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2025年3月20日 (木)

ゲームレビュー 「SnowRunner」

Snowrunner01

[プラットフォームと購入方法]
PS4版の「1-Year Anniversary Edition」をセール期間中に3,100円で購入。

[クリアまでにかかった時間]
現時点ではクリアしていないため不明。ただ、恐ろしいまでの時間泥棒なのは間違いない。
チュートリアルで訪れる最初のエリア『ミシガン』だけでもひと通りクリアするのに50時間以上かかる見込み。
ゲーム本体には3つのエリアが収録されており、DLC抜きで150時間を超えてしまいそう。
発売以降毎年シーズンパスが配信されエリアが増え続けている。すべてクリアするには4ケタ時間必要になるか。


 ※後日、『ミシガン』オールクリアの時点でPlaystation Appで確認したところ、95時間となっていた。


Snowrunner02

[ゲーム難易度]
中級者以上に向けた内容。劣悪な道を乗り越えるための判断力、経験が求められる。
レースゲームのハンドルさばきが役に立つ場面はあるが、レースゲームとは方向性があまりにも異なる
どちらかといえばGTAシリーズの運転に近い。特に大型車輛のミッションが得意ならその経験を活かせるはず。
速く走ることよりも確実に前に進める技術を求められる。地面をよく観察し、足掛かりを見つけたい。
大型車輛特有の『切り返し』や左右に微調整しつつの後進など、地味なテクニックが活躍する場面が多い。

[実績・トロフィー難易度]
実績に関わるのはゲーム本体のみ。コンプリート系など時間がかかるもの、意識的に狙うものが多め。
おそらく『ミシガン』を踏破できるぐらいの技術があれば難しくはないと思われる。


Snowrunner03

[良いところ]
・一般的なレーシングゲームではまず見ることのない大型車輛やオフロード車が大活躍する。
・サイドブレーキやシフト操作、ヘッドライトの点灯など、簡略化しつつもその気にさせてくれる操作系統。
・ウインチを利用した自由度の高い牽引。ぬかるみからの脱出、救出、故障車の運搬などなど。
・燃料の消費と給油が戦略性を生む。燃料タンクを給水所のように配置したり、他の車輛から分け与えたり。
・車輛やパーツの買値と売値が同額。買って試して、ダメだと思ったら売ればOK。
・物理的にできそうなことはわりとできる。エンジンが停止しない程度の横転ならクレーンを伸ばして立てる。
・美しい景色。同じエリア内では変わり映えはしないが、川の流れなどもこまやかに表現されている。
・愛着の湧くカスタマイズ要素。攻略にあまり関係のないカラーリングやパーツが充実している。


Snowrunner04

[悪いところ]
・タイトル画面やメニュー画面で決定ボタンを押したとき音が鳴ったりせず、押せたかどうか確認できない。
・プレイヤー以外の人間の顔が見えない。文明崩壊後の世界と言われても信じられるレベル
・低速走行がメインなせいか、進行方向にカメラが自動で追随しない。酔う人もいるかも?
・装着可能なタイヤやステッカーを閲覧する際、ひとつ進むたびに(SSDでも)読み込みがかかる。
・フォトモードの調整項目にズームがない(逆に視野角を広げることはできる)。
・「SnowRunner」というタイトルでありながら、雪が積もっているエリアがひとつしかない
・ウインチは巻き取ることはできるが送り出すことはできず、たとえば命綱にして坂道を降りたりはできない。
・ウインチを接続したときはメニューが閉じないのに、接続をキャンセルしたときはメニューが閉じる。

すぐにウインチの巻き取り作業に移りたいのに、メニューを閉じる動作が毎回はさまってしまう。
逆にウインチの接続をやり直したいときはメニューが閉じてしまって、メニューを開くところからやり直しに。
なお、クレーンならワイヤーを送り出すことも可能。送り出せないのは車載のウインチのみ。


Snowrunner05

[どちらとも言えない]
・この国の行政は何をしているのか、ちょっと怒りたくなるくらい壊滅的なインフラ。
・チュートリアルとなる最初のエリアにオフロード向きな車両が置いていない。序盤から過酷
・速度表示(いわゆるタコメーター)がない。速度を知る意味もあまりないが、ない違和感はある。
・目の前の地面がどれくらいぬかるんでいるか視覚的にわかりづらく、落とし穴のような深みもあったりする。
・地図上は道があるように見えて、実際行ってみると道がない場合もある。それもまたおもしろい。
ボタンひとつで時間帯を進めることができるので、夜間の存在意義が雰囲気づくり程度しかない。
・ドライバー視点ではできることがかなり制限されてしまうため、オマケ程度に思っておいたほうがいい。
・幻聴かと思うほどささやかなサウンドトラック。『ながら見』や『ながら聴き』にはちょうどいい。


Snowrunner06

[攻略補足]
無料配信されている「Anniversary DLC」の2車種を売却すると20万を超える大金が最序盤から手に入る。
(DLC車輛も売値で買い戻すことができるので、必要になればまた買えばいい)
またはブラック・リバーで無料で手に入る車輛のうち、不要なものを売却してしまってもいい。

