ゲームレビュー 「ABZU」
※「ABZU」の「U」には曲折アクセント記号(^)がつくが、環境依存文字なので本稿では「U」とする
[プラットフォームと購入方法]
Playstation Storeのキャンペーン「Play at Home」で配布された9タイトルのうちのひとつ。なので無料。
[クリアまでにかかった時間]
ちょうど1時間半。念入りに探索したとしても、おそらく2~3時間で完了する程度のボリューム。
[ゲーム難易度]
フライトシミュレータのような若干クセのある操作に慣れさえすれば、あとは難なくプレイできるはず。
戦闘やゲームオーバーはないが、わずかなパズル要素はある。といってもスイッチを見つける程度のもの。
[実績・トロフィー難易度]
全12種類。収集や発見などが条件になっているものばかりで、場所さえわかればコンプリートは容易。
『瞑想の像』の発見状況はメニューの[瞑想]からある程度確認できる。[瞑想]から探索には移行できない。
[良いところ]
・驚くべき数の海洋生物。過去にも海洋もののゲームはあったが、これほどの数は初めてかもしれない。
・水の流れに呼応するような弦楽と管楽。BBCの自然ドキュメンタリーを見ているかのよう。
[悪いところ]
・アイテムの収集状況を確認できるような画面がない。
・強制移動ステージにもアイテムが配置されており、唯一ここだけが操作の難しさを感じさせる。
[どちらとも言えない]
・何をするゲームなのか一切説明がない。逆に言えば、どう遊んでもよい。
・画面上にUIの表示がなく、セーブ中を示すアイコンも表示されないのでアイテム収集の際はちょっと不安。
[総括]
「ABZU」は「風ノ旅ビト(Journey)」のアートディレクターが独立後に設立したスタジオ、"Giant Squid"の
初の作品であり、あきらかに同じ人物が関わっていることがプレイし始めてすぐに伝わってくる。
それくらい作家性にあふれた独特なゲームと言えるだろう。Unreal Engineとはにわかに信じがたい映像だ。
ゲームを始めるとプレイヤーはすぐに海に突き落とされ、あとはひたすら自由に泳ぐことになる。
最初だけ操作の説明は表示されるが、以降は画面に指示も文章もない。それらしい方向へ向かうしかない。
それでも迷わないのは、本作の視覚的誘導がとても優れているからだろう。
仮に間違った方向を目指してしまったとしても、その先になにかしら発見があって失敗した気にさせない。
まるで巨大な水族館にいるような映像、そして壮大なオーケストラによる強烈なリラクゼーション。
なぜ本作が「Play at Home」に選出されたのか、その意図がよく理解できる体験だった。
実績をコンプリートしたあとも瞑想モードでアクアリウムとして楽しむことができる。大画面で楽しみたい。
[オススメ度]
万人にオススメ。疲れている人、ストレスが溜まっている人、海洋生物が好きな人には確実に刺さる内容。
「風ノ旅ビト」同様、イスラムの香りが漂う装飾も好みな人にはぜひ見てもらいたい。
今回の「Play at Home」は「ABZU」を含む9作品が一挙無料配信という大盤振る舞いでした。
そのうち4作品はPSVR専用タイトルなので、PSVRを持ってない自分からすれば実質5作品ということになります。
「The Witness」はXbox One版をレビュー済み。まあ、すべてをレビューすることはおそらくないでしょう。
他の作品も一応ざっと触ってはいまして、「Rez Infinite」が意外と感触がよかったです。
「レイストーム」のようなロックオン攻撃のあるシューティングとリズムアクションの融合とでもいいますか。
VJのようなグラフィックも合わさって独特のトリップ感を味わえます。オススメはArea Xモード。
「THUMPER」も同じくリズムアクションですが、「Rez Infinite」にくらべるとかなり短調な印象が。
この9作品の少し前に「ラチェット&クランク」が、今月末には「Horizon Zero Dawn」が追加される予定。
「Horizon」は購入を検討したこともあったのでちょっと楽しみにしています。
「The Outer Worlds」のようなじっくり遊ぶタイプのゲームのあとは、一度のプレイ時間が短めで物語のない
アーケードライクなゲームをサクサク遊びたくなります。「Rez Infinite」は需要に合ってたのかも。
「デュエプレ」はあれから全然触れてない…TCGに対しての欲求が満たされてしまったのか。
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