ゲームレビュー 「From Dust」
[プラットフォームと購入方法]
Steam版をセール期間中に330円で購入。
[クリアまでにかかった時間]
Steamライブラリ上の表記で約9時間。なお、チャレンジモードには一切触れていない。
[ゲーム難易度]
リアルタイムシミュレーションの一種であり、自然災害などの『待ってくれない危機』が用意されている。
見た目の印象のわりに素早い判断と操作を求められる。ゆったり遊びたい人にはつらいところだろう。
ステージ内のどの位置に重要な力をもつトーテムが立っていて、どのトーテムを優先すべきか。
火災や洪水で維持が難しそうなトーテムは安全な位置に移動させることも検討したい。
[実績・トロフィー難易度]
Xbox360版やPS3版にはあったがSteam版にはない模様。一周クリアすれば制覇できる程度の内容だったはず。
[良いところ]
・砂遊びのように砂や水をすくっては注いでいく、神の視点での地形造成。
・物理演算によって流体は上から下へ、水路を作ったり堰き止めたり現実同様に制御ができる。
・地形造成を補助するトーテムの力。神の力で乾期を誘発する、火災を鎮める、無限に砂を吐き出す。
[悪いところ]
・操作性に難あり。見たいところを見る、触れたいところを触れるといった基本動作がスムーズにいかない。
・ポインタがあるところに画面が勝手にセンタリングしてしまう機能は余計なお世話。
・砂をつかんでいるのか水をつかんでいるのか見た目で判断しにくく、急いでいるときはイライラさせられる。
[どちらとも言えない]
・プレイする際に必ずUbisoft Connectとの接続を要求される。
・神の視点でプレイする都合もあってか、人々が本当に小粒程度にしか見えない。
・チャレンジモードは正解がほぼ決まっており、自由な発想で時間短縮する面白味に欠けている。
チャレンジモードの中盤のステージ『Sacrifice』は製作側の意図したとおりにクリアするのは不可能に近い。
「最短の手順でひとつの正解」という設計にしてしまうと、こういうところでプレイヤーの不満が出やすい。
[寸評]
UBIソフト・モンペリエ開発の「From Dust」がリリースされたのはいまから13年も前、2011年のこと。
かの有名な「Another World」を生み出したフランス人クリエイター、エリック・シャイによる作品のひとつで
日本国内での知名度はお世辞にも高いとは言えず、知る人ぞ知る名作と評するしかない。
なぜ本作のレビューをいまになって?と思うかもしれないが、個人的にずっと心残りだった一本なのである。
Xbox360で体験版に触れ、その直感的かつ独創的な、童心のままにプレイできるゲームシステムに感銘を受けて
いつかきちんと最後までプレイしたいと思い続けていたのだが、残念なことについぞ日本語版がリリースされず
頭の片隅にちらついたまま、ブックマークに保存したまま今日を迎えてしまった。
本作はSteam上では『ゴッドゲーム』というジャンルに登録されている。いわゆる神の視点のゲームだ。
プレイヤーは両手で砂や水をすくい上げては砂遊びのように大地を塑造し、迷える人類を導いていく。
だがその両手は神といえど小さく、一度に運べる量はそう多くない。力の足りなさが絶妙なバランスを生み出す。
神と人類の前に立ちはだかるのは自然現象。大雨に洪水、噴火がもたらす火災から人々を救わなければならない。
そのために必要な新たな力は人類がトーテムに祈ることで得られる。信仰が神に力を与えるのだ。
一度に運べる量を増やす。邪魔な水を干上がらせる。海水をゼリー状にして(!)制御するなんてものもある。
トーテムがそびえる集落を洪水や火災で失うと力も奪われてしまう。危機感もまたスパイスになる。
ずっと心残りだったリアルタイムシミュレーションの名作が、専用のハードがなくてもPCで楽しめる。
いい時代になったものだなと、すっかりSteamの恩恵に浸るようになってしまった。
[オススメ度]
あらゆる人にオススメ。日本語ローカライズされていないのが難点だが、読むべき文章はそう多くはない。
PC版なのでグラフィック設定などにも触れようかと思っていたのですが、本作にはそういうオプションがなくて
フルスクリーンかウインドウモードか、あとはリフレッシュレートの変更ぐらいしかできません。
でも、それは無調整でも動くって意味でもあるので。Xbox360時代のこの規模のタイトルなら余裕ってことです。
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