ゲームレビュー 「Monument Valley 2」
[プラットフォームと購入方法]
新型コロナウイルス対策の自宅待機支援の一環として、2020年3月にGoogle playストアで無料配布された一本。
[クリアまでにかかった時間]
アプリ内や「Google playゲーム」に総プレイ時間を表示する機能がないため、正確な数値は不明。
パズルゲームなので個人差はあるが、順調であれば2時間以内にクリアできてしまう程度のボリュームである。
[ゲーム難易度]
三次元構造のパズルゲームなので、頭の柔軟さと立体把握の能力を多少ためされる。
とはいえそんなに発想力を要求されるわけではなく「何も考えず動かしていたら解けていた」なんてことも。
[実績・トロフィー難易度]
一周クリアするまでの過程でほぼすべて解除されるが、隠し要素の実績がひとつだけある。
ただし全チャプターを目を凝らして探し回る必要はなく、終盤のチャプターの特定の場面で確実に発見できる。
[良いところ]
・エッシャーのだまし絵を思わせる美しいステージ。動きも加わって脳を狂わされる気持ちよさがある。
・ステージをつなぐトランジションの演出。どのように生み出されているのか技術的興味が湧く。
・画面に触れることで生まれる楽しさ。おそらくゲームパッドの操作ではこの感動は引き出せないだろう。
・各ステージの最後に用意されている魔法陣の描画は触れる楽しさの最たるものである。
[悪いところ]
・目立った悪い部分が思い当たらない。ボリュームとリプレイ性に欠ける程度か。
[どちらとも言えない]
・音楽は皆無だが、その静けさも悪い気はしない。調子はずれの笛の音色も不思議と心に響いてくる。
・ストーリーの明示があるようでないような、プレイヤーの感受性に委ねられているところ。
[総括]
「Monument Valley 2」はイギリスのUstwo Gamesが開発した芸術的ビジュアルが特徴のパズルゲームである。
タイトルに「2」とつくように、本作は好評を博した「Monument Valley」の続編にあたる作品だ。
パズルゲームとしての本作の特徴はそのグラフィックと、指で触れて動かす体験にある。
シンプルなテクスチャーで描かれた柱は床に、床は柱にと、視覚の混乱を招くようにそれぞれつながっている。
指で仕掛けに触れればその一部分が、あるいは建物全体がぐるりと回転してまた一枚の絵に戻っていく。
これが非常に気持ちよく、ただ眺めているだけでも脳の新たな扉が開くような危険な快感がある。
加えて、2作目である本作には誕生と巣立ち、そして再会という2人のキャラクターの物語が込められている。
決して多く語ることなく、画面において小指のツメよりも小さなサイズでその芝居が表現されている。
まるでオルゴールの箱の中で起きているかのような、密かでエモーショナルな物語である。
長時間プレイできるほどのボリュームはないが販売価格に見合った、ここにしかない体験を味わえるだろう。
スマートフォンでプレイすることに意味のある、優れたデザインのゲームだと思う。
[オススメ度]
あらゆる層にオススメできる。これにはゲームに熟知したコアゲーマーも含む。
昨今のソシャゲはハード性能の向上にともなって家庭用ゲーム機に匹敵するレベルの内容になりつつありますが
『スマホでしか味わえないゲーム体験』は徐々に失われていってるのではないか?と感じるときがあります。
一番普及しているプラットフォームで出してるだけで、プラットフォームの独自性にこだわりはない。
たとえるなら「ニンテンドー3DS向けのゲームだけど立体視もタッチ操作も使わない」みたいな。
そういう理由もあって「白夜極光」や今回の「Monument Valley 2」に魅力を感じるんですよね。
スマホというプラットフォームで出すなりの楽しさが備わっている。操作が楽しいゲームは最後まで楽しい。
こういうゲームが生まれてくる土壌が世界のどこかにあるなら、日本がダメになっても大丈夫そうな気がします。
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