるのもちょっと気になるところ。
OP曲のギターになんとなく耳馴染みがあると思ったら、前期「のんのんびより」のnano.RIPEの提供曲でした。
原作小説とマンガ版で印象の異なる作品と言われており、アニメ版でさらに変化が加わる可能性もありそう。
タイトルからSFを想像していた「MARS RED」、全然SFではなくシリーズ構成が藤咲淳一の吸血鬼ものでした。
大正時代の日本を舞台に吸血鬼を取り締まる特殊機関を描く、ソシャゲ原作の女性向けっぽい作品。
やっぱり吸血鬼という設定は手堅いのだなぁ…まあ自分もわりと好きですが。藤咲さんが関わる作品全般に。
初回が一本の短編としてまとまりも出来もよく、それが2話でちょっと弱まった印象があったので5番目の紹介に。
画面がなんだかシャフトっぽい感じがするのですが、制作はProduction I.G系列のSIGNAL.MD。
SIGNAL.MDは今期もう一本「ドラゴン、家を買う。」も制作。ドラゴンが家を買う作品です(笑)
Twitterのタイムライン周辺では「ゴジラ S.P.」と「SSSS.DYNAZENON」あたりが注目作の様子。
どちらも男の子っぽい作品で、わかってる前提でニヤニヤ楽しむ内容といいますか。コア層のアニメですかね。
世間的な注目作は「Vivy」「86」「シャドーハウス」あたりになると思われます。たしかに出来は上々。
しかし3つとも土曜深夜に固まって配置されてるので、全部見ようと思うと結構な疲労になります…。
続きものとしては、いよいよ完結となる「フルーツバスケット The Final」が放送開始。
「憂国のモリアーティ」の後半が特筆すべきおもしろさなので、見てない人はぜひ前半から追いかけてほしい!
ほかには「魔入りました!入間くん2」、「メガロボクス」の続編「NOMAD メガロボクス2」あたりに期待。
あと、アニメではありませんが「Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀3」も楽しみにしております。
これらも含め、今期は土日に放送される作品が非常に多い。もうちょっと分散してくれると助かるのですが。
今期のタイトル長い枠「究極進化したフルダイブRPGが現実よりもクソゲーだったら」は…見なくていいかな。
タイトルの時点でひしひしと伝わってくるジャンクフード感、コントラスト強めで安っぽく見える画面。
「SAO」などを前提としたメタなギャグを楽しめるかどうか。それにしたって感性が古い作品だと思います。
VR世代の若い子の口から「身体でも動かしたほうが」なんて昭和くさい発言が出たことにまず驚き。
カツアゲしてくるヤンキー(笑)や寂れたゲームショップの描写がフルダイブRPGがある時代背景と噛み合わず
お約束として受け入れるにしてもかなり苦しく、見ていて真顔になってしまいます。
よくよく考えるとフルダイブRPGがある時代にダウンロード版を同時発売してないなんてありえないと思うので
本気でプレイしたかったら事前にダウンロード予約するし、カツアゲも回避できたと思うんですよね。
その後のクソゲーな部分は百歩譲るとして、導入はもうちょっと考証を入れて描くべきだったのではないかと。
もうひとつ、コーエーテクモ原作の「BLUE REFLECTION RAY/澪」は少々判断しあぐねています。
作画の話はとりあえず置いといて、わざとらしい説明ゼリフを一切廃してるせいか話がまったく頭に入ってこず
「セブンナイツ」とは別の意味で2回視聴した作品です。初回をながら見した自分も悪いのですが。
現時点では作画も含め、特殊な作品という印象があります。今後よいほうに印象が変わるでしょうか。
事前にプラモデルの発売情報で話題になっていたバンダイ案件のドラマ「ガールガンレディ」も始まりました。
現状ではなんとも…話のタネになるか?という程度で見ていますが、関連商品が売れるとは思えず。
かわいい子が山ほど出てくるし、この作品から新時代の人気女優が輩出される可能性は全然ありそうです。
劇中にバンダイの製品がさりげないとは言えないレベルで出てくるのはご愛敬。
プラモデルという日陰の趣味が戦場では強力なアドバンテージになる、という点では異世界転生的な感じもあり。
ただ、専用銃の弾を戦闘中にランナーから組み立てる(笑)描写は納得はできても笑ってしまいます。
現実世界での組み立て中に挿入されるライブシーンも意味不明で、ぶっちゃけ奇妙な作品です。
優勝すれば生存のデスゲーム。生徒を選別する目的はなんなのか、どんな結末が待っているのでしょうか。
そういえば撮影に使われている校舎が「アイカツプラネット」と同じなんだとか。特徴のある建物ですよね。
YouTubeで配信がはじまった「ガンダムビルドリアル」も実写だし、なにか実写に向く理由がある…?
さてさて…今回もだいぶ長くなりましたがこんなとこで。大変な作業とは言いつつも感想は書きたくなります。
Twitterのほうをご確認の方は既にお気付きかもしれませんが、今期は実況をかなりひかえめにしています。
そのぶんローカルのテキストに感じたことをその都度メモっていまして。視聴中の行動はほぼ変わっていません。
ツイートだと文体や誤字に注意するせいで、どうしても意識が散漫になってしまっていました。
メモはそのへん気にしなくていいし、前の週に感じたことを追いやすいので総合的に好都合なのです。
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