代わりにANK Mk38 Civilianを導入すればブラック・リバーの難易度は大幅に低下する。
ただしMk38 Civilianには荷台がなく燃費は著しく悪いので、Mk38 Civilianなりの運用方法が求められる。

最初はマップ内で作業が完結するタスクがオススメ。ブラック・リバーの監視塔を巡ってタスクを見つけよう。


Snowrunner07

[寸評]
当ブログでは通常、レビューはクリアするまでプレイしてから、全体を振り返りつつ書くようにしているのだが
このままプレイし続けると健康を害するおそれがあると感じ始めたため、途中で掲載することにした。
初回プレイ時、気付いたら5時間も経過していた。この時点で既に危険なゲームであるという確信があった。


「SnowRunner」はざっくり言えばおつかいゲームである。大型車輛でひたすら行ったり来たりの繰り返し。
その道程をいかに困難にするかで個性を発揮している。悪路を乗り越える苦労を楽しむゲームである。


Snowrunner08

本作は大分類としてはオープンワールドレーシングに属するが、一度に読み込まれる範囲は2km四方しかない。
舗装路であれば端から端まで移動するのに5分もかからないだろう。しかし本作には舗装路がほとんどない。
大型車輛が何度も行き来して耕した土の道を、さらに大雨がやわらかくしている。
そんな道とも呼べない泥濘の上を、鋼鉄の梁やコンクリートブロックを積んで災害復興のため走るのだ。

ただでさえ重い大型車輛に重い荷物を積載して、重くぬかるんだ地面を走るのである。
普通のゲームなら10分程度で終わる行程が1時間を超えることもある、とてつもなく時間泥棒なゲームである。


Snowrunner09

過去にレビューしたタイトルのなかでは「Death Stranding」に近いタイプのゲームではある。
だが両者には大きな違いがいくつかある。たとえば頻繁に往復する道が水没や崩落で通れなくなっているとして
任意で橋をかけて通りやすくするなどの対策が一切できない。荒れた道は最後まで荒れたままだ。
橋をかけられるのは復旧を依頼された壊れた橋がある場所のみ。定められた道を通るのみとなる。

また、依頼を達成してセリフ上では復旧が進んだように読めても、冠水した場所がなくなるわけではない。
石油採掘設備の再建などビジュアルが変化する要素も多少はあるのだが、基本的には見た目の変化がないのだ。
もしそこまで作り込まれていたら、本作を「Death Stranding」なみに高く評価できたかもしれない。

悪路を乗り越えた達成感はあるが走る爽快感は薄く、輸送することで変わる社会を見る楽しみはない。
それでも本作を高く評価せざるをえない。恐ろしいほどに延びていくプレイ時間がその証明になるだろう。


Snowrunner12
 (最初のエリアが思いのほか充実しており、まだ「SnowRunner」らしい雪の上を走れていない)

どうしてそれほどまでに時間を奪われるのか。夢中になるのか。あらためて考えてみるとなかなか難しい。

依頼内容を見て、どの道を行けば効率よく運べるか考え、それに合わせて車輛を準備する。
計画どおりに進めば当然気持ちいいし、途中でハプニングが起きたとしてもリカバーするのがまた楽しい。
うっかりミスで予定時間の2倍も3倍もかかることはあるが、立て直しも不思議とストレスにならないのである。
むしろ、やるべきことが増えたと肯定的に捉える自分がいて。やるべきことがあるうちは夢中で続けていられる。

そして、やるべきことがそうそう尽きる気配はない。DLCで現時点までに14ものエリアが追加されているからだ。
どこかで飽きが来ることもあるだろう。だが、ストーリー的な負担がないおかげで復帰しやすくはある。


Snowrunner11

余談だが、本作はおなじみのHavokで作られているため、たまにHavokらしい挙動を見せてしまうことがある。
車重のわりにロデオのようにぴょんぴょん飛び跳ねたり、倒木を踏んだら勢いよく跳ね返されて横転したりする。
牽引していた台車が空高くはじけ飛んだこともあった。ある意味ではHavokと戦うゲームである。


[オススメ度]
人を選ぶ内容。好みに合えば100時間でも200時間でも遊べるが、合わないとただの苦行になってしまう。
ハプニングが多いゲームなので実況配信に向いてるかもしれない。長くなるので生配信には向いていないかも。



少なからずカルチャーショックを受けるゲームでもあります。向こうではこれを『橋』と呼ぶのか…みたいな。
ゲームでは大袈裟に表現されているとはいえ、日本人感覚だと愕然とするシーンがわりとあります。


Snowrunner10

じつを言うと「SnowRunner」よりも先に始めたゲームがあったんです。レビューもそちらが先の予定でした。
正直こんなにハマってしまうとは思ってなくて、おもしろいと感じてるうちに書いてしまおうと思ったわけです。
こちらが終わるまで待ってたら記事が上がらなくてまずいし、今月はいろいろ切羽詰まってました。

月末には恒例のアニメの感想を投稿する予定。それとは別にアニメともゲームとも関係ない記事も書いてます。

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