ゲームレビュー 「エルデンリング」
[プラットフォームと購入方法]
PS4のパッケージ版をいろいろあって3,580円で購入。のちに発売されたDLC同梱版のほうではない。
[クリアまでにかかった時間]
各地のダンジョンをすべてクリアしつつ進めて約178時間(『ミケラの聖樹』以降の高難易度エリアを除く)。
RTA界隈の最短記録は1時間を切る。遊び方によってかなりの違いが出ることがわかる。
[ゲーム難易度]
言わずと知れた高難易度の『死にゲー』であり、ゲーム中級者でも挫折する可能性はある。
だが、発売以降有志によって蓄積された攻略情報を頼りに進めば存外スムーズにプレイできるはず。
操作に自信がない人でも、事前に予習する力があればおそらくエンディングには到達できる…と思いたい。
オンラインで他のプレイヤーに協力を求めることもできるが、オンラインの有効化にはデメリットもある。
(一部の侵入系イベントの攻略方法や難易度が変化してしまうなど)
アップデートで使えなくなっている攻略法も多いので、現在でも使えるか事前に確認するクセをつけよう。
特にYouTubeに掲載されている攻略動画は投稿時期に注意すること。2年前の攻略法は使えない場合がある。
発売当時は『霜踏み』や『赤獅子の炎』が猛威を振るっていたが、現在はそこまで強くない。
[実績・トロフィー難易度]
全42種類。1周目クリア時点での解除率は78%(33/42個)だった。
大半は各ボスに設定された討伐実績。残りは3種類のエンディングや伝説級アイテムの収集実績など。
基本的にはボスを倒せば解除されるが、そのボスを倒せるかどうかが問題であり難易度と直結している。
コンプリートするにはラストダンジョンよりも難しいエリアの踏破が必須。
エンディングはセーブの仕様上、1周あたりひとつしか選べない。ただしバックアップで対策はできる。
(PS4版の場合、ラスボス討伐後の祝福でゲームを終了、USBメモリにセーブデータをコピーしておけばよい)
[良いところ]
・広大な"狭間の地"の風景。ただ観光しているだけでも満足感がある。安全な旅行とはいかないが。
・騎乗と二段ジャンプが最序盤に解禁され、かなり自由な移動が可能。地形を利用した戦い方も豊富。
・さまざまな攻略スタイルを受容する懐の広さ。武器にいわゆる『一強』状態のものがない。
・装備重量の概念はあるが、所持品の重量に制限はない。手に入れたすべてのアイテムを持ち歩ける。
・ステータスの割り振りや見た目をあとからでも変更可能(回数などの制限あり)。
・見る機会はほぼないが、すべての装備品に高解像度のテクスチャが貼られていてムービーでも破綻がない。
・隠密行動が意外としっかり設定されていて、草むらに隠れてやりすごすなどのステルスプレイも可能。
・遺灰の存在。ごく一部を除き、ボス戦で協力NPCを呼び出すことができる。しかも結構強い。
また、起動してからタイトル画面が表示されるまでが早いところも遊びやすさの点で挙げられる。
連日プレイするうえで、毎回必ず見せられる部分をあえて簡素にしているあたりに配慮を感じる。
初期型PS4でもSSDに換装していればロード時間のストレスはほぼ感じない。ファストトラベルはスムーズ。
[悪いところ]
・イベント進行に影響するような不具合がいまだに修正されず残り続けていること。
・武器や遺灰の最大強化素材の入手数が限られており、「ためしに使ってみる」といった遊び方が難しい。
・ハシゴを登る際のボタン受け付けが悪く、しゃがんだ状態からではハシゴを利用できない。
・強モブと呼ばれる一部の敵。特に騎士クラスの敵は推奨レベルを超えた状態で挑んでも苦戦する。
・プレイヤーの至近距離に瞬間移動してくる強敵(ボスではない)はさすがにやりすぎだと思う。
(終盤のとある城で登場、城外の崖の上から弓などで攻撃しても至近距離まで瞬間移動してくる)
・巨大すぎる一部のボス。前兆を見て対応するのが基本のゲームで、前兆が見えないのは致命的。
・ボス戦以上に怖い一発即死のアスレチック。ほんの少しの踏み外しで失うものが大きすぎる。
[どちらとも言えない]
・ボタン配置は一般的とは言いがたい。しかしすべての機能を使いこなすにはこの配置しかない。
