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2024年12月31日 (火)

2024年 秋アニメ 完走した感想

■高評価作品
「チ。-地球の運動について-」※絶対に見たほうがいい!
「メカウデ」

"好"評価作品
「アクロトリップ」
「君は冥土様。」※ただし最終回の最後のシーンが審議対象に
「星降る王国のニナ」
「歴史に残る悪女になるぞ」
「村井の恋」

■高評価継続作品
「2.5次元の誘惑」2クール後半

□高評価話題作
「アオのハコ」2クール前半

■12月中に放送終了しなかった作品
「チ。-地球の運動について-」2クール
「アオのハコ」2クール
「青のミブロ」2クール
「凍牌 ~裏レート麻雀闘牌録~」2クール
「妖怪学校の先生はじめました!」2クール
「甘神さんちの縁結び」2クール
「ドラゴンボール DAIMA」2クール?
「シャングリラ・フロンティア 2nd Season」2クール
「青の祓魔師」4期 実質2クール(雪ノ果篇 → 終夜篇)
「ありふれた職業で世界最強 season3」全16話(年内に11話まで放送)
「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかⅤ 豊穣の女神篇」全15話(12話以降が未定)

◇その他備考
・「ハイガクラ」第8話以降の品質維持のため放送休止。放送再開などの日程は未定。
・春アニメ「ささやくように恋を唄う」第11・12話の放送完了。だが今度は舞台版の制作会社が廃業を発表。


J.C.STAFF制作の作品が9本もあった今期。その影響か、割を食う作品もやはり出てきてしまいましたが。
そんななかで「2.5次元の誘惑」のように非常に優れた作品を輩出してくれたことを個人的には評価したいです。
ホントにいいアニメだった…原作もちゃんと追おうかな?と、久し振りに思えるくらい高く評価しています。

どういうアニメを見てアニメを好きになったか、「メカウデ」はそれを思い出させてくれるような作品でした。
こういうアニメが見たくて、その後いろんなアニメを見続けていたのだろうなと気付かされた感じ。

「チ。」はいかにもNHKらしい硬派で手堅い作品。時代や分野に囚われないテーマが描かれています。

今期は途中で打ち切ってしまった作品と、ゲームをしながらの『ながら見』だった作品が多めでした。
おもしろいおもしろくない以前に『関心をもてない作品』というのがどうしてもあって。
そういう作品が局地的に高評価だったりすると、同じ作品でも見てる側面が違うのだろうなぁ…と感じます。



以下短評。夏には「このフォーマットに定まっていない」と言いつつ、なんか定着してしまいそうな気配が。


・「君は冥土様。」
ある種の同窓会というか、"あのころ"の"こういうの"が好きだった人たちで集まって楽しんでる雰囲気があった。
個人的にも最後のシーンまでは楽しめていたが、人好が勝手にビターな終わらせ方をしたのは意味不明。
視聴者を納得させるだけの段取りがない。直後の雪の態度があるせいで余計に意図がわからなくなった。
原作には今後の展開につなげるシーンが少し先にもあったそうで、シリーズ構成のセンスの問題かもしれない。


・「星降る王国のニナ」
こんなに少女漫画してる作品も他にないってくらい少女漫画していた。揺れ動く心の描写がたまらなく良い。
決して目立つ作品ではないが、丁寧で満足させてくれる。そして続きを早く知りたくなる終わらせ方をしていた。
原作付きのアニメが1クールできっちり完結するほうが珍しいのは言うまでもなく。
完結しないなりの区切りの付け方、原作のプロモーションという意味での引きの強さを本作は感じさせてくれた。

少し余談を。最終回で完結しなかった作品を『投げっぱなし』と表現するアニメファンをたまに見かける。
その人にはそう見えてしまったのなら仕方ないが、尺が限られているテレビシリーズではある種のお約束であり
すべてが減点対象になるものではないと個人的には思う。上記の2作品が好対照である。
未解決の事象が解決されるところを早く見たい!と思わせたなら、それは制作側の勝利ではないか。


・「きのこいぬ」
ハートフルでかわいい低年齢層向けの作品に見えて、実際はオトナの心に深く突き刺さる作品だった。
周囲の価値観で自分を評価してしまったり、「あのころから少しも変わっていない」と卑下してしまったり。
ひとりでいると小さな失敗は大きく、大きな失敗はより深刻に感じてしまう。分け合える存在の有無が描かれる。
ペットがそばにいることのメリットとデメリット、両方が真摯に描かれていたと思う。


・「魔法使いになれなかった女の子の話」
本作のメッセージ性を考えると放送時間帯がどう考えても不釣り合い。小中学生に見て考えてもらいたい内容。
何かになることが目標ではない。なって何をしたいか、その先の世界が見えているかどうかが大事なのだ。
夢とは何か。どうすれば新たな夢をもつことができるのか。オトナが見ても感じ入るところはじゅうぶんにある。
そのメッセージ性にたどり着くまでの流れがかなりトンチキなので(笑)侮られそうではある。


