ゲームレビュー 「Firegirl: Hack 'n Splash Rescue DX」
[プラットフォームと購入方法]
PS4版をセール期間中に748円で購入。
[クリアまでにかかった時間]
PS4版は累計が表示されないので正確にはわからないが、おそらく6時間前後でエンディングに到達。
ステージ内に出現するアイテムを12個集めないとラスボス出現のフラグが立たないので、やや個人差が生じる。
トロフィーコンプリートまで含めても10時間は超えていない。
[ゲーム難易度]
序盤が高め。ステージが自動生成される都合、たとえ序盤であっても良心が足りない設計が高確率で出てくる。
放水の勢いを利用した空中移動にクセがあり、動きをマスターするまでその操作性に苦しめられる。
最初の数時間を過ぎるとプレイヤーキャラクターの性能が向上し、体感難易度が反比例的に下がる。
制限時間を延長するグレードアップを積み重ねれば、あとはステージの設計次第となる。
[実績・トロフィー難易度]
全21種類。大半はエンディングまでのあいだに自然に解除されるが、一部の実績は運も絡んでくる。
地味に難しいのが「ノーダメージで生存者3人を救出」で、邪悪なステージ設計に悩まされる。
「1回の任務で200回消火」は屋内ステージでわざと脱出せずに消火作業を継続すれば意外と早めに達成できる。
いづれにしても、1周クリアできるだけの腕前があればコンプリートは容易。
[良いところ]
・レトロな2D表現のキャラと奥行きある3D表現の背景を組み合わせた、いいとこ取りなグラフィック。
・一回のプレイ時間が5分程度なので、空き時間にサクッとプレイできる。
・ステージの明るさは炎に依存するため、消火するとステージの見通しが悪くなる。残す炎も考える必要がある。
・救助した人々を雇って拡張していく消防署の施設。報酬の交渉や医療の拡充。イヌが意外と重要。
[悪いところ]
・決定ボタンが画面によって統一されていない。
・BGMなどの音量の初期値が妙に大きめで、そのままプレイするとうるさい。
・火災現場に落ちている小さなダンボール箱や荷物が放水を妨げてしまう。
・予期せぬ落下死。列車のステージでは線路に落ちると即死で、元に戻れないのはあまりにも不親切。
プレイに支障を来たすほどではないが、ローカライズの不備で一部のメッセージが表示欄から飛び出している。
バージョン1.02で追加された消防車のサイレンの音が森林のステージでうるさすぎるという新たな問題が。
また、要救助者の残り人数の表示が合わない(救助しても減らない、あるいは足りない)不具合も追加された。
[どちらとも言えない]
・見た目のわりにシリアスかつファンタジックなストーリー。
・ミスしてもペナルティが小さいうえ、ストーリーは進行してしまう。
・自動生成されるステージは毎回を新鮮にする反面、クリアできなかった際の再挑戦ができずモヤモヤが残る。
・カメラが定位置からズレる演出は、迫力を増すときもあれば見通しを悪くするときもある。
カメラのズームが切り替わる演出は森林のステージで特に不具合が起きやすい。
カメラがものすごく遠くまで引いてキャラが見えなくなる、画面の上下が逆さになる症状が高確率で発生。
バージョン1.02で署内でイヌをなでるとピントが合わない不具合が新たに確認されている。
[総括]
「Firegirl」は札幌とフランスに拠点を置くDejima Gamesが開発した2Dアクションゲームである。
主人公の新人女性消防士を操作し、火災現場で消火活動をおこないつつ、残された要救助者を制限時間内に救出。
活躍に応じてファンや支援者が増え、収入で消火設備を強化していく…というのがおおまかな流れだ。
スーパーファミコン時代に発表された「ザ・ファイヤーメン」など、当時のアクションタイトルを彷彿とさせる
雰囲気が随所に見られ、そのノスタルジーが本作の魅力のひとつと言えるだろう。
本作最大の特徴はステージのプロシージャル生成、いわゆる自動生成を備えているところだ。
火災現場はビルや森林、暴走した列車などおおまかに4タイプに分けられるが、開始するたびに自動生成されて
同じステージは二度と出てこない。毎回新鮮なプレイを期待できるシステムなはずなのだが。
実際にプレイし続けているとなぜか変わり映えのしない体験を繰り返しているように感じられてしまう。
炎の帝王と燃え盛る魔物たち、12冊の魔導書、それらに関わる市長の政治劇。
どこか「炎炎ノ消防隊」を思わせるような非現実的な要素は、プレイする人によって受け止め方が違いそうだ。
「Hack 'n Splash」と題しておきながらハック&スラッシュをほぼ感じられなかったことが気になった。
プレイヤーを強化する装備を火災現場に散りばめ、潜る楽しさをもっと増やすべきだったのではないか。
敵を倒す楽しさはないわけではないが、敵を倒してもわずかに制限時間が延びるくらいしか利点がないと気付き
プレイの終盤は倒さず素通りする、言わば消火しない消防士のスタイルに落ち着いてしまった。
それと、ラスボスに初見でわかる安全地帯が用意されているのもどうかと思うのだが…。
敵の存在が大きな障害にならず、興味が続くうちに消化できるゲームとして他人に薦めやすくはある。
再現性の高い不具合があるなど改善してほしい部分は間違いなくある。それでも決して悪い気はしなかった。
[オススメ度]
定価で買うと落ち込む可能性があるので、セール価格であればオススメできる。
短時間で最後までいける点を「配信向き」と考えれば、人によってはメリットにもなりうるだろう。
発表当時からプレイしたいと思っていた一本を今回ようやく購入。思いのほかあっさりクリアしてしまいました。
知人(といっても向こうはたぶんこちらを認識していない)が先にレビューを発表していた本作。
それを読んで、ひょっとすると期待したほどの内容ではないかも?という不安が先に芽生えていました。
しかし実際プレイしてみて、長期間遊び続けられる内容ではなかったものの期待したものは確実にありました。
それなりによかっただけに「ここがもう少しこうなら…」という要求も出るわけです。
さて、次にプレイする一本は用意してはあるのですが、それに関してはレビューを書かないつもりでいます。
当ブログの傾向とはちょっと違うタイトルというか…数年前から気になってて買うかずっと悩んでいた一本です。
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