・オープンワールドではあるが戦う以外の遊びがほぼない。多少の息抜きはあってもよかった気がする。
・音楽は良くできているはずなのに印象に残らない。音楽が鳴っているときはだいたい集中しているからか。
・進行中のクエスト一覧など、他のゲームでは可視化されている情報を確認できない。
(できれば『討伐済みボス数/すべてのボス数』を数字で確認したかった)
・敵を倒した際に次の敵を自動でロックオンしてくれず、右スティックの追加操作が必要。
・プレイヤーが関わった友好的なNPCはだいたい死ぬ。生存ルートをもつNPCは少ない。
・必要以上にストーリーを押し付けてこないので、周回プレイやRTAをジャマしない。
・プレイ時間を考えるとコストパフォーマンスは高いが、クリアまでモチベーションが続くかどうかが気掛かり。
[短評]
話題を独占するのも納得の出来ではあるが、欠点や不満がまったくないわけではない。
ゲームをプレイするのはゲームが上手い人だけではない。対して、製作側には味付けの自由が許されている。
だが不便さや不親切さまで難易度を構成する要素のひとつと捉えていいものか。賛否が分かれそうなところだ。
戦闘の難易度は現在のまま、それ以外の部分をもっと遊びやすく配慮することもできたのではないか。
これは「立ち食いそばにイスを用意すべき」と言ってるようなものだということも理解はしている。
[関連記事]
・近況:"褪せ人"になる
・「エルデンリング」の難易度は情報の有無で変化する
・「エルデンリング」王都ローデイル内 南エリアの構造
・「エルデンリング」1周目で使った武器と祈祷
[オススメ度]
万人にオススメできる難易度ではないが、ある程度ゲーム慣れしていて興味がある人にはぜひオススメしたい。
国産タイトルとしては珍しく重厚なハイファンタジーの世界を圧倒的なボリューム感で堪能できる。
まったくのゲーム初心者や、アクションゲームが得意ではない人にオススメするほど自分は意地悪くない。
あと、虫がニガテな人は一部のダンジョンでつらい目に遭うかもしれない。クリアに必須ではないのが幸い。
「興味はあるけどクリアできそうにないから迷っている」という人も少なからずいるだろう。
すべての敵が格闘ゲームで言うところの"壊れた"部分をもっており、プレイヤーも"壊れ"をぶつけていくことで
バランスが成り立っているところがある。「システム的に許されていることは反則ではない」と考えよう。
神を殺すには神に匹敵する"壊れ"を手に入れればいい。では、どうすれば"壊れ"を手に入れられるのか?
必要なのは知恵である。知ることが倒すことにつながる。わかりやすく言えば、先に攻略情報を確認しよう。
知ることで突破できるかもしれない。突破できればハマれるかもしれない。ハマれたら確実に長続きする。
ちょっと高いと感じる販売価格も長期的に見ればコスパが良く、いつ買っても損したとは感じないはず。

「エルデンリング」のプレイ中に撮影したスクリーンショットの枚数が400枚を超えていまして。
これだけあれば記事に困らないだろうと思ってたんですけど、戦闘中のスクリーンショットが一枚もないことに
気付きました…ってか、「エルデンリング」の戦闘中に撮るのってよほど意識していないと無理ですよね。
動画で撮影してあとから切り出すのが無難。それにしたって録画の準備は必要なわけで。
今回のレビュー、戦闘がメインのゲームなのに戦闘シーンの画像がない理由はそういうことなんです。
まあ「エルデンリング」の戦闘なんて他でいくらでも見られるし(笑)既に見たことある人も多いでしょうし。
"狭間の地"観光をおもな目的に挙げていた自分としては、レビューに採用する画像もそれに準じてていいかなと。
『タイトル画面に戻る行為』が攻略テクニックとされる異質さも「エルデンリング」の特色として挙げられます。
本作はいつでもセーブ中断が可能で、タイトル画面を経由して再開すると敵が初期位置に戻されています。
敵にしつこく追跡されてるようなときでも、これを利用すれば安全な状況に戻せてしまうわけです。
界隈で『プロロ』と呼ばれるこの行為。常態化しているあたりに褪せ人たちの攻略への貪欲さを感じます。
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