・「青のミブロ」
新選組という使い古された題材ではあるが、だからこそ楽しめる部分もあるし脚色次第で新たな魅力も生まれる。
本作の特に優れているところはセリフ。短いセンテンスで心に刺さるものになっている。


・「魔王2099」
最初はどうしてもオマージュの部分が気になってしまった。オマージュとはつまり古典からの引用である。
それは新しくないことを認めるようなものだし、"オマージュ元を知ってる人がおもしろがる部分"でしかない。
なので作品の評価点にしたくなかったのだが、本作のおもしろさは冒頭の目立つオマージュとは関係がなかった。
それより問題なのは1クール内でのペース配分のほうだろう。魔法学園編の終盤はだいぶ駆け足だった。


・「やり直し令嬢は竜帝陛下を攻略中」
マトモに見れるのは初回だけで、以降は話を理解するのが難しいほどのジェットコースター的な体感速度
説明ゼリフが非常に多く、セリフが途切れる時間がほぼない。視聴者が理解に要する時間をまるで考慮してない。
なのに事前に説明のない事実や能力が飛び出したり、相関図に矛盾が生じるようなセリフがあったりする。
一度わからなくなると話自体に興味がもてなくなってしまう可能性もあるわけで、本作の作りはよくない。


・「ネガポジアングラー」
まず言いたくなるのは、釣りという趣味の要素と登場人物たちの境遇の食い合わせがあまりにも悪いこと。
個人的には趣味に没頭しているときぐらいは深刻な問題を忘れたい。同じお皿に盛り付けないでほしい
貴明がヒロに対して不自然に親切な理由が終盤まで明かされないため、見ていてずっと違和感になり続ける。
逆に、こずえは無意味に不快。貴明の昔の源氏名を聞くなど、その後の展開に一切必要のない悪事が目立った。


・「村井の恋」
すごく評価が難しい…というのも、たぶん作画とかわかりやすい部分だけで見たら絶対に上のほうには来ない
だが本作を映像化するにあたって、これほどマッチしている手段もないであろうと感じるのだ。
見ていてあっという間に時間が過ぎる。見た目はエキセントリックなのに真摯に恋愛を描いている。
初回を見始めたころの自分に言っても絶対に信じないと思う。素晴らしいセンスで作られた映像作品だった。


・「らんま1/2」
旧アニメ版を一切見てない自分が見ても、本作のオリジナルキャストには大きな驚きと発見があった。
男性陣はカッコよく若々しく、女性陣はかわいく魅力的で。令和の作品とならんでも全然勝負になっているのだ。
令和の時代に新たなブームが来てもおかしくない。特に女らんまとシャンプーは強い。


・「カミエラビ GOD.app」2期
1期で用意したパーツをうまく組み合わせていたが、ホノカの扱いにはさすがに困ったのかもしれない…(笑)
神とは世界の作者であり、作品作りで苦しむ作者の孤独な姿を描き、救いを求めようとしていたのかも。
作者を肯定してあげることで生み出された作品も、作品のなかで生きる人物たちも肯定され、意味をもつ。
本作の製作陣自身が本作を通じて自己肯定してあげてるような感じさえあった。

世の中には報われない善意が多すぎる。創作も善意であり、このままでは善意が失われた世界になってしまう。
「あなたのおこないは正しい」と認めてくれる社会になってほしい、という願いが込められていた気がした。



最後に、2024年の新作10作品を挙げるとすればこんなラインナップになるかな?というものを載せておきます。


「ループ7回目の悪役令嬢は、元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する」
「ゆびさきと恋々」
「となりの妖怪さん」
「忘却バッテリー」
「魔女と野獣」
「花野井くんと恋の病」
「烏は主を選ばない」
「異世界失格」
「小市民シリーズ」
「2.5次元の誘惑」
「チ。-地球の運動について-」
「メカウデ」

ダメだ…12本ある。しかも続編を除いての数だからなぁ。ちなみに続編では以下の作品が挙がります。


「僕の心のヤバイやつ」2期
「時光代理人Ⅱ -LINK CLICK-」
「デート・ア・ライブⅤ」


「百妖譜」は本放送が2020年だったので今年の新作という条件には合わず。でも素晴らしい内容でした。
「負けヒロインが多すぎる!」は自分が挙げなくてもみんなが挙げるだろうから選外としました。
あと「先輩はおとこのこ」も悩んだんですけど、個人的にはちょっと重たかったなぁと…。

「狼と香辛料 MERCHANT MEETS THE WISE WOLF」は新作とは言いがたいですが、挙げたくはなりました。
近年難しいですよね…リメイクやリブートがたくさんあって。ストーリーは既に知ってるわけだし